マカバイ記 一 16

ヨハネ、ケンデバイオスを破る 1 ヨハネはゲゼルから上って来て、ケンデバイオスの所業を父シモンに報告した。 2 シモンは年長の息子の二人、ユダとヨハネを呼び寄せて言った。「わたしと兄弟たち、それに父の一族は、若いときから今日に至るまでイスラエルの敵と戦ってきた。そして幸いにもイスラエルをこの手で幾度も救ってきた。 3 だが、今やわたしは年老いてしまった。しかしお前たちは神の慈しみを受け、成長して一人前になった。お前たちは、わたしとわたしの兄弟に代わって、わが国民のために出て行って戦うのだ。天の助けがお前たちにあるように。」 4 シモンは二万の兵と騎兵を国内から選抜した。そこで二人は、ケンデバイオスを討とうと出陣し、モデインで夜を明かした。 5 明け方、彼らは立って平原に向かった。すると渓流を挟んだ向こう側に、彼らを迎え撃とうとしている歩兵と騎兵の大軍が見えた。 6 ヨハネと兵とは彼らの正面に陣を敷いた。兵たちが渓流を渡るのをためらっていたので、ヨハネが率先して渡ると、兵もこれを見て後に従った。 7 ヨハネは民を分け、歩兵の間に騎兵を挟んだ。敵の騎兵の数は、非常に多かった。 8 ラッパが吹き鳴らされた。ケンデバイオスとその軍は敗走し、多くの負傷者が出た。残りの者たちは砦に逃げ込んだ。 9 このときヨハネの兄弟ユダも傷を負ったが、ヨハネは彼らをケンデバイオスの築いたケドロンまで追撃した。 10 敵はアゾトの野原にある塔の中に逃げ込んだが、ヨハネはそこに火を放ち、二千に上る敵が倒れた。こうしてヨハネは無事ユダヤに引き返した。 シモンの最期 11 時に、アブボスの子プトレマイオスなる者が、エリコの平野の長官として任じられていた。彼は多くの金銀を持っていた。 12 大祭司の娘婿だったからである。 13 彼は思い上がって、この地方を支配しようとたくらみ、シモンおよびその息子たちを抹殺しようと策略を巡らしていた。 14 他方シモンは、国内の町々を視察し、切迫している諸問題の解決に意を用いていた。第百七十七年の第十一の月、すなわちサバトの月に、彼は息子のマタティアとユダを伴ってエリコに下った。 15 アブボスの子は、彼の築いたドクと呼ばれる砦に、策略を持って彼らを迎え入れ、彼らのために大宴会を催した。彼はあらかじめそこに兵を忍ばせておいたのである。 16 シモンと息子たちが酔ったころ、プトレマイオスと配下の者は、立って武器を手にし、宴席にいたシモンに襲いかかり、彼と二人の息子、それに何人かの供の者を殺害した。 17 こうして、プトレマイオスは恐るべき裏切り行為を働き、善に報いるに悪をもってしたのであった。 ヨハネ、プトレマイオスの陰謀を逃れる 18 プトレマイオスは、事の顛末を書にしたためて王に送り、援軍を要請し、ユダヤの国とその町々の支配を任せてくれるようにと願い出た。 19 またヨハネを殺すために、他の者をゲゼルに遣わし、千人隊長たちには、金銀その他の贈り物を条件に、自分にくみするようにとの書状を送った。 20 またエルサレムと神殿の丘を占領させるために、別の者たちを遣わした。 21 ところが、ある者がゲゼルにいたヨハネのもとにいち早く駆けつけ、ヨハネの父と兄弟たちが殺害されたことを知らせ、「あなたをも殺そうと、プトレマイオスが人を送り込みました」と、伝えた。 22 ヨハネはこれを聞いて非常に驚き、自分を殺害しようとして侵入した者たちを捕らえ、これを殺した。彼らが自分を殺そうとしていたことを事前に知ったからである。 23 ヨハネの行った他の事績、彼の戦い、彼の発揮した数々の武勇、城壁の建設、彼の業績、 24 これらのことは、ヨハネが父を継いで以来の、彼の大祭司在職中の年代記に記されている。

