マカバイ記 一 7

デメトリオスの支配と弾圧開始

1 第百五十一年に、セレウコスの子デメトリオスがローマを脱出し、わずかな手勢を連れて海辺の一都市に上陸して、その地で王としての統治を開始した。

2 そして彼が自分の先祖の王宮に入ろうとしたとき、兵士たちはアンティオコスとリシアスを彼のもとに連れて行こうと、二人を捕らえた。

3 この知らせを受けると、デメトリオスは、「彼らの顔など見たくもない」と言った。

4 そこで、兵士たちは二人を殺した。こうしてデメトリオスは王座についた。

5 イスラエル中から、律法に従わない不敬虔な者ども全員が、彼のところへやって来た。その先頭に立っていたのは大祭司職をねらうアルキモスであった。

6 彼らは民を告発して王に言った。「王の友人たちを皆殺しにし、わたしたちの地からわたしたちを追い払ったのは、実にユダとその兄弟たちです。

7 ぜひとも、王が信頼しておられる人をお送りくださり、彼らがわたしたちと王国の地に対して行った破壊行為の一切をその人に視察させ、彼らと彼らの支援者たちを全員処罰してください。」

8 そこで王は、王の友人の一人、ユーフラテス川の向こう側の地の総督で王国の有力者、王に忠実なバキデスを選んだ。

9 王は彼と不敬虔なアルキモスを派遣し、アルキモスには大祭司の職を与え、イスラエルの子らに復讐せよと命じた。

10 二人は大軍を引き連れて出立した。ユダヤの地に入ると使者を送って、ユダおよびその兄弟たちと見せかけの友好関係を結ぼうとした。

11 しかしユダとその兄弟たちは、彼らの言葉に耳を貸さなかった。敵が大軍を率いて来たことを知っていたからである。

アルキモスの策略とその結果

12 しかし、律法学者の一団はアルキモスとバキデスのところに集まって、公正な判断を下すようにと熱心に願い出た。

13 イスラエルの民の中では、ハシダイと呼ばれる者たちが先頭に立って、アルキモスたちとの和を求めようとしたのである。

14 彼らは、「アロンの家系に連なる祭司であれば、軍を率いて来て、我々を不当に扱うはずはない」と言っていた。

15 そこでアルキモスも、和やかに語りかけ、「我々はあなたがたや、あなたがたの友人たちに危害を加えるつもりはない」と、彼らに誓った。

16 そこで彼らはアルキモスを信用した。ところがアルキモスは、ハシダイの中の六十人を捕まえ、一日のうちに全員を殺してしまった。それは次のように書き記されているとおりである。

17 「あなたの聖なる者たちの肉は散らされ、その血はエルサレムの周辺に注ぎ出されたが、彼らを葬る人はいなかった」と。

18 こうして民全体が敵に対する恐怖におののいた。民は言った。「あの者たちには真実も正義もない。だからこそ、取り決めも立てた誓いも破ってしまったのだ。」

19 さて、バキデスはエルサレムを離れ、ベトザイトに陣を敷き、兵を送り、寝返って彼の側に付いた多数の男たちと民の一部とを捕らえ、殺して大きな貯水溝に投げ込んだ。

20 そしてその地をアルキモスにゆだね、彼を助けるために軍隊を残し、バキデス自身はそこを離れて王のもとへ帰って行った。

21 アルキモスは、大祭司職を保持するのに必死であった。

22 民を悩ますすべての者たちが、彼のもとに集まり、ユダの地をほしいままにし、イスラエルに深刻な打撃を与えたのである。

23 ユダは、アルキモスとその仲間がイスラエルの民に対して、異邦人以上にひどい悪行を行っているのを残らず目撃し、

24 周辺のユダヤ領土全域に出撃して、敵側に寝返った男たちに復讐し、彼らが地方に出没するのを阻止した。

25 アルキモスはユダの軍が強力であることを目の当たりにし、彼らと戦うのは無理だと悟り、王のもとに戻り、彼らをあしざまに訴えた。

ニカノルの出陣

26 王は、武勇の誉れ高い指揮官の一人ニカノルを派遣した。ニカノルはイスラエルを憎み、敵視していたので、王は彼にイスラエルの民の殲滅を命じた。

27 ニカノルは大軍を率いてエルサレムに入り、ユダとその兄弟たちのもとに使者を立てて、偽りの和平の提言をした。

28 「もう、互いに戦い合うのはやめようではないか。平和裡に会いたいので、少数の者を連れてそちらに行くつもりだ。」

29 彼はユダのところへ行き、互いに和やかに挨拶を交わした。しかし敵は、ユダを連れ去る計画を立てていた。

30 だがニカノルが策略を秘めてやって来ていることを察知したユダは、彼を警戒して、二度と会おうとはしなかった。

31 ニカノルも、自分の計略が露見したことを知り、カファルサラマでユダと対決するために出陣した。

32 ニカノル軍は、兵士約五百人が倒れ、ダビデの町へ逃げ込んだ。

ニカノルの神殿冒涜とユダ軍の勝利

33 こうした出来事の後、ニカノルはシオンの山に上った。聖所から祭司たちと民の長老たちが出て来て、彼に和やかに挨拶をし、王のために焼き尽くす献げ物をささげている様を見せた。

34 しかしニカノルは、彼らを鼻であしらい、嘲笑し、罵倒し、傲慢な口を利いた。

35 彼は興奮し、誓って言った。「もし、ユダとその軍勢を、今すぐにもわたしの手に渡さないなら、無事に帰還した暁には、この神殿を焼き払ってやる。」こうして彼は、激昂して出て行った。

36 そこで祭司たちは中に入り、祭壇と聖所の前に立ち、泣いて言った。

37 「あなたがこの家を選ばれました。それは御名が呼ばれ、あなたの民の祈りと願いの家となるためでした。

38 この男とその軍勢に復讐してください。彼らを剣で倒してください。彼らの数々の冒涜を忘れず、彼らを生き永らえさせないでください。」

39 さて、ニカノルはエルサレムを出て行き、ベト・ホロンに陣を敷き、そこにシリア軍も合流した。

40 ユダも三千人の部隊をもってアダサに陣を敷き、祈って言った。

41 「かつて王から派遣された者たちが、冒涜行為を行ったとき、御使いが現れ、彼らのうち十八万五千人を打ち倒しました。

42 そのように、今日、わたしたちの目の前の軍勢を粉砕し、生き残った者たちに、ニカノルがあなたの聖所をあしざまにののしったことを知らせ、彼をその悪行に従って裁いてください。」

43 アダルの月の十三日に両陣営は戦いを交え、ニカノル軍は打ち破られ、ニカノル自身がこの戦闘で真っ先に倒れた。

44 ニカノル軍は、彼が戦死したのを見、武器を放り出して逃走した。

45 そこでユダ軍はアダサから一日路あるゲゼルまで彼らに追い打ちをかけ、背後から合図のラッパを吹き鳴らした。

46 すると、ユダヤの周辺のすべての村から人々が出て来てニカノルの残兵の行く手を遮ったので、両軍はぶつかり合い、ニカノル軍全員が剣で倒れ、だれ一人として生き残った者はなかった。

47 ユダの軍は、戦利品や分捕り品を集め、ニカノルの首と、かつて不遜な態度で差し出した右手を切り落として運び、エルサレムのそばでさらし物にした。

48 民は非常に喜び、この日を大いなる喜びの日として祝った。

49 そして、毎年アダルの月の十三日を記念日としたのである。

50 しばらくの間ではあったが、ユダの地には平和が訪れた。

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マカバイ記 一 6

アンティオコス・エピファネスの死

1 アンティオコス王は、高地の国々を通過していたとき、豊富な金と銀で有名なエリマイスという町がペルシアにあることを耳にした。

2 その町の神殿は、驚くほど富んでいて、金の兜、胸当て、武器などがあったが、それはマケドニア人の王、フィリポスの子アレキサンドロスが残していったものである。このアレキサンドロスはギリシア人を統治した最初の人物である。

3 アンティオコスはその町の占領と略奪をもくろんで出陣したが、たくらみが事前に市民に漏れてしまったので、成功しなかった。

4 人々が彼に戦いを挑もうと立ち上がったからである。彼は恐れをなし、心を残しつつも、途中からくびすを返しバビロンへ戻ろうとした。

5 すると、ペルシアにいる彼のところに一人の男がやって来て、報告をもたらした。「ユダの地への派遣軍は敗走しました。

6 リシアスは最強の軍隊を率いて進軍しましたが、撃退されてしまいました。ユダヤ軍は、撃破した部隊から奪い取った多数の武器、装備、戦利品で軍を強化し、

7 王がエルサレムの祭壇にお建てになった『憎むべきもの』を引きずり下ろし、聖所を以前のように高い塀で囲み、王の町であったベトツルも同様に固めました。」

8 この言葉を聞いて、王は愕然として激しく震えだし、寝台に倒れ、心痛のあまり病気になってしまった。事が思うようにならなかったからである。

9 激痛が繰り返し襲ったので、彼は何日もそこにとどまることを余儀なくされた。彼は死が迫っていることを悟った。

10 彼は友人全員を呼び寄せて言った。「眠りはわたしの目を離れ、心労のため精も根も尽き果てた。

11 わたしは自問した。『なぜこんなにひどい苦痛に遭わされ、大波にもまれなければならないのか。権力の座にあったときには、憐れみ深く、人々には愛されていたのに』と。

