エステル記(ギリシア語) B

勅書

14 [1] これがその勅書の写しである。「アルタクセルクセス大王は、インドからエチオピアに至る百二十七州の長官、およびその下にある地方長官に書を送る。

15 [2] 予は多くの民族を支配し、全世界の覇権を握ったが、予の願いは権力におごり高ぶることなく、常に穏当で寛大な政治を行い、わが国民の生活を常に平穏無事に保ち、国家を整えて国境まで往来できるようにし、万民の望む平和を回復することにあった。

16 [3] どうすればこれを達成することができるのか、と行政顧問官たちに尋ねたところ、我々の中で思慮分別に優れ、心変わりすることなく常に誠実であり、確かに忠実な者として知られ、国家の中で王に次ぐ地位につけられているハマンが、

17 [4] 予にこう指摘した。世界中の諸民族の中に、敵意を抱く一つの民族が交じっており、この民族は自分の法律に従ってあらゆる民族に反抗し、終始王たちの命令をおろそかにし、我々が申し分なく進めてきた共同の国家統制を遂行できなくしていると。

18 [5] 予は、唯一この民族が常に万民に逆らい、その法律に従って奇異な生活を送り、我々の政治になじまず、最大の悪事を働き、そのため国家が安定していないことを認めざるをえない。

19 [6] 従って、予は命ずる。我々の政治の責任者、我々の第二の父ハマンが書簡をもって指示する者を皆、女も子供も、この民族に敵する者のやいばにかけて徹底的に、情け容赦なく滅ぼさせるべきである。その日は、本年の第十二の月、アダルの月の十四日である。

20 [7] こうして、昔も今も悪意に満ちた者どもは、一日にして、いやおうなしに陰府に下らされ、今後我々の政治は完全に平穏で安定したものとなるであろう。」

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エステル記(ギリシア語) C

モルデカイの祈り

17a [1] モルデカイは、主の御業をすべて思い起こして、主に祈った。

17b [19] 「主よ、主よ、すべてを支配される王よ、/万物はあなたの主権の下にあり、/イスラエルの救いがあなたの御旨なら、/だれもあなたに立ち向かうことはできません。

17c [3] あなたは天と地、それに、/天の下すべての驚くべきものを造られました。[4] あなたは万民の主、/だれも主であるあなたに逆らうことはできません。

17d [5] あなたはすべてをご存じです。おごり高ぶるハマンの前に/わたしがひれ伏さなかったのは、/節度をわきまえなかったからでもなく、/おごり高ぶっていたからでもなく、/野心を抱いていたからでもないことを、/主よ、あなたはご存じです。[6] イスラエルの救いのためなら、/彼の足の裏にさえ甘んじて接吻しましょう。

17e [7] わたしがひれ伏さなかったのは、/神の栄光の上に人の栄光を置かないためでした。わたしは、主であるあなたのほか/何人にもひれ伏すことをしません。それは、おごり高ぶりからではありません。

17f [8] 主なる神よ、王よ、アブラハムの神よ、/今こそ、あなたの民を顧みてください。人々は我々を滅ぼそうと付けねらい、/初めからのあなたの遺産であった民を/消し去ろうと望んでいるからです。

17g [9] 御自分のためにエジプトの地から贖われた/あなたのものである民を軽んじないでください。

17h [10] わたしの祈りを聞き入れ、/あなたの取り分である民を憐れみ、/民の悲しみを喜びに変えてください。主よ、我々が生き永らえ、/御名を賛美できますように。あなたをたたえる者の口を/どうか滅ぼさないでください。」

17i [11] 全イスラエルは、自分たちの死を目前にして、力の限り叫び求めた。

エステルの祈り

17k [12] 王妃エステルは死の苦悩に襲われて、主に寄りすがった。[13] 彼女は華麗な衣服を脱いで、憂いと悲しみの衣をまとい、高価な香料に代えて灰とあくたで頭を覆い、その身をひどく卑しめ、日ごろ喜んで飾っていた部分もすべて乱れた髪で覆った。[14] そして、イスラエルの神である主に祈った。

17l 「主よ、わたしたちの王よ、/あなたは唯一なるお方、/あなたのほかに助け手を持たない/ただひとりでいるわたしを助けてください。[15] 危険が身近に迫っています。

