シラ 31

富について 1 夜も寝ないで富を蓄えれば体はやせ衰え、/その富が心配で眠れなくなる。 2 夜通し続く心配で、うたた寝さえもできない。重病が眠りを妨げるのと同じである。 3 金持ちは労苦して財産を蓄え、/仕事を休んでぜいたくな生活を楽しむ。 4 貧しい者は労苦しても、生きるのが精一杯で、/手を休めるとたちまち生活に困る。 5 黄金を愛する者は正しい者にはなれず、/金銭を追い求める者は金銭で道を踏み外す。 6 黄金がもとで多くの者が身を滅ぼした。彼らは滅亡と顔を突き合わせていたのだ。 7 黄金は、それに夢中になる者には罠となり、/愚か者は皆、そこにはまり込んでしまう。 8 清廉潔白な金持ちは幸いである。黄金を追いかけなかったから。 9 そういう人がいたら彼に祝意を表そう。民の間で、驚嘆すべきことを行ったのだから。 10 黄金の誘惑に打ち勝ち、/申し分のない生き方をした者はだれか。彼こそは大いに誇ってよい。法を犯しえたのに犯さず、/悪事を行いえたのに、行わなかった人はだれか。 11 その人の財産は揺るぎないものとなり、/会衆は彼の施しを数え上げ、たたえるであろう。 宴会の席での心得 12 豪華な食卓に着くような場合には、/舌なめずりしたり、/「すごいごちそうだ」などと言ったりするな。 13 意地汚い目つきは下品であるとわきまえよ。造られた物の中で、/目ほどさもしさを表すものはない。だから、人はごちそう一つ一つに目を潤ませる。 14 目に留まるものすべてに手を伸ばすな。人を押しのけてまで、皿の中のものを取るな。 15 同席の人を自分のことのように思いやり、/すべてのことに気を配れ。 16 出されたものは人間らしく食べよ。人に嫌われないように、音を立てて食べるな。 17 行儀をわきまえ、人より先に食べ終えよ。食い意地を張って、不快な感じを与えるな。 18 大勢の人と食卓を共にするときは、/他の者より先に手を出すな。 19 しつけを受けた者はわずかな量で満足し、/床に就いてからも、息苦しくなることはない。 20 程よく食べれば、安眠が得られ、/朝も早く起きられて、気分はさわやかである。食い意地の張った者は、不眠に悩まされ、/吐き気と腹痛に苦しむ。 21 無理やり食べさせられたときは、/席を外して吐きに行け。そうすれば楽になる。 22 子よ、わたしを侮らず、言うことを聞け。後になれば、わたしの言葉を悟るようになる。何をするにも節度を守れ。そうすればどのような病気にもかからない。 23 豪華な食事を振る舞う者を、人々は褒めそやす、/彼は本当に気前が良いと。 24 ごちそうを出し渋る者を、町中の人はなじる、/彼は全くけちなやつだと。 25 酒を飲んで男っぷりを見せようとするな。酒で身を滅ぼした者は多い。 26 かまどの火が鉄の質をあらわにするように、/酒も、飲んで争えば、高慢な者の本性を暴き出す。 27 […]

