エズラ記(ラテン語) 12

1 獅子が、この言葉を鷲に話していたとき、わたしが見ていると、

2 見よ、生き残っていた頭は消えうせ、その頭のところに移っていた二つの翼が立ち上がって支配した。その治世は、短く、騒乱が絶えなかった。

3 更に見ていると、二つの翼も消えうせて、鷲の体全体が燃えだした。そして地は恐れおののいた。

幻の説明

わたしは心がひどく乱れて、強い恐れにかられて目を覚ました。そしてわたしの霊に向かって言った。

4 「見よ、お前がいと高き者の道を探り出そうとするので、こういうことになったのだ。

5 見よ、わたしの心は疲れ、わたしの霊は弱りきっている。今夜、わたしが受けた恐怖があまりに大きかったので、わたしの中にはわずかな力もなくなっている。

6 だから今、最後までわたしを強めてくださるようにいと高き方に祈ろう。」

7 そしてわたしは祈った。「統べ治められる方、主よ、もし御好意にあずかっているのでしたら、そしてもし、わたしが多くの人々にまさって御前で正しい者とされ、また、わたしの願いが御顔の前に届きますなら、

8 わたしを強めてください。あなたの僕であるわたしに、この恐ろしい幻のはっきりとした解き明かしをして、わたしの魂を十分に慰めてください。

9 あなたはわたしを、時の終わりと終末のことを示すのに、ふさわしい者と見なしてくださったからです。」主は言われた。

10 「あなたの見た幻を解き明かせばこのようになる。

11 海から昇って来るのが見えたあの鷲は、あなたの兄弟ダニエルの幻に現れた第四の王国である。

12 しかし、彼にはわたしが今、あなたに解き明かしているように、あるいは既に解き明かしたようには、明らかにされていなかった。

13 見よ、時が来て、地上に一つの王国が興る。その王国は、それまでにあったどんな王国よりも、恐ろしいものである。

14 そこでは、十二人の王が次から次へと支配するであろう。

15 第二の王は、支配し始めると十二人の中のだれよりも長く治めることになる。

16 これがあなたの見た十二の翼の解き明かしである。

17 あなたは、声が鷲の頭からでなく、体の真ん中から出て来て話すのを聞いた。

18 それを解き明かせばこうである。この王国の時代の後半に、小さくはない争いが生じて、王国は滅亡の危機に瀕する。しかし、その時には倒れず、再び力を取り戻す。

19 また、あなたは翼に八つの下翼がついているのを見たが、

20 それを解き明かせばこうである。その王国に八人の王が立つが、彼らの時代は短く、その年はすぐに終わってしまう。その中の二人は、時半ばにして滅びてしまう。

21 しかし四人は、王国の終わりの時が近づくまで残るが、最後まで残るのは二人だけとなる。

22 あなたはまた、動かないでいる三つの頭を見たが、

23 それを解き明かせばこうである。その王国の終わりの時に、いと高き方は三つの王国を興す。彼はそこで多くのことを新たにする。王たちは地を支配し、

24 そこに住む人々を、以前のどの王たちよりも大きな苦しみを味わいつつ支配する。このため、彼らは鷲の頭と呼ばれたのである。

25 彼らこそ不敬虔を繰り返し、世の終末をもたらす者である。

26 あなたは大きな頭が消えうせるのを見た。それは、彼らの中の一人が寝床で死ぬが、しかし苦しみながら死ぬということである。

27 さて残った二人については、剣が彼らを食い尽くすのである。

28 一人の剣が、一緒にいるもう一人を食い尽くす。しかし、彼自身も最後は剣に倒れるのである。

29 あなたは、二つの下の翼が右の頭に移るのを見たが、

30 それを解き明かせばこうである。彼らは、いと高き方が終わりの時まで取って置かれた者たちで、彼らの治世は短く、騒乱が絶えないであろう。

31 あなたの見たとおりである。あなたは、獅子が森の中からほえながら、起き上がって出て来るのを見た。その獅子は鷲に話しかけ、言葉の限りを尽くして、鷲の不正な業を非難していた。これはあなたが耳にしたとおりである。

32 この獅子とは、いと高き方が王たちとその不敬虔のために、終わりまで取って置かれたメシアである。彼は、王たちの不正を論証し、王たちの前に、その侮辱に満ちた行いを指摘する。

33 メシアはまず、彼らを生きたまま裁きの座に立たせ、彼らの非を論証してから滅ぼす。

34 彼は、残ったわたしの民を憐れみをもって解放する。彼らはわたしの領土で救われた者であり、メシアは終末、すなわち、裁きの日が来るまで、彼らに喜びを味わわせるであろう。裁きの日のことは、初めにあなたに話しておいた。

35 これがあなたの見た夢とその解き明かしである。

36 いと高き方のこの秘密を知るのにふさわしいのはあなただけであった。

37 だから、あなたが見たことをみな、本に書き、隠れた場所にしまいなさい。

38 そして民の中の賢い人々、すなわち、この秘密を理解し、守る心があるとあなたが思う人々に、これを教えなさい。

39 しかしあなたは、あと七日間ここにとどまりなさい。そうすれば、いと高き方があなたに示そうと考えられることは何でも、あなたに示される。」

40 そして、彼はわたしから去った。

結び

さて、七日間過ぎても、わたしが都に戻らなかったので、人々は、身分の低い者から高い者まで皆集まって、わたしのもとにやって来た。そしてわたしに言った。

41 「わたしたちがあなたに対して、どのような罪を犯し、どのような不正をしたというのですか。なぜわたしたちを見捨ててここに座っておられるのですか。

42 すべての預言者の中で、わたしたちに残されたのはあなただけなのです。あなたは、刈り入れで残った一房のぶどう、暗闇の中の明かり、嵐から逃れた船のための港のような方です。

43 わたしたちにふりかかった災難がまだ足りないというのですか。

44 あなたに見捨てられるくらいなら、シオンの大火で、わたしたちも焼かれてしまった方が、どれほどよかったことでしょう。

45 あの大火で死んだ人々よりも、わたしたちの方がましだということはないのですから。」そして、彼らは大声で泣いた。わたしは彼らに言った。

46 「イスラエルよ、信頼しなさい。ヤコブの家よ、悲しんではならない。

47 いと高き方はあなたたちのことを覚え、力ある方は戦いの中にあるあなたたちを忘れられることはないのだ。

48 わたしは、あなたたちを見捨てたわけでもなく、あなたたちから離れたわけでもない。わたしがここに来たのは、シオンの荒廃の赦しを願い、また、あなたたちの聖所がさげすまれたことへの憐れみを求めるためなのです。

49 だから今、おのおの家に帰りなさい。わたしも定められた日数がたったら、あなたたちのところへ戻ろう。」

50 そこで民は、わたしの言葉に従って都へ立ち去った。

51 わたしは命じられたとおり、七日間、野原に座って、野の花だけを食べた。この期間、草花がわたしの食物であった。

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エズラ記(ラテン語) 13

第六の幻

海から昇る人

1 七日の後、夜わたしは夢を見た。

2 見よ、海から風が起こり、潮の流れが逆巻いていた。

3 わたしが見ていると、見よ、人が天の雲とともに飛んでいた。彼が顔を向けて見つめると、見つめられたものは皆、震え上がった。

4 彼の口から声が出ると、どこでもその声を耳にした人は皆、蝋が火に触れて熔けるように燃え上がった。

5 その後、わたしが見ていると、見よ、無数の人々の群れが天の四方から集まって来て、海から昇って来た人と戦おうとしていた。

6 更に見ていると、見よ、その人は自分のために大きな山を刻み出し、その上に飛び上がった。

7 わたしは、山が刻み出された地方または場所を見ようとしたが、できなかった。

8 その後、更に見ていると、彼と戦おうとして、集まって来た人々は皆、ひどく恐怖にかられたが、それでもあえて戦い始めた。

9 すると、見よ、彼は群衆の襲撃を見ても手を上げず、投げ槍も取らず、何の武器も取らなかった。ただわたしが目にしたのは、

10 彼が口から火の流れのようなものを、唇から炎の息を、舌からは稲妻の嵐を発している有様だった。そして、火の流れと炎の息と大嵐はすべて、同時に混ざり合った。

11 それは、戦おうとして襲って来た群衆の上に落ち、すべての者を焼き尽くした。すると、たちまち無数の群衆は見えなくなり、灰の粉と煙のにおいだけになってしまった。わたしはこれを見て驚いた。

