エレミヤ書 31

新しい契約 1 そのときには、と主は言われる。わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。 2 主はこう言われる。民の中で、剣を免れた者は/荒れ野で恵みを受ける/イスラエルが安住の地に向かうときに。 3 遠くから、主はわたしに現れた。わたしは、とこしえの愛をもってあなたを愛し/変わることなく慈しみを注ぐ。 4 おとめイスラエルよ/再び、わたしはあなたを固く建てる。再び、あなたは太鼓をかかえ/楽を奏する人々と共に踊り出る。 5 再び、あなたは/サマリアの山々にぶどうの木を植える。植えた人が、植えたその実の初物を味わう。 6 見張りの者がエフライムの山に立ち/呼ばわる日が来る。「立て、我らはシオンへ上ろう/我らの神、主のもとへ上ろう。」 7 主はこう言われる。ヤコブのために喜び歌い、喜び祝え。諸国民の頭のために叫びをあげよ。声を響かせ、賛美せよ。そして言え。「主よ、あなたの民をお救いください/イスラエルの残りの者を。」 8 見よ、わたしは彼らを北の国から連れ戻し/地の果てから呼び集める。その中には目の見えない人も、歩けない人も/身ごもっている女も、臨月の女も共にいる。彼らは大いなる会衆となって帰って来る。 9 彼らは泣きながら帰って来る。わたしは彼らを慰めながら導き/流れに沿って行かせる。彼らはまっすぐな道を行き、つまずくことはない。わたしはイスラエルの父となり/エフライムはわたしの長子となる。 10 諸国の民よ、主の言葉を聞け。遠くの島々に告げ知らせて言え。「イスラエルを散らした方は彼を集め/羊飼いが群れを守るように彼を守られる。」 11 主はヤコブを解き放ち/彼にまさって強い者の手から贖われる。 12 彼らは喜び歌いながらシオンの丘に来て/主の恵みに向かって流れをなして来る。彼らは穀物、酒、オリーブ油/羊、牛を受け/その魂は潤う園のようになり/再び衰えることはない。 13 そのとき、おとめは喜び祝って踊り/若者も老人も共に踊る。わたしは彼らの嘆きを喜びに変え/彼らを慰め、悲しみに代えて喜び祝わせる。 14 祭司の命を髄をもって潤し/わたしの民を良い物で飽かせると/主は言われる。 15 主はこう言われる。ラマで声が聞こえる/苦悩に満ちて嘆き、泣く声が。ラケルが息子たちのゆえに泣いている。彼女は慰めを拒む/息子たちはもういないのだから。 16 主はこう言われる。泣きやむがよい。目から涙をぬぐいなさい。あなたの苦しみは報いられる、と主は言われる。息子たちは敵の国から帰って来る。 17 あなたの未来には希望がある、と主は言われる。息子たちは自分の国に帰って来る。 18 わたしはエフライムが嘆くのを確かに聞いた。「あなたはわたしを懲らしめ/わたしは馴らされていない子牛のように/懲らしめを受けました。どうかわたしを立ち帰らせてください。わたしは立ち帰ります。あなたは主、わたしの神です。 19 わたしは背きましたが、後悔し/思い知らされ、腿を打って悔いました。わたしは恥を受け、卑しめられ/若いときのそしりを負って来ました。」 20 エフライムはわたしのかけがえのない息子/喜びを与えてくれる子ではないか。彼を退けるたびに/わたしは更に、彼を深く心に留める。彼のゆえに、胸は高鳴り/わたしは彼を憐れまずにはいられないと/主は言われる。 21 道しるべを置き、柱を立てよ。あなたの心を広い道に/あなたが通って行った道に向けよ。おとめイスラエルよ、立ち帰れ。ここにあるあなたの町々に立ち帰れ。 22 いつまでさまようのか/背き去った娘よ。主はこの地に新しいことを創造された。女が男を保護するであろう。 23 イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。わたしが彼らの繁栄を回復するとき、ユダとその町々で人々は、再びこの言葉を言うであろう。「正義の住まうところ、聖所の山よ/主があなたを祝福されるように。」 24 ユダとそのすべての町の民がそこに共に住む。農民も、群れを導く人々も。 25 わたしは疲れた魂を潤し、衰えた魂に力を満たす。 26 ここで、わたしは目覚めて、見回した。それはわたしにとって、楽しい眠りであった。 27 見よ、わたしがイスラエルの家とユダの家に、人の種と動物の種を蒔く日が来る、と主は言われる。 […]