シラ 32

1 宴会の世話役に選ばれたなら、有頂天になるな。客の一人として、皆と同じようにふるまえ。彼らに心を配り、席に着け。 2 自分の任務をことごとく果たした後に着席せよ。そうすれば、みんなの楽しみがお前の喜びとなり、/事の運びが見事だというので誉れの冠を受ける。 3 年長者よ、語れ、それは当然のことだから。だが、要点を外さずに話し、音楽の邪魔をするな。 4 余興の最中には、あれこれとしゃべるな。時をわきまえずに、学識を見せびらかすな。 5 金の細工にはめ込まれたルビーの印章のように、/音楽の演奏は酒の席を引き立たせる。 6 金の台に飾られたエメラルドの印章のように、/歌の調べはぶどう酒の味をいや増す。 7 若者よ、必要なときだけ話せ。語るとしても二度、それも求められた場合のみ。 8 簡潔に話せ。わずかな言葉で多くを語れ。博識ではあっても寡黙であれ。 9 偉い人たちの間では、出過ぎたまねをするな。年輪を重ねた人たちのいるところでは、/やたらと無駄話をするな。 10 雷鳴がとどろく前に稲妻が走り渡るごとく、/慎み深い人にその人望は先立つ。 11 潮時と見たら、席を立ち、ぐずぐずするな。まっすぐ家へと急ぎ、道草を食ってはならない。 12 家では楽しく過ごせ。したいことは何でもせよ。しかし、高慢な言葉を吐いて罪を犯すな。 13 これらすべてのことに加えて、/お前を造られた方、/その賜物によって歓喜に酔わせる方を賛美せよ。 主を畏れる人 14 主を畏れる人は、教訓を受け入れ、/朝早く起き主を求める人たちは、/主から称賛される。 15 律法を究めようとする人は、これに習熟し、/偽善者は、これにつまずく。 16 主を畏れる人は、何が正しいかを見いだし、/その正しい行いは、光のように輝く。 17 罪深い者は、批判されることを嫌い、/独りよがりな見解を持つものだ。 18 分別のある人は、決して思慮に欠けることなく、/高慢な異邦人は、畏れなどみじんも持たない。 19 よく考えずに何事をも行うな。そうすれば、何をしても後で悔やむことがない。 20 危ない道を歩むな。そうすれば、石だらけの道でころぶことはない。 21 なだらかな道だからといって気を許すな。 22 お前の子供たちからも目を離すな。 23 何事をするにも自信を持て。これも掟を守ることなのである。 24 律法を頼みとする人は、掟に注意を払い、/主を信頼する人は、生活に困ることがない。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/SIR/32-7121ca4e61b3542adcd242af9ad31052.mp3?version_id=1819—

シラ 33

1 主を畏れる人に、災難はふりかからない。試練に遭っても、その度に救い出される。 2 知恵ある人は律法を嫌わない。律法に誠実でない者は、嵐の中の小舟のようだ。 3 聡明な人は御言葉を信頼し、/律法は、彼にとって神託同様、頼りになるものだ。 4 話は前もって準備せよ。そうすれば聞いてもらえる。習得したことを整理してから答えよ。 5 愚か者の心は、馬車の車輪のようなもの、/その考えは、心棒のようにぐるぐる回る。 6 口やかましい友は、あたかも種馬のようなもの、/だれが乗ってもいななくのだ。 主の裁断 7 どうして、ある日はほかの日よりも重要なのか。一年のどの日にも、同じ太陽の光が注ぐのに。 8 これは主の裁断によって区別されたもの。主は季節と祝祭日を定められた。 9 ある日を高めて聖なる日とし、/他の日を平日と定められた。 10 人間は皆、大地からのもの、/アダムは土から造られた。 11 主は、あふれるばかりの知識によって、/人々に違いをつくり、/それぞれに、異なった道を歩ませられた。 12 ある者を祝福して高め、/ある者を聖別して、みもとに近づかせられた。しかし、他の者を呪って、卑しめ、/彼らをその地位から退けられた。 13 陶器職人がその手にある粘土を、/思うままに形づくるように、/造り主は御手の内にある人間を、/思うままに裁かれる。 14 善が悪と相対し、/命が死と相対しているように、/罪人は信仰深い人と相対している。 15 いと高き方が造られたすべてのものに目を注げ。二つずつどれもがそれぞれ対になっている。 16 わたしは目を覚ましている最後の者だった、/摘み取る者が残したぶどうを集める者のように。 17 わたしは、主の祝福を受けて早くそこへ着き、/摘み取る者と同じように、/搾り桶をいっぱいにした。 18 知ってほしい。わたしが労苦したのは、/自分のためだけではなく、/教訓を求めるすべての人のためであったことを。 19 わたしの言葉を聞け。民の上に立つ者たちよ。会衆の指導者たちよ、わたしに耳を傾けよ。 財産 20 息子や、妻、兄弟や友人であっても、/お前が生きているかぎり、/お前の上に権力を振るわせるな。また、他人に財産を与えるな。さもないと、後悔して取り戻したくなる。 21 お前の内に命があり、息があるかぎり、/だれに対しても、自分の生き方を変えるな。 22 息子たちにねだられている方が、/彼らの助けを当てにして暮らすよりましだ。 23 事を行うにあたってはすべてに秀で、/お前の名誉に泥を塗るな。 24 お前の寿命が尽きる日、/息を引き取る時に、財産を譲り渡せ。 召し使い 25 ろばには、まぐさと鞭と重い荷物を、/召し使いには、パンとしつけと仕事を与えよ。 26 召し使いは厳しくしつけて働かせよ。そうすればお前はくつろげる。彼の手を休めさせると、自由を要求してくる。 […]