12 この後、わたしは、この人が山から下りて、別の平和な群衆を自分のもとに招いているのを見た。

13 彼のもとに、様々な顔の人々が近づいて来た。喜んでいる者もいれば、悲しんでいる者もいた。ある者は縛られており、ある者は差し出すべく捕虜を引き連れていた。わたしは非常に恐ろしくなって、目を覚まし、いと高き方に祈った。

幻の説明

14 「あなたは初めから、僕にこれらの不思議を示され、わたしを認めて願いを受け入れるにふさわしい者とされました。

15 今、また、わたしにこの夢の解き明かしをしてください。

16 わたしが思いますには、その日まで残された人々は不幸ですが、残されなかった人々はもっと不幸です。

17-18 残されなかった人々は、終わりの日に備えられているものを知りながら、それに達しえないと分かって悲しみを味わうからです。しかし残された人々も、

19 不幸なのです。というのも、この夢が示しているように、大きな危険と多くの苦しみに遭うのですから。

20 それでも、雲のようにこの世から去って行き、終わりの日に起こることを見ないよりは、危険に遭いながらも、終わりの日に至る方が、まだましです。」主はお答えになった。

21 「幻の解き明かしをしよう。また、あなたが話したことについても明らかにしよう。

22 あなたは残された人々と、残されなかった人々について語ったが、それを解き明かせばこのようになる。

23 その時に危険をもたらす方こそ、危険に陥る人々を守り、彼らは全能者のために働き、信仰を保つ者となるだろう。

24 だから、死んだ人々より、残された人々の方が、はるかに幸せであることを知るがよい。

25 幻を解き明かせば、このようになる。あなたは、海の中から人が上がって来るのを見たが、

26 この人こそいと高き方が長い間取って置かれた人である。この人は自分で自分の被造物を解放し、残された人々の運命を定めるであろう。

27 あなたは、彼の口から風と火と嵐が出るのを見た。

28 彼は、投げ槍も武器も持たずに、自分を倒そうとして来た群衆の襲撃を粉砕した。これを解き明かせばこのようになる。

29 見よ、いと高き方が地上にいる人々を救う日が来る。

30 そして、地に住む人々は正気を失うであろう。

31 町は町に、地方は地方に、民は民に、国は国に対して、互いに戦いを企てる。

32 これらのことが起こり、わたしがさきにあなたに示したしるしが現れるとき、そのとき、わたしの子が登場する。わたしの子とは、海から昇るのをあなたが見た人のことである。

33 すべての民は彼の声を聞くと、おのおの、自分の国を捨て、互いに戦うのすらやめて、

34 一つに集結し、無数の群衆となって、あなたが見たとおり、彼に戦いを挑むであろう。

35 しかし彼は、シオンの山の頂に立つ。

36 あなたは山が手によらずに刻み出されるのを見たが、シオンは整えられ、建てられた姿で到来し、すべての人々に現れる。

37 そこで、わたしの子は、立ち向かって来た民に対して、その不敬虔を論証する。これが嵐にたとえられているのである。そして、彼らの前で、その邪悪な思いをとがめ、彼らをさいなむ懲らしめを与える。

38 これが炎にたとえられている。そして、彼らを律法によって難なく滅ぼす。これが火にたとえられているのである。

39 あなたは、彼が別の平和な群衆を自分のもとに集めるのを見た。

40 これはかの九つの部族のことである。彼らはかつてヨシヤ王の時代に、捕囚となって祖国から連れ出された民である。アッシリア王シャルマナサルは彼らを捕虜として連行し、川の向こうに移し、彼らはこうして他国に移されたのである。

41 しかし彼らは、多くの異邦の民を離れて、人がまだだれも住んだことのないほかの地方に行こうと決心した。

42 彼らは、それまでいた地方では守ることのできなかった掟を、そこで守りたかったのである。

43 彼らはユーフラテス川の狭い支流を通って入って行った。

44 その時、いと高き方は彼らにしるしを行い、彼らが渡るまで、川の流れをせき止められた。

45 その地方を通り過ぎる道のりは長く、一年半に及んだ。その地方は、アルザルと呼ばれている。

46 彼らは、最近までそこに住んでいたのである。そして今、彼らは再び帰国の途につき、

47 いと高き方は彼らが渡れるようにと、川の流れを再びせき止められた。あなたが、平和のうちに集まった群衆を見たのはこのことだったのである。

48 しかしあなたの民の中で残されて、わたしの聖地に見いだされる人々も同様である。

49 そこでわたしの子は、集まった諸国の民の群れを滅ぼすとき、残された民を守る。

50 その時、彼は、おびただしい奇跡を彼らに示す。」

51 わたしは言った。「統べ治められる方、主よ、このことを教えてください。なぜわたしは、海の中から人が昇って来るのを見たのですか。」主は言われた。

52 「海の深みに何があるかを、だれも調べたり、知ったりすることができないように、地上のだれも、その日まで、わたしの子や、彼と共にいる人々を見ることはできない。

53 これが、あなたの見た夢の解き明かしである。しかも、これは、あなただけに明かされたのである。

54 あなたは、自分のことを捨てて、わたしのことに専念し、わたしの律法を追い求めたからである。

55 あなたは、自分の人生を知恵に従って整え、あなたの知性を母と呼んだ。

56 それゆえ、わたしは、いと高き方からの報いとしてこのことを示したのである。三日後には、更に別のことを話し、大切な驚くべきことを説明しよう。」

結び

57 わたしは、野原へ出て行き、時に応じて行われた奇跡のゆえにいと高き方を大いにほめたたえた。

58 いと高き方は、時と、時の中で生じることを支配されるからである。わたしは三日間そこにとどまった。

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エズラ記(ラテン語) 14

第七の幻

序文

1 三日目に、わたしは樫の木の下に座っていた。

2 すると、見よ、灌木の茂みからわたしに向かって、「エズラ、エズラ」という声がした。わたしは、「主よ、ここにおります」と言って立ち上がった。主は言われた。

3 「わたしの民がエジプトで奴隷だったとき、わたしは灌木の茂みの中で自らを啓示して、モーセに語った。

4 そして彼を遣わして、わたしの民をエジプトから導き出した。そして彼をシナイ山の上に連れて行き、何日もの間、わたしのもとに引き止めておいた。

5 そこで彼に多くの不思議な業を語り、時の秘密と時の終わりとを示した。そしてわたしは彼に命じた。

6 『この言葉は公にし、また、この言葉は秘密にしておきなさい』と。

7 今あなたに言う。

8 わたしが示したしるしと、あなたが見た夢、また、あなたが聞いた解き明かしを心に秘めておきなさい。

9 あなたは人々の中から挙げられて、わたしの子と、あなたのような人々と共に、時が終わるまで暮らす。

10 世は既に若さを失い、時は老年期に近づいている。

11 この世は十二の時期に分かれ、既に九つの時期と、更に第十の時期の半分が過ぎている。

12 残っているのは、第十の時期の半分と、あと二つの時期だけである。

13 だから今、あなたの家を整え、あなたの民を戒めなさい。卑しめられている人々を慰め、既に腐り切った生活を返上しなさい。

14 はかない考えを追い払い、人間的な重荷を捨て、弱い本性を脱ぎ捨てなさい。そして、あなたにとって何とも煩わしい思いを打ち捨て、急いでこの時代から逃げ出しなさい。