17m [16] わたしは生まれた時から、/わが先祖の部族の中で聞かされてきました。主よ、あなたはイスラエルを万民の中から、/我らの先祖をすべての先祖の中から選んで/御自分の永久の遺産とし、/イスラエルに約束したことを実現されたと。

17n [17] 今あなたは、罪を犯したわたしたちを/敵の手に渡されました。 [18] わたしたちが敵の神々をたたえたからです。主よ、あなたは正しい方。

17o [19] 今、敵はわたしたちを奴隷として苦しめるだけでは/飽き足らず、/手を偶像の手に置いて誓い、[20] あなたの口から出た定めを廃し、/あなたの遺産である民を滅ぼそうとしています。あなたをたたえる者の口を閉ざし、/神殿と祭壇の栄光を消し、

17p [21] 諸国民の口を開いて、空虚な神々をたたえさせ、/肉にすぎない王を/永遠にあがめさせようとするのです。

17q [22] 主よ、あなたの王笏を無に等しいものに渡さず、/敵に我らの滅びをあざけらせないでください。むしろ敵の計略を敵自らにふりかからせ、/率先して我らに刃向かう者を/見せしめにしてください。

17r [23] 主よ、思い起こしてください。この悩みの時、あなた御自身をお示しください。神々を支配し、すべての主権を握る王よ、/わたしに勇気をお与えください。

17s [24] このわたしに獅子の前で雄弁な言葉を語らせ/その心を変えて我らに戦いを挑む者を憎ませ、/その仲間と共に葬り去ってください。

17t [25] 御手をもってわたしたちを救ってください。主よ、あなたのほかに頼るもののない/ただひとりでいるわたしを助けてください。あなたはすべてをご存じです。

17u [26] わたしが律法のない人々の栄光を憎んでおり、/割礼のない人々やすべての異邦人の寝床を/忌み嫌っていることを/あなたはご存じです。

17w [27] 人前に出るときに頭につける誇らかなしるしを/わたしが嫌っていることを/あなたは知っておられます。月のもので汚れた布のようにそれを嫌い、/休息の日にはそれを着けないのです。

17x [28] あなたのはしためは、ハマンの宴にあずからず/王の饗宴を祝ったこともなく、/献げ物の酒を飲んだこともありません。

17y [29] アブラハムの神なる主よ、/わたしの運命が変わった日から今に至るまで、/あなたのはしためには、あなたのほかに/喜びとするものはありません。

17z [30] すべての人に力を及ぼされる神よ、/希望を失った者の声に耳を傾け、/我らを悪人の手から救い/わたしを恐れから解き放ってください。」

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エステル記(ギリシア語) F

モルデカイ、夢を解く

3a [1] モルデカイは言った。「このようなことが起こったのは、神による以外にない。

3b [2] なぜなら、わたしはこれらの事柄について見た夢のことを思い出すからだ。それらの中で実現しなかったものは、一つもない。

3c [3] 小さな泉があって、それが川となり、光が現れ、太陽が昇ると、豊かな水となった。その川とは、王に迎えられて王妃となったエステルのことである。

3d [4] 二頭の竜とは、わたしとハマンのことである。

3e [5] 諸国民とはユダヤ人の名を消し去るために集まった者たちのことである。

3f [6] わたしの民とはイスラエルのことで、彼らは神に向かって叫び声をあげ、救われたのである。主はその民を救われ、このすべての災いからわたしたちを解き放たれた。神は、諸国民の間では起こったことのないしるしと大いなる不思議を行われた。

3g [7] そのために神は二つのくじを定められた。その一つは神の民のため、もう一つはすべての国の民のためである。

3h [8] この二つのくじは、すべての国の民に対して神の前で行われる裁きの時と時期と日を定めるためのものであった。

3i [9] 神は御自分の民を心に留め、その御自分の遺産である民を義とされた。

3k [10] それゆえ、アダルの月のこれらの日、すなわちこの月の十四日と十五日は、ユダヤ人が神の前で、神の民イスラエルの間で、代々限りなく、集会をして喜び祝う日なのである。」

3l [11] プトレマイオス王とクレオパトラの治世の第四年に、祭司でありレビ人であると称するドシテオス、およびその子プトレマイオスがこの書簡をもたらした。彼らの言うところによると、これがかのフルーライの書簡であり、エルサレムの市民プトレマイオスの子リシマコスによって訳されたものである。 4章6節、5章1、2節、9章5節なし。