シラ 34

夢みることのむなしさ 1 良識のない者はむなしく根拠のない望みを抱く。夢は愚かな者たちを空想へと駆り立てる。 2 夢を得ようとする者は、/影を捕まえようとしたり、/風を追いかける者と同じだ。 3 夢の中で見るものは映像にすぎず、/鏡に映った自分の顔のようなもの。 4 汚れたものからどうして清いものが、/偽りからどうして真実が、取り出せようか。 5 占い、前兆、夢のたぐいは、無意味なもの。陣痛の中で思い描く、女の妄想のようなもの。 6 いと高き方が配慮して送ったのでないかぎり、/これらのことに、心を奪われるな。 7 多くの人々は夢に惑わされ、/これに望みをかけては身を滅ぼした。 8 律法は、そのような偽りによっては全うされず、/知恵も誠実な人の口から出てこそ全うされる。 旅 9 旅をした人は、多くのことを知っており、/経験豊かな人は、洞察に富んだ事柄を語る。 10 経験の乏しい者は、わずかなことしか知らない。[11]しかし、旅をした人は、広い知識を身につける。 11 [12]わたしは旅をして、多くのことを見た。わたしが悟った事は、語り尽くせない。 12 [13]わたしは死ぬほどの危険に何度も出会った。しかし、これまでの経験のお陰で助かった。 主を畏れる人の幸い 13 [14]主を畏れる人の霊は生き永らえる。[15]自分を救ってくださる方に、信頼しているから。 14 [16]主を畏れる人は何事にもおびえることがなく、/決して臆病風を吹かさない。主にこそ彼は信頼しているから。 15 [17]主を畏れる人の魂は幸いである。[18]彼は、だれを頼みとし、だれを支えとするのか。 16 [19]主の目は、主を愛する者の上に注がれている。主は、力強い盾、堅固な支え、/熱風から守る避難所、真昼の日ざしを防ぐ陰、/転ばないように防ぎ、倒れないように助ける者。 17 [20]主は彼らの魂を昂揚させ、目に輝きを与え、/健やかな命と祝福を授けられる。 受け入れられないいけにえ 18 [21]不正に得たものを、いけにえとして/献げるなら、その献げ物は汚れた物である。[22]不法を行う者の献げ物は、主に喜ばれない。 19 [23]いと高き方は、不信仰な者の供え物を喜ばれず、/どれほどいけにえを献げても、罪は贖われない。 20 [24]貧しい人の持ち物を盗んで、/供え物として献げるのは、/父親の目の前でその子を殺して、/いけにえとするようなものだ。 21 [25]貧しい人々にとって、パンは命そのもの。これを奪い取るやからは、冷血漢だ。 22 [26]隣人の生活の道を奪う者は彼を殺すようなもの。[27]日雇い人の賃金を巻き上げる者は、人殺しだ。 23 [28]一人が建て、もう一人がそれを壊すなら、/無駄骨を折るのみで、何の益があろうか。 24 [29]一人が祈り、もう一人が呪うなら、/主は、どちらの声に耳を傾けられるであろうか。 25 [30]しかばねに触れた後、身を清めておきながら、/また、これに触れるとしたら、/洗い清めることに何の意味があろうか。 26 […]