エレミヤ書 32

エレミヤの拘留 1 主からエレミヤに臨んだ言葉。ユダの王ゼデキヤの第十年、ネブカドレツァルの第十八年のことであった。 2 そのとき、バビロンの王の軍隊がエルサレムを包囲していた。預言者エレミヤは、ユダの王の宮殿にある獄舎に拘留されていた。 3 ユダの王ゼデキヤが、「なぜ、お前はこんなことを預言するのか」と言って、彼を拘留したのである。エレミヤの預言はこうである。「主はこう言われる。見よ、わたしはこの都をバビロンの王の手に渡す。彼はこの町を占領する。 4 ユダの王ゼデキヤはカルデア人の手から逃げることはできない。彼は必ずバビロンの王の手に渡され、王の前に引き出されて直接尋問される。 5 ゼデキヤはバビロンへ連行され、わたしが彼を顧みるときまで、そこにとどめ置かれるであろう、と主は言われる。お前たちはカルデア人と戦っても、決して勝つことはできない。」 アナトトの畑を買う 6 さて、エレミヤは言った。「主の言葉がわたしに臨んだ。 7 見よ、お前の伯父シャルムの子ハナムエルが、お前のところに来て、『アナトトにあるわたしの畑を買い取ってください。あなたが、親族として買い取り、所有する権利があるのです』と言うであろう。」 8 主の言葉どおり、いとこのハナムエルが獄舎にいるわたしのところに来て言った。「ベニヤミン族の所領に属する、アナトトの畑を買い取ってください。あなたに親族として相続し所有する権利があるのですから、どうか買い取ってください。」わたしは、これが主の言葉によることを知っていた。 9 そこで、わたしはいとこのハナムエルからアナトトにある畑を買い取り、銀十七シェケルを量って支払った。 10 わたしは、証書を作成して、封印し、証人を立て、銀を秤で量った。 11 そしてわたしは、定められた慣習どおり、封印した購入証書と、封印されていない写しを取って、 12 マフセヤの孫であり、ネリヤの子であるバルクにそれを手渡した。いとこのハナムエルと、購入証書に署名した証人たちと、獄舎にいたユダの人々全員がそれを見ていた。 13 そして、彼らの見ている前でバルクに命じた。 14 「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。これらの証書、すなわち、封印した購入証書と、その写しを取り、素焼きの器に納めて長く保存せよ。 15 イスラエルの神、万軍の主が、『この国で家、畑、ぶどう園を再び買い取る時が来る』と言われるからだ。」 エレミヤの祈り 16 購入証書をネリヤの子バルクに渡したあとで、わたしは主に祈った。 17 「ああ、主なる神よ、あなたは大いなる力を振るい、腕を伸ばして天と地を造られました。あなたの御力の及ばない事は何一つありません。 18 あなたは恵みを幾千代に及ぼし、父祖の罪を子孫の身に報いられます。大いなる神、力ある神、その御名は万軍の主。 19 その謀は偉大であり、御業は力強い。あなたの目は人の歩みをすべて御覧になり、各人の道、行いの実りに応じて報いられます。 20 あなたはエジプトの国で現されたように今日に至るまで、イスラエルをはじめ全人類に対してしるしと奇跡を現し、今日のように御名があがめられるようにされました。 21 あなたは、しるしと奇跡をもって強い力を振るい、腕を伸ばして大いなる恐れを与え、あなたの民イスラエルをエジプトの国から導き出されました。 22 そして、かつて先祖に誓われたとおり、この土地を彼らに賜りました。乳と蜜の流れるこの土地です。 23 ところが、彼らはここに来て、土地を所有すると、あなたの声に聞き従わず、またあなたの律法に従って歩まず、あなたが命じられたことを何一つ行わなかったので、あなたは彼らにこの災いをくだされました。 24 今や、この都を攻め落とそうとして、城攻めの土塁が築かれています。間もなくこの都は剣、飢饉、疫病のゆえに、攻め囲んでいるカルデア人の手に落ちようとしています。あなたの御言葉どおりになっていることは、御覧のとおりです。 25 それにもかかわらず、主なる神よ、あなたはわたしに、『銀で畑を買い、証人を立てよ』と言われました。この都がカルデア人の手に落ちようとしているこのときにです。」 26 主の言葉がエレミヤに臨んだ。 […]