マカバイ記 一 15

アンティオコスの呼びかけ 1 デメトリオス王の子アンティオコスは、祭司でありユダヤ民族の統治者であるシモンとその民すべてにあてて、海の島から書簡を送った。 2 その内容は以下のとおりであった。「アンティオコス王より、大いなる祭司、民族の統治者シモン、ならびにユダヤの民に挨拶を送る。 3 予の先祖の王国内に、害悪を及ぼす者どもがはびこっているので、王国を取り戻し、回復したいと願う。そこで予は、大軍を雇い入れ、軍船を備えた。 4 予の国を荒廃させ、王国内の諸都市を破壊した者どもを追撃するため、上陸するつもりである。 5 予はあなたに対し、先代の王たちが認めていた税の免除と、その他すべての貢を免除することを、改めてここに確認する。 6 予は、あなたに国内で独自の貨幣を鋳造する権利を与え、 7 エルサレムと聖所の自由を認め、あなたが備えた軍備一切、およびあなたが築いて現在所有している砦をあなたのものとする。 8 王に対するすべての債務は、過去の分を含めて、今後一切免除する。 9 我々が王国を平定した暁には、予はあなたとその民、および神殿の栄誉を大いにたたえ、その栄誉は全地にあまねく知れ渡るであろう。」 アンティオコス、トリフォンを攻める 10 第百七十四年、アンティオコスは彼の先祖の地に入った。全軍が彼のもとにはせ参じたので、トリフォンのもとにはわずかな兵しか残らなかった。 11 アンティオコスはトリフォンを追撃し、トリフォンは海に面するドルの地に逃げ込んだ。 12 不運が重なり、自分の軍隊からさえ見捨てられたことを認めざるをえなかったからである。 13 アンティオコスはドルに向かって陣を敷いた。彼は十二万の精鋭部隊と八千の騎兵を擁していた。 14 アンティオコスは町を包囲し、海からは艦隊がこれに加わった。アンティオコスは、陸と海から町を脅かし、何人の出入りも許さなかった。 ローマ、ユダヤを支持する 15 ヌメニオスとその一行は、諸国民とその王たちにあてた書状を持参して、ローマから帰って来た。それには以下のようなことが記されていた。 16 「ローマの執政官ルキウスよりプトレマイオス王へ挨拶を送る。 17 我々の友人であり、同盟者であるユダヤ人の使節が我々のもとを訪れた。彼らは当初からの友好同盟関係を更新するために、大祭司シモンとユダヤの民から遣わされた者たちである。 18 彼らは千ムナの金の盾を携えて来た。 19 我々は、諸国民とその王たちに、進んで書状を送ることにした。それは、彼らがユダヤ人たちに危害を加えぬよう、ユダヤ人とその町や国土を戦争に巻き込まぬよう、またユダヤ人の敵対者と同盟を結ぶことのないようにするためである。 20 我々は、彼らから盾を受領することにした。 21 従って、彼らの国からあなたがたのもとに、害悪を及ぼす者が逃げ込んで来たならば、その者たちを大祭司シモンに引き渡し、彼がユダヤ人の律法に従って罰することができるようにしていただきたい。 22 ルキウスは、同文の書簡をデメトリオス王はじめ、アタロス、アリアラテス、アルサケスの諸王に、 23 また、サンプサケス、スパルタ、デロスにも、またミンドス、シキオン、カリ、サモス、パンフィリア、リキア、ハリカルナソス、ロドス、ファセリス、コス、シデ、アルワドとゴルティナ、クニドス、キプロス、キレネの全領域にあてて送った。 24 彼はまた、この写しを大祭司シモンにも書き送った。」 アンティオコス、シモンを裏切る 25 さて、アンティオコス王は、ドルに向けて再び陣を敷き、町に対して間断なく攻撃を仕掛け、攻城機を使い、トリフォンを閉じ込めて出入りを封じた。 26 […]