シラ 35

受け入れられるいけにえ 1 [1]律法を守ることは、多くの供え物に匹敵し、[2] 掟に心を留めることは、和解の献げ物に、 2 他人の親切に報いることは、穀物の献げ物に、[4] 施しをすることは、感謝の献げ物に匹敵する。 3 [5]主に喜ばれるには、悪事に手を染めず、/贖いを受けるには、不義に手を染めないことだ。 4 [6]献げ物を携えずに、主の御前に出てはならない。[7]これらすべては掟が命じていることだから。 5 [8]正しい人の供え物は、祭壇に脂肪を滴らせ、/その香ばしい香りはいと高き方の御前に昇る。 6 [9] 正しい人のいけにえは、主に受け入れられ、/記念の供え物は、忘れ去られることはない。 7 [10]あふれる心で主を賛美し、/お前の労働の初穂を出し惜しみしてはならない。 8 [11]どのような献げ物も、喜びにあふれた顔で供え、/喜んで十分の一を奉納せよ。 9 [12] いと高き方から、豊かに受けたのだから、/あふれる心で、できるかぎりのものを献げよ。 10 [13] 主は必ず報いてくださる方であり、/七倍にしてお前に報われる。 苦しみ悩む人への神の憐れみ 11 [14]主にわいろを贈ろうなどとするな。お受け取りにはならないから。 [15]不正ないけにえを頼みとするな。 12 主は裁く方であり、/ 人を偏り見られることはないからだ。 13 [16]貧しいからといって主はえこひいきされないが、/虐げられている者の祈りを聞き入れられる。 14 [17]主はみなしごの願いを無視されず、/やもめの訴える苦情を顧みられる。 15 [18]やもめの涙は頬を伝って流れているではないか。[19]その叫びは、涙を流させた者を責めている。 16 [20]御旨に従って主に仕える人は受け入れられ、/その祈りは雲にまで届く。 17 [21] 謙虚な人の祈りは、雲を突き抜けて行き、/それが主に届くまで、彼は慰めを得ない。 18 彼は祈り続ける。いと高き方が彼を訪れ、 [22]正しい人々のために裁きをなし、/正義を行われるときまで。 19 主はためらうことなく行動し、/悪人どもを我慢なさらない。 20 主は必ず無慈悲な者の腰を打ち砕き、 [23]異邦の民に報復される。 21 また、多くの傲慢な者たちを滅ぼし尽くし、/不正な者たちの笏を打ち砕かれる。 22 […]

シラ 36

イスラエルのための祈り 1 [1]万物の神である主よ、/わたしたちを憐れんでください。[2]すべての異邦人にあなたへの畏れを/抱かせてください。 2 [3]御手を異邦の民に向けて上げ、/御力を目の当たりに見せてやってください。 3 [4]わたしたちにとって、あなたが聖であることを/彼らに示されたように、/彼らに対しても、あなたが偉大であることを、/わたしたちに示してください。 4 [5]主よ、わたしたちが悟ったように、/あなたのほかに神はおられないことを、/彼らにも悟らせてください。 5 [6]しるしを新たにし、不思議な業を繰り返して [7]あなたの手、右の腕に栄光を現してください。 6 [8]憤りを起こし、怒りを注ぎ、[9]反対者を滅ぼし、敵対者を破滅させてください。 7 [10] あなたが定められた時を思い出し、/その時を速めてください。人々があなたの力ある業を、/語るようにしてください。 8 [11] 生き残った者は、燃え盛る怒りに呑み込まれ、/御民を虐げた者たちは、滅びるように。 9 [12]敵の支配者たちの頭を打ち砕いてください。彼らは、「我々と肩を並べる者はだれもいない」と言っているのです。 10 [13a]ヤコブのすべての部族を集め、[16b] 昔のように、彼らに遺産をお与えください。 11 [17] 主よ、憐れんでください。御名によって呼ばれる民、/あなたの長子とされたイスラエルを。 12 [18]慈しみを示してください。あなたの聖所がある町に、/あなたが安息の場所とされたエルサレムに。 13 [19]どうか、シオンをあなたへの賛美の歌で/満たしてください。また、神殿をあなたの栄光で満たしてください。 14 [20]初めに創造された民に、あなたの約束を果たし/御名によって語られた預言を成就してください。 15 [21]あなたを待ち望む人々にふさわしい報いを与え、/預言者たちの正しいことを立証してください。 16 [22]主よ、御民に対する慈しみによって、/僕らの祈りを聞き入れてください。そうすれば、/ 17 あなたが永遠の神、主であることを/地上のすべての人は認めるようになるでしょう。 賢い選択 18 [23]どんな食物も腹には入る。だが、食物にもよしあしがある。 19 [24]舌が獣の肉の味を見分けるように、/鋭敏な心は偽りの教えを見破る。 20 [25]ねじけた心は悩みを引き起こす。経験豊かな人は、それに的確に対処する。 21 [26]女は、どのような男にも、身を任せるが、/男は、あの娘よりはこの娘をと、えり好む。 22 [27] 顔形の美しい女は人を喜ばせる。これにまさって人が願い求めるものはない。 23 [28]女の話しぶりが優しく、穏やかであるなら、/その夫はどんな男よりも運が良い。 24 […]