15 あなたは今、いろいろな災いが起こるのを見たが、これよりももっと悪いことが起こるだろう。

16 この世が年老いて弱くなればなるほど、世に住む人々の上に悪が増し加わる。

17 真理はますます遠ざかり、偽りが近づいている。あなたが幻で見た鷲が、既に急いでやって来つつあるからである。」

啓示の記録について

18 わたしは言った。「主よ、言うべきことは申し上げました。

19 確かに、お命じになったとおり、わたしは行って今生きている民を戒めましょう。しかし、後に生まれて来る人々には、だれが警告するのでしょうか。

20 この世は暗闇の中にあり、世に住む人々には光がありません。

21 あなたの律法が焼かれたので、あなたが既になさったことも、どんな御業が始まるのかも知る人はいないからです。

22 もしわたしが御好意にあずかっているのでしたら、わたしの中に聖なる霊をお送りください。初めから世に起こったことすべてと、あなたの律法に記されていたこととを書きましょう。そうすることによって、人々は道を見いだすことができ、生命を望む人は終わりの時に生きるのです。」

23 主はわたしに言われた。「行って民を集め、四十日間はあなたを捜してはいけないと言いなさい。

24 あなたは多くの書き板を用意して、サレア、ダブリア、セレミア、エタヌス、アシエルを連れて来なさい。この五人は速記のできる人々です。

25 そしてここに来なさい。わたしは、あなたが書き始めたものが終わるまで、消えることのない知恵の火をあなたの心にともそう。

26 出来上がったら、あるものは公にし、あるものは知恵ある者たちにひそかに渡しなさい。明日のこの時間に書き始めなさい。」

27 わたしは、命じられたとおりに出かけて行き、民を皆集めて言った。

28 「イスラエルよ、この言葉を聞きなさい。

29 わたしたちの祖先は、初めエジプトに寄留していたが、そこから救い出された。

30 彼らは命の律法を受けたが、それを守らず、後のあなたたちも、それに違反した。

31 また、シオンの地にあなたたちの分け前として土地が与えられた。しかし、あなたたちも祖先も不正を行い、いと高き方が命じられた道を守らなかった。

32 神は正しい裁判官なので、時が来ると、お与えになっていたものを、あなたたちから取り上げられた。

33 あなたたちは今、ここにいる。そしてあなたたちの兄弟は、あなたたちの内にいる。

34 もし、あなたたちが知性を制御し心を培うならば、あなたたちは生きている間、守られ、死後も、憐れみを受けるであろう。

35 死後、生き返るときに裁きが来るからである。そのとき、正しい人々の名が明らかにされ、不敬虔な人々の行いも、あらわになるであろう。

36 しかし、今はだれもわたしに近づいてはならない。また、四十日たつまで、わたしを捜してはならない。」

37 そしてわたしは、命じられたとおり五人を連れて野原に出て行き、そこにとどまった。

38 翌日になって、わたしを呼ぶ声がした。「エズラ、口を開き、わたしがあなたに飲ませるものを飲みなさい」と。

39 わたしは口を開いた。すると、なみなみとつがれた杯が差し出された。それは水のようなものでいっぱいであったが、その色は火のようであった。

40 わたしは、それを受け取って飲んだ。飲んだとき、心に悟りが与えられ、胸には知恵がみなぎった。わたしの霊は記憶を保っており、

41 わたしの口は開き、とめどなく語り続けた。

42 いと高き方は、五人の者に悟る力を与えられた。彼らは、それまで知らなかった文字で、次から次へと語られたことを書き取った。彼らは四十日の間、座りどおしだった。昼間は書き続け、

43 夜に食事をした。わたしは昼間は語り、夜も黙ることはなかった。

44 こうして四十日の間に、九十四巻の書物が書かれたのである。

45 四十日が過ぎると、いと高き方は言われた。「あなたが初めに書いたものを公にして、ふさわしい者にもふさわしくない者にも読ませなさい。

46 しかし、後の七十巻は保存しておいて、民の中で知恵ある者たちに渡すようにしなさい。

47 これらの書物の中には、悟りの源と知恵の泉と知識の川があるからである。」わたしはそのとおり実行した。

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エズラ記(ラテン語) 15

付録の諸預言

近づく災難

1 主は言われる。「さあ、わたしがあなたの口に送り込む預言の言葉を、わたしの民の耳に語りなさい。

2 そして彼らにそれを書き取らせなさい。その言葉は真実で、信頼できるからである。

3 あなたに対する悪だくみを恐れてはならない。あなたに敵対する人々の不信仰に動揺してはならない。

4 不信仰な人々は皆、不信仰のゆえに滅びるからである。」

5 主は言われる。「見よ、わたしは地に災いを、剣と飢えと死と滅びとをもたらす。

6 不正が全地を覆い、彼らの行いが行き着くところまで来てしまっているからである。」

7 主は言われる。

8 「それゆえ、彼らが行う不敬虔に対して、わたしはもう黙ってはいない。わたしは、彼らの不正なふるまいを忍耐しないだろう。見よ、潔白で正しい者の血が、わたしに向かって叫んでいる。正しい人々の魂が、絶え間なく叫び続けている。」

9 主は言われる。「わたしは確かに不敬虔な者たちに報復しよう。そして彼らの中のすべての潔白な人々の血を、わたしのところに受け入れよう。

10 見よ、わたしの民は家畜のように、屠殺場に引かれていく。わたしはもはや彼らが、エジプトの地に住むことに耐えられない。

11 わたしは、力ある手、伸ばした腕をもって民を救い出そう。そして、かつてのように災難でエジプトを打ち、彼らの地をすべて滅ぼそう。

12 エジプトは嘆き悲しむがよい。主が引き起こされる災難によってその大地の基が打ちたたかれるのだ。

13 地を耕す農夫たちは嘆き悲しむがよい。彼らの種は尽き、木々は熱風と雹と恐るべき嵐によって荒らされるのだから。

14 世と世に住む人々は不幸である。

15 まもなく、彼らは剣で滅ぼされるのだから。民族は民族に対して、手に剣を取って戦いに立ち上がる。

16 人々は自分たちの力を頼みにし、互いに相手を圧倒しようとして、王や位の高い指導者たちなど気にもとめない。

17 人は、町に入ろうとしても、入ることはできない。

18 町は人々の傲慢のために乱され、家はつぶされ、人々は恐れおののくからである。

19 人は隣人を憐れまず、家に剣を持って押し入り、持ち物を奪うであろう。パンに飢え、苦しみが多いからである。」

20 主は言われる。「見よ、わたしは地のすべての王たちを北から、南から、東から、東南東から呼び集め、彼らが自らに立ち帰って、与えられていたものを返すように命じる。