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エステル記(ギリシア語) 10

モルデカイの栄誉

1 [1] 王は、陸地と海にまたがる王国に勅書をしたため、

2 [2] 自分の力と勇気、その王国の富と栄光を示した。それはペルシアとメディアの歴代の王の書に書き記されている。

3 [3] 他方、モルデカイはアルタクセルクセス王の後見となり、王国で大いなる人物となってユダヤ人の尊敬の的となった。彼は人々に慕われ、自分の行ったことをその民すべてに詳しく語り聞かせた。

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エステル記(ギリシア語) 9

ユダヤ人の復讐

1 [1] 第十二の月、すなわちアダルの月の十三日に、王によって発布された勅令が実施され、

2 [2] その日のうちにユダヤ人の宿敵が滅ぼされた。皆ユダヤ人を恐れていたため、それに逆らうものは一人もなかった。

3 [3] 地方総督の頭、諸侯、王の書記官たちはユダヤ人を丁重に扱った。モルデカイを恐れていたからであり、

4 [4] また、王の命令が出されて、彼の名が国中に知られるようになったからである。 †

6 [6] ユダヤ人は首都スサで五百人の敵を殺した。

7 [7] またファルサネスタイン、ダルフォン、ファスガ、

8 [8] ファルダタ、バレア、サルバカ、

9 [9] マルマシム、アルファイ、アリサイ、ザブタイと、

10 [10] ユダヤ人の敵ブガイ人ハメダタの子ハマンの十人の息子を殺し、その所有物を奪い取ったのも、

11 [11] その日であった。スサで滅ぼされた者の数が王のもとに報告されると、

12 [12] 王はエステルに言った。「ユダヤ人は首都スサで五百人の敵を滅ぼしたが、その周辺地域ではいったい、どれほどのことをしたであろうか。まだ何か願い事があるのか。あれば、かなえよう。」

13 [13] エステルは王に言った。「ユダヤ人が明日もまた同じことを行うお許しをいただき、ハマンの十人の息子を木につるさせていただきとうございます。」

14 [14] 王はこれを認め、首都にいるユダヤ人にハマンの息子の遺体を木につるすよう命令を下した。

15 [15] そこでスサのユダヤ人は、アダルの月の十四日にも集まり、三百人の敵を殺した。しかし、何も奪い取らなかった。

16 [16] 王国にいる他のユダヤ人も集まって自分たちの身を守ったので、戦いから解放されて休息することができた。彼らはアダルの月の十三日に一万五千人の敵を滅ぼした。しかし、何も奪い取らなかった。

17 [17] こうして同月の十四日には休み、この安息の日を喜び祝いつつ過ごした。

18 [18] 他方、首都スサにいるユダヤ人は十四日にも集まったが、その日には休まず、十五日を喜び祝いつつ過ごした。

19 [19] こういうわけで、首都以外の地方ではどこでも、離散のユダヤ人はアダルの月の十四日を祝いの日として喜び合い、それぞれ隣人に贈り物をし、他方、首都に住むユダヤ人は、アダルの月の十五日を喜ばしい祝いの日とし、隣人に贈り物をするのである。

プリムの祭りについて

20 [20] モルデカイはこれらのことを文書にして、アルタクセルクセスの王国にいるすべてのユダヤ人に、その遠近にかかわりなく送り、

21 [21] これらの日、つまりアダルの月の十四日と十五日を祝日とすることを定めた。

22 [22] この両日に敵から解放され、ユダヤ人が安息できたからである。また彼らの状況が悲しみから喜びへ、苦悩から祝いの日に好転したこのアダルの月を、その全期間にわたって祝日とし、祝宴を張って喜び合い、友人や貧しい人々に贈り物をすることを定めた。

23 [23] モルデカイの書き送ったことをユダヤ人は受け入れた。

24 [24] すなわち、どのようにマケドニア人ハメダタの子ハマンはユダヤ人に戦いを挑み、彼らを絶滅させる布告を出し、くじを引いたのか。

25 [25] また、ハマンがどのように、王の前に出てモルデカイを木につるすことを申し出たか。しかしユダヤ人の上にふりかからせようとした災いはすべて彼自身の上にふりかかることになり、彼もその息子たちも木につるされて処刑されてしまったのである。