マカバイ記 一 14

デメトリオス、捕らえられる 1 第百七十二年、デメトリオス王は兵を集め、メディアに向かった。トリフォンと戦うための援軍を請うためである。 2 ところが、ペルシアとメディア両国の王アルサケスは、デメトリオスが自分の領地に入って来たことを知り、彼を生け捕りにしようと指揮官の一人を送った。 3 その指揮官は出撃してデメトリオス軍を打ち破り、デメトリオスを捕らえてアルサケスのもとに連行した。アルサケスは、デメトリオスを監禁した。 シモンをたたえる歌 4 シモンの在世中、全地は平和を楽しんだ。シモンは民のために善きことを求め、その権威と栄光は、日々、民に喜びをもたらした。 5 その輝かしい栄光を背に、ヤッファを占領して港を手にし、海の島々への道を開いた。 6 また国土を広げ、それを治めた。 7 シモンは多くの捕虜を集め、ゲゼルやベトツルや要塞を支配し、そこから汚れたものを取り除いた。彼に刃向かう者はだれもいなかった。 8 人々は安んじて地を耕し、地は収穫をもたらし、野の草木は実を結んだ。 9 長老たちは大路に座し、互いに太平をめで、若者たちは栄えある軍服を身にまとった。 10 シモンは町々を食糧で満たし、武器で強固にした。その名声は地の果てにまで響き渡った。 11 シモンは地に平和をもたらし、イスラエルは無上の歓喜に酔いしれた。 12 人々は、おのおののぶどうの木、いちじくの木の下に憩う。彼らを脅かす者はいない。 13 彼らに戦いを挑む者は一掃されて地上から消え、シモンが世にあるかぎり、王たちは砕かれた。 14 シモンは民の低き者を残らず励まし、律法を順守した。シモンは、律法に従わず悪を行う者を根絶した。 15 彼は聖所に栄光をもたらし、祭具類の数を増やした。 スパルタからの書簡 16 ヨナタンの死の知らせはローマに聞こえ、やがてスパルタにも達し、その地の人々を大いに嘆かせた。 17 スパルタの人々は同時に、兄弟シモンがヨナタンに代わって大祭司となり、国とその町々を支配していることも伝え聞き、 18 さきに兄弟ユダやヨナタンと結んでいた友好同盟関係を更新しようと、シモンにあてて銅板に刻んで書簡を送った。 19 この書簡の全文はエルサレムで集会の際に披露された。 20 以下はスパルタ人から送られたその書簡の写しである。「スパルタの指導者と市民から、大いなる祭司シモン、長老たち、祭司たち、および兄弟であるユダヤのすべての国民に挨拶を送る。 21 わが国民のもとに派遣された使節たちは、あなたがたの栄光と名誉とを我々に伝えた。我々は使節の来訪を歓迎し、 22 彼らの伝えたことを市民評議会の公式記録にとどめた。すなわち、『アンティオコスの子ヌメニオスと、ヤソンの子アンティパトロスの両人は、我々と友好関係を更新するために来訪した。 23 我々は彼らを丁重に迎え、彼らの言葉を公文書に記録することを決定した。スパルタ市民は、永くこれを記憶にとどめるものである。この写しを大祭司シモンにも書き送る。』」 24 その後シモンは、一千ムナの重さのある金の大盾をヌメニオスに持たせ、同盟を確認するためにローマに派遣した。 シモンをたたえる碑 25 これらのことを聞いて、国民は言った。「シモンと彼の息子たちに、どのようにして感謝の念を表せばよいのか。 26 […]

マカバイ記 一 13

シモン、ヨナタンの後を継ぐ 1 シモンは、トリフォンが大軍を集めており、ユダの地に侵入して、国土を壊滅させようとしていることを知り、 2 また民が震え上がっておじけづいているのを見て、エルサレムに上り、民を集めて、 3 次のように激励した。「諸君は、わたしとわたしの兄弟たち、またわたしの父の一族が、律法と聖所のために何をしてきたか承知のことと思う。我々は、幾多の戦いと苦難に遭遇してきた。 4 これらのことでわたしの兄弟はイスラエルのために一人残らず殺され、わたしだけが一人残された。 5 こうなった今、どんな艱難に出会おうともわたしは命を惜しまない。わたしは兄弟たちよりも優れた者ではない。 6 すべての異邦人が敵意をもって我々を壊滅に追い込もうと集まっている。この際わたしは、わが民族、わが聖所、諸君の妻子のために復讐を誓う。」 7 この言葉を聞くと民の心は燃え上がり、 8 彼らは大声で応じた。「あなたこそ、あなたの兄弟ユダとヨナタンに代わる我々の指導者です。 9 我々と共に戦ってください。どんな命令にも従います。」 10 そこでシモンは全兵士を召集し、エルサレムの城壁の完成を急がせ、都の周囲を強化した。 11 そして十分な数の兵をつけて、アブサロムの息子ヨナタンをヤッファに派遣した。このヨナタンはその町の住民を追放し、そこに駐屯した。 12 そのころ、トリフォンは大軍を率いてプトレマイスを出立し、ユダの地に侵入した。このとき兄弟ヨナタンは、捕虜となってトリフォンの手中にあった。 13 一方、シモンは平野に面したハディドに陣を敷いた。 14 トリフォンは、シモンが兄弟ヨナタンに代わって立ち、自分に対して戦いを決意していることを知り、使者を遣わしてこう言わせた。 15 「あなたの兄弟ヨナタンは、国庫に納めるべき金銭のことで、職務上の過失を犯したため、我々は彼を捕らえている。 16 今すぐ銀百タラントンを支払え。また、彼を釈放した際、彼が我々に背かないように人質として彼の息子二人を送れ。そうすれば我々は彼を釈放する。」 17 シモンは、彼らの言葉に策略が秘められていることを見抜いたけれども、銀と子供たちを用意するために人を遣わした。それは民の間に彼に対する激しい憎悪が生じて、 18 「トリフォンに銀と子供たちを送らなかったのでヨナタンは殺されたのだ」と言われないためである。 19 こうしてシモンは子供たちと銀百タラントンを送ったが、トリフォンは前言を翻してヨナタンを釈放しなかった。 20 その後、トリフォンはこの地に侵入し、攻略をもくろんだ。トリフォンはアドラを目指したが、進み行く先々でシモンの率いる軍隊に行く手を阻まれ、迂回せざるをえなかった。 21 要塞内の者たちは、トリフォンに使者を送り、早く荒れ野を通って来てくれるように、また糧食を送ってくれるようにせきたてた。 22 トリフォンは、騎兵全員を整え出動に備えたが、その夜、大雪に見舞われて進むことができず、ギレアドに転進した。 23 バスカマ近くに来たとき、トリフォンはヨナタンを殺害し、そこに埋めた。 24 それからトリフォンは、自分の国に引き揚げていった。 シモン、一族の記念碑を建てる 25 シモンは人を遣わして、兄弟ヨナタンの遺骨を取って来させ、それを先祖の町モデインに葬った。 26 全イスラエルはヨナタンのために激しく胸を打ち、何日にもわたって嘆き悲しんだ。 27 […]