シラ 37

友人 1 友人は皆こう言う。「わたしも君の親友だ。」しかし、名ばかりの友人もいる。 2 仲間や友人が敵に回ってしまうのは、/死ぬほどの悲しみではなかろうか。 3 ああ、邪悪な思いよ、お前はどこから紛れ込み、/大地を裏切りで覆うことになったのか。 4 友人がうまくいっているときは調子を合わせ、/不運のときには、顔を背ける仲間もいる。 5 自分の腹を満たすためだけに/苦労を共にしているような仲間は、/いざ戦いとなれば、盾を取って身を隠す。 6 友人をお前の心に留め、/裕福なときにも彼を忘れてはならない。 助言者 7 助言者は皆、自分の助言を推奨する。しかし、自分の利益のために助言する者もいる。 8 助言者には気をつけよ。まず、彼が何を得たいと思っているかを見破れ。自分の利益のために助言するのだろうから。さもないと、お前はどんな貧乏くじを/引き当てるか分からない。 9 彼は言う。「あなたの行く手は明るい」と。そして、お前に何が起こるかを、/わきに立って眺めている。 10 お前を疑ってかかる者には相談するな。お前をねたむ者には、胸の内を明かすな。 11 女のことでは、妻に、/戦争については、臆病者に相談するな。取り引きについては、商人に、/売り込みについては、買い手に、/また、謝礼については、けちな者に、/親切については、薄情者に相談するな。仕事については、怠け者に、/仕事の完成については、臨時雇いの者に、/また、困難な仕事については、/骨惜しみをする召し使いに相談するな。このような連中のどんな助言にも心を留めるな。 12 むしろ、掟を守っているとお前が考える/信仰深い人とつきあえ。彼はお前と気持を一つにし、/お前が失敗したとき、思いやりを示してくれる。 13 何よりも心に浮かんだ考えを大切にせよ。これ以上に頼りになるものはないのだから。 14 高い所から見張る七人の監視役にまさって、/人の魂は、時として、その人自身に語りかける。 15 これらすべてにまして、いと高き方に求めよ。お前が、真理の道を正しく歩めることを。 知恵と悟り 16 すべての仕事は言葉をもって始まり、/考察は、あらゆる行動に先立つ。 17 心にはいろいろな事柄が刻まれており、 18 四つのものとなって現れ出る。善と悪、生と死がそれである。そして、これらを常に決定するものは舌である。 19 多くの人々を教え導くほど賢くても、/自分のことについては全くだめな人もいる。 20 巧みに言葉を操って、嫌われる者もいる。こういうやからは、食べ物にも事欠く。 21 主から恵みが与えられなかったので、/すべての知恵に欠けているのだ。 22 知恵ある人は自分自身の生活を豊かにし、/悟りは人の体に実を結ぶ。 23 知恵ある人は自分の同胞を教え導き、/悟りは確かな実を結ぶ。 24 知恵ある人はあふれるほどの称賛を受け、/会う人皆から幸せだと言われる。 25 人の命の日数は数えられるが、/イスラエルの日々は限りがない。 26 知恵ある人は同胞から誉れを受け、/その名はいつまでも残る。 […]