26 [26] そのため、これらの日はくじにちなんで「フルーライ」と呼ばれた。くじは、彼らの言語で「フルーライ」と言われるからである。またこう呼ばれるのは、この書簡の言葉にちなんでおり、くじのためにユダヤ人はあらゆる苦しみを受け、あらゆる出来事を経験したためである。

27 [27] ユダヤ人は、モルデカイの定めたことを自分自身や、子孫およびユダヤ人に加わる者たちが守るべきこととして受け入れた。皆、将来も必ずこのことを守り続けるであろう。これらの日はいつの時代にも町という町、家という家、地方という地方で記念され、祝われるべきものである。

28 [28] このフルーライの日々はいつまでも守られ、この記念は代々決しておろそかにされてはならないものである。

29 [29] 王妃となったアミナダブの娘エステルとユダヤ人モルデカイは、自分たちの行ったすべてのことを記録し、フルーライに関する条項を確認した。

30 [30] またモルデカイと王妃エステルは自分たちの定めたことに責任を持ち、自分たちの健康も顧みず自ら決意したことを果たした。

31 [31] エステルは法令としてこれを永久に規定し、それを記念とするために書きとどめた。

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エステル記(ギリシア語) 8

13 [13] この勅書の写しを国中どこでも、人の目につく所に掲示せよ。またすべてのユダヤ人は、敵と戦うその日のために備えよ。」

14 [14] 直ちに、馬に乗った使者たちが王の命令を公布するために出立し、スサでもこの命令が公布された。

15 [15] モルデカイは、王服をまとい、黄金の冠をかぶり、真紅の亜麻布を頭に巻いて現れた。スサの住民はそれを見て喜んだ。

16 [16] ユダヤ人に光と喜びが生じた。

17 [17] この命令が公布され、布告が出された町という町、州という州では、ユダヤ人は喜び祝い、杯を交わして祝い合った。また諸国民のうちの多くの者が、ユダヤ人を恐れて割礼を受け、ユダヤ人になった。

エステル記(ギリシア語) E

勅書

12a [1] 勅書の写しは以下のとおりである。

12b 「アルタクセルクセス大王はインドからエチオピアに至る百二十七州の長官、および予の国家に忠実な人々に挨拶を送る。

12c [2] 多くの者は、恩人からこの上もない愛顧を受けて重んじられるにつれ、ますますうぬぼれ、[4] 予の配下の者に害を加えようとするのみならず、その地位に満足できなくなり、自分の恩人に対する陰謀まで企てるようになる。

12d [4] このやからは、人々から感謝の心を取り去るばかりか、道をわきまえない人々のお世辞に乗せられて、常に万物の上に目を注いでおられる神の、悪を憎む裁きを免れうるとさえ思い込む。

12e [5] また、権威ある職務に就けられた多くの者が、政務をゆだねられた友人たちの悪影響を受けて罪のない者の血の共犯者となり、致命的な災いに巻き込まれたり、

12f [6] 主権者たちの純粋な善意を、悪意に満ちた事実無根の偽りの言葉で欺いたりするということはしばしばあった。

12g [7] 我々に伝えられている古い歴史をひもとくまでもなく、こういったことは、身近に起こっていることを、たとえば権力を握る資格のない者の腐敗によって行われている犯罪を調べてみれば、明らかとなるであろう。

12h [8] 従って、予は将来のことに目を向け、国家を秩序あるものにして万民が平和に過ごせるようにする必要があると考える。

12i [9] そのためには方針を改め、視野に入ってくることを常に公正な態度で判断しなければならない。

12k [10] ところで、ハメダタの子ハマンはマケドニア人であり、実際はペルシア人の血を引かない異国人で、予の情けを受けるには全く値しない者であったが、優遇され、

12l [11] 万民に対する予の友情の恩恵に浴し、その結果、『我らの父』と呼ばれ、王位に次ぐ地位にある者として万民によってあがめられるほどであった。

12m [12] ところが、彼はその高慢な心を抑えきれず、予の覇権と命までも奪い取ろうとたくらみ、

12n [13] 予の救い手であり、常に変わらぬ功労者であるモルデカイと、非のうちどころのない王国の伴侶エステルを、彼らの民族もろとも狡猾な策略を用いて滅ぼし去ろうとしたのである。