マカバイ記 一 12

ローマおよびスパルタとの友好関係の更新 1 ヨナタンはこの好機に、使者を選んでローマに派遣し、ローマとの友好関係を確認し、それを更新した。 2 彼は、スパルタや他の地にも同じ趣旨の書簡を送った。 3 使者はローマに行き、元老院に赴いて、「大祭司ヨナタンとユダヤ民族がわたしたちをここに派遣したのは、これまでの相互の同盟関係を更新するためであります」と言った。 4 そこで元老院は、彼らに書簡を渡した。それは各地の役人にあてたもので、使者がユダの地に無事に帰れるよう配慮せよとの趣旨であった。 5 以下はヨナタンがスパルタ人あてに書いた書簡の写しである。 6 「大祭司ヨナタンと民の長老会議と祭司たち、およびユダヤ人のすべての民から、兄弟であるスパルタの方々に挨拶を送る。 7 かつてあなたがたの王アリオスから大祭司オニアにあてて、あなたがたは我々の兄弟であるという趣旨の書簡が送られてきた。その写しをここに添える。 8 オニアは使者を丁重に迎え、同盟と友好を明示した書簡を受理した。 9 我々は、聖なる書物を持つことによって励まされているので、これらのことは必要ではないのだが、 10 あなたがたとの兄弟としての友好関係を更新するため、あえて書簡を送ることにした。それは、あなたがたと疎遠にならないようにするためであり、あなたがたからの書簡も、久しく絶えているからである。 11 我々は、この間いつも、祝祭日や定められたその他の記念日に、あなたがたを覚えていけにえを献げ、祈りの中でも覚えてきた。兄弟のことを思い起こすのは当然のことだからである。 12 我々は、あなたがたの栄誉をわが喜びとしている。 13 我々について言えば、多くの艱難と多くの戦火が我々を取り囲み、周辺の王たちは我々に戦いを挑んできた。 14 我々は、あなたがたや他の同盟者や友人たちを、これらの戦争で煩わすことは望まなかった。 15 我々には我々を助ける天からの助けがあるからであり、事実我々は敵の手から救い出され、敵はねじ伏せられたのである。 16 そこで我々は、アンティオコスの子ヌメニオスとヤソンの子アンティパトロスを選び、ローマ人のもとへ派遣し、それまでの友好同盟関係を更新した。 17 我々はこの使者たちに、あなたがたのところへ行って挨拶をし、我々との友好関係とその更新についての書簡をあなたがたに渡すように命じた。 18 これらの件についてぜひとも返書をいただきたい。」 19 以下はオニアに送られたスパルタ人の書簡の写しである。 20 「スパルタ人の王アリオスから大いなる祭司オニアに挨拶を送る。 21 スパルタ人とユダヤ人に関する文書を通じ、両者が兄弟であり、アブラハムの血筋であることが確認された。 22 我々はこのことを知ったので、あなたがたの繁栄ぶりをぜひとも知らせていただきたい。 23 我々としては以下のようにあなたがたにお伝えしたい。あなたがたの家畜や財産は我々のもの、我々のものはあなたがたのものであると。従って、我々は使者に、これらのことをあなたがたに伝えるように、命じておいた。」 ヨナタンとシモン兄弟の戦いぶり 24 ヨナタンは、デメトリオスの指揮官たちが以前にもまして多数の軍隊を率い、戦いを挑もうと戻って来ているのを耳にした。 25 そこで彼はエルサレムから出て、ハマト地方で彼らを迎え撃ち、国内に侵入する機会を敵に与えなかった。 26 ヨナタンは敵の陣営内に偵察兵を送り込んでおいたが、彼らは帰って来て、敵が夜襲の準備をしていると報告した。 27 […]