エレミヤ書 33

エルサレムの復興 1 主の言葉が再びエレミヤに臨んだ。このとき彼は、まだ獄舎に拘留されていた。 2 主はこう言われる。創造者、主、すべてを形づくり、確かにされる方。その御名は主。 3 「わたしを呼べ。わたしはあなたに答え、あなたの知らない隠された大いなることを告げ知らせる。 4 攻城の土塁が築かれた後、剣を帯びた敵の侵入を防ぐために、破壊されたこの都の家屋とユダの王の宮殿について、イスラエルの神、主はこう言われる。 5 彼らはカルデア人と戦うが、都は死体に溢れるであろう。わたしが怒りと憤りをもって彼らを打ち殺し、そのあらゆる悪行のゆえに、この都から顔を背けたからだ。 6 しかし、見よ、わたしはこの都に、いやしと治癒と回復とをもたらし、彼らをいやしてまことの平和を豊かに示す。 7 そして、ユダとイスラエルの繁栄を回復し、彼らを初めのときのように建て直す。 8 わたしに対して犯したすべての罪から彼らを清め、犯した罪と反逆のすべてを赦す。 9 わたしがこの都に与える大いなる恵みについて世界のすべての国々が聞くとき、この都はわたしに喜ばしい名声、賛美の歌、輝きをもたらすものとなる。彼らは、わたしがこの都に与える大いなる恵みと平和とを見て、恐れおののくであろう。 10 主はこう言われる。この場所に、すなわちお前たちが、ここは廃虚で人も住まず、獣もいないと言っているこのユダの町々とエルサレムの広場に、再び声が聞こえるようになる。そこは荒れ果てて、今は人も、住民も、獣もいない。 11 しかし、やがて喜び祝う声、花婿と花嫁の声、感謝の供え物を主の神殿に携えて来る者が、『万軍の主をほめたたえよ。主は恵み深く、その慈しみはとこしえに』と歌う声が聞こえるようになる。それはわたしが、この国の繁栄を初めのときのように回復するからである。 12 万軍の主はこう言われる。人も住まず、獣もいない荒れ果てたこの場所で、またすべての町々で、再び羊飼いが牧場を持ち、羊の群れを憩わせるようになる。 13 山あいの町々、シェフェラの町々、ネゲブの町々、ベニヤミン族の所領、エルサレムの周辺、ユダの町々で、再び、羊飼いが、群れをなして戻って来る羊を数えるようになる。 14 見よ、わたしが、イスラエルの家とユダの家に恵みの約束を果たす日が来る、と主は言われる。 15 その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を生え出でさせる。彼は公平と正義をもってこの国を治める。 16 その日には、ユダは救われ、エルサレムは安らかに人の住まう都となる。その名は、『主は我らの救い』と呼ばれるであろう。 17 主はこう言われる。ダビデのためにイスラエルの家の王座につく者は、絶えることがない。 18 レビ人である祭司のためにも、わたしの前に動物や穀物を供えて焼き、いけにえをささげる者はいつまでも絶えることがない。」 19 主の言葉がエレミヤに臨んだ。 20 「主はこう言われる。わたしが昼と結んだ契約、夜と結んだ契約を、お前たちが破棄して、昼と夜とがその時に従って巡るのを妨げることができないように、 21 わたしが、わが僕ダビデと結んだ契約が破棄され、ダビデの王位を継ぐ嫡子がなくなり、また、わたしに仕えるレビ人である祭司との契約が破棄されることもない。 22 わたしは数えきれない満天の星のように、量り知れない海の砂のように、わが僕ダビデの子孫と、わたしに仕えるレビ人の数を増やす。」 23 主の言葉がエレミヤに臨んだ。 24 「この民は、『主は御自分が選んだ二つの氏族を見放された』と言って、わが民をもはや一国と呼ぶに値しないかのように、軽んじているのをあなたは知らないのか。 25 主はこう言われる。もし、わたしが昼と夜と結んだ契約が存在せず、また、わたしが天と地の定めを確立しなかったのなら、 26 わたしはヤコブとわが僕ダビデの子孫を退け、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫を治める者を選ぶことをやめるであろう。しかしわたしは、彼らの繁栄を回復し、彼らを憐れむ。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JER/33-dfc3b9a5755de600b3638c73c34b4d7a.mp3?version_id=1819—

エレミヤ書 34

ゼデキヤ王への警告 1 主からエレミヤに臨んだ言葉。ときに、バビロンの王ネブカドレツァルとその軍隊、および支配下にある領土の全王国、全民族が、エルサレムとその周辺の町々を攻撃していた。 2 「イスラエルの神、主はこう言われる。行って、ユダの王ゼデキヤに言え。主はこう言われる。わたしは、この都をバビロンの王の手に渡す。王はこれに火を放つと、彼に言うのだ。 3 あなたは、彼の手から逃れることはできない。必ず捕らえられてその手に渡される。あなたはバビロンの王の前に引き出され、直接尋問され、バビロンへ連れて行かれる。 4 しかし、ユダの王ゼデキヤよ、主の言葉を聞くがよい。主はあなたについてこう言われる。あなたは剣にかかって死ぬことはない。 5 あなたは平和のうちに死ぬ。人々は、あなたの先祖である歴代の王の葬儀に際して香をたいたように、あなたのために香をたき、『ああ、王様』と言って嘆くであろう。このことをわたしは約束する、と主は言われる。」 6 預言者エレミヤはエルサレムで、この言葉どおりにユダの王ゼデキヤに告げた。 7 このとき、バビロンの王の軍隊は、エルサレムと、ユダの残っていた町々、すなわちラキシュとアゼカを攻撃していた。ユダの町々の中で、これらの城壁を持った町だけがまだ残っていたのである。 奴隷の解放 8 ゼデキヤ王が、エルサレムにいる民と契約を結んで奴隷の解放を宣言した後に、主からエレミヤに臨んだ言葉。 9 その契約は、ヘブライ人の男女の奴隷を自由の身として去らせ、また何人であれ同胞であるユダの人を奴隷とはしないことを定めたものである。 10 この契約に加わった貴族と民は、それぞれ男女の奴隷を自由の身として去らせ、再び奴隷とはしないという定めに従って去らせた。 11 しかしその後、彼らは態度を変え、いったん自由の身として去らせた男女の奴隷を再び強制して奴隷の身分とした。 12 そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 13 「イスラエルの神、主はこう言われる。わたしは、奴隷の家エジプトの国からあなたたちの先祖を導き出した日に、彼らと契約を結んで命じた。 14 だれでも、同胞であるヘブライ人が身を売って六年間、あなたのために働いたなら、七年目には自由の身として、あなたのもとから去らせなければならない、と。ところが、お前たちの先祖はわたしに聞き従わず、耳を傾けようとしなかった。 15 しかし今日、お前たちは心を入れ替えて、わたしの正しいと思うことを行った。お前たちは皆、隣人に解放を宣言し、わたしの名で呼ばれる神殿において、わたしの前に契約を結んだ。 16 ところがお前たちは、またもや、態度を変えてわたしの名を汚した。彼らの望みどおり自由の身として去らせた男女の奴隷を再び強制して奴隷の身分としている。 17 それゆえ、主はこう言われる。お前たちが、同胞、隣人に解放を宣言せよというわたしの命令に従わなかったので、わたしはお前たちに解放を宣言する、と主は言われる。それは剣、疫病、飢饉に渡す解放である。わたしは、お前たちを世界のすべての国々の嫌悪の的とする。 18 わたしの契約を破り、わたしの前で自ら結んだ契約の言葉を履行しない者を、彼らが契約に際して真っ二つに切り裂き、その間を通ったあの子牛のようにする。 19 ユダとエルサレムの貴族、役人、祭司、および国の民のすべてが二つに切り裂いた子牛の間を通った。 20 わたしは、彼らを敵の手に渡し、命を奪おうとする者の手に渡す。彼らの死体は、空の鳥と地の獣の餌食になる。 21 ユダの王ゼデキヤと貴族たちを敵の手に、命を奪おうとする者の手に、すなわち一時撤退したバビロンの王の軍隊の手に渡す。 22 わたしは命令を下す、と主は言われる。わたしは、彼らをこの都に呼び戻す。彼らはこの都を攻撃し、占領して火を放つであろう。わたしは、ユダの町々を、住む者のない廃虚とする。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JER/34-adcf1583938216c1cc2e28bbda907043.mp3?version_id=1819—