21 わたしの選んだ人々に対して彼らが今日に至るまで行ってきたように、わたしも行い、彼らにそれを突き返す。」主なる神はこう言われる。

22 「わたしの右手は、罪を行う者たちを赦さず、剣は、地上で罪なき人々の血を流した者たちを、見逃しはしない。

23 火が主の怒りから出て、地の基と罪人たちとを、燃えるわらのように焼き尽くす。

24 罪を犯し、わたしの戒めを守らない者は不幸である。」主は言われる。

25 「わたしは彼らを赦さない。主に背いた者たちよ、立ち去れ。わたしの聖所を汚してはならない。」

26 神は御自身に対して罪を犯す者を知っておられる。だからこそ、神は、彼らを死と殺害に渡されるのである。

27 災いは既に地上に来ており、人々の中に居座るだろう。しかし神はお前たちを救われない。お前たちが神に対して罪を犯したからである。

恐るべき幻

28 見よ、恐るべき幻が東から現れる。

29 アラビアの竜の民が多くの戦車に乗って襲って来る。彼らのどよめきは、その出陣の日から地に鳴り渡り、これを聞く者は皆、恐れおののく。

30 カルモニア人は怒り狂って、森から出、大きな力をもって彼らを迎え撃ち、そのきばでアッシリアの一部を荒らす。

31 その結果、竜は自分の本性を発揮して、更に勢力を増し加え、その大いなる力をもってカルモニア人に襲いかかる。

32 すると彼らは混乱して、竜の力の前に沈黙し、くびすを返して敗走する。

33 すると、アッシリアの地の伏兵が彼らを待ち伏せて、彼らのうちの一人を殺すであろう。すると軍勢は恐れおののき、以後彼らの国には動乱が絶えぬであろう。

34 見よ、雲が東と北から南まで広がり、その様は非常に恐ろしく、怒りと嵐をはらんでいる。

35 この雲は互いにぶつかり合い、すさまじい嵐を地上に降り注ぎ、剣によって流された血は、馬の腹、

36 人の腿、らくだのひざにまで及ぶ。地上では大いなる恐れとおののきとがある。

37 その怒りを見る者は震え上がり、おののきにとらえられる。その後、大きな嵐が、

38 南と北から、またあるものは西からもやって来る。

39 東からの風が強まり、怒りの中に巻き起こった雲を押さえつける。滅びをもたらそうとしていた嵐は、東風によって南と西に激しく追いやられる。

40 そして、怒りをはらんだ大きくて強力な雲と嵐は、地とそこに住む人々を滅ぼそうとしてわき上がり、高く優れたあらゆるものに向かって、恐るべき嵐と、

41 火と雹と飛ぶ剣と豪雨を降り注ぐ。そうして、あらゆる野と川はこのあふれる水で覆われる。

42 町と城壁と山と丘、森の木と牧場の草と穀物は滅ぼされる。

43 その雲と嵐はバビロンにまで移動を続け、バビロンをも滅ぼし尽くす。

44 それらは、この町に押し寄せて取り囲み、嵐と怒りの限りをこの町に降り注ぐであろう。こうして、砂塵と煙は天にまで達し、周囲の人々は皆、この町のため嘆く。

45 生き残った者たちは、町を滅ぼした者たちの奴隷となる。

アジアに対して

46 「アジアよ、お前はバビロンの美しさとその威厳ある輝きにあずかっている。

47 お前は不幸だ、惨めな者よ。お前はバビロンのまねをして、お前の娘たちを売春婦のように着飾らせ、お前と姦淫しようといつも望んでいる愛人たちに気に入られ、褒めてもらおうとしている。

48 お前は憎むべき者のすべての行いとふるまいをまねしたのである。」それゆえ神は言われる。

49 「わたしはお前に災いを送ろう。やもめ暮らしと貧困、飢えと剣と疫病とを送ってお前の家を荒らし、破壊と死をもたらそう。

50 お前の力ある栄光は、お前に送られた熱気が立ち上ると、花のようにしおれるだろう。

51 お前は、打ちひしがれてみじめな女となり、深い傷を負って弱り、お前が頼りにしている者たち、愛人たちを受け入れることができないようになる。」

52 主は言われる。「わたしが、これほどまでお前を憎むのは、

53 お前が、わたしの選んだ人々をいつも殺害したからではないのか。お前は酔いしれて、手をたたいて喜び、彼らのしかばねをののしった。

54 『お前の顔を美しく装うがよい』と。

55 売春婦への報酬は、お前のふところにある。それゆえお前は報いを受ける。」

56 主は言われる。「お前がわたしの選んだ者に対してするように、神もお前に対して行い、お前を災いに引き渡すであろう。

57 お前の子供たちは、飢えで死に、お前は剣で滅びる。お前の町々は破壊され、お前に属する者たちも皆、戦場で剣に倒れる。

58 山にいる者たちは飢えで滅び、パンに飢えて自分の肉を食べ、水を渇き求めて血を飲む。

59 お前はさきの災難のため惨めになったが、更に災いを受ける。

60 バビロンを滅ぼした者たちはそこから帰るとき、その道すがら、憎まれた町を打ち、お前の領土と栄華の一部を破壊する。

61 お前は敷きわらのように踏み砕かれ、災いは、お前にとって火となるだろう。

62 これらのものたちはみな、お前と町々とお前の領土と山を食い、お前のすべての森と実のなる木とを火で焼き尽くす。

63 そして、お前の子供たちを捕らえて連れ去り、お前の富を剥奪し、お前の顔の輝きを台なしにする。」

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エズラ記(ラテン語) 16

エズラの哀歌

1 バビロンとアジアよ、お前は不幸だ。エジプトとシリアよ、お前は不幸だ。

2 お前たちは粗布をまとい、息子たちのため嘆き悲しむがよい。お前たちの苦しみが近づいたからである。

3 お前たちには剣が突きつけられている。だれがそれを避けることができようか。

4 お前たちに対して火が放たれた。だれがそれを消すことができようか。

5 お前たちに災いが臨んでいる。だれがそれを払いのけることができようか。

6 森の飢えた獅子を、だれが追い払うことができようか。燃えついた敷きわらを消すことができようか。

7 力強い射手の放った矢を、跳ね返すことができようか。

8 神である主が、災いを送られるのだ。だれがこれを跳ね返すことができようか。

9 火は神の怒りから発せられるのだ。だれがこれを消すことができようか。

10 稲妻がひらめく。だれが恐れずにいられようか。雷鳴がとどろく。だれがおびえずにいられようか。

11 主が威嚇されるのだ。だれがその御前で打ち砕かれずに済むだろうか。

12 大地とその基は震え、海は深みから波立ち、波も魚も主の御前で、主の御力の威光に騒ぎ立つ。

13 弓を引く方の栄光は力強く、放たれる矢は鋭く、地の果てまで届かずにはおかない。

14 見よ、災いが送られる。それは、地上に達せずに戻ることはない。

15 火が放たれる。火は地の実りを焼き尽くすまで消えることはない。

16 強力な射手によって放たれた矢が引き返すことがないように、地上に送られた災いも引き返すことはない。

17 わたしはもうだめだ。もうだめだ。だれがその日にわたしを救ってくれるだろうか。

18 嘆きが始まり、多くの人があえぎ苦しむ。飢えが始まり、多くの人が滅びる。戦いが始まり、権力者たちが恐れる。災いが始まり、人々はそれにおののく。

19 災いが襲うとき、どうすればよいのか。

20 見よ、飢えの打撃が襲って来る。その苦しみは鞭のようだ。それは戒めのための懲らしめ。

21 それにもかかわらず、人々は不正を改めず、これらの懲らしめにもかかわらず、その懲らしめを永久に思い起こすことはない。

22 見よ、地上では、しばらくの間穀物の値が下がり、平和が身近に迫ったと感じられるようになるだろう。しかし、そのときこそ、災いが地上に咲き乱れる。それは剣と飢えと大混乱である。