シラ 38

医者と薬 1 医者をその仕事のゆえに敬え。主が医者を造られたのだから。 2 いやしの業はいと高き方から授かり、/それによって、王からは褒美を受ける。 3 医者はその博識によって高い身分を与えられ、/権勢ある人々の前で驚嘆される。 4 主は大地から薬を造られた。分別ある人は薬を軽んじたりはしない。 5 一本の木によって水が甘くなり、/木に備わる力が、明らかにされたではないか。 6 主は自ら人々にいやしの知識を授け、/その驚嘆すべき業のゆえにあがめられる。 7 医者は薬によって人をいやし、痛みを取り除く。 8 薬屋は薬を調合する。主の業は決して終わることなく、/健康は主から全地の人々に与えられる。 9 子よ、病気になったら放置せず、/主に祈れ。そうすれば、主は治してくださる。 10 過ちを犯すな。手を汚すな。あらゆる罪から心を清めよ。 11 良い香りの献げ物と、/質の良い小麦粉を供え物として献げよ。余裕のあるかぎり十分に、供え物に油を注げ。 12 その上で、医者にも助けを求めよ。主が医者を造られたのだから。彼を去らせるな。お前には彼が必要なのだ。 13 医者の手によって病気が治る時もある。 14 医者もまた主に祈り求めているのだ。病人の苦しみを和らげ、/命を永らえさせる治療に成功することを。 15 創造者に対して罪を犯す者は、/病気になって医者にかかるがよい。 死者への哀悼 16 子よ、死者のために涙を流せ。お前は大きな苦痛を味わっているのだ。悲しみの歌をうたえ。彼にふさわしい礼を尽くし、なきがらを包め。また、埋葬をおろそかにするな。 17 悲痛の涙を流し、胸を打って嘆き悲しめ。彼の名にふさわしく喪に服せ。人からとやかく言われぬように一両日喪に服し、/その後、心痛がいやされるため弔問を受けよ。 18 なぜなら、悲しみから死が生じ、/心の悲しみが力を奪うから。 19 苦悩に身を置くかぎり、悲しみは付きまとい、/貧しい者の生活は、呪いに満ちたものとなる。 20 悲しみに心を奪われてはならない。人生の終わりであったとあきらめ、/悲しみを払いのけよ。 21 忘れてはいけない。その人は戻らないのだ。嘆いても彼のためにはならず、/自分の体を損なうだけだ。 22 彼の運命であったと考えよ、/お前も同じ定めにあるのだから。「昨日はわたし、今日はお前の番だ。」 23 死者を墓に休ませたなら、もう彼を思い出すな。彼の霊が去ったなら、気を楽にせよ。 職人と学者 24 学者の知恵は、余暇があって初めて得られる。実務に煩わされない人は、知恵ある者となる。 25 どうして知恵ある者となれようか、/鋤を握り、突き棒の扱いを自慢する者が。また、牛を追い立て、仕事に忙しく、/話題は子牛のことばかりという者が。 26 彼は畝作りに没頭し、/夜も寝ないで若い雌牛にえさを与えている。 […]

シラ 39

1 彼はいにしえのすべての人の知恵を詳しく調べ、/預言の書の研究にいそしみ、 2 高名な人々の話を心に留め、/たとえ話の複雑な道へと分け入り、 3 格言の隠れた意味を詳しく調べ、/たとえ話のなぞをじっくり考える。 4 彼は身分の高い人々に仕え、/為政者たちの前にも出入りする。見知らぬ人々の国を旅し、/人間の持つ、善い面、悪い面を体験する。 5 彼は早起きして、/自分を造られた主に向かうように心がけ、/いと高き方にひたすら願う。声を出して祈り、/罪の赦しをひたすら願う。 6 偉大なる主の御心ならば、/彼は悟りの霊に満たされる。彼は知恵の言葉を注ぎ出し、/祈りをもって主を賛美する。 7 彼は正しい判断と知識を身につけ、/主の奥義を思い巡らす。 8 彼は学んだ教訓を輝かし、/主の契約の律法を誇りとする。 9 多くの人々は彼の悟りを褒めそやし、/彼は永遠に忘れ去られることはない。彼についての記憶は消え去らず、/その名は代々に生きる。 10 諸国民は彼の知恵を語り、/集会は彼の誉れを告げる。 11 長生きすれば、千人にまさる名を残し、/たとえ早く死んでも満たされる。 主とその御業への賛美 12 思いを巡らし、更に語ろう。わたしの心は、満月のように満ちている。 13 わたしの語ることを聞け、敬虔な子らよ、/流れのほとりに育つばらのように、若枝を出せ。 14 乳香のように香りを放ち、/ゆりのように花を咲かせ、/声をあげて、共に賛美の歌をうたえ。すべての御業のゆえに主をほめたたえよ。 15 主の御名をあがめ、ひれ伏せ。賛美の声をあげ、竪琴を弾き、/主を大いにほめたたえよ。賛美して、こう言おう。 16 「主の御業は、すべてすばらしく、/命じられたすべてのことは、/時が来れば実現する。」 17 軽々しく、こう言ってはならない。「これは何か」「これは何のためか」と。いずれの問いにも時が来れば答えが与えられる。御言葉によって水は盛り上がり、/その口から出る言葉によって水はためられた。 18 主が命じられると、すべて御心のままに実現し、/その救いの力を弱める者はだれもいない。 19 すべての人の業は主の前にあり、/主の目から逃れるものは何もない。 20 主は永遠から永遠まで目を注がれ、/主にとって驚くべきものは何もない。 21 軽々しく、こう言ってはならない。「これは何か」「これは何のためか」と。それぞれ目的があって造られたのだから。 22 主の祝福は川のようにあふれ、/乾いた大地を洪水のように潤す。 23 真水を塩水に変えたように、/主の怒りは諸国の民の遺産となる。 24 主の道は敬虔な人たちには平らであり、/不法の者たちにはつまずきとなる。 25 良いものは、初めから良い人々のために造られ、/悪いものは、罪人たちのために造られた。 26 人間が生きていくうえで何よりも必要なものは、/水と火、鉄と塩、/小麦粉、牛乳、蜂蜜、/ぶどうの汁、オリーブ油、それに衣類。 27 これらすべては、信仰深い人には良いもの、/罪人たちには悪いものとなる。 […]