マカバイ記 一 11

エジプト王の野心と死 1 エジプト王は、海辺の砂のような大軍と多くの艦隊を召集し、アレキサンドロスの王国を策略をもって奪い取り、それを自分の王国に加えようとした。 2 エジプト王は、友好的な姿勢でシリアに入っていったので、町々の人々は、門を開いて彼を迎えた。彼がアレキサンドロス王の義父であったので、出迎えるようにとの命令が王から出されていたからである。 3 プトレマイオス王は町々に歩を進めるごとに守備隊をそこに駐屯させた。 4 彼がアゾトに近づいたとき、人々は、焼き打ちにあったダゴン神殿、破壊されたアゾトとその周辺都市、放置されたままの数々の死体、戦いのさなかにヨナタンによって焼き殺された人々を彼に見せた。王の行く道に死体を山と積んでいたのである。 5 人々はヨナタンを非難し、彼の所業を詳しく王に説明したが、王は黙っていた。 6 ヨナタンも威儀を正し、ヤッファで王を出迎えた。二人は互いに挨拶を交わし、そこで一晩過ごした。 7 ヨナタンは王と共に、エレウテロスと呼ばれる川まで行き、それからエルサレムへ戻った。 8 プトレマイオス王は、海辺のセレウキアに至るまでの沿岸諸都市を支配し、アレキサンドロスに対し悪しき企てを抱いていた。 9 彼はデメトリオス王に使者を送って言った。「互いに協定を結ぼうではないか。現在アレキサンドロスのものになっているわたしの娘をあなたに与えよう。あなたを父君の国の王としよう。 10 あの男はわたしを殺そうとねらっているので、娘を彼にやってしまったことを後悔しているのだ。」 11 プトレマイオス王がアレキサンドロス王を非難したのは、アレキサンドロスの王国に野心を抱いていたからである。 12 そこで彼は、自分の娘を取り返し、デメトリオスに与えた。こうして彼はアレキサンドロスとたもとを分かち、二人の間の敵意はあらわになった。 13 プトレマイオスは、アンティオキアに進出し、アジアの王の冠を得た。こうして彼はエジプトとアジアの二つの王冠を頭にいただいたのである。 14 そのころ、アレキサンドロス王はキリキアにいた。その地方の住民たちが反乱を起こしたからである。 15 しかしアレキサンドロスはこの一件を耳にすると、プトレマイオスと戦うため出陣した。プトレマイオス王は強力な部隊をもってこれを迎え撃ち、敗走させた。 16 アレキサンドロスは身の安全を求めて、アラビアに逃げ込んだ。こうしてプトレマイオス王は覇権を確立した。 17 アラビア人ザブディエルは、アレキサンドロスの首を切り、プトレマイオスのもとに送った。 18 しかし、その三日後にプトレマイオス王も死に、各砦に配置されていた王の守備兵たちは、砦にいた住民たちによって殺されてしまった。 19 デメトリオスは第百六十七年に、王位についた。 ヨナタンの巧妙な駆け引き 20 そのころヨナタンは、エルサレムの要塞を攻撃するため、ユダヤの者たちを召集し、多くの攻城機を組み立てた。 21 ところが、同胞を憎み、律法に背く一部の者たちがデメトリオス王のもとに出向き、ヨナタンが要塞を包囲したと伝えた。 22 王はこれを聞いて怒り、直ちに軍を動かしてプトレマイスに移ると、ヨナタンに書簡を送り、彼が包囲を解き、急いでプトレマイスに来て、自分とじかに話し合うようにと伝えた。 23 ヨナタンはこれを無視し、包囲を続けるように命じた。しかし彼自身は、イスラエルの長老たちと祭司たちの中から同行者を選び、危険に身を投じた。 24 ヨナタンは金、銀、衣服、その他多くの贈り物を携え、プトレマイスにいる王のもとに赴き、王の歓迎を受けた。 25 同胞の中で律法に従わない一部の者たちは、彼のことをざん訴した。 26 しかし王は、彼以前の王たちに倣ってヨナタンを遇し、王の友人全員の前で、ヨナタンを称賛した。 27 […]