23 飢えが、地上に住む多くの人々を滅ぼし、剣が、飢えを免れて生き残った人々を追い散らす。

24 死体は糞土のごとく投げ捨てられ、人々を慰める者もいない。地は荒れるにまかされ、町々は崩壊していく。

25 地を耕し、種を蒔く農夫は一人も残されないだろう。

26 木々は実をつけたとしても、だれがそれを刈り取るだろうか。

27 ぶどうは収穫をもたらしたとしても、だれがそれを搾るだろうか。どこも荒れほうだいになるであろう。

28 人は人を見たいと望み、人の声をぜひ聞きたいと望む。

29 しかし町には十人、田舎には二人しか残らず、しかも彼らは、森や岩の裂け目に身を隠しているであろう。

30 それはちょうどオリーブ山のそれぞれの木に、三つか四つのオリーブの実が残っているようなものであり、

31 取り入れの終わったぶどう畑に、ぶどうを懸命に探す人たちからも見落とされて、幾つかのぶどうの房が残っているようなものである。

32 その日には、剣を持って家を探し回る者の手から生き残る者が三、四人いるだろう。

33 地は荒れるにまかされ、畑は固くなり、道も小道もみな、茨を茂らせ、羊もそこを通らなくなる。

34 おとめたちは結婚相手を失って嘆き、女たちは夫を亡くして嘆き、その娘たちは保護者を失って嘆く。

35 婚約者たちは戦いで殺され、夫たちは飢えのために滅びるのである。

終末への主の僕の準備

36 主の僕たちよ、これに耳を傾け、よく理解せよ。

37 見よ、これは主の言葉である。これを受け入れて、主が言われることを疑ってはならない。

38 「見よ、災いが迫っており、遅れることはない。

39 子を宿して九か月になる女が、出産の時が近づいて、その二、三時間前に陣痛を起こしてうめき、胎から赤子が出るのに一瞬たりとも遅れないように、

40 災いも遅れることなく地上に出て来る。そして世は己を取り巻く痛みにうめく。

41 わたしの民よ、わたしの言葉を聞くがよい。戦いに備えよ。地上にあっては寄留者のようになりなさい。

42 すなわち、売る人は逃げ出す人のように、買う人はそれをすぐに失ってしまう人のように、

43 商いをする人は利益を得ない人のように、家を建てる人はそこには住まない人のようになるがよい。

44 種蒔く人は収穫を期待しないかのように、ぶどうの枝を刈り込む人は取り入れをしないかのように、

45 結婚する人は子をもうけないかのように、結婚しない人はやもめであるかのように生きるがよい。

46 労苦する人は理由もなく労苦することになる。

47 彼らの実を他国の者が刈り取り、彼らの財産を奪い、家を壊し、彼らの子を捕らえて連れ去るだろう。捕囚と飢えのさなかで彼らが子供を産んでも、

48 その子らは誘拐されて売買されるだけだからである。彼らが町々や家や財産やわが身を飾れば飾るほど、

49 彼らの罪のためわたしの怒りは激しくなる。」主は言われる。

50 売春婦が純潔で善良な婦人を激しく憤らせるように、

51 正義は、不正が自分を飾るとき、激しく憤る。そして、地上のあらゆる罪を吟味する正義を擁護する方が来られるとき、正義は、面と向かって不正を告発する。

52 だから不正も、その業もまねてはならない。

53 なぜなら、見よ、間もなく不正が地から取り去られ、わたしたちの間で正義が支配するからである。

54 罪人は、自分が罪を犯さなかったと言ってはならない。「わたしは神とその栄光の前に罪を犯しませんでした」と言う者の頭の上には炭火が燃えるからである。

55 見よ、主は、人のすべての業と計画と思いと心とをご存じである。

56 主が、「地は成れ」と言われると地が造られ、「天は成れ」と言われると天が造られた。

57 主の言葉によって星の位置が定められた。主は星の数をご存じであり、

58 深淵とその中の宝とをくまなく調べられ、海とその中のものを量っておられる。

59 主は、御言葉によって水の領域に海を閉じ込められ、地を水の上につるされた。

60 主は天を丸天井のように広げて、その基を水の上に置かれた。

61 主は荒れ野に泉を置かれ、山の頂に湖を置いて、高い所から川を流れさせて、地を潤すようにされた。

62 主は人を造って、体の真ん中に心を置き、それに霊と命と知性と全能の神の息吹を送り込まれた。

63 主はすべてを造られ、隠れた所の隠れたものをくまなく調べられる。確かに

64 主は、あなたたちの計画とあなたたちが心に思うことをすべて、ご存じである。罪を犯し罪を隠そうとする者は不幸である。

65 確かに主は、彼らのすべての業をくまなくお調べになり、あなたたち皆を引き出されるからである。

66 あなたたちの罪が人々の前に並べられるとき、あなたたちは、慌てふためくであろう。その日には不正の数々が告発者として立つであろう。

67 主とその栄光の前に、あなたたちに何ができるというのか。どのように自分の罪を隠すことができるというのか。

68 見よ、神は裁き手である。神を恐れるがよい。あなたたちは罪と縁を切り、永久に不正を行わないようにするがよい。そうすれば、神はあなたたちを導き、すべての苦しみから救い出してくださる。

69 見よ、あなたたちの上に、多くの群衆の憤りが火となって燃え上がり、彼らはあなたたちの中のある人々を捕らえて、偶像に献げるために屠られたものの肉を食べさせるだろう。

70 そして、これに同意した者たちは、彼らに嘲笑、愚ろうされ、踏みつけられる。

71 至るところで、また、近隣の町々で、神を畏れる人々に対して、多くの反対が起こる。

72 反対者たちは気でも狂ったように、主をまだ敬う人々から強奪して彼らを打ちのめし、一人も容赦しないだろう。

73 その人々を打ちのめして、財産を強奪し、その人々を家から追い払うであろう。

74 そのとき、金が火によって試されるように、わたしの選んだ人々が試みられて、正しい者と証明されるであろう。

75 主は言われる。「わたしが選んだ人たちよ、聞け。見よ、苦しみの日々が近づいている。しかし、わたしはあなたたちをその苦しみから救おう。

76 恐れてはならない。疑ってはならない。神があなたたちの指導者であられるからである。」

77 神である主は言われる。「あなたたちはわたしの戒めと掟とを守ったのであるから、罪があなたたちに重くのしかかり、不正があなたたちをしのぐようなことがあってはならない。

78 自分の罪に圧倒され、自分の不正に覆われてしまう者は不幸である。それはちょうど畑がやぶにふさがれ、小道が茨に覆われて、人が通れなくなるようなものである。その畑は囲いを巡らして火が放たれ、火で焼き尽くされるだけである。」

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エズラ記(ギリシア語) 1

ヨシヤと過越祭

1 ヨシヤはエルサレムで主のために過越祭を行った。すなわち彼は、第一の月の十四日に、過越の小羊を屠り、

2 式服を着用した祭司たちを組ごとに、主の神殿で日々の奉仕に当たらせた。

3 彼はイスラエルの神殿で奉仕するレビ人にこう言った。「ダビデの子ソロモン王の建てた神殿に、主の聖なる箱を納めるにあたって、主のために身を清めよ。

4 あなたたちはもはやこの箱を肩に担ぐ必要はない。あなたたちの神、主に仕え、民イスラエルへの奉仕に励め。あなたたちの先祖と部族ごとに、またイスラエルの王ダビデの書に従い、その子ソロモンのときのように盛大な過越を準備せよ。

5 また、兄弟であるイスラエルの子らに奉仕するように定められた、あなたたちレビ人の先祖の役割分担に従って、神殿の中の持ち場につき、

6 過越の小羊を規定に従って屠り、あなたたちの兄弟のためにいけにえを用意し、主がモーセに与えられた指示どおりに過越祭の準備をせよ。」

7 次いでヨシヤは、集まった民に、三万匹の小羊または子山羊、三千頭の子牛を与えた。それは、約束どおり王室から民や祭司、レビ人に対して贈られたものだった。

8 また神殿の主管であるヒルキヤ、ゼカルヤ、エシエルも、この過越祭のために、二千六百匹の小羊、三百頭の子牛を祭司たちに贈った。

9 千人隊長たち、すなわちエコニア、シェマヤ、その兄弟ネタンエル、ハシャブヤ、オキエル、ヨラムらも、過越祭のために、五千匹の小羊と七百頭の子牛をレビ人に与えた。

10 さて、次に祭司とレビ人は、モーセの書に書き記されている規定どおりに主に供えるため、部族ごとにその先祖の役割分担に従って酵母を入れないパンを持って、民の先頭に整然と立った。それは早朝のことであった。