12 しかし今、エルサレムで犯した数々の悪行が思い出される。わたしは不当にも、その町の金銀の調度品全部をかすめ、ユダの住民を一掃するため兵を送った。

13 わたしには分かった。こうした不幸がわたしにふりかかったのは、このためなのだ。見よ、わたしは大きな苦痛を負って、異郷にあって死ぬばかりである。」

14 そこでアンティオコスは、王の友人の一人フィリポスを招き、全王国の支配を任せた。

15 その上で、彼はフィリポスに、自分の王冠、王衣、指輪を手渡し、自分の息子アンティオコスを将来の王とするための指導と養育をゆだねた。

16 アンティオコス王はその地で死んだ。第百四十九年のことであった。

17 ところがリシアスは、王が死んだことを知ると、直ちに幼少のときから養ってきた王子アンティオコスを王として擁立し、彼に「エウパトル」という名称を付けた。

アンティオコス・エウパトルの攻撃

18 さて要塞守備兵たちは、イスラエル人を聖所周辺に閉じ込め、四六時中、悪事を繰り返して、異邦人たちの支えとなろうとしていた。

19 そこでユダは彼らを一掃しようと決意し、彼らを包囲するため、民全体を召集した。

20 人々は直ちに集まり、要塞を包囲し、投石機や攻城機を組み立てた。第百五十年のことである。

21 ところが敵のある者たちが包囲を破って抜け出すと、イスラエルの中の不敬虔な者の一部が、彼らに合流し、

22 王のところに行って訴えた。「早く断を下して、わたしたちの仲間のために報復してください。

23 わたしたちは喜んであなたの父君に仕え、そのおっしゃることに従い、御命令を忠実に守りました。

24 それが原因で、我々の民のある者たちは、要塞を包囲し、我々に敵対し、我々の仲間と見れば、これを殺し、我々の財産をかすめ取りました。

25 彼らは、単に我々に対してだけでなく、彼らの周辺のあらゆる国々にも手を下しました。

26 御覧ください。今日、彼らはエルサレムの要塞に対して陣を敷き、これを奪おうとしています。彼らはまた聖所とベトツルを強化しました。

27 もし先手を打って彼らを捕らえなければ、彼らはもっと大がかりなことをするでしょう。そうなればあなたは彼らを抑えきれなくなります。」

28 これを聞いて、王は怒った。そして王の友人、軍の指揮官たち、騎兵隊長たち全員を召集した。

29 また他の諸王国からも、地中海の島々からも、傭兵部隊が集まった。

30 王の軍勢は、歩兵十万、騎兵二万、戦闘用の象三十二頭であった。

31 彼らはイドマヤを通過し、ベトツルに向けて陣を敷き、連日戦闘を重ね、攻城機を組み立てた。ベトツルの守備隊も出撃し、その攻城機に火をかけ、果敢に戦った。

32 そこでユダも要塞を離れ、ベトザカリアに至り、王の陣営に向けて陣を敷いた。

ベトザカリアの戦い

33 王は朝早く起き、士気盛んな軍隊をベトザカリアへ向けて出立させた。兵士たちは戦闘準備を整え、ラッパを吹き鳴らした。

34 そしてぶどうと桑の赤い汁を象たちに見せて、戦いに向かわせた。

35 象たちを各密集部隊に配置し、鎖の胸当てを着け、銅の兜をかぶった千人の兵士をそれぞれの象に割り当て、更にまた選ばれた五百人の騎兵をそれぞれの象に配した。

36 それらの兵士たちは、象の前後左右を固めて行動をともにし、象を離れることがなかった。

37 また、それぞれの象の背には、天蓋で覆われた堅固な木製のやぐらが、器具で縛りつけられていた。そしてその一台一台の上に、屈強な戦闘員が四人、象使いのインド人が一人配されていた。

38 王は、残りの騎兵を陣営の両翼の各所に配置し、突撃態勢をとらせ、彼らに密集部隊を守らせた。

39 太陽が金や銅の盾を照らすと、それに反射して、山々も燃え盛る火のように輝いた。

40 王の軍隊の一部は高地へ展開し、他は低地に展開して、堂々とまた整然と進んで行った。

41 その大軍のどよめき、進軍の足音、武具のぶつかり合う音を聞く者は皆、震え上がった。この軍勢はまことに数多く、強力であったからである。

42 しかしユダとその軍隊はこれに接近して対決し、王の軍勢のうち六百人が戦死した。

43 このときエレアザル・アワランは、一頭の象が王家の印のある防具をつけ、他の象よりも特に大きいことに目を留め、王が乗っている象にちがいないと思い、

44 民を救い、不朽の名を残そうと、自らを犠牲にしたのである。

45 彼は大胆にも、密集部隊のただ中にいるその象に向かって突進し、右に左に敵をなぎ倒したので、密集部隊は左右に分かれた。

46 彼は象の下に入り込み、それを突き刺して、殺した。だが、象が地に倒れて、彼は下敷きとなり、その場で死んだ。

47 ユダたちは、王国の力と軍隊の勢力を知って、後退した。

シオンの山の包囲

48 そこで王の軍隊の一部は、ユダの軍と対決するために、エルサレムに上り、王はユダヤに向けて、つまりシオンの山の方向に陣を敷いた。

49 一方、王はベトツルの人々と和睦し、彼らはその町から出て行った。地が安息の年であったため、包囲に耐えるだけの食物がなかったからである。

50 こうして王はベトツルを占領し、そこを守るために守備隊を置いた。

51 王はまた、聖所を長期にわたり包囲し、そこに投岩機、攻城機、投火機、投石機、矢と石を投げるための武器を設置した。

52 ユダヤ人たちも、これらに対抗して同様の武器を備え、何日も抵抗した。

53 しかしその年は安息の年であったため、貯蔵倉には食物がなく、しかも異邦の地から逃げ延びてユダヤに来た者たちが、食糧の残りを食べ尽くしてしまっていた。

54 飢えが人々を苦しめ、彼らはそれぞれの故郷に散って行ったので、聖所に残る者は少なくなった。

リシアスの和睦の提案

55 リシアスは次のような知らせを受けた。その内容は、先王アンティオコスの存命中に、その王子アンティオコスを王となるにふさわしく養育する任務をゆだねられたフィリポスが、

56 遠征していた先王の軍隊を引き連れてペルシアとメディアから帰還し、政権を乗っ取ろうとしているということであった。

57 そこでリシアスは撤退した方がよいと考えて、急いで王と軍の指揮官たち、それに兵士たちのもとに行き、彼らに言った。「我々の力は日ごとに衰え、食物も乏しく、しかも包囲している場所は強固だ。王国の命運は我々の双肩にかかっている。

58 この際、この人々には和解の印として右手を差し出そう。そして彼らおよびその民族全体と和を結ぼうではないか。

59 また彼らに、従来どおり自分たちの慣習に従って生活することを許してやろうではないか。彼らが怒って、抵抗しているのは、我々が彼らの慣習を破棄させようとしたからだ。」

60 この言葉は王と軍の指揮官たちの意に適ったので、リシアスはユダヤ人たちのもとに和睦の使者を立て、ユダヤ人もこれを受け入れた。

61 王と指揮官たちが誓ったので、それを信じてユダヤ人たちは砦から出て来た。

62 ところが、王はシオンの山に行き、その砦の堅固なのを見て、さきに立てた誓いを破り、周囲の城壁を破壊するように命じた。

63 それから王は、急ぎアンティオキアに戻り、フィリポスが町を支配しているのを見て、彼を襲撃し、力ずくで町を奪還した。

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マカバイ記 一 5

隣接諸民族との戦い

1 周囲の異邦人たちは、祭壇が再建され、聖所も元どおりに奉献されたことを知って激怒し、

2 彼らの中にいるヤコブの子孫を一掃することを謀り、民の殺害と根絶に着手した。

3 ユダはイドマヤのエサウの子孫に対して、アクラバタで戦いを挑んだ。彼らがイスラエルを包囲したからである。ユダは彼らに手ひどい打撃を与え戦意を喪失させ、戦利品を奪い取った。