マカバイ記 一 10

デメトリオスとヨナタンの同盟 1 第百六十年、アンティオコスの子、アレキサンドロス・エピファネスはプトレマイスに上陸し、そこを占領した。人々が彼を受け入れたので、彼はその地で王となった。 2 デメトリオス王はこれを聞き、おびただしい軍勢を動員し、彼と戦うために出撃した。 3 またデメトリオスはヨナタンに友好的な内容の書簡を送り、ヨナタンの立場を強力なものにしようとした。 4 彼自身こう考えていたからである。「ヨナタンが、我々に反抗してアレキサンドロスと手を組んでしまう前に、いち早く手を打って彼らと和解しておくべきだ。 5 ヨナタンは、我々が彼とその兄弟たち、更に彼の民に加えた危害の一切を覚えているにちがいないのだから。」 6 デメトリオスはヨナタンに、軍を動員し、武器を準備する権限を与え、彼を同盟者にした。また要塞の中の人質たちをヨナタンに返還するよう命じた。 7 そこでヨナタンはエルサレムに入り、すべての民と要塞守備兵たちに、デメトリオスの書簡を読んで聞かせた。 8 守備兵たちは、デメトリオス王がヨナタンに軍を動員する権限を与えたのを聞いて、非常に恐れた。 9 要塞守備兵たちがヨナタンに人質を渡したので、ヨナタンは彼らをその親たちに返してやった。 10 ヨナタンはエルサレムに住み、市の再建を開始した。 11 ヨナタンは作業に当たっている者たちに、城壁を造り、また四角形の石を使ってシオンの山を囲み、これを砦とするように命じた。彼らはそのようにした。 12 バキデスが建設した幾つかの砦にいた異国人は逃亡し、 13 それぞれの持ち場を捨てて、自分の国へ帰ってしまった。 14 ただベトツルには、律法や掟を捨てた者たちの一部が残っていた。そこが彼らの逃れの町になっていたからである。 アレキサンドロス王、ヨナタンに近づく 15 アレキサンドロス王も、デメトリオスがヨナタンにあてて書き送った約束を耳にし、またヨナタンとその兄弟たちが遂行した戦争と、武勇、それに彼らが体験した労苦についての話を聞いた。 16 そこで彼は言った。「我々のところには、こういう男は一人もいないのか。それなら、彼を我々の友人とし、同盟者としようではないか。」 17 そこで彼は書簡をしたため、次のような言葉をヨナタンに伝えさせた。 18 「王アレキサンドロスから、兄弟ヨナタンに挨拶を送る。 19 予はあなたが誉れ高い勇士であり、予の友人となるのにふさわしい人物であると聞き及んでいる。 20 そこで今日、あなたをあなたの民の大祭司に任じ、『王の友人』という名称を与えることにした。――彼はヨナタンに紫の衣と金の王冠を送った――予と利害を共にし、予に対する友好を維持してもらいたい。」 21 ヨナタンは第百六十年の第七の月、仮庵祭に聖なる衣をまとい、軍を召集し、多くの武器を準備した。 ユダヤ人にあてたデメトリオスの書簡 22 デメトリオスはこのことを耳にし、心を悩ませて言った。 23 「何としたことか。アレキサンドロスが我々を出し抜いて、ユダヤ人と友好関係を結び、その立場を強化するとは。 24 わたしも彼らに、誘いの言葉を書き送り、高い地位と贈り物を約束し、彼らがわたしに味方して、助けてくれるようにしよう。」 25 そこで彼は次のような文面の書簡を送った。「王デメトリオスからユダヤ国民に挨拶を送る。 26 あなたが予との協定を守り、また友好関係にとどまり、敵側にくみしないできたことを聞き、予はうれしく思う。 […]

マカバイ記 一 9

バキデス、アルキモスとの戦い、ユダの死 1 さてデメトリオスは、ニカノルが戦死し、その軍勢が敗れたことを聞き、再度バキデスとアルキモスをユダヤに派遣した。彼らは右翼精鋭部隊を率いて行った。 2 彼らはガルガラへの道を進み、アルベラ地方にあるマイサロトに向けて陣を敷き、先手を打ってそこを攻め取り、多くの人を殺した。 3 彼らは第百五十二年の第一の月に、エルサレムに向けて陣を敷いたが、 4 更にそこから出て、二万の軍勢と二千の騎兵と共にベレトに入った。 5 ユダも、エラサに精鋭三千の兵と共に、陣を敷いていた。 6 しかしユダの軍は、敵が大軍であることを知り、すっかりおびえ、多くの者が陣を離れ、残った者はわずか八百人であった。 7 ユダは味方の兵が散ってしまい、戦局が極めて不利になったことを知った。しかし兵をかき集めるいとまもなく、ひどく狼狽した。 8 だが彼は、崩れ落ちそうになりつつも、残っている兵士たちに声をかけ、「さあ立ち上がって、敵に向かおう。勝利の余地はまだ残っている」と言った。 9 しかし兵士たちはユダを思いとどまらせようとして言った。「そんなことが我々にできるはずはありません。むしろ今は、我々自身の命を救うことです。ひとまず帰って、兄弟たちと一緒に敵と戦うべきです。我々は少なすぎます。」 10 ユダは答えた。「断じて、敵に後ろを見せてはならない。死ぬべき時が来たなら、同胞のために潔く死のうではないか。我々の栄光に汚点を残すようなことはしたくない。」 11 シリア軍は出陣し、ユダヤ軍と対決した。シリア軍の騎兵隊は二手に別れた。また投石隊や弓矢部隊が軍勢の先頭に立ったが、最前線の者は皆勇猛な者ばかりであった。 12 バキデスは右翼精鋭部隊の中におり、密集部隊が両翼から接近して、ラッパを吹き鳴らした。するとユダの軍もまた、ラッパを吹き鳴らした。 13 大地は両陣営のどよめきに震え、朝から夕方まで激しい戦いが続いた。 14 ユダは、バキデスとその部隊の中心が右翼にあることを知り、戦闘意欲の旺盛な者たちを皆率いて、 15 右翼陣営を撃破し、彼らを追撃してアゾトの丘陵地帯に至った。 16 左翼陣営は、右翼陣の壊滅を知って、向きを変え、ユダ軍の背後に迫って来た。 17 戦闘は激烈を極め、双方に多数の死傷者が出た。 18 ユダも倒れ、残った者たちは逃げ去った。 19 ヨナタンとシモンは、彼らの兄弟ユダを運び、モデインにある先祖の墓に葬った。 20 イスラエル人は皆、彼のために号泣し、激しく胸を打ちたたき、何日も何日も悲嘆に暮れて言った。 21 「ああ、イスラエルを救う勇士は倒れた。」 22 ユダの行ったさまざまの業績、彼の戦い、その大胆さ、その偉大さは、書き尽くすことができない。あまりにも多すぎるのである。 ヨナタンが指導者となる 23 ユダの死後、イスラエル全土に、律法に従わない者たちが立ち現れ、不正を働く者どもが横行するようになった。 24 またこのころ、ひどい飢饉が起こり、国をあげてこの者たちの側に寝返った。 25 バキデスは不敬虔な者どもを選び出し、この国の支配者に仕立てた。 26 彼らはユダの友人たちを徹底的に捜し出し、バキデスのところへ連れて来た。バキデスは彼らに復讐し、嘲笑した。 27 […]