12o [14] ハマンはこのように我々を孤立させ、ペルシアの主権をマケドニア人の手に移そうと考えていたのである。

12p [15] しかし、この三重にも悪らつな者によって全滅の憂き目に遭うところであったユダヤ人は悪人ではない、ということが予に明らかとなった。彼らは最も正義にかなった律法に従って生活し、

12q [16] 至高にして偉大な生ける神の子らであり、その神のお陰で、国家は我々のためにもまた我々の先祖のためにも最良の状態に保たれてきたのである。

12r [17] それゆえ、ハメダタの子ハマンが送付した文書は無効であると心得よ。[18] この犯行の張本人は、スサの城門でその家族もろともはりつけの刑に処せられたからである。それは万物の支配者である神が、彼の行いに応じて速やかに下された審判であった。

12s [19] そこで、この勅書の写しをあらゆる場所に公示し、ユダヤ人に彼ら自身の生活習慣に従うことを許し、[20] 彼らの受難の時と定められたかの日、すなわち第十二の月、アダルの月の十三日には、彼らに襲いかかろうとしていた敵を退けることができるよう、援護せよ。

12t [21] 全能の神が、選民の撲滅の日に代えて、喜び祝う日とされたからである。

12u [22] それゆえ、あなたたちもこの記念すべき日を祝祭日の一つとして、盛大に祝え。[23] こうして今も、また先々までも、この日が予と忠実なペルシア人たちにとっては救いの記念となり、我々に陰謀をたくらむ者にとっては滅びの警鐘となるようにせよ。

12x [24] これらの定めに従って行動しないすべての町や州は、槍と火の炎で情け容赦なく滅ぼされ、そこは、人間を踏み込ませないばかりか、獣も鳥も永久に寄せつけない所となるであろう。

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エステル記(ギリシア語) 8

1 [1] その日アルタクセルクセス王は、中傷者ハマンの遺産をすべて贈り物としてエステルに与えた。また、モルデカイがエステルと同族の者であることを彼女が明かしたので、モルデカイも王に召し出された。

2 [2] 王はハマンから取り返した指輪をモルデカイに与え、エステルはハマンの全所有物の管理をモルデカイにゆだねた。

ユダヤ人迫害、取り消される

3 [3] エステルは、再び王の前に出て言い、王の足もとにひれ伏し、ハマンのたくらんだ悪事、彼がユダヤ人に対してとった処置のすべてを無効にしてくださるようにと願った。

4 [4] 王が黄金の笏を差し伸べたので、エステルは身を起こし、王の前に立って、

5 [5] 言った。「もしもお心に適い、特別の御配慮をいただけますなら、国中のユダヤ人抹殺が記され、ハマンによって公布されたあの文書を取り消していただきとうございます。

6 [6] 自分の民にふりかかる災難を、どうして私が見ておられましょうか。私の親族が滅ぼされれば、私の救いなど、どうしてありえましょうか。」

7 [7] 王はエステルに言った。「わたしはハマンの遺産をすべてお前に与えて、お前のために配慮し、ハマンを木につるして処刑した。それは彼がユダヤ人の殺害に手を下そうとしたからである。まだ何か望みがあるのか。

8 [8] お前たちもまた思いどおりに王の名によって文書を記し、わたしの指輪でそれに印を押すがよい。すべて王の命令によって書き記され、わたしの指輪で印が押された文書は何人といえどもこれに逆らってはならないからである。」

9 [9] そこで同年一月、すなわちニサンの月の二十三日に、王の書記官が召集された。そして、インドからエチオピアに至る百二十七州の行政長官たち、また、地方総督の頭たちに、各州ごとにその民族の言語で出された命令が、ユダヤ人のために書き記された。

10 [10] その文書は王の名の下に書き記され、王の指輪で印が押され、使者によって伝えられた。

11 [11] こうして王は命令を出し、ユダヤ人がどの町でも自分たちの律法を順守することを許し、自分たちの身を守ること、また彼らに刃向かったり敵意を抱いたりする者を思うがままに扱うことを許した。