4 また彼はバイアンの子孫の悪行を忘れてはいなかった。彼らは路上に待ち伏せて、民に対する罠とつまずきとなっていたのである。

5 ユダは彼らを塔に閉じ込めて包囲し、呪いをかけて、そこにいた者たちもろとも塔に火を放った。

6 次いでユダはアンモンの子孫に向かったが、その数は多く、力は強大で、ティモテオスが彼らの指揮官であった。

7 ユダは彼らに対して戦闘を繰り返し、ついにこれを粉砕し、討ち滅ぼした。

8 ユダはまた、ヤゼルとそれに属する村々を占領し、ユダヤに帰還した。

ギレアドとガリラヤ在住のユダヤ人の危機

9 ギレアド地方の異邦人は、その地域に住むイスラエル人を一掃しようと連合した。イスラエル人はダテマの砦に逃れ、

10 ユダとその兄弟にあてて書簡を送った。「周囲の異邦人がわたしたちを一掃しようとして連合しています。

11 わたしたちが逃げ込んだ砦に攻め込んで占領しようと準備を整えています。敵軍の指揮官はティモテオスです。

12 すぐに来て、敵の手から救い出してください。わたしたちの中の多数の者は既に倒れ、

13 トビヤ地方にいる兄弟たちは全員殺害され、その妻子は捕らえられ、家財は略奪されて、およそ一千人の男が殺されました。」

14 その手紙を読んでいる最中に、別の使者たちが、ずたずたになった衣服を着けてガリラヤから到着した。彼らは、以下の報告をもたらした。

15 「プトレマイス、ティルス、シドン、それに異邦人のガリラヤ全域の者たちが連合し、わたしたちを根絶しようとしています。」

16 ユダと民はこれらの報告を聞くと大集会を開いた。艱難の中に置かれ、異邦人の攻撃にさらされている同胞たちのために何をなすべきかを協議するためであった。

17 ユダは兄のシモンに言った。「兵を選抜し、ガリラヤに行って同胞を救出してください。わたしは弟ヨナタンとギレアドに向かいます。」

18 ユダは、ザカリアの子ヨセフと民の指導者アザリアを残りの軍隊とともにユダヤに残してこれを守らせ、

19 彼らに命じた。「この民を統率せよ。我々が戻るまでは異邦人と戦ってはならない。」

20 ガリラヤに向かうためシモンには三千の兵が、ギレアドに向かうため、ユダには八千の兵が配属された。

シモンとユダ、同胞を救出

21 シモンはガリラヤに出撃し、異邦人たちと数々の戦闘を交え、眼前の敵を一掃した。

22 そして異邦人らをプトレマイスの門まで追撃し、三千人を倒して彼らから武具をはぎ取った。

23 更にシモンは、ガリラヤ地方とアルバタ地方に住んでいた同胞たちを、妻子や財産ともども奪回し、大いなる歓喜のうちにユダヤに連れ帰った。

24 一方、ユダ・マカバイと弟のヨナタンはヨルダン川を渡って、荒れ野を三日間進んだ。

25 一行はナバタイ人と出会った。ナバタイ人たちは彼らに丁重に接し、ギレアド在住のユダヤ人の身に起こったことをすべて彼らに語って聞かせた。

26 すなわち、ユダヤ人の多くがボソラ、アレマのボソル、カスフォ、マケド、カルナイムなど、いずれも強固で大きな町の中に閉じ込められ、

27 他のギレアドの町々の中にも閉じ込められており、明日敵はそれらの砦に攻め込んでこれを占領し、一日ですべてのユダヤ人を滅ぼそうとしているというのであった。

28 ユダと彼の率いる部隊は道を転じて直ちにボソラ目指して荒れ野を突き進み、その町を占領し、すべての男子を剣にかけて殺し、すべての戦利品を奪って、町に火を放った。

29 そして夜の間にそこを離れて次の砦へと向かった。

30 夜明けとともに、おびただしい兵がはしごや攻城機を動かして、砦を占領しようと攻略にかかっている姿が彼らの目に映った。

31 ユダは、戦闘が既に始まり、町の叫び声が天にまで達し、ラッパの音や大喚声があがっているのを見た。

32 そして兵たちに、「今日こそ我々の同胞のために戦え」と言って、

33 兵を三隊に分け、敵の後方から襲撃した。彼らはラッパを高らかに鳴らし、大声で祈った。

34 ティモテオス陣営の兵士たちは相手がマカバイだと知って、彼の前から逃げ出した。ユダは彼らに大打撃を与え、この日八千人に上る敵を倒した。

35 次いで、ユダはマアファに向かい、その町に戦いを仕掛けて占領し、町の男子全員を殺し、戦利品を奪って町に火をかけた。

36 ユダはそこから更に矛先を転じて、カスフォ、マケド、ボソルほか、ギレアドの他の町々を攻め落とした。

37 これらの戦いの後、ティモテオスは新たな軍を編成して、渓流の向こう側にあるラフォンに面して陣を敷いた。

38 ユダが偵察兵を出して敵陣を探らせると、彼らはこう報告した。「我々の周りにいるすべての異邦人がティモテオスのもとに集結して大軍勢となり、

39 アラビア人たちも彼を支援するために傭兵となり、渓流の向こう側に陣を敷き、こちらに向かって攻め込む用意をしています。」ユダはこれを迎え撃つために進軍した。

40 ティモテオスはユダの率いる軍が、水かさの増している渓流に接近するのを見て、配下の指揮官たちに言った。「敵の方が先に川を渡って来るなら、わが軍は太刀打ちできない。彼らの方が優位に立つことになるからだ。

41 だがもし敵がちゅうちょして対岸に陣を敷くなら、そのときはこちらから川を渡り、敵を打ち負かそう。」

42 ユダは水かさの増した渓流に近づき、民の律法学者をその岸辺に立たせて命じた。「一兵たりとも宿営に残るのを許してはならない。全員を戦闘に出させるのだ。」こう言って、

43 ユダは真っ先に渓流を渡った。民も皆、彼に続いた。異邦人たちは彼らによって完全に打ち破られ、武器を投げ捨てて逃走し、カルナイムの町の神域に逃げ込んだ。

44 ユダの軍は町を占領し、神域に火を放ち、その中にある一切のものを焼き払った。カルナイムは陥落し、もはやだれもユダに抵抗することができなくなった。

45 こうしてユダはギレアドに住んでいたイスラエルの人々を、身分の低い者から高い者に至るまで、その妻子、家財ともどもすべて集め、一大集団を成して、ユダの地を目指して出発した。

エフロンでの破壊

46 ユダの一行はエフロンにさしかかった。エフロンは大きな堅固な町であったが、左にも右にも迂回する道はなく、町の中央を通り抜けるしかなかった。

47 だが、町の人々は一行が通過するのを拒み、入り口を石で封鎖した。

48 ユダは使者を送り、「国に帰るために道を通らせていただきたい。決してあなたがたに危害を加えるようなことはいたしません。ただ徒歩で通過するだけです」と穏やかに言わせたが、彼らは門を開こうとはしなかった。