エレミヤ書 35

レカブ人の忠誠 1 ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの時代に、主からエレミヤに臨んだ言葉。 2 「レカブ人一族のところへ行って、主の神殿の一室に来るように言い、彼らにぶどう酒を飲ませなさい。」 3 そこで、わたしは、ハバツィンヤの孫であり、イルメヤの子であるヤアザンヤとその兄弟、その子ら、つまりレカブ人の一族全員を連れて、 4 主の神殿にある、神の人イグダルヤの子ハナンの弟子たちがいる部屋へ行った。この部屋は、貴族の部屋の隣にあって、門衛、シャルムの子マアセヤの部屋の上に当たる。 5 そこで、わたしはレカブ人一族の前にぶどう酒を満たした壺と杯を出し、彼らに、「ぶどう酒を飲んでください」と言った。 6 すると、彼らは答えた。「我々はぶどう酒を飲みません。父祖レカブの子ヨナダブが、子々孫々に至るまでぶどう酒を飲んではならない、と命じたからです。 7 また、家を建てるな、種を蒔くな、ぶどう園を作るな、また、それらを所有せず、生涯天幕に住むように。そうすれば、お前たちが滞在する土地で長く生きることができる、と言いました。 8 我々の先祖である、レカブの子ヨナダブの命じたすべてのことに聞き従ってきました。生涯、我々も妻も、息子、娘たちもぶどう酒を飲まず、 9 住む家を建てず、ぶどう園、畑、種を所有せず、 10 天幕に住んでいます。我々は父祖ヨナダブの命じたすべてのことに従って行ってきました。 11 今は、バビロンの王ネブカドレツァルがこの国に攻め上って来たので、『エルサレムに行き、カルデア軍とアラム軍の攻撃を避けよう』と言って、エルサレムに滞在しているのです。」 12 そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 13 「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。行って、ユダの人々とエルサレムの住民に告げよ。お前たちはわたしの言葉に従えという戒めを受け入れないのか、と主は言われる。 14 レカブの子ヨナダブが一族の者たちに、ぶどう酒を飲むなと命じた言葉は守られ、彼らはこの父祖の命令に聞き従い、今日に至るまでぶどう酒を飲まずにいる。ところがお前たちは、わたしが繰り返し語り続けてきたのに聞き従おうとしなかった。 15 わたしは、お前たちにわたしの僕である預言者を、繰り返し遣わして命じた。『おのおの悪の道を離れて立ち帰り、行いを正せ。他の神々に仕え従うな。そうすれば、わたしがお前たちと父祖に与えた国土にとどまることができる』と。しかし、お前たちは耳を傾けず、わたしに聞こうとしなかった。 16 レカブの子ヨナダブの一族が、父祖の命じた命令を固く守っているというのに、この民はわたしに従おうとしない。 17 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。わたしは、ユダとエルサレムの全住民に対して予告したとおり、あらゆる災いを送る。わたしが語ったのに彼らは聞かず、わたしが呼びかけたのに答えなかったからである。」 18 また、レカブ人一族にエレミヤは言った。「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。あなたたちは、父祖ヨナダブの命令に聞き従い、命令をことごとく守り、命じられたとおりに行ってきた。 19 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。レカブの子ヨナダブの一族には、わたしの前に立って仕える者がいつまでも絶えることがない。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JER/35-c4235ebb7298fde4dc634cac1fc80d48.mp3?version_id=1819—