12 [12] そしてこの命令を、アルタクセルクセスの王国全土で第十二の月、すなわちアダルの月の十三日に、その日一日のうちに施行するように命じた。

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エステル記(ギリシア語) 7

ハマン、失脚する

1 王とハマンは、王妃と酒を酌み交わすためにやって来た。

2 この二日目も、王はぶどう酒を飲みながらエステルに言った。「エステル王妃よ、あなたの願いは何か、望みは何か、願いとあれば国の半分なりとも与えよう。」

3 王妃は答えた。「もしも王様のお心に適いますなら、私の願いにこたえて私の命を、また私の望みにこたえて私の民族を救っていただきとうございます。

4 と申しますのも、私と私の民は売り渡されて、滅ぼされ、略奪され、奴隷にされることになり、私たちは子供もろとも召し使いやはしためにされることになっているのでございます。私はそれを耳にしたのです。中傷する者がいることは、王宮にふさわしくありません。」

5 王は尋ねた。「いったい、だれがそのような大それたことをしようとしているのか。」

6 エステルは答えた。「その恐ろしい敵とは、この悪者ハマンでございます。」ハマンは王と王妃の前ですっかり取り乱した。

7 王は、酒宴の席から立ち上がって庭に出た。そこでハマンは、王妃に命乞いをした。窮地に陥ったと見たからである。

8 王が庭から戻って来ると、ハマンが王妃の座っている長いすに身を投げかけて嘆願しているところであった。王は言った。「わたしの宮殿で、王妃を辱めようとさえするのか。」ハマンはそれを聞いて顔を背けた。

9 宦官の一人、ブガタンは王に言った。「ちょうど、木の柱がございます。王のためになることを告げてくれたモルデカイをつるそうと、ハマンが準備したものでございます。それは五十アンマの高さの木で、ハマンの家に立てられております。」「ハマンをその木にはりつけにせよ」と王は命じた。

10 ハマンは、モルデカイのために自分が準備した木の柱につるされ、こうして王の怒りは治まった。

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エステル記(ギリシア語) 6

モルデカイ、王から栄誉を受ける

1 その夜、主が王から眠りを奪われたので、王はお抱えの教師に宮廷日誌を持って来させ、読み上げさせた。

2 すると、モルデカイについて次のような記録があった。二人の宦官が王宮の警備に当たっていながら、アルタクセルクセス王を殺そうと謀り、これをモルデカイが知らせたというのである。

3 そこで王は言った。「どのような栄誉ないし恩典をモルデカイに与えたのか。」王の侍従たちは答えた。「彼には何も与えられておりません。」

4 王がモルデカイの貢献について尋ねているとき、ちょうどハマンが庭に来ていた。王は尋ねた。「庭にだれかいるのか。」ハマンは、自ら準備した木にモルデカイをつるすことを王に進言するために来ていたのである。

5 王の侍従たちは言った。「ハマンさまが庭に来ておられます。」そこで王は、「ハマンを呼べ」と命じた。

6 王はハマンに尋ねた。「栄誉を与えたいと思う者がいるのだが、何をしてやったらよいだろうか。」ハマンは、王が栄誉を与えたいと思う者は自分以外にあるまいと心に思い、

7 王に言った。「王が栄誉をお与えになりたいのでしたら、

8 召し使いに王がお召しになる衣服を持って来させ、王がお乗りになる馬を引いて来させるとよいと存じます。

9 それらを貴族たちの中の王の友人の一人にお渡しになり、王のお気に入りのその方にその衣服を着けさせ、その馬に乗せて町の広場に導かせ、『王の御意に適った者には、このような栄誉を賜る』と、触れさせられてはいかがでございましょう。」

10 王はハマンに言った。「それがよい。そのとおりに、王宮に仕えるユダヤ人モルデカイにしなさい。お前が言ったことは何一つおろそかにしてはならない。」

11 ハマンは、王の衣服を受け取ってモルデカイに着せ、また受け取った馬に彼を乗せて町の広場に導き、「王の御意に適った者には、このような栄誉を賜る」と触れ回った。

12 モルデカイは王宮に戻ったが、ハマンはこうべを垂れ、嘆きながら家路についた。

13 彼は身の上に起こったことを妻のゾサラと友人たちに話した。すると、その友人たちも妻も彼に言った。「もしモルデカイがユダヤ民族の出であるのなら、あなたは彼の前で卑しめられるようになり、失脚するのみです。彼に仕返しをすることはできないでしょう。生ける神が彼と共におられるからです。」

14 彼らがこう言っているところへ、宦官たちがやって来て、エステルの準備した酒宴に出るようにとハマンをせきたてた。

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