マカバイ記 一 8

ローマ人についての報告 1 ユダの耳にローマ人の評判が入った。「ローマ人は軍事的に極めて強大である。彼らと連合する者はすべて歓迎し、彼らに近づこうとする者とは友好関係を結ぶ。 2 彼らは軍事的に極めて強大である」と。報告者たちは、更に、ユダに語った。「ローマ人たちはガラテヤで戦い、その勇猛さを発揮し、そこを支配して、貢を課した。 3 イスパニア地方では、金銀の鉱山を手に入れるためにあらゆる手段を講じた。 4 彼らは策略と忍耐とをもって、どんな遠隔地であっても制圧してきた。また、地の果てから彼らを攻撃してくる王たちを粉砕し、大打撃を与えた。その他の者たちには毎年貢を課している。 5 彼らはまた、マケドニアの王、フィリポスとペルセウス、および彼らに逆らった者たちを、戦いで粉砕し、征服した。 6 アジアのアンティオコス大王も、百二十頭の象と、騎兵と戦車、おびただしい軍勢を率いて彼らに戦いを挑んだが、撃破されてしまった。 7 ローマ軍は、アンティオコスを生け捕りにし、彼とその後継者たちに多額の貢と人質を出させ、 8 インド、メディア、リディア、そして彼らの所有地で最上の地を割譲させた。それらの地をアンティオコスから奪い取ると、エウメネス王に与えたのである。 9 ギリシア人たちも打って出て彼らを一掃しようと図ったが、 10 ローマ人はこの計画を知ると、指揮官を派遣して、ギリシア軍と一戦を交えた。ギリシア軍の多くの者は傷つき倒れ、その妻子たちは捕らえられ、略奪が行われ、その地は制圧され、砦は破壊されて、ギリシア人たちは今日に至るまでローマ人に隷属している。 11 ローマ人に反抗した他の王国や島々も、すべて粉砕され、彼らに隷属している。 12 しかしローマ人たちは友好国や彼らに依存している国々とは、友好関係を維持したが、遠近を問わず王という王を制圧したため、その名を聞く者はだれでも、彼らを恐れるのである。 13 彼らが後ろ盾となって王にしようとする者は王となった。しかし、彼らが失脚させようとする者は失脚した。こうしてローマ人の名声は大いに高まった。 14 だが、こうしたことにもかかわらず、彼らローマ人のうちだれ一人として、栄誉を願って冠をつけたり、紫の衣を身に着けたりする者はいない。 15 彼らは自分たちのために元老院を設置し、三百二十人の議員たちが、民衆に秩序ある生き方をさせようと、日々検討を続けている。 16 彼らは、自分たちを統治し、自分たちの全地を支配する人を年ごとに一人信任する。そしてすべての者が、この一人の者に服従する。そこにはねたみもなければ、うらやみもない。」 ローマとの同盟 17 そこでユダは、ハコツ家のヨハネの子エウポレモスとエレアザルの子ヤソンを選び、友好同盟関係を樹立するために、ローマに派遣した。 18 それは、自分たちの軛を取り除くためであった。なぜなら、ギリシア人の王朝がイスラエルを制圧し、隷従させていたからである。 19 こうして彼らはローマへ出向いて行った。それはまことに遠い道のりであった。そして元老院に通され、質問に答えて言った。 20 「マカバイとも呼ばれるユダと、その兄弟たち、それにユダヤの民が、わたしたちをあなたがたのところに遣わしたのです。それはあなたがたと同盟平和関係を樹立し、あなたがたの同盟国、友好国として書き加えられるためであります。」 21 この申し出はローマ人にとって好ましいものに思えた。 22 以下は、ローマ人が銅板に刻み込み、彼らとの平和同盟関係の覚書とし、書面でエルサレムへ送ったものの写しである。 23 「海においても陸においても、ローマ人とユダヤ民族に永遠に幸いあれ。剣と敵が双方から遠ざかるように。 24 万一ローマに対し、あるいはローマ支配下のいかなる同盟国に対しても、戦争が起こったならば、 25 ユダヤ民族は、事態に即応して全力を挙げ、共同して戦う。 26 また、敵に対しては、穀物、武器、銀、船舶を与えず、用意もしない。これはローマで取り決めたとおりである。守るべきことを守り、自国のみの利益は図らない。 27 […]