エレミヤ書 36

預言の巻物 1 ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの第四年に、次の言葉が主からエレミヤに臨んだ。 2 「巻物を取り、わたしがヨシヤの時代から今日に至るまで、イスラエルとユダ、および諸国について、あなたに語ってきた言葉を残らず書き記しなさい。 3 ユダの家は、わたしがくだそうと考えているすべての災いを聞いて、それぞれ悪の道から立ち帰るかもしれない。そうすれば、わたしは彼らの罪と咎を赦す。」 4 エレミヤはネリヤの子バルクを呼び寄せた。バルクはエレミヤの口述に従って、主が語られた言葉をすべて巻物に書き記した。 5 エレミヤはバルクに命じた。「わたしは主の神殿に入ることを禁じられている。 6 お前は断食の日に行って、わたしが口述したとおりに書き記したこの巻物から主の言葉を読み、神殿に集まった人々に聞かせなさい。また、ユダの町々から上って来るすべての人々にも読み聞かせなさい。 7 この民に向かって告げられた主の怒りと憤りが大きいことを知って、人々が主に憐れみを乞い、それぞれ悪の道から立ち帰るかもしれない。」 8 そこで、ネリヤの子バルクは、預言者エレミヤが命じたとおり、巻物に記された主の言葉を主の神殿で読んだ。 9 ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの治世の第五年九月に、エルサレムの全市民およびユダの町々からエルサレムに上って来るすべての人々に、主の前で断食をする布告が出された。 10 そのとき、バルクは主の神殿で巻物に記されたエレミヤの言葉を読んだ。彼は書記官、シャファンの子ゲマルヤの部屋からすべての人々に読み聞かせたのであるが、それは主の神殿の上の前庭にあり、新しい門の入り口の傍らにあった。 11 シャファンの孫でゲマルヤの子であるミカヤは、その巻物に記された主の言葉をすべて聞くと、 12 王宮にある書記官の部屋へ下って行った。そこには、役人たちが皆、席に着いていた。書記官エリシャマ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナンヤの子ツィドキヤをはじめすべての役人たちがいた。 13 ミカヤは、バルクが民の前で巻物を読んだときに聞いた言葉を、すべて役人たちに伝えた。 14 役人たちは、ユディをバルクのもとに遣わして、「あなたが民に読み聞かせたあの巻物を持って来るように」と言わせた。ユディの父はネタンヤ、祖父はシェレムヤ、曽祖父はクシである。そこで、ネリヤの子バルクは、巻物を持って、彼らのところに来た。 15 彼らはバルクに言った。「座って、我々にも巻物を読んでください。」そこで、バルクは彼らに巻物を読み聞かせた。 16 その言葉をすべて聞き終わると、彼らは皆、おののいて互いに顔を見合わせ、バルクに言った。「この言葉はすべて王に伝えねばならない。」 17 更にバルクに尋ねた。「どのようにして、このすべての言葉を書き記したのか教えてください。彼の口述ですか。」 18 バルクは答えた。「エレミヤが自らわたしにこのすべての言葉を口述したので、わたしが巻物にインクで書き記したのです。」 19 そこで、役人たちはバルクに言った。「あなたとエレミヤは急いで身を隠しなさい。だれにも居どころを知られてはなりません。」 20 彼らは巻物を書記官エリシャマの部屋に納めて、宮廷にいる王のもとに赴き、その言葉をすべて王に伝えた。 21 王はユディを遣わして、巻物を取って来させた。彼は書記官エリシャマの部屋から巻物を取って来て、王と王に仕えるすべての役人が聞いているところで読み上げた。 22 王は宮殿の冬の家にいた。時は九月で暖炉の火は王の前で赤々と燃えていた。 23 ユディが三、四欄読み終わるごとに、王は巻物をナイフで切り裂いて暖炉の火にくべ、ついに、巻物をすべて燃やしてしまった。 24 このすべての言葉を聞きながら、王もその側近もだれひとり恐れを抱かず、衣服を裂こうともしなかった。 25 また、エルナタン、デラヤ、ゲマルヤの三人が巻物を燃やさないように懇願したが、王はこれに耳を貸さなかった。 26 かえって、王は、王子エラフメエル、アズリエルの子セラヤ、アブデエルの子シェレムヤに命じて、書記バルクと預言者エレミヤを捕らえようとした。しかし、主は二人を隠された。 27 バルクがエレミヤの口述に従ってこれらの言葉を書き記した巻物を王が燃やした後に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 […]