11 彼らは、規定に従って過越の小羊を火でよくあぶり、他のいけにえは、青銅の器と鍋の中に入れ、香料と一緒に煮て、参集した民全員のもとへ運んだ。

12 その後レビ人は、自分たちのため、またアロンの子孫で兄弟である祭司のために過越の食事を用意した。

13 というのも、祭司が脂肪を献げるのに夜遅くまでかかっていたので、レビ人は自分たちのため、またアロンの子孫で兄弟である祭司のために用意しなければならなかったからである。

14 アサフの子孫で詠唱者たちは、王宮に属していたアサフやザカリアやエディヌスと共にダビデが定めた掟に従って、その任務についた。

15 門衛たちも、それぞれの門についていた。兄弟であるレビ人がみんなのために準備をしてくれたので、だれも日々の職務を離れる必要はなかった。

16 こうしてヨシヤ王の命令に従って過越の小羊が引き出され、他のいけにえが主の祭壇の上に運ばれ、主にいけにえを献げる儀式は、その日一日で終わった。

17 そのとき居合わせたイスラエルの子らは、過越祭と七日間にわたる除酵祭を祝った。

18 預言者サムエルの時代以来、これほどの過越祭がイスラエルで祝われたことはなかったし、

19 また、ヨシヤが、祭司、レビ人、ユダヤ人、そしてエルサレムに居住しているすべてのイスラエル人と共に祝ったような、これほどの過越祭を祝った者は、イスラエルの歴代の王の中に一人もいなかった。

20 この過越祭は、ヨシヤ王の治世の第十八年に祝われた。

21 敬神の念のあついヨシヤは、主の前に正しく行動した。

22 彼の時代の出来事、すなわち、イスラエルの民がすべての民族や王国以上に主に対して罪を犯し、不敬虔にふるまったこと、彼らが主を深く悲しませたこと、ついには、主の言葉がイスラエルに臨んだことなどは昔の記録に書き残されている。

ヨシヤの死

23 さて、この儀式がすべて終了したとき、エジプト王ファラオがユーフラテス河畔のカルケミシュを目指して攻め上って来た。そこでヨシヤは、これを迎え撃つために出陣した。

24 するとエジプト王は、彼のもとへ使者を派遣して言った。「ユダヤの王よ、これはわたしのことで、あなたには関係がない。

25 わたしが主なる神から遣わされたのは、あなたを討つためではない。わたしの戦いは、ユーフラテス河畔で行われるのだ。今、主はわたしと共におられ、わたしを急がせておられる。撤退せよ。主に逆らうな。」

26 しかし戦車に乗っていたヨシヤは引き返そうとはせず、預言者エレミヤが語った主の言葉を無視して彼と一戦を交えることを決意した。

27 ヨシヤはメギド平野で彼と戦った。敵将たちはヨシヤ王を目がけて襲いかかった。

28 王は従者に向かって言った。「もはや力尽きた。わたしを戦列から外せ。」従者たちは、即刻、王を戦列から外した。

29 ヨシヤは第二司令車に乗り込み、エルサレムへ引き返して、絶命した。彼は先祖の墓に葬られた。

30 ユダヤの各地で、人々はヨシヤの死を悼み、預言者エレミヤはヨシヤのために悲しみの歌を作り、民の指導者たちもその妻たちも共に彼の死を悼む歌をうたった。この哀悼は、現在に至るまで続き、その慣習はイスラエルの部族全体にも及んでいる。

31 以上は、歴代のユダヤの王について語られた歴史書に書かれているが、ヨシヤの事績、彼の栄誉、主の律法に対する彼の理解、彼がかつて行ったこと、そして今わたしが述べたことなどはすべて、『イスラエルとユダの王の書』に書き残されている。

ユダヤの最後の王

32 ユダヤの民は、ヨシヤの子エコンヤを迎え、父ヨシヤの跡を継ぐ王とした。ときに彼は二十三歳であった。

33 彼は三か月間ユダとエルサレムで国を治めた。しかしエジプトの王は、彼がエルサレムで王として統治することを許さず、彼に退位を迫り、

34 また民に罰金として銀百タラントン、金一タラントンを課した。

35 こうしてエジプトの王は、エコンヤの兄弟ヨヤキムをユダヤとエルサレムの王とした。

36 ヨヤキムは有力者たちを投獄し、自分の兄弟ザリをエジプトから連れ戻した。

37 ヨヤキムは、王としてユダヤとエルサレムを統治し始めたとき二十五歳であった。彼は主の前に悪を行った。

38 バビロンの王ネブカドネツァルは、彼のもとへ攻め上り、青銅の鎖でつないでバビロンへ引いて行った。

39 またその際ネブカドネツァルは、主のための聖なる祭具類を奪い、それをバビロンの自分の神殿に納めた。

40 ヨヤキムについての物語、彼の不道徳と不信仰については、『歴代の王の書』に書き残されている。

41 ヨヤキムの子ヨアキムが、王となった。ときに十八歳であった。

42 彼はエルサレムで三か月と十日国を治めたが、主の前に悪を行った。

43 一年後のことである。ネブカドネツァルは、使者を遣わして、主の聖なる祭具類と共にヨアキムをバビロンへ引いてこさせ、

44 ゼデキヤをユダヤとエルサレムの王とした。ときに彼は二十一歳で、十一年間国を治めた。

45 彼は主の前に悪を行い、預言者エレミヤを通して語られた主の言葉を侮った。

46 彼は主の名によってネブカドネツァルに宣誓したにもかかわらず、誓いを破り、またそのうなじと心をかたくなにして、イスラエルの神、主の掟を犯した。

47 民と祭司たちを指導すべき人々もまた不敬、不法な行為を次々に働き、エルサレムにある聖別された主の神殿を汚した。それは他の民族の不道徳にも劣らぬ所業だった。

48 彼らの先祖の神は、彼らと御自身の住まいとを心にかけておられたので、使いを送って彼らを正気に立ち帰らせようとされた。

49 ところが彼らはそのつど使いをあざけり、そして主が語られたその日にも主の預言者たちを侮った。ついには主も、御自身の民の不信仰に対し怒りを向けられ、カルデア人の王たちを攻め上らせて彼らを撃たれた。

50 カルデア人の王たちは、彼らの神殿の聖所の周囲で、剣を振りかざして若者たちを殺した。その際王たちは、若者のみならず、娘や、老人、子供たちをも容赦しなかった。主は彼らをことごとくカルデア人の王たちの手に引き渡された。

51 王たちは、主の聖なる大小の祭具類や主のための宝の箱、王室の宝物などすべてを奪ってバビロンへ運び去った。

52 また彼らは主の神殿に火を放ち、エルサレムの城壁を破壊し、塔を焼き払い、

53 その輝かしい装飾品一切を破壊し、瓦礫の山とした。更にまた、生き残った者たちを剣で脅してバビロンへ連行した。

54 彼らはペルシア王国が出現するまでバビロンとその住民たちに仕える者となり、こうしてエレミヤの口を通して語られた主の言葉が成就した。

55 「地は七十年の時が満ちるまで、その全期間荒れ果てたままで安息を楽しむであろう。」

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エズラ記(ギリシア語) 2

キュロスとアルタクセルクセス

キュロスの布告

1 ペルシアの王キュロスの治世の第一年、エレミヤの口を通して語られた主の言葉を成就させるため、

2 主はペルシア王キュロスの霊を呼び起こされた。王は王国全土に布告し、書面をもって次のように告げた。

3 「ペルシア王キュロスは、宣言する。イスラエルの主、いと高き主は、わたしを世界の王とし、

4 ユダヤの地エルサレムに主のための家を建てよ、とわたしに告げられた。

5 もしあなたたちの中に主の民に属する者があればその者と共に主がおられるように。その者はユダヤのエルサレムへ上り、イスラエルの主の家を建てよ。主はエルサレムに住まわれる。