マカバイ記 一 7

デメトリオスの支配と弾圧開始 1 第百五十一年に、セレウコスの子デメトリオスがローマを脱出し、わずかな手勢を連れて海辺の一都市に上陸して、その地で王としての統治を開始した。 2 そして彼が自分の先祖の王宮に入ろうとしたとき、兵士たちはアンティオコスとリシアスを彼のもとに連れて行こうと、二人を捕らえた。 3 この知らせを受けると、デメトリオスは、「彼らの顔など見たくもない」と言った。 4 そこで、兵士たちは二人を殺した。こうしてデメトリオスは王座についた。 5 イスラエル中から、律法に従わない不敬虔な者ども全員が、彼のところへやって来た。その先頭に立っていたのは大祭司職をねらうアルキモスであった。 6 彼らは民を告発して王に言った。「王の友人たちを皆殺しにし、わたしたちの地からわたしたちを追い払ったのは、実にユダとその兄弟たちです。 7 ぜひとも、王が信頼しておられる人をお送りくださり、彼らがわたしたちと王国の地に対して行った破壊行為の一切をその人に視察させ、彼らと彼らの支援者たちを全員処罰してください。」 8 そこで王は、王の友人の一人、ユーフラテス川の向こう側の地の総督で王国の有力者、王に忠実なバキデスを選んだ。 9 王は彼と不敬虔なアルキモスを派遣し、アルキモスには大祭司の職を与え、イスラエルの子らに復讐せよと命じた。 10 二人は大軍を引き連れて出立した。ユダヤの地に入ると使者を送って、ユダおよびその兄弟たちと見せかけの友好関係を結ぼうとした。 11 しかしユダとその兄弟たちは、彼らの言葉に耳を貸さなかった。敵が大軍を率いて来たことを知っていたからである。 アルキモスの策略とその結果 12 しかし、律法学者の一団はアルキモスとバキデスのところに集まって、公正な判断を下すようにと熱心に願い出た。 13 イスラエルの民の中では、ハシダイと呼ばれる者たちが先頭に立って、アルキモスたちとの和を求めようとしたのである。 14 彼らは、「アロンの家系に連なる祭司であれば、軍を率いて来て、我々を不当に扱うはずはない」と言っていた。 15 そこでアルキモスも、和やかに語りかけ、「我々はあなたがたや、あなたがたの友人たちに危害を加えるつもりはない」と、彼らに誓った。 16 そこで彼らはアルキモスを信用した。ところがアルキモスは、ハシダイの中の六十人を捕まえ、一日のうちに全員を殺してしまった。それは次のように書き記されているとおりである。 17 「あなたの聖なる者たちの肉は散らされ、その血はエルサレムの周辺に注ぎ出されたが、彼らを葬る人はいなかった」と。 18 こうして民全体が敵に対する恐怖におののいた。民は言った。「あの者たちには真実も正義もない。だからこそ、取り決めも立てた誓いも破ってしまったのだ。」 19 さて、バキデスはエルサレムを離れ、ベトザイトに陣を敷き、兵を送り、寝返って彼の側に付いた多数の男たちと民の一部とを捕らえ、殺して大きな貯水溝に投げ込んだ。 20 そしてその地をアルキモスにゆだね、彼を助けるために軍隊を残し、バキデス自身はそこを離れて王のもとへ帰って行った。 21 アルキモスは、大祭司職を保持するのに必死であった。 22 民を悩ますすべての者たちが、彼のもとに集まり、ユダの地をほしいままにし、イスラエルに深刻な打撃を与えたのである。 23 ユダは、アルキモスとその仲間がイスラエルの民に対して、異邦人以上にひどい悪行を行っているのを残らず目撃し、 24 周辺のユダヤ領土全域に出撃して、敵側に寝返った男たちに復讐し、彼らが地方に出没するのを阻止した。 25 アルキモスはユダの軍が強力であることを目の当たりにし、彼らと戦うのは無理だと悟り、王のもとに戻り、彼らをあしざまに訴えた。 ニカノルの出陣 26 王は、武勇の誉れ高い指揮官の一人ニカノルを派遣した。ニカノルはイスラエルを憎み、敵視していたので、王は彼にイスラエルの民の殲滅を命じた。 […]