エレミヤ書 37

エレミヤの逮捕 1 ヨヤキムの子コンヤに代わって、ヨシヤの子ゼデキヤが王位についた。バビロンの王ネブカドレツァルが、彼をユダの国の王としたのである。 2 王も家来も国の民も、主が預言者エレミヤによって告げられた主の言葉に聞き従わなかった。 3 ゼデキヤ王は、シェレムヤの子ユカルと祭司であるマアセヤの子ツェファンヤとを預言者エレミヤのもとに遣わして、「どうか、我々のために、我々の神、主に祈ってほしい」と頼んだ。 4 エレミヤはまだ投獄されておらず、人々の間で出入りしていた。 5 折しも、ファラオの軍隊がエジプトから進撃して来た。エルサレムを包囲していたカルデア軍はこの知らせを聞いて、エルサレムから撤退した。 6 このとき、主の言葉が預言者エレミヤに臨んだ。 7 「イスラエルの神なる主はこう言われる。わたしの言葉を求めて、お前たちを遣わしたユダの王にこう言うがよい。お前たちを救援しようと出動したファラオの軍隊は、自分の国エジプトへ帰って行く。 8 カルデア軍が再び来て、この都を攻撃し、占領し火を放つ。 9 主はこう言われる。カルデア軍は必ず我々のもとから立ち去ると言って、自分を欺いてはならない。カルデア軍は決して立ち去らない。 10 たとえ、お前たちが戦いを交えているカルデアの全軍を撃ち破り、負傷兵だけが残ったとしても、彼らはそれぞれの天幕から立ち上がって、この都に火を放つ。」 11 カルデア軍は、ファラオの軍隊が進撃して来たので、エルサレムから撤退した。 12 そのとき、エレミヤはエルサレムを出て、親族の間で郷里の所有地を相続するために、ベニヤミン族の地へ行こうとした。 13 彼がベニヤミン門にさしかかったとき、ハナンヤの孫で、シェレムヤの子であるイルイヤという守備隊長が、預言者エレミヤを捕らえて言った。「お前は、カルデア軍に投降しようとしている。」 14 そこで、エレミヤは言った。「それは違う。わたしはカルデア軍に投降したりはしない。」しかし、イルイヤは聞き入れず、エレミヤを捕らえ、役人たちのところへ連れて行った。 15 役人たちは激怒してエレミヤを打ちたたき、書記官ヨナタンの家に監禁した。そこが牢獄として使われていたからである。 16 エレミヤは丸天井のある地下牢に入れられ、長期間そこに留めて置かれた。 17 ゼデキヤ王は使者を送ってエレミヤを連れて来させ、宮廷でひそかに尋ねた。「主から何か言葉があったか。」エレミヤは答えた。「ありました。バビロンの王の手にあなたは渡されます。」 18 更に、エレミヤはゼデキヤ王に言った。「わたしを牢獄に監禁しておられますが、一体わたしは、どのような罪をあなたとあなたの臣下、あるいはこの民に対して犯したのですか。 19 『バビロンの王は、あなたたちも、この国をも攻撃することはない』と預言していたあの預言者たちは、一体どこへ行ってしまったのですか。 20 王よ、今どうか、聞いてください。どうか、わたしの願いを受け入れ、書記官ヨナタンの家に送り返さないでください。わたしがそこで殺されないように。」 21 ゼデキヤ王は、エレミヤを監視の庭に拘留しておくよう命じ、パン屋街から毎日パンを一つ届けさせた。これは都にパンがなくなるまで続いた。エレミヤは監視の庭に留めて置かれた。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JER/37-4c2b8e70f8f188a8ffaf3577bf22863d.mp3?version_id=1819—