49 そこでユダは軍に指令を出して、各自その場で陣を敷くように命じた。

50 兵士たちは陣を敷き、その日一昼夜町を攻撃したので、町はユダの手に落ちた。

51 彼らは男子をことごとく剣にかけて殺し、町を跡形なく破壊し、戦利品を奪って、敵の屍を踏み越えて、町を通過した。

52 一行はヨルダン川を越え、ベトシャンの前の大平野に至った。

53 ユダはユダヤの地に入るまで道々落伍者を集め、民を励まし続けた。

54 こうして彼らは、歓喜のうちにシオンの山に登り、焼き尽くす献げ物をささげた。途中一人の犠牲者もなく無事に帰還できたからである。

ヨセフとアザリアの敗北

55 さて、ユダとヨナタンがギレアドにおり、彼らの兄シモンがプトレマイスに面したガリラヤにいたとき、

56 残留部隊の指揮を託されていたザカリアの子ヨセフとアザリアの二人は、ユダ兄弟の示した武勇と戦果を聞き、

57 「我々も大いに名をあげようではないか。我々も出ていって、周囲にいる異邦人たちに戦いを挑もう」と言って、

58 配下の部隊を率いてヤムニアに出撃した。

59 ところが、ゴルギアスとその軍勢が町を出て、彼らを迎え撃ったので、

60 ヨセフとアザリアは敗走し、ユダヤの国境まで追撃された。この日イスラエルの民のうち、二千人が倒され、

61 民は大敗北を喫した。二人が功名心に駆られ、ユダとその兄弟たちの命令を無視したからである。

62 彼らはイスラエルを救うことをその手にゆだねられた者たちの一族には属していなかったのである。

63 それに引き換え、勇士ユダとその兄弟たちは、全イスラエルのみならず、彼らの名声を伝え聞いたすべての異邦人の間で、大いに栄誉をたたえられた。

64 人々は彼らのもとに集まって歓声をあげた。

ユダ、南部と異国の地を撃つ

65 ユダとその兄弟たちは出撃して、南部の地に住むエサウの子孫と戦い、ヘブロンとその村々を撃ち、その砦を破壊し、周囲の塔に火を放った。

66 更に異国の地に向かうため方向を転じ、マリサを通過した。

67 ところがこの日、一部の祭司たちが功名心に駆られ、無思慮にも戦場に出て、戦いに倒れた。

68 ユダは異国の地のアゾトに入り、彼らの祭壇を引き倒し、その神々の像を火で焼き尽くし、町々から戦利品を略奪してユダの地に戻った。

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マカバイ記 一 4

アマウスの勝利

1 さて、ゴルギアスは歩兵五千とえり抜きの騎兵一千の指揮をとり、夜陰に乗じて陣営を移動させた。

2 ユダヤ人の陣営に奇襲をかけ、これを殲滅する作戦であった。要塞にいた者たちが部隊の先導を務めた。

3 ユダはこれを察知し、兵を率い、アマウスにいる王の軍隊を撃とうと出立した。

4 敵が陣営を離れて分散している間に撃とうという作戦であった。

5 ゴルギアスがユダの陣に夜襲をかけると、そこはもぬけの殻であった。ゴルギアスは、「逃げられてしまった」と言って山地を探索した。

6 しかし、夜が明けると同時に、平野に三千の兵を率いたユダが現れた。彼らには、鎧も剣も十分には整っていなかった。

7 ユダの兵士たちは、異邦人の陣営が、騎兵を周囲に配し、完全に武装しているのを見た。敵はよく訓練された兵士であった。

8 そこでユダは仲間の兵士たちに言った。「敵の数を恐れるな。敵の勢いにおじけづくな。

9 かつてファラオが軍を率いて追って来たとき、我らの先祖がいかにして紅海で救い出されたかを思い起こせ。

10 今こそ天に向かって叫ぼう。『御心であるならば、どうか、先祖たちとの契約を思い起こしてください。我々の面前で今日、敵の陣営を打ち破ってください』と。

11 そうすれば、異邦人たちは皆、思い知るだろう。イスラエルを解放し、救済される方がおられることを。」

12 異国の兵たちは目を上げて、かなたから攻め上って来るユダの軍勢を認め、

13 これを迎え撃とうと出陣した。ユダの軍はラッパを吹き鳴らし、

14 白兵戦となった。異邦人はさんざん痛めつけられ、平野に逃げ去った。

15 しんがりの敵どもは皆剣にかかって倒れた。ユダの軍勢はゲゼル、イドマヤの平地、アゾト、ヤムニアにまで敵を追い、三千に上る敵を倒した。

16 ユダは兵と共に追撃を終えて戻り、

17 民に言った。「戦利品のことなど考えるな。まだ戦いは終わっていない。

18 ゴルギアスとその部隊もこの近くの山の中にいるはずだ。今は目の前の敵に立ち向かい、戦うのだ。その後で堂々と戦利品を手にするがよい。」

19 ユダがこう言い終えないうちに、山から様子をうかがっていた敵の一部が姿を現した。

20 彼らは、味方が遁走し、陣営に火が放たれたことを悟った。立ち昇る煙がその事実を明らかにしていたからである。

21 この光景を前にして彼らは大層おじけづき、またユダの陣営が平地で戦いの準備をしているのを見て、

22 ことごとく異国に逃げて行った。

23 そこでユダは陣営内の戦利品のところに引き返し、多量の金や銀、青や紫に染めた布のほか莫大な富を奪った。

24 全軍は帰還の途上、賛歌をうたい天を賛美した。「ほむべきかな。その憐れみはとこしえに変わることはない。」

25 こうして、この日イスラエルに大いなる救いがもたらされたのであった。

リシアスとの戦い

26 命拾いをした異国の兵士たちは、リシアスのもとにたどりついて、事の次第を余すところなく報告した。

27 自分がイスラエルに対して望んだ事が何一つ実現せず、王の命令を果たせなかったことを知って、リシアスは動揺し、落胆した。

28 だがその翌年、彼は、イスラエルと戦いを交えるため、えり抜きの兵六万と騎兵五千を召集した。

29 彼らは、イドマヤに進軍してベトツルに陣を築いた。ユダは一万の兵を率いてこれと相対したが、

30 敵の強固な陣営を見て、こう祈った。「ほむべきかな。イスラエルの救い主、あなたの僕ダビデの手でかの剛の者の勢いを粉砕された主、サウルの子ヨナタンとその武具をとる若者の手にペリシテ人の陣営を引き渡された主よ。

31 どうかあの陣営をあなたの民イスラエルの手によって封じ込め、彼らの兵と騎兵とを辱めてください。

32 彼らに恐れを抱かせ、彼らの強い自信を揺るがせ、彼らを粉砕して破滅に導いてください。

33 あなたを愛する者たちの剣で彼らをなぎ倒させてください。あなたの御名を知る者すべてが、賛美をもってあなたをたたえるようにしてください。」

34 彼らは互いにやいばを交えた。リシアスの軍勢のうち、五千にも上る兵が倒された。

35 リシアスは、自分の軍勢が後退し、逆にユダの軍が士気をますます高め、生きるにせよ、死ぬにせよ、雄々しくふるまう覚悟のできているのを見て、アンティオキアに戻った。そして、ユダヤへ再度侵入しようと、傭兵を多数集めた。

聖所の清め

36 ユダと兄弟たちは言った。「見よ、我らの敵は粉砕された。都に上り、聖所を清め、これを新たに奉献しよう。」

37 そこで全軍が集結し、シオンの山を目指して上って行った。

38 彼らは荒れ果てた聖所を見、汚された祭壇、焼け落ちた門、雑木林あるいは山の中のように草むした中庭、崩れ落ちた祭司部屋を見て、

39 衣服を裂き、激しく胸を打ち、灰をかぶり、

40 地面に顔を伏せ、合図のラッパを吹き鳴らし、天に向かって叫んだ。

41 それからユダは兵たちに、聖所の清めが終わるまで、要塞の中の者たちを相手に戦うよう命じ、

42 律法に忠実で、とがめられるところのない祭司たちを選んだ。

43 祭司たちは聖所を清め、汚れの石を不浄の場所に移した。

44 それから汚されてしまった焼き尽くす献げ物のための祭壇の処置をめぐって協議し、

45 それを引き倒すことが最善ということになった。異教徒がそれを汚したので、そのことで自分たちが非難されないためである。こうして彼らはその祭壇を引き倒した。

46 そしてこの石を神殿の丘の適当な場所に置き、預言者が現れて、この石について指示を与えてくれるまで、そこに放置することにした。

47 そして祭司たちは、律法に従って、自然のままの石を持って来て、以前のものに倣って新しい祭壇を築いた。

48 こうして、聖所および神殿の内部を修復し、中庭を清めた。

49 また聖なる祭具類を新しくし、燭台、香壇、供えのパンの机を神殿に運び入れ、

50 香壇には香をたき、燭台には火をともして神殿内部を照らした。

51 また机には供えのパンを置き、垂れ幕を垂らした。かくしてなすべきことはすべてなし終えた。

52 第百四十八年の第九の月――キスレウの月――の二十五日に、彼らは朝早く起き、

53 焼き尽くす献げ物のための新しい祭壇の上に律法に従っていけにえを供えた。

54 異教徒が祭壇を汚したのと同じ日、同じ時に、歌と琴、竪琴とシンバルに合わせて、その日に祭壇を新たに奉献した。

55 民は皆、地に顔を伏せて拝み、彼らを正しく導いてくださった方を天に向かってたたえた。

56 こうして祭壇の奉献を八日にわたって祝い、喜びをもって焼き尽くす献げ物をささげ、和解の献げ物と感謝の献げ物のいけにえを屠った。

57 彼らはまた神殿の正面を黄金の冠と小盾で飾り、門と祭司部屋を再建し、戸を取り付けた。

58 民の間には大きな喜びがあふれた。こうして異邦人から受けた恥辱は取り除かれたのである。

59 ユダとその兄弟たち、およびイスラエルの全会衆はこの祭壇奉献の日を、以後毎年同じ時期、キスレウの月の二十五日から八日間、喜びと楽しみをもって祝うことにした。

60 また時を同じくして、シオンの山の周囲に高い城壁と堅固な塔を築いて、これを固めた。それはかつてのように異邦人たちがやって来て、シオンの山を踏みにじることのないようにするためであった。

61 ユダはシオンを守るために塔に兵を配し、そこを守るためにベトツルを強化した。これはイドマヤに面し、民の砦になっていた。

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マカバイ記 一 3

ユダ・マカバイ

1 マタティアの息子、マカバイと呼ばれるユダが、父に代わって立った。

2 兄弟全員、またその父に従っていた者たち全員が彼を助け、進んでイスラエルの戦いを戦い抜いた。

3 民は彼によって、大いなる栄光を受けた。彼は、巨人のように、胸当てを着け、/武具に身を固めて、戦場に臨み、/剣をもって、陣営を守った。

4 その働きは、獅子にも似て、/獲物にほえかかる子獅子のようだ。

5 律法に従わない者たちを/捜し出しては追いつめ、/民を混乱させる者たちを、焼き殺した。

6 律法に従わない者たちは/彼を恐れて縮み上がり、/不法を行う者たちは皆、混乱した。救いの道は彼の手で開かれた。

7 彼は多くの王たちに苦汁をなめさせ、/その働きは、ヤコブを喜ばせ、/彼の名は永久に記憶され、たたえられる。

8 彼はユダの町々を経巡り、/そこに住む不敬虔な者たちを滅ぼし、/イスラエルから神の怒りを遠ざけた。

9 彼の名声は、地の果てにまで及び、/滅びようとしている者たちを呼び集めた。

10 アポロニオスはイスラエルとの戦いに備え、異邦人を召集し、サマリアからは大部隊を集めた。

11 これを知ったユダはアポロニオスを討つために出陣し、彼を破って打ち殺した。多数の敵が深手を負って倒れ、残りの者たちは逃げ去った。

12 兵たちは敵の武具をはぎ取り、ユダはアポロニオスの剣を奪った。彼は終生この剣で戦い抜いた。

ユダ、セロンを撃つ

13 シリア軍の司令官セロンは、ユダが信仰を共にして戦いに臨もうとする人々を集めて軍隊を編成したことを知り、

14 こう言った。「名をあげるにはまたとない好機だ。王国一の栄誉はおれのものだ。ユダとユダにくみして王の命令をないがしろにする者どもを打ち破ろう。」

15 彼は出陣した。彼を助けてイスラエルの子らに復讐をしようとする不敬虔な者どもの強力な群れがこれに加わった。

16 セロンはベト・ホロンの上り坂にさしかかった。ユダは彼を捕らえようと一握りの兵を引き連れて出撃した。

17 しかしこの兵たちは、大部隊が彼らを目がけて迫って来るのを見てユダにこう訴えた。「この人数で、どうしてこれほど強力な大軍を相手に戦えましょうか。それにわたしどもは今日は何も食べていないので、力もなくなっています。」

18 ユダは言った。「少人数の手で多勢を打ちのめすこともありうるのだ。天が救おうとされるときには、兵力の多少に何の違いのあるものか。

19 戦いの勝利は兵士の数の多さによるのではなく、ただ天の力によるのみだ。

20 敵はおごり高ぶり、不法の限りを尽くして我々を妻子ともども討ち滅ぼし、我々から略奪しようとやって来ている。

21 しかし、我々は命と律法を守るために戦うのだ。

22 天が我々の目の前で敵を粉砕してくださる。彼らごときにひるむことはない。」

23 こう語り終えると、ユダは敵陣に不意打ちをかけ、セロンとその軍勢を打ち破り、

24 ベト・ホロンの下り坂から平野まで追撃して八百人を倒した。生き残った敵はペリシテの地に逃げ込んだ。

25 ユダとその兄弟に対する恐怖の念が広まり、恐怖が周囲の異邦人たちを震え上がらせた。

26 その名は王の耳にまで達し、ユダの戦いぶりが異邦人の間でも語りぐさになった。

ペルシアおよびユダヤへの王の遠征計画

27 このことを聞いたアンティオコスは激怒し、人を遣わして王国内の全軍団を召集した。途方もなく強大な軍勢であった。

28 王は宝庫を開き、兵に一年分の俸給を渡し、あらゆる事態に即応できる準備を命じた。

29 しかし、旧来の諸慣習を廃止させようとしたために起こった国内の紛争や災いのゆえに金庫の銀も底をつき、その上、地方からの租税も少なくなったのを見て、

30 これまでも一、二度あったように、通常の支出および褒賞金に充てる収入が得られないのではないかと心配した。彼は以前からその褒賞金を気前よく与え、歴代の王以上に出していたのである。