6 それゆえわたしの王国に居住する者は皆、金と銀、馬と家畜、それにエルサレムの主の神殿にこれまで献げられていた満願の献げ物を添えて、この民を援助せよ。」

7 そこでユダとベニヤミン族の家長、祭司とレビ人たち、更には主がその霊を呼び起こされた者すべては、上って行ってエルサレムに主の家を建てようという意欲に燃えた。

8 周りの人々はその心を呼び起こされて、金と銀、馬と家畜それに多くのよりすぐった満願の献げ物をもって彼らを援助した。

9 そしてキュロス王は、ネブカドネツァルがかつてエルサレムから持ち出して偶像の宮に納めておいた主の聖なる祭具類を運び出した。

10 これらのものを運び出させたペルシア王キュロスは、それを財務官ミトレダトに渡し、

11 その者を通して、ユダヤの指導者サナバサルに渡した。

12 その数は金杯千、銀杯千、銀の香炉二十九、金の器三十、銀の器二千四百十、その他の祭具類千である。

13 引き渡された祭具類の総計は、金製・銀製合わせて五千四百六十九であった。

14 サナバサルは、捕囚を解かれた者と共に、バビロンからエルサレムへそれを持ち帰った。

アルタクセルクセス王あての書簡と王の返書

15 さて、ペルシア王アルタクセルクセスの時代になって、サマリアとその他の土地に駐在していたベスレム、ミトレダト、タベリ、レフム、ベエルテエム、書記官シムシャイとその同僚はユダヤとエルサレムに住む者たちを訴えて、以下のような書簡を王のもとへ送った。

16 「主なるアルタクセルクセス王へ。陛下の僕、行政官レフム、書記官シムシャイをはじめ、評議会の議員たち、およびコイレ・シリアとフェニキアの裁判官たちより。

17 主なる王よ、次のことを御報告申し上げます。陛下の所よりわたしたちのもとへやって来たユダヤ人たちが、エルサレムに入り込み、あの反逆と悪意の都の再建に着手し、町の広場と城壁とを修復し、神殿の基礎工事に取りかかっております。

18 もしこの都が再建され、城壁が完成すれば、彼らは貢ぎ物を納めるのをやめ、王たちに反抗するようになるでしょう。神殿の再建工事が進行しておりますが、わたしたちは、こういう事態が看過されるべきものでないことを、主なる王に進言申し上げます。また、もし陛下がよしとされるならば、陛下のもとにございます王家伝来の諸書をお調べくださるよう、お願い申し上げます。

19 そうすれば陛下は、記録の中に、ただ今申し上げたことが書き記されていることを発見されるはずであり、この町が反抗的で王たちや周辺の町々を苦しめてきたこと、更に、そこに住むユダヤ人たちも、古来、反抗的でしばしば戦いを仕掛け、そのためこの町が荒廃してしまったことがお分かりになるはずです。

20 そこで今わたしたちは、陛下に申し上げます。主なる王よ、もしこの町が再建され、その城壁が修復されますならば、コイレ・シリアとフェニキアへの陛下の道は閉ざされるでしょう。」

21 この書簡を読んだ王は、記録官レフム、ベエルテエム、書記官シムシャイ、およびサマリア、シリア、フェニキアに駐在するこの者たちの同僚あてに以下の返書を書き送った。

22 「わたしは、あなたたちからの手紙を読んで、事実調査を命じた。この結果、その町は、古来、歴代の王に背き、

23 住民は町中で反乱や戦を引き起こし、権力を持った過酷な王どもがエルサレムでコイレ・シリアとフェニキアを支配し、彼らに対して貢ぎ物を強要していたことが判明した。

24 そこでわたしは、ユダヤ人どもが町を再建するのを阻止するよう命ずる。この命令に一切背かせてはならない。また、かつて王たちを悩ませた悪行を繰り返させてはならない。」

25 アルタクセルクセス王の返書が読み上げられるとレフム、書記官シムシャイ、およびその同僚たちは、騎兵と武装した一隊を率いて、直ちにエルサレムに向かい、再建工事に当たっている者たちの妨害を始めた。

26 こうして、エルサレムの神殿の再建工事は、ペルシア王ダレイオスの治世第二年まで中断されることになった。

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エズラ記(ギリシア語) 3

ダレイオス

ダレイオスの宴と三人の護衛のかけ

1 さてダレイオス王は盛大な宴を張り、配下のすべての者や王族全員、メディアとペルシアの全高官、

2 インドからエチオピアに至るまでの百二十七州に配属されている太守、指揮官、地方総督全員を招いた。

3 彼らは心行くまで飲み食いして散会した。ダレイオス王は寝室に退いて眠りに就き、やがて目を覚ました。

4 その間、王の身辺警護に当たっていた三人の若者が互いに言った。

5 「さあ、この世の中で何がいちばん強いかを一人ずつ言ってみよう。ダレイオス王は、最も賢明な解答をした者に、きっと高価な贈り物と豪華な褒美をくださるにちがいない。

6 その者は紫の衣を身にまとい、金の杯で酒を飲み、黄金の床で眠り、金の手綱をつけた戦車に乗り、上質の亜麻布で作られたかぶり物と首飾りをつけ、

7 またその知恵のゆえに、ダレイオス王の隣に座ることを許され、ダレイオス王の親族と呼ばれるにちがいない。」

8 そこで彼らは、各自その答えを書いて封をすると、それをダレイオス王の枕の下に置いた。彼らは言った。

9 「お目覚めになったら、その書きつけは王に渡され、王とペルシアの三人の高官が、だれの答えが最も賢いかを判定し、その内容に応じてその者に褒美をくださるであろう。」

10 そこで一人は、いちばん強いものは酒、と書いた。

11 もう一人の若者は、いちばん強いものは王、と書いた。

12 三人目は、いちばん強いものは女たち、しかし真理はすべてにまさる、と書いた。

13 王が目覚めると書きつけが手渡された。王はそれを読むと、

14 使いを遣わして、ペルシアとメディアの高官、太守、指揮官、地方総督、および執政官全員を召喚した。王が審問の席に着くと、一同の前で書きつけが読み上げられた。

15 王は言った。「若者たちを呼び入れ、本人たちにこの言葉を説明させよ。」彼らは呼ばれて入って来た。

16 一同は若者たちに言った。「お前たちが書いたことについて説明せよ。」

第一の若者の説明

17 [16] そこで、酒の力と書いた第一の者が口をきり、次のように言った。

18 [17]「皆さん、酒こそいちばん強いものではないでしょうか。酒は、これを飲むすべての者の精神を混乱させ、

19 [18]王であろうと孤児であろうと、奴隷であろうと自由人であろうと、貧乏な人であろうと金持ちであろうと、皆を同じ精神状態に陥らせます。

20 [19]それはすべての人を陽気にし、楽しませ、すべての悲しみ、すべての負債を忘れさせます。

21 [20]またそれは、すべての人の心を大きくし、相手が王であることも太守であることも忘れさせ、まるで対等であるかのように語らせます。

22 [21]また、酒を飲めば、友人や兄弟たちに対する友情を忘れ、突然剣を抜くことさえあります。

23 [22]そして酔いからさめると、何をしたかは覚えておりません。

24 [23]皆さん、酒とはこれほどの力を持っているのですから、これこそいちばん強いものではないでしょうか。」彼はこう語ると、口をつぐんだ。

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エズラ記(ギリシア語) 4

第二の若者の説明

1 次に、王の力と書いた第二の者が語り始めた。

2 「皆さん、大地と海とその中のもの一切を支配する人間こそ、いちばん強いとお考えにはなりませんか。

3 しかし、王は更に力あるお方です。王は彼らすべての主人であり君臨者でもあり、彼らは王の一切の命令に聞き従います。

4 王が彼らに向かって互いに戦えと命じれば戦い、王が彼らを敵のもとへ遣わせば、出かけて行き、山であれ城壁であれ、見張りの塔であれ、それを征服いたします。

5 彼らは殺すにつけ殺されるにつけ、王の命令に背くようなことはありません。もし勝利者となればなったで、彼らは略奪物やその他すべてのものを王のために持ち帰ります。

6 一方、兵役を免れ戦争には出ず、土地を耕す者たちも、種を蒔いて刈り入れをするときには、いつもその収穫物を王に献上いたします。彼らは競い合って王に貢ぎ物を納めます。

7 王自身はただ一人ですが、王が殺せと命じれば兵たちは殺し、許してやれと命じれば許します。

8 王が撃てと命じれば彼らは撃ちます。廃虚にしてしまえと命じれば廃虚にし、建てよと命じれば建てます。

9 王が切り倒せと命じれば彼らは切り倒し、植えよと命じれば植えます。

10 すべての民と軍隊は王に聞き従います。更に王は横になって食事をとり、酒を飲み、眠ります。

11 この間、人々は王の身辺を警護し、だれ一人として持ち場を離れて自分のことをすることは許されず、王への服従のみが要求されるのです。

12 皆さん、人々はこのように王に聞き従っているのです。王こそ最も力あるお方ではございませんか。」こう言って、彼は口をつぐんだ。

第三の若者の説明

13 次に、女たちと真理と書いた第三の者――その名をゼルバベルという――が語り始めた。

14 「皆さん、確かに王は偉大であり、人間も数多く、酒の力も強いでしょう。ところで、いったいこれらのものの支配者、これらのものの主人はだれなのでしょうか。それは女たちではないでしょうか。

15 女こそが王とすべての民とを生んだのです。王は海と大地とを支配しています。

16 しかし彼らは女から生まれたのです。ぶどう園を切り開く者たちも女が養い育て、そのお陰で酒がとれるのです。

17 女はまた、男の衣装を作り、男のために栄光を添えます。女あっての男なのです。

18 男は、たとえ金や銀、その他ありとあらゆる美しいものをかき集めても、容姿端麗な一人の女を見れば、

19 それらすべてのものを打ち捨てて彼女に見とれ、口を開けて見つめている始末です。男たる者は例外なく、金や銀、その他の美しいものよりも女を選びます。

20 男は自分を育て上げてくれた父親と故郷とを捨て、自分の女と一つになります。

21 男は女にうつつを抜かし、父母や故郷を忘れてしまいます。

22 以上のことから、あなたがたも女に支配されているのだということを知っていただかねばなりません。あなたがたは汗水垂らして働いておられますが、結局は女のもとにすべてを持って行き与えてしまうではありませんか。

23 男は、盗みを働き、かすめるために剣を取り、故郷を捨てて海や川を渡ります。

24 獅子に出くわすこともあれば、また暗闇の中を歩くこともあります。だが彼は、かすめたり奪ったり略奪したりしても、いつも愛する女のもとへそれを携えて行きます。

25 男は父や母よりも自分の女を愛します。

26 多くの男が、女のために理性を失い、また女のゆえに奴隷となります。

27 多くの男は女が原因で、身を滅ぼし、つまずき、罪を犯しました。

28 さて皆さんはこれでもわたしの言葉を信じようとはなさらないのですか。確かに王の権威は偉大です。領民は皆、王に手を触れることを恐れているではありませんか。

29 しかしわたしは、王と、かのバルタク閣下の娘で王の側室でもあるアパメ姫とを見たことがあります。姫は王の右に座し、

30 王の頭上から王冠を取って自分の頭の上に載せると、左手で王を打ちました。

31 それでも王は、口を開けて彼女を眺めている始末でした。姫が笑いかければ、王も笑い、姫が王に対して腹を立てれば、王は機嫌を直してもらおうとへつらっておりました。

32 皆さん、このようにふるまうことができる女こそ、最も力ある者ではありませんか。」

33 そのとき、王と高官たちは互いに顔を見合わせた。次いで若者は、真理について語り始めた。

34 「皆さん、確かに女は力ある者です。しかし大地は広大で天は高く、太陽は天の軌道を速やかに駆け巡って、一日で再び元の場所に戻って来ます。

35 これらのものの創造者こそ真に偉大ではありませんか。すなわち真理こそは偉大であり、すべてにまさって力あるものです。

36 全地は真理に呼びかけ、天は真理を賛美し、すべての被造物は震えおののきます。真理と共にあれば偽りは全くありません。

37 酒は偽りであり、王も偽り、女たちも偽り、人間はすべて偽り、彼らのする一切の仕事も偽り、これらすべては偽りです。そういったもののうちに真理はなく、それらは偽りのうちに滅んでいくのです。

38 しかし、真理は不滅であり、永久に力強く、永遠に生き続けて支配いたします。

39 真理は偏見を持たず、差別もせず、偽りや悪を行う者たちとは違って、正義を行います。そして人は皆、真理の業を喜びます。

40 真理の裁きには、偽りは全くありません。力と支配、権威と偉大さは永遠に真理のものなのです。真理の神はほめたたえられますように。」

41 そして、彼は口を閉じた。すると、全員が声をそろえて言った。「真理こそは偉大であり、すべてにまさって力がある」と。

若者の本当の願い

42 そのとき王は言った。「お前が書きつけに記さなかった本当の望みを申し出てみるがよい。お前が最も賢い者であることは明らかだ。予はお前に望むところのものを与えよう。また以後お前は、予の隣に座し、予の親族と呼ばれるであろう。」

43 そこで若者は王に言った。「どうか、王となられた日に陛下がなされたエルサレム再建の誓いを思い起こされ、

44 キュロス王がバビロンを倒すと誓ったときエルサレムから持ち去って保管された祭具類をすべてエルサレムにお返しください。キュロス王はそれらを送り返すと誓われました。

45 ユダヤの土地がカルデア人に荒らされたころ、聖所はイドマヤ人によって焼き払われました。その聖所の再建を陛下はお誓いになったのです。

46 主にして王であられる陛下、これがわたしの切なる願いであり、陛下の寛大なお取り計らいをいただきたく存じます。どうか、天の王に果たすと御自身の口をもって誓われたその誓いを、果たしてくださるようお願いいたします。」

王の布告

47 するとダレイオス王は立ち上がって若者に接吻し、彼のために、すべての財務官、地方総督、指揮官、太守たちにあてて親書を書き、エルサレム再建の途につく若者とその同行者全員の旅の安全を要請した。

48 王はまた、コイレ・シリアとフェニキアに駐在する地方総督とレバノンの地方総督全員にも親書を書き、レバノンからエルサレムに杉の木を輸送してこの若者と共に都を再建するようにと要請した。

49 更に王は、王国を去りユダヤへ上って行くすべてのユダヤ人の自由を保障するために、以下の文書を書いた。「役人、太守、地方総督、財務官はだれも、ユダヤ人の家に立ち入ることは許されない。

50 ユダヤ人が今後手に入れる一切の土地は無税とされる。イドマヤ人が現在所有しているユダヤ人の村をユダヤ人に返還する。

51 ユダヤ人は神殿建築のため、その工事完了まで、毎年二十タラントン支給される。

52 またユダヤ人は、規定に従って十七の焼き尽くす献げ物を祭壇に日々供えるため、毎年十タラントン支給される。