エレミヤ書 38

水溜めに投げ込まれる 1 マタンの子シェファトヤ、パシュフルの子ゲダルヤ、シェレムヤの子ユカル、マルキヤの子パシュフルは、エレミヤがすべての民に次のように語っているのを聞いた。 2 「主はこう言われる。この都にとどまる者は、剣、飢饉、疫病で死ぬ。しかし、出てカルデア軍に投降する者は生き残る。命だけは助かって生き残る。 3 主はこう言われる。この都は必ずバビロンの王の軍隊の手に落ち、占領される。」 4 役人たちは王に言った。「どうか、この男を死刑にしてください。あのようなことを言いふらして、この都に残った兵士と民衆の士気を挫いています。この民のために平和を願わず、むしろ災いを望んでいるのです。」 5 ゼデキヤ王は答えた。「あの男のことはお前たちに任せる。王であっても、お前たちの意に反しては何もできないのだから。」 6 そこで、役人たちはエレミヤを捕らえ、監視の庭にある王子マルキヤの水溜めへ綱でつり降ろした。水溜めには水がなく泥がたまっていたので、エレミヤは泥の中に沈んだ。 7 宮廷にいたクシュ人の宦官エベド・メレクは、エレミヤが水溜めに投げ込まれたことを聞いた。そのとき、王はベニヤミン門の広場に座していた。 8 エベド・メレクは宮廷を出て王に訴えた。 9 「王様、この人々は、預言者エレミヤにありとあらゆるひどいことをしています。彼を水溜めに投げ込みました。エレミヤはそこで飢えて死んでしまいます。もう都にはパンがなくなりましたから。」 10 王はクシュ人エベド・メレクに、「ここから三十人の者を連れて行き、預言者エレミヤが死なないうちに、水溜めから引き上げるがよい」と命じた。 11 エベド・メレクはその人々を連れて宮廷に帰り、倉庫の下から古着やぼろ切れを取って来て、それを綱で水溜めの中のエレミヤにつり降ろした。 12 クシュ人エベド・メレクはエレミヤに言った。「古着とぼろ切れを脇の下にはさんで、綱にあてがいなさい。」エレミヤはそのとおりにした。 13 そこで、彼らはエレミヤを水溜めから綱で引き上げた。そして、エレミヤは監視の庭に留めて置かれた。 ゼデキヤ王との最後の会見 14 ゼデキヤ王は使者を遣わして、預言者エレミヤを主の神殿の第三の入り口にいる自分のもとに連れて来させ、「あなたに尋ねたいことがある。何も隠さずに話してくれ」と言った。 15 エレミヤはゼデキヤに答えた。「もし、わたしが率直に申し上げれば、あなたはわたしを殺そうとされるのではないですか。仮に進言申し上げても、お聞きにはなりますまい。」 16 ゼデキヤ王はエレミヤにひそかに誓って言った。「我々の命を造られた主にかけて誓う。わたしはあなたを決して殺さない。またあなたの命をねらっている人々に引き渡したりはしない。」 17 そこで、エレミヤはゼデキヤに言った。「イスラエルの神、万軍の神なる主はこう言われる。もし、あなたがバビロンの王の将軍たちに降伏するなら、命は助かり、都は火で焼かれずに済む。また、あなたは家族と共に生き残る。 18 しかし、もしバビロンの王の将軍たちに降伏しないなら、都はカルデア軍の手に渡り、火で焼かれ、あなたは彼らの手から逃れることはできない。」 19 ゼデキヤ王はエレミヤに言った。「わたしが恐れているのは、既にカルデア軍のもとに脱走したユダの人々である。彼らに引き渡されると、わたしはなぶりものにされるかもしれない。」 20 そこで、エレミヤは言った。「いいえ、彼らに引き渡されることはありません。どうか、わたしが申し上げる主の声に聞き従ってください。必ず、首尾よくいき、あなたは生き長らえることができます。 21 もし降伏することを拒否するならこうなる、と主がわたしに示されました。 22 ユダの王宮に残っている女たちは皆、バビロンの王の将軍たちのところへ連れて行かれ、こう言うでしょう。あなたの親しい友人たちは/あなたをいざない、説き伏せた。あなたの足が泥に取られると/背を向け、逃げ去った。 23 王妃や、王子たちは皆、カルデア軍のもとに連れて行かれ、王御自身も彼らの手を逃れることができません。必ずバビロンの王の手に捕らえられ、都は火で焼き払われます。」 24 ゼデキヤ王はエレミヤに言った。「このことは、だれにも知られないようにしよう。そうすれば、あなたは殺されないで済む。 25 役人たちは、わたしがあなたと話し合ったことを聞きつければ、きっと、あなたのもとに来て、『王に何を話したのか言え。隠さずに話せ。殺しはしないから。何を王がお前に話したかを言え』と言うだろう。 26 そのときは、こう答えるがよい。『わたしは王に憐れみを乞い、ヨナタンの家に送り返さないでください。あそこでは殺されてしまいます、と言いました』と。」 27 […]

エレミヤ書 39

エルサレムの陥落 1 ユダの王ゼデキヤの第九年十月に、バビロンの王ネブカドレツァルは全軍を率いてエルサレムに到着し、これを包囲した。 2 ゼデキヤの第十一年四月九日になって、都の一角が破られた。 3 バビロンの王のすべての将軍が来て、中央の門に座を設けた。ネレガル・サル・エツェル、サムガル・ネブ、侍従長サル・セキム、指揮官ネレガル・サル・エツェル、およびバビロンの王の他のすべての将軍たちである。 4 ユダの王ゼデキヤと戦士たちは皆、これを見て逃げた。夜中に彼らは二つの城壁の間にある門から、王の園を通り都を出て、アラバに向かって行った。 5 カルデア軍は彼らの後を追い、エリコの荒れ地でゼデキヤに追いついた。王は捕らえられて、ハマト地方のリブラにいるバビロンの王ネブカドレツァルのもとに連れて行かれ、裁きを受けた。 6 リブラでバビロンの王は、ゼデキヤの目の前でその王子たちを殺した。バビロンの王はユダの貴族たちもすべて殺した。 7 その上で、バビロンの王はゼデキヤの両眼をつぶし、青銅の足枷をはめ、彼をバビロンに連れて行った。 8 カルデア人は、王宮と民家に火を放って焼き払い、エルサレムの城壁を取り壊した。 9 民のうち都に残っていたほかの者、投降した者、その他の生き残った民は、バビロンの親衛隊の長ネブザルアダンによって捕囚とされ、連れ去られた。 10 その日、無産の貧しい民の一部は、親衛隊の長ネブザルアダンによってユダの土地に残され、ぶどう畑と耕地を与えられた。 11 バビロンの王ネブカドレツァルはエレミヤに関して、親衛隊の長ネブザルアダンに命令を下した。 12 「彼を連れ出し、よく世話をするように。いかなる害も加えてはならない。彼が求めることは、何でもかなえてやるように。」 13 そこで、親衛隊の長ネブザルアダンは侍従長ネブシャズバン、指揮官ネレガル・サル・エツェルはじめ、バビロンの王の長官たちを遣わし、 14 監視の庭からエレミヤを連れ出し、シャファンの孫で、アヒカムの子であるゲダルヤに預け、家に送り届けさせた。こうして、エレミヤは民の間にとどまった。 エベド・メレクへの約束 15 エレミヤに主の言葉が臨んだ。それは、彼が監視の庭に監禁されているときのことであった。 16 「クシュ人エベド・メレクのもとに赴いて告げよ。イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。見よ、わたしはこの都について告げたわたしの言葉を実現させる。それは災いであって、幸いではない。その日には、あなたの見ている前でこれらのことが起こる。 17 しかし、その日に、わたしはあなたを救い出す、と主は言われる。あなたが恐れている人々の手に渡されることはない。 18 わたしは必ずあなたを救う。剣にかけられることはなく、命だけは助かって生き残る。あなたがわたしを信頼したからである、と主は言われる。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JER/39-fb21f1654a309c6f9baa58cbdec2472a.mp3?version_id=1819—