シラ 40

人間に共通する惨めさ 1 つらい労苦は、人間だれしも避けられないもの。重い軛がアダムの子孫にのしかかっている。母の胎を出た日から、/万物の母なる大地のもとへと戻るその日まで。 2 人の悩みや心の恐れは/死の日を思っての不安。 3 華麗な王座に座している者から、/塵と灰の中にはいつくばっている者に至るまで、 4 紫色の衣装をまとい、王冠をいただく者から、/粗布にくるまった者に至るまで、 5 怒りとねたみ、困惑と動揺、/死の恐れ、憤り、それに争いが付き物だ。床の中で憩うときも、/夜眠るときも、それらは人の思いをかき乱す。 6 休息はあってもなきに等しく、/たとえ寝ても、昼間のように疲れ果て、/戦いを前にして逃げ出した兵士のように、/悪夢にうなされる。 7 捕まったと思った途端に目が覚め、/何も怖がることはなかったのに、といぶかる。 8 人間から動物に至るまで、生あるものはすべて、/――罪人は更に七倍受けるのだが―― 9 死と流血、争いと剣、/災難と飢饉、破滅と鞭打ちとを受ける。 10 これらはみな不法な者たちのために用意された。あの洪水が起こったのも彼らのせいである。 11 土から出たものはすべて土に帰り、/水から出たものはすべて海に戻る。 悪のもたらす結果 12 わいろと不正はすべてぬぐい去られ、/信実な行為は永遠に続く。 13 不正な者が得た富は、渓流のように干上がり、/雨の中でとどろく雷鳴のように消えていく。 14 施しをする人は喜びに満たされ、/掟に背く者は滅びに終わる。 15 不信仰な者のひこばえは若枝を増やさず、/その汚れた根は切り立つ岩にしがみついている。 16 あらゆる水辺や川岸の葦は、/どんな草よりも先に引き抜かれる。 17 しかし慈しみは、祝福に満ちた楽園のようなもの。施しは永遠に残る。 いずれにもまさるもの 18 自立した生活も、雇われの生活も楽しい。だが、いずれにもまさるのは、宝を見つけること。 19 子をもうけても、町を築いても、名声を高める。だが、いずれにもまさるのは、/非のうちどころのない妻である。 20 酒も音楽も心を陽気にさせる。だが、いずれにもまさるのは、知恵を愛すること。 21 笛も竪琴も快い調べを奏でる。だが、いずれにもまさるのは、楽しい会話。 22 愛らしさや美しさを、人の目は慕い焦がれる。だが、いずれにもまさるのは、野に生える若草。 23 友人や仲間との出会いはいつも楽しい。だが、いずれにもまさるのは、/妻が夫と共にいることである。 24 兄弟や援助者は、不幸の時に頼るもの、/だが、いずれにもまさる助けは、施しである。 25 金も銀も人の足もとを固めてくれる。だが、いずれにもまさる支えは、良い助言である。 26 富と力は、人の心を自信にあふれさせる。だが、いずれにもまさるのは、主を畏れること。主への畏れがあれば、何物にも事欠かず、/ほかに助けを求める必要はない。 […]