31 大層苦慮したあげく、王は、ペルシアに遠征して、その諸地方の租税を取り立てること、また大量の銀を集めることを決意した。

32 そこでユーフラテス川からエジプト国境に至る王国の国事は、要職にあり、血縁に当たるリシアスに任せ、

33 帰国のときまで王子アンティオコスの養育も託し、

34 軍の半分と象部隊を預け、すべての懸案事項について指示を与えた。またユダヤとエルサレムの住民については、次のように指示した。

35 「軍隊を送ってあの者どもを一掃し、イスラエルの軍とエルサレムに残留している者どもを根絶やしにせよ。あの者どもを思い出させるものは、その地からすべて取り払い、

36 他の国の者を彼らの土地の至るところに入植させ、彼らの住んでいた土地をその者たちに分け与えよ。」

37 こうしてアンティオコスは、残りの半分の軍を率いて首都アンティオキアを後にした。第百四十七年のことである。彼はユーフラテス川を渡り、高地の国々へと歩みを進めた。

ニカノルとゴルギアスの出陣

38 リシアスは、王の友人の中からドリメネスの子プトレマイオスと、更にニカノル、ゴルギアスらの将軍を選び、

39 四万の歩兵と七千の騎兵を与え、王の命令どおりにユダに攻め入らせた。

40 将軍たちは全軍と共に出陣し、平野にあるアマウスの近くに陣を敷いた。

41 土地の商人たちが将軍たちの名を聞いて巨額の金銀、それに足枷を携えて陣営を訪れた。イスラエルの子らを奴隷として買い取るためであった。シリアと諸外国からの部隊も合流した。

42 ユダとその兄弟たちは、災いが迫り、敵軍が彼らの領地に陣を構えたのを見、更に王が民を徹底的に滅ぼすように命じていることを知って、

43 互いに言い交わした。「同胞を絶望の淵から奮い立たせ、民と聖所のために戦おう」と。

44 戦いに備えて祈りをささげるため、また慈悲と憐れみを求めるための集会が開かれた。

45 エルサレムは荒れ野のように住む人もなく、/そこに生まれた者たちの出入りもない。聖所は踏み荒らされ、/要塞には異国の子らがいて、/異邦人の宿と変わり、/ヤコブから喜びは奪われ、/笛の音も、琴の音も絶えた。

ミツパの集い

46 一同は集まって、エルサレムの向かいのミツパに行った。イスラエルは以前ミツパで祈っていたからである。

47 その日彼らは断食し、粗布を身にまとい、頭から灰をかぶって衣を裂いた。

48 異邦人ならば偶像に伺いを立てるところであるが、彼らは律法の巻物を開いたのである。

49 そうして彼らは祭司服と初物、十分の一税を持って来て、誓願の日数の満ちたナジル人を立たせ、

50 天に向かって大声をあげた。「この者たちをどうすればよいのでしょう。どこに連れて行けばよいのでしょうか。

51 あなたの聖所は踏み荒らされ、汚され、あなたに仕える祭司たちは悲嘆に暮れ、辱められています。

52 御覧ください。異邦人たちがわたしたちを滅ぼそうと押し寄せて来ます。彼らがわたしたちに何をたくらんでいるかはご存じのとおりです。

53 あなたのお助けなしにどうして彼らに立ち向かえましょうか。」

54 そして彼らはラッパを吹き鳴らし、大声で叫んだ。

55 その後、ユダは民の指揮官を任命した。すなわち、千人隊長、百人隊長、五十人隊長、十人隊長である。

56 家を建てている者、婚約した男、ぶどうの植え付けをしている者、心ひるんでいる者、以上の者たちは律法に従っておのおの家に引き返すよう彼は勧告した。

57 それから全軍は出立し、アマウスの南方に陣を敷いた。

58 ユダは言った。「武具を着けよ。勇気を出せ。明朝は、我々の聖所を滅ぼそうとして集まっているあの異邦人どもとの戦いだ。備えを怠るな。

59 わが民族と聖所に加えられる災いを目にするくらいなら、戦場で死ぬ方がましではないか。

60 万事は天の御旨のままになるであろう。」

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マカバイ記 一 2

マタティアとその子ら

1 さて、シメオンの子であるヨハネの子で、ヨヤリブの子孫の祭司であったマタティアは当時エルサレムを離れてモデインに住んでいた。

2 マタティアには五人の息子がいた。通称ガディと呼ばれるヨハネ、

3 タシと呼ばれるシモン、

4 マカバイと呼ばれるユダ、

5 アワランと呼ばれるエレアザル、アフスと呼ばれるヨナタンである。

6 マタティアはユダとエルサレムで起こっている冒涜の数々を目にして、

7 言った。ああ、なぜわたしは生まれたのか、/わが民の滅亡と/聖なる都の滅亡を見るためなのか。都が敵の手に/聖所が他国人の手に渡っているのに、/わが民はなすすべもなくそこに座している。

8 神殿は栄誉を奪われた者のようになり、

9 栄えある祭具類は分捕り品として持ち去られ、/乳飲み子らは大路で殺され、/若者たちは敵の剣に倒れた。

10 この国に主権を主張せず、/その戦利品に手を掛けぬ民族が/かつてあったであろうか。

11 この国は、その飾りをすべてはぎ取られ、/自由を失い、奴隷となり果てた。

12 見よ、我らの聖所、/その麗しさ、その栄光は、荒れ果て、/異邦人が、これを汚した。

13 我らにまだ生きる望みがあるのだろうか。

14 マタティアと息子たちは衣服を裂いて粗布をまとい、声をあげて泣いた。

15 時に、背教を強いる王の役人たちが、異教のいけにえを献げさせるためにモデインの町にやって来た。

16 多くのイスラエル人が彼らを迎えに出、マタティアとその息子たちも集められた。

17 そこで王の役人たちは、マタティアに言った。「あなたはこの町では有力な指導者であり、御子息や御兄弟の信望もあつい。

18 率先して王の命令を果たしてもらいたい。これはすべての民族が実行しているもので、ユダの人々も、エルサレムに残留している者たちも行っているのだ。そうすれば、あなたや御子息たちは王の友人と認められ、金銀、その他多くの報奨を受ける栄誉にあずかるであろう。」

19 マタティアは大声でこれに答えて言った。「たとえ王の領土内に住む全民族が王に従い、各自その先祖の宗教を捨てて王の命令に服したとしても、

20 このわたしと息子たち、同胞たちはわたしたちの先祖の契約を守って歩みます。

21 律法と掟を捨てるなど、論外です。

22 わたしたちの宗教を離れて右や左に行けという王の命令に、従うつもりはありません。」

23 マタティアが語り終えたとき、一人のユダヤ人が一同の前に進み出て、王の命令に従いモデインの異教の祭壇にいけにえを献げようとした。

24 これを見たマタティアは律法への情熱にかられて立腹し、義憤を覚え、駆け寄りざまその祭壇の前でこの男を切り殺した。

25 またその時、いけにえを強要しに来ていた王の役人の一人をも殺し、この祭壇を引き倒した。

26 それは、あのサルの子ジムリに対してピネハスがしたような、律法への情熱から出た行為であった。

27 マタティアは町の中で大声をあげて言った。「律法に情熱を燃やす者、契約を固く守る者はわたしに続け。」

28 こうしてマタティアと息子たちは、家財一切を町に残したまま、山に逃れた。

安息日の惨劇

29-30 一方、これと時を同じくして、義と公正を求める多くの者が、妻子や家畜を伴って、荒れ野に下り、そこに住んだ。災いが迫って来たからである。

31 だが王の命令を拒否した者たちが荒れ野の隠れ場に下って行ったとの知らせは、ダビデの町エルサレムにいる王の役人たちと軍隊にもたらされた。

32 多数の兵士が急いで彼らの後を追い、これに追いつくと、彼らに向かって陣を敷き、安息日に戦いを仕掛けて、

33 言った。「お前たちは、もはやこれまでだ。出て来て王の命令に従え。命は助けてやろう。」

34 するとユダヤ人たちは言った。「出て行くものか。安息日を汚せという王の命令など聞くものか。」

35 そこで兵士たちは彼らに対して、直ちに戦いを開始した。

36 だが彼らはこれに応戦せず、投石はおろか、隠れ場を守ることもせず、

37 こう言った。「我々は全員潔く死ぬ。お前たちが我々を不当に殺したことを天地が証言してくれよう。」

38 こうして安息日に兵士たちは彼らに襲いかかって打ち殺し、その妻子、家畜までも殺し、犠牲者の数は一千人に及んだ。

抵抗の始まり

39 マタティアとその同志たちはこれを知って、心から彼らを悼み、

40 互いに言い交わした。「異教徒に対して戦わなかったあの兄弟たちのように、我々も自分の命と掟を守るために戦うことをしないなら、敵はたちまち我々を地上から抹殺してしまうだろう。」

41 こうしてこの日、彼らは協議して言った。「だれであれ、安息日に我々に対して戦いを挑んでくる者があれば、我々はこれと戦おう。我々は、隠れ場で殺された同胞のような殺され方は決してしまい。」

42 その後、彼らにハシダイの一群が加わった。彼らはイスラエルの屈強の者で、皆、律法のためには命をも惜しまない者であった。

43 また、迫害を逃れて来た者たちも彼らに加わり、陣営が強化された。

44 こうして彼らは力を結束し、怒りをもって罪人を討ち、律法に従わない者どもを憤りをもって打ち倒した。生き残った者たちは救いを求めて異邦人のもとへ逃げ去った。

45 マタティアとその同志は各地を巡って異教の祭壇を引き倒し、

46 イスラエル国内にいた無割礼の子供たちには、見当たりしだい、力ずくで割礼を施した。

47 こうして彼らは不遜な者どもを追撃し、勝利への道を着々と手にして、

48 異邦人や、王たちの手から律法を奪回し、勝利の角笛を罪人に渡すことはなかった。

マタティアの遺言

49 さてマタティアは死期が近づいたとき、息子たちに言った。「今は高慢とさげすみのはびこる、破滅と憤りの世だ。

50 お前たちは律法に情熱を傾け、我らの先祖の契約に命をかけよ。

51 我らの先祖がそれぞれの時代になした業を思い起こせ。そうすればお前たちは、大いなる栄光と永遠の名を受け継ぐことになる。

52 アブラハムは試練を通して信仰を証しし、それが彼の義と見なされたのではなかったか。

53 ヨセフは苦難の時にも戒めを守り、エジプトの宰相となった。

54 我らの先祖ピネハスは燃えたつ熱情のゆえに、永遠の祭司職の契約を授けられた。

55 ヨシュアは命令を遂行し、イスラエルの士師となった。

56 カレブは集会で証言し、嗣業の土地を受け継いだ。

57 ダビデはその忠実ゆえに、永遠の王座を受け継いだ。

58 エリヤは燃えたつ律法への熱情のゆえに、天にまで上げられた。

59 ハナンヤ、アザルヤ、ミシャエルは信仰のゆえに炎の中から救い出された。

60 ダニエルは潔白さのゆえに獅子の口から救われた。

61 それゆえ代々にわたって次のことを心に留めよ。神に希望をおく者は決して力を失うことはないと。

62 罪人の言葉を恐れてはならない。彼の栄光など塵あくたや蛆虫に変わってしまうだろう。

63 彼は、今日は有頂天になっているが、明日には影すら見えなくなる。元の塵に返り、そのはかりごとは消えうせる。

64 お前たちは、律法をよりどころとして雄々しく強くあれ。律法によってこそお前たちは栄誉を受けるのだ。

65 見よ、お前たちの兄弟シモンは知略にたけた男だ。いつも彼の言うことを聞け。シモンはお前たちの父となるであろう。

66 ユダ・マカバイは若年のころから剛の者である。彼を軍の指揮者として仰げ。彼は諸国民との戦いを戦い抜くであろう。

67 お前たちは、律法を実践する者全員を集め、民のために徹底的に復讐することを忘れるな。

68 異邦人たちには徹底的に仕返しし、律法の定めを固く守れ。」

69 こうしてマタティアは息子たちを祝福した後、先祖たちに加えられた。

70 彼は第百四十六年に死に、モデインにある先祖の墓地に葬られた。全イスラエルは深い悲しみをもって彼を悼んだ。

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マカバイ記 一 1

アレキサンドロスとその後継者

1 マケドニアのフィリポスの子アレキサンドロスはキッテムの地から兵を挙げ、ペルシアとメディアの王ダレイオスを粉砕し、彼に代わってまずヘラス地方に覇を確立した。

2 アレキサンドロスは更に戦いを重ね、砦を落とし、各地の王の首をはね、

3 地の果てまで突き進んで多くの民族の間で略奪を働いた。全地は彼の前に沈黙し、彼の心はおごり高ぶった。

4 途方もなく強大な軍を組織して、諸国、諸民族、支配者たちに君臨し、彼らに貢を強要した。

5 だが、やがてアレキサンドロスは病床に伏す身となった。彼は死期を悟ると、

6 幼少のときから共に育てられた腹心の部将たちを呼び寄せ、息のあるうちに王国を彼らに分与した。

7 こうしてアレキサンドロスは十二年の統治の後に死に、

8 かの部将たちはそれぞれ、分与された地で権力を振るうことになった。

9 すなわち、部将たちは彼の死後、皆王冠をいただき、その子孫が多年にわたり跡を継ぎ、地には悪がはびこることとなった。

アンティオコス・エピファネスの登場

10 そしてついには彼らの中から悪の元凶、アンティオコス・エピファネスが現れた。彼はアンティオコス王の王子でローマに人質として送られていたが、ギリシア人の王朝の第百三十七年に王として即位した。

11 この間、イスラエルには律法に背く者どもが現れ、「周囲の異邦人と手を結ぼう。彼らと関係を断ってから万事につけ悪いことばかりだから」と、多くの者に説いて回っていた。

12 人々の目にはこれは得策だと映ったので、

13 民の中のある者たちは進んで王のもとに出かけて行き、異邦人の慣習を採用する許可を受けた。

14 こうして彼らは異邦人の流儀に従ってエルサレムに錬成場を建て、

15 割礼の跡を消し、聖なる契約を離れ、異邦人と軛を共にし、悪にその身を引き渡した。

アンティオコスの遠征と神殿略奪

16 アンティオコスは自国シリアに対する支配権が固まったと見ると、エジプトの地を征服して、二つの王国を支配しようと企てた。

17 戦車と象を持つ大部隊と大艦隊を率いてエジプトに攻め入り、

18 エジプト王プトレマイオスに対して戦いを挑んだ。プトレマイオスは背を向けてアンティオコスの前から逃げ出し、多くの者が傷つき倒れた。

19 アンティオコス軍はエジプトの地にある要塞都市を次々に攻め落とし、その地で略奪をほしいままにした。

20 こうしてエジプトを打ち破った彼は、第百四十三年、矛先をイスラエルに転じて大軍と共にエルサレムを目指して上って来た。

21 アンティオコスは不遜にも聖所に入り込み、金の祭壇、燭台とその付属品一切、

22 供えのパンの机、ぶどう酒の献げ物用の壺と杯、金の香炉、垂れ幕、冠を奪い、神殿の正面を飾る金の装飾をすべてはぎ取った。

23 更に金や銀や貴重な祭具類、隠されていた宝をも見つけ出して奪い取った。

24 そしてすべてを略奪すると故国に帰った。彼は人々を殺戮し、高言を吐き続けていた。

25 イスラエルの全地に、大いなる悲しみがあふれ

26 指導者、長老らは苦悶の声をあげ/年若き男女はやつれ果て/女たちの美しさは色あせ

27 花婿は皆、哀歌を口にし/花嫁は婚姻の床で悲嘆に暮れた。

28 大地もその地に住む者を悼んで揺れ動き/ヤコブの全家は恥辱を身にまとった。

エルサレム再び汚される

29 二年の後アンティオコス王は、徴税官をユダの町々に派遣した。王は大軍を率いてエルサレムにまで来たが、

30 言葉巧みに穏やかな調子で語ったので、住民は彼を信頼した。すると彼は突如としてこの都を襲い、破壊をほしいままにし、多くのイスラエル人を殺した。

31 そして略奪をしたうえで都に火を放ち、家々や都を囲む城壁を破壊した。

32 女、子供は捕らえられ、家畜もまた奪われた。

33 その後、彼らはダビデの町に幾つもの堅固な塔を備えた巨大で強固な城壁を巡らして、要塞を築いた。

34 彼らはそこに罪深い異邦人と律法に背く者どもを配置し、要塞内での勢力を強めた。

35 彼らはここに、武器や糧食を蓄え、エルサレムで奪った戦利品を集めて積み上げ、ユダヤ人にとっての大いなる罠となった。

都を嘆く歌

36 要塞は、聖所に対する罠となり、/イスラエルに対する邪悪な敵となった。

37 彼らは聖所の周りに罪なき者の血を流し/聖所を汚した。

38 エルサレムの住民は、彼らを恐れて逃げ去り、/エルサレムは他国人の住みかとなった。都に生まれた者たちには、異郷の地となり、/都の子らは、その地を捨てた。

39 聖所は、荒れ野のごとく荒れ果て/祭りの日々は、嘆きと変わり、/安息の日は、あざけりとなり、/エルサレムの栄誉は、嘲笑の的となった。

40 かつての栄光に代わって、不名誉が満ちあふれ、/エルサレムの尊厳は、悲しみに変わった。

アンティオコスのユダヤ教迫害

41 王は領内の全域に、すべての人々が一つの民族となるために、

42 おのおの自分の慣習を捨てるよう、勅令を発した。そこで異邦人たちは皆、王の命令に従った。

43 また、イスラエルの多くの者たちが、進んで王の宗教を受け入れ、偶像にいけにえを献げ、安息日を汚した。

44 更に、王は使者を立て、エルサレムならびに他のユダの町々に勅書を送った。その内容は、他国人の慣習に従い、

45 聖所での焼き尽くす献げ物、いけにえ、ぶどう酒の献げ物を中止し、安息日や祝祭日を犯し、

46 聖所と聖なる人々を汚し、

47 異教の祭壇、神域、像を造り、豚や不浄な動物をいけにえとして献げ、

48 息子たちは無割礼のままにしておき、あらゆる不浄で身を汚し、自らを忌むべきものとすること、

49 要するに律法を忘れ、掟をすべて変えてしまうということであった。

50 そして王のこの命令に従わない者は死刑に処せられることになった。

51 王はこの勅書を全国に送り、民の監督官を任命し、ユダの町々に対し町ごとにいけにえを献げることを命じた。

52 多くの民が律法を捨てて彼らに追従し、この地で悪を行った。

53 こうしてイスラエル人は、あらゆる隠れ場に身を隠さなければならなくなった。

54 第百四十五年、キスレウの月の十五日には、王は祭壇の上に「憎むべき破壊者」を建てた。人々は周囲のユダの町々に異教の祭壇を築き、

55 家々の戸口や大路で香をたき、

56 律法の巻物を見つけてはこれを引き裂いて火にくべた。

57 契約の書を隠していることが発覚した者、律法に適った生活をしている者は、王の裁きにより処刑された。

58 悪人たちは毎月、町々でイスラエル人を見つけては彼らに暴行を加えた。

59 そして月の二十五日には主の祭壇上にしつらえた異教の祭壇でいけにえを献げた。

60 また、子供に割礼を受けさせた母親を王の命令で殺し、

61 その乳飲み子を母親の首につるし、母親の家の者たちや割礼を施した者たちをも殺した。

62 だがイスラエル人の多くはそれにも屈せず、断固として不浄のものを口にしなかった。

63 彼らは、食物によって身を汚して聖なる契約に背くよりは、死を選んで死んでいった。

64 こうしてイスラエルは神の大いなる激しい怒りの下に置かれたのである。

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エレミヤの手紙 1

バビロニア人の王によって捕らえられ、バビロンに連れて行かれようとしている人々に、神から命じられたことを伝えるため、エレミヤが送った手紙の写し。

1 あなたたちがバビロニア人の王ネブカドネツァルによって捕らえられ、バビロンに連れて行かれようとしているのは、神に対して罪を犯したからです。

2 バビロンに行ったら、何年もの間、七代にも及ぶ長期間そこにとどまることになるでしょう。しかしその後、神はあなたたちを平和のうちに連れ戻してくださいます。

3 バビロンでは、金や銀や木でできた神々の像が肩に担がれて、異邦の民に恐れを抱かせているのを見るでしょう。

4-5 気をつけなさい。群衆が神々の像を前から後ろから伏し拝むのを見て、あなたたちまでが異国から来た民に似た者となり、それらを恐れるようなことがあってはなりません。むしろ心の中で、「主よ、伏し拝むべき方はあなたです」と言いなさい。

6 神の使いがあなたたちと共にいて、あなたたちの生活を見守っているからです。

7 神々の像は金や銀で覆われ、その舌は職人が磨き上げたものであり、まやかしにすぎず、口を利くこともできません。

8 おしゃれな娘にでもしてやるように、人々は金で冠を作り、

9 神々の像の頭に載せています。ときには祭司たちが、神々の像から金や銀をくすねて自分のものとし、

10 その一部を神殿娼婦に与えることもあります。神々の像は、人間にするように、衣で飾られますが、もともと銀や金や木でできていて、

11 さびと虫食いから身を守れないのです。紫の衣をまとってはいますが、

12 自分の上に神殿の埃が積もるために、顔をふいてもらう有様です。

13 また、地方総督のように笏を持ってはいますが、自分に対して罪を犯す者を殺すことができません。

14 右手に短剣や斧を持ってはいますが、戦争や盗賊から身を守ることもできません。このように、それらの像が神でないことははっきりしているのですから、恐れてはなりません。

15 人間が作った器は、壊れてしまえば何の役にも立ちませんが、

16 彼らの神々の像も同じようなもので、神殿に据えられているだけのものです。その目は、出入りする人々がたてる埃にまみれています。

17 また、王に危害を加えた者を死刑にするとき城門を閉ざすように、祭司たちは神殿を扉と鍵とかんぬきで固めて、盗賊に略奪されないようにします。

18 祭司たちは必要以上にともし火をともしますが、神々の像はそのともし火一つ見ることができないのです。

19 神々の像は、あたかも神殿の梁のようなもので、よく言われるように、その内部は虫に食われています。地からわいた虫が体や衣をかじっても、何も感じません。

20 その顔は神殿に漂う煙で黒ずんでいます。

21 その体や頭の上を、こうもりやつばめ、小鳥が飛び交い、猫までやって来ます。

22 このようなことで、それらの像が神でないことは分かるはずですから、恐れてはなりません。

23 神々の像を美しく装わせるためにはり付けた金も、だれかがその曇りをふき取らなければ輝きません。鋳型に流し込まれたときも、何も感じていませんでした。

24 莫大な値段で買い求められますが、それらは息をしていません。

25 歩けないので人間の肩に担がれ、自分の不名誉をさらけ出し、それに仕える者でさえ恥ずかしい思いをしています。

26 というのは、神々の像は地面に倒されると、もう自分では立ち上がれず、まっすぐに立たされても自分では動けず、傾けられても身を起こせないからです。その前には、献げ物が供えられていますが、死人の前に置いたも同然です。

27 祭司たちは、神々の像に供えられたいけにえを売ってもうけ、その妻たちもその幾分かを塩漬けにしてしまい込み、貧しい者や弱い者に分けようとはしません。

28 月のもののある女や、子を産んだばかりの女も、いけにえに平気で触れています。これらのことから、それらの像が神でないことは分かるのですから、それらを恐れてはなりません。

29 いったいどうして、それらの像を神と呼ぶことができるのでしょうか。女たちが、銀や金や木でできた神々の像に献げ物を供えています。

30 神殿では、祭司たちが裂けた祭服をまとい、髪もひげもそり落とし、頭にかぶり物もせずに、

31 死者の弔いの宴でするように、それらの像の前でわめいたり、叫んだりしています。

32 祭司たちはまた、神々の像の衣をはぎ取って自分の妻や子供に着せています。

33 神々の像は、だれかに良いことをされても悪いことをされても、それに報いることはできず、王を立てたり廃したりすることもできません。

34 また、富や金銭を与えることもできないし、誓いを立てて果たさない者がいても、それを強制できません。

35 人間を死から救うことも、弱い者を強い者から救い出すこともできず、

36 盲人を見えるようにすることも、苦しむ者を救い出すこともできません。

37 やもめを憐れむことも、孤児に恵むこともできません。

38 金銀で覆った木彫りの像は、山から切り出された石と同じであり、それに仕える者は恥をかくことになるでしょう。

39 それなのに、いったいどうして、それらの像を神であると考えたり、宣言したりすることができるのでしょうか。

40 実は、カルデア人自身、神々の像の面目を傷つけるようなことをしているのです。口の利けない者を見つけると、ベル神の前に連れて行き、ベル神なら聞き届けてくれると信じ、彼の口が利けるようになることを願っています。

41 彼らはその無力さを知っていながら、それらの像を捨てきれずにいます。彼らは全く分かっていないのです。

42 女たちはひもを頭に巻いて道端に座り、ぬかをいぶしています。

43 そのうちのだれかが、通りすがりの男に連れて行かれて一緒に寝ることになると、その女は隣の女をあざけって、「あなたはわたしみたいに魅力がないから、まだひもが解かれないのよ」と言います。

44 神々の像にかかわることはすべてまやかしです。それなのに、いったいどうして、それらの像を神であると考えたり、宣言したりすることができるのでしょうか。

45 神々の像は彫り物師や飾り職によって造られたもので、職人が造ろうと思う以外のものにはなりません。

46 神々の像を造る者でさえ、人より長生きするわけではありません。

47 だから、どうして彼らの手になった物が神になれるでしょうか。彼らは後世の人々に偽りとあざけりを残したにすぎないのです。

48 戦争や災難が神々の像にふりかかると、祭司たちはそれらを抱えて、どこに隠れようかと論じ合います。

49 戦争や災難から自分を救えない像など神ではないと、どうして悟らないのでしょうか。

50 それらは、金銀で覆った木彫にすぎないから、まやかしだということが、やがて分かるでしょう。それらの像は神ではなく、人間の手で造られた物であり、それらに神の働きをする力は少しもないことが、あらゆる民族や王たちに明らかになるでしょう。

51 それらの像が神でないことを分からない人がいるでしょうか。

52 神々の像は一国に王を立てることも、人間に雨を恵むことも決してできません。

53 神々の像は無力なので、自分に関する事柄を決定することも、虐げられた人を救うことも決してできません。

54 神々の像は天と地の間を飛び回るだけの烏のようなものです。金銀で覆った木彫りの神々の像の置かれた神殿が火事になると、祭司たちは逃げて生き延びますが、中の梁と一緒に神々の像は燃え尽きてしまいます。

55 神々の像は、王にも敵にも太刀打ちできません。

56 いったいどうして、それらの像を神と認めたり、考えたりすることができるのでしょうか。金銀で覆った木彫りの神々の像は、盗賊や略奪者から身を守ることは決してできません。

57 この強盗どもは金や銀をはがし取り、まとっている衣さえ奪って行きますが、神々の像は決して自分を救えないのです。

58 ですから、まやかしの神々よりも自分の武勇を誇示する王の方が、いやそれどころか、家で持ち主に重宝がられる器の方がましです。まやかしの神々よりは家にある物を守ってくれる扉の方が、また、まやかしの神々よりは王宮の木の柱の方がましです。

59 太陽も月も星も光り輝いて自分の務めに忠実です。

60 稲妻もきらめくとはっきり見えます。同じように、風はどこの国にも吹き渡ります。

61 雲も神に命じられると、世界のどこへでも流れて行き、その言いつけを果たします。

62 火も天から送られると、山や森を焼き払い、その命令を果たします。しかし、神々の像は、姿も力も、これらのものとは比べものになりません。

63 神々の像は裁きを行うことも、人間に恵みを施すこともできないのですから、それらを神と考えたり、宣言したりしてはなりません。

64 そういうことから、それらの像は神でないことが分かるのですから、恐れてはなりません。

65 神々の像は、王を呪うことも祝福することも決してできず、

66 諸国の民に天のしるしを示すことも、太陽のように輝くことも、月のように照らすことも決してできません。

67 それらの像よりは野獣の方がましです。野獣は隠れ場に逃れて身の安全を図れるからです。

68 結局、それらの像が神であることを示す証拠は何一つないのですから、恐れてはなりません。

69 金銀で覆った木彫りの神々の像は、きゅうり畑のかかしと同じで、何も守ることができません。

70 また、金銀で覆った木彫りの神々の像は、どんな鳥でも来てとまる庭の茨のやぶ、更に闇に投げ捨てられるしかばねにさえ似ています。

71 神々の像がまとっている紫布と亜麻布が腐っているところからも、それらが神でないことが分かるでしょう。神々の像は、ついには虫に食われて、国中であざけりの的となるでしょう。

72 ですから、偶像を持たない正しい人の方がまさっています。辱めを受けることがないからです。

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バルク書 1

序言

1 本書は、ケルキア、ハサディア、セデキアの子孫でマフセヤの孫、ネリヤの子バルクがバビロンで書いたものである。

2 それは、カルデア人がエルサレムを占領し、焼き払ってから五年目、かの月の七日のことである。

3 バルクは本書を、ユダの王エホヤキムの子エコンヤや、本書を聞くために集まった民全体に読んで聞かせた。

4 そこには、有力者、王子たち、長老たち、身分の低い者から高い者に至るまで、バビロンのスド川のほとりに住むすべての人々がいた。

5 人々は涙を流し、断食をして主に祈った。

6 また、おのおのの分に応じて金を集め、

7 それをシャルムの孫でヒルキヤの子である大祭司ヨアキムと、彼と共にいる他の祭司たちおよび民全体にあてて、エルサレムに送った。

8 既にバルクは、神殿から奪い去られた主の家の祭具を、ユダの地に返すためにシワンの月の十日に受け取っていた。これらの祭具は銀製で、ユダの王ヨシヤの子ゼデキヤが造ったもので、

9 それが造られたのは、バビロンの王ネブカドネツァルが、エコンヤ王をはじめ、高官、囚人、有力者、地の民をエルサレムから移してバビロンへ連れ去った後のことである。

エルサレムへの手紙――悔い改めの勧め――

10 さて、人々はこう書き添えた。わたしたちはこのお金をあなたたちに送ります。これで焼き尽くす献げ物と贖罪の献げ物と香を買い求め、穀物の献げ物を調え、神なる主の祭壇にささげ、

11 バビロンの王ネブカドネツァルとその子ベルシャツァルの長寿を祈り、天が続く限り生き永らえるように願いなさい。

12 そうすれば、主はわたしたちに力を授け、わたしたちの目に輝きを与えてくださり、わたしたちはバビロン王ネブカドネツァルとその子ベルシャツァルの保護のもとで暮らし、長く彼らに仕えて彼らの好意を受けるでしょう。

13 わたしたちのためにも、神なる主に祈ってほしい。わたしたちは神なる主に罪を犯し、今日に至るまで、主の憤りと怒りがわたしたちから離れ去らないからです。

14 一緒に送る書を祝祭日や定められた日に主の家で朗読しなさい。そして罪を告白して、

15 こう言いなさい。わたしたちの神なる主は正しい方であるのに、わたしたちの顔は今日、恥で覆われています。ユダの人々、エルサレムに住む人々、

16 わたしたちの王、高官、祭司、預言者、先祖たちも皆そうです。

17 それは、わたしたちが主に対して罪を犯し、

18 主に背いたからです。わたしたちは神なる主の御声に耳を傾けず、主がわたしたちに与えてくださった命令に従いませんでした。

19 主がわたしたちの先祖をエジプトの地から導き出された日から今日に至るまで、わたしたちは神なる主に背き、主を軽んじて、御声に耳を貸しませんでした。

20 そのためわたしたちは今日、数々の災いと呪いに付きまとわれているのです。この呪いは、主が乳と蜜の流れる地をわたしたちに与えようと、先祖をエジプトの地から導き出された日に、その僕モーセを通して宣告されたものです。

21 わたしたちは、主から遣わされた預言者のあらゆる警告を無視して、神なる主の御声に聞き従わず、

22 おのおの、よこしまな心の思いのままに歩んで、他の神々に仕え、神なる主の御前で悪を行いました。

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バルク書 2

1 それで主は、わたしたちや、イスラエルを治めていた士師たち、王たち、指導者たち、それに、イスラエルとユダの人々に対して発せられた警告を実行に移されました。

2 主は、モーセの律法に記されているとおりにエルサレムで行われたのです。このようなことは天の下、どこにも起こったことはありませんでした。

3 わたしたちは自分の息子や娘の肉を食べたのです。

4 主はわたしたちを周辺のすべての王国に服従させ、周りのすべての民の中に追い散らして辱めと絶望を味わわせられました。

5 こうしてわたしたちは、支配する者ではなく、仕える者となりました。神なる主の声に聞き従わず、主に対して罪を犯したからです。

6 わたしたちの神なる主は正しい方です。しかし、わたしたちとわたしたちの先祖は今日、恥辱にまみれています。

7 主がわたしたちに宣告されたありとあらゆる災いが、わたしたちに襲いかかったのです。

8 わたしたちは、おのおのよこしまな心の思いを断って、主のもとに戻れるよう主に祈ることをしませんでした。

9 それで主は、わたしたちの悪事から目をそらさず、災いを下されました。主がわたしたちにどのようなことをなさっても、主は正しいのです。

10 しかしわたしたちは、神の御声に耳を傾けず、主がわたしたちに与えてくださった命令に従いませんでした。

11 イスラエルの神なる主よ、強い手、しるし、不思議な業、大いなる力、それに高くかかげた腕をもって御自分の民をエジプトの地から導き出し、今日見られるように御名を高められた、

12 わたしたちの神なる主よ、わたしたちはあなたのすべての掟に背いて罪を犯し、不敬虔なふるまいをし、義を行いませんでした。

13 あなたの怒りをわたしたちから去らせてください。諸国の民の中に散らされ、そこで数少ない者となったからです。

14 主よ、わたしたちの祈りと願いを聞き入れ、御自身の栄光のためわたしたちを救い出し、わたしたちを連れ去った者たちの前で恵みをお与えください。

15 あなたがわたしたちの神なる主であること、イスラエルとその子孫があなたの名をいただいていることが、あまねく知れ渡りますように。

16 主よ、あなたの聖なる住まいからわたしたちを顧み、心に留めてください。主よ、耳を傾け、聞いてください。

17 目を開いて見てください。陰府におり、息を肉体から取り去られた者は、主に栄光と義を帰することができません。

18 ただ、人を押しつぶし弱らせる大きな苦しみに遭って嘆き悲しむ魂と、視力の衰えた目、飢えた魂が、主よ、あなたに栄光と義を帰するのです。

19 神なる主よ、御前で憐れみを祈り求めるのは、わたしたちの先祖や王たちが正しかったからというわけではありません。

20 あなたの僕なる預言者を通して語られたとおり、あなたはわたしたちに憤りと怒りを下されました。彼らは言いました。

21 「主はこう仰せになる。『お前たちは背をかがめてバビロンの王に仕えよ。そうすれば、わたしがお前たちの先祖に与えた地にとどまれるだろう。

22 しかし、バビロンの王に仕えよとの主なるわたしの声に従わないならば、

23 わたしはユダの町々とエルサレムの周辺から、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やし、全地は住む者のない荒れ地と化すであろう。』」

24 しかしわたしたちは、バビロン王に仕えよとのあなたの声に聞き従いませんでした。そこで、あなたは僕なる預言者たちを通して語られた言葉を実行されました。わたしたちの王と先祖たちの骨がその墓から取り出されたのです。

25 御覧ください。これらの骨は、昼は暑さに、夜は霜にさらされています。彼らは飢えや剣や疫病にいたく苦しんで死んだのです。

26 またあなたは、御名をいただいている家を、イスラエルの家とユダの家の悪のゆえに、今日のようになさいました。

27 それでも、わたしたちの神なる主よ、あなたは限りない寛容と深い憐れみをわたしたちに示してくださいました。

28 それは、律法を書き記すよう僕モーセにお命じになったときに、主が彼を通してイスラエルの子らに語られたとおりです。あなたは言われました。

29 「もし、お前たちがわたしの声に聞き従わないなら、わたしは、このおびただしい大いなる群衆を諸国の民の中に散らし、小さな群れとする。

30 お前たちはかたくなな民であるから、決して聞き従わないことをわたしは知っている。しかしお前たちは、捕らわれの地で本心に立ち帰り、

31 わたしがお前たちの神なる主であることを悟る。わたしは心と聞く耳とを与える。

32 こうしてお前たちは、捕らわれの地でわたしを賛美し、わたしの名を思い起こし、

33 かたくなさと悪行から立ち帰る。主の前に罪を犯した先祖の歩いた道を思い起こすからである。

34 わたしは、お前たちの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓った地にお前たちを連れ帰る。お前たちはその地を治めるだろう。わたしはお前たちの数を増やし、その数を決して減らすことはない。

35 わたしはお前たちと永遠の契約を結び、わたしはお前たちの神となり、お前たちはわたしの民となる。わたしはもはやわたしの民イスラエルを、その与えた地から去らせることはない。」

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