エレミヤ書 40

エレミヤの釈放 1 主から言葉がエレミヤに臨んだ。それは、親衛隊の長ネブザルアダンが、バビロンへ捕囚として移送されるエルサレムとユダのすべての人々と共に、エレミヤを捕虜として鎖につないで連行したが、ラマで釈放することにした後のことである。 2 親衛隊の長はエレミヤを連れて来させて言った。「主なるあなたの神は、この場所にこの災いをくだすと告げておられたが、 3 そのとおりに災いをくだし、実行された。それはあなたたちが主に対して罪を犯し、その声に聞き従わなかったからである。だから、このことがあなたたちに起こったのだ。 4 さあ、今日わたしはあなたの手の鎖を解く。もし、あなたがわたしと共にバビロンに来るのが良いと思うならば、来るがよい。あなたの面倒を見よう。一緒に来るのが良くなければ、やめるがよい。目の前に広がっているこのすべての土地を見て、あなたが良しと思い、正しいとするところへ行くがよい。 5 ――エレミヤはまだ民のもとに戻っていなかった――シャファンの孫でアヒカムの子であるゲダルヤのもとに戻り、彼と共に民の間に住むがよい。彼は、バビロンの王がユダの町々の監督をゆだねた者である。さもなければ、あなたが正しいとするところへ行くがよい。」親衛隊の長はエレミヤに食料の割り当てを与えて釈放した。 6 こうしてエレミヤは、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのもとに身を寄せ、国に残った人々と共にとどまることになった。 ゲダルヤの働き 7 野にいたすべての軍の長たちはその部下と共に、バビロンの王がアヒカムの子ゲダルヤをその地に立てて総督とし、バビロンに移送されなかったその土地の貧しい人々に属する男、女、子供たちを彼のもとにゆだねたことを聞き、 8 ミツパにいるゲダルヤのもとに集って来た。それはネタンヤの子イシュマエル、カレアの二人の子ヨハナンとヨナタン、およびタンフメトの子セラヤ、ネトファ人エファイの一族、マアカ人の子であるエザンヤとその部下たちであった。 9 シャファンの孫でアヒカムの子であるゲダルヤは、彼らとその部下たちに誓って言った。「カルデア人に仕えることを恐れてはならない。この地にとどまり、バビロンの王に仕えなさい。あなたたちは幸せになる。 10 このわたしがミツパにいて、やがて到着するカルデア人と応対しよう。あなたたちはぶどう酒、夏の果物、油などを集めて貯蔵し、自分たちの確保している町々にとどまりなさい。」 11 モアブ、アンモン、エドム、その他の国々にいたユダヤ人たちも皆、バビロンの王が、ユダに残留者を認め、シャファンの孫でアヒカムの子であるゲダルヤに、彼らの監督をゆだねたことを聞いた。 12 そこで、ユダの人々は皆、それぞれの避難先から引き揚げて、ユダの地に戻り、ミツパのゲダルヤのもとに来た。彼らは、ぶどう酒と夏の果物を多く集めた。 ゲダルヤの暗殺 13 ときに、カレアの子ヨハナンと、野にいた軍の長たちがそろってミツパにいるゲダルヤのもとに来て、 14 言った。「アンモンの王バアリスが、あなたを暗殺しようとして、ネタンヤの子イシュマエルを送り込んでいるのをご存じでしょうか。」しかし、アヒカムの子ゲダルヤは彼らの言うことを信じなかった。 15 カレアの子ヨハナンはミツパで極秘にゲダルヤに進言した。「あなたが暗殺され、ここに集まって来たユダの人々が、またちりぢりになり、ユダの残留者が滅びてしまってもよいのですか。わたしが行って、だれにも知られないようにネタンヤの子イシュマエルを殺して来ます。」 16 だが、アヒカムの子ゲダルヤはカレアの子ヨハナンに言った。「そのようなことをしてはならない。イシュマエルについてあなたの言うことは誤りだ。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JER/40-2568daa07e21ebbf77f7e4a783d93df4.mp3?version_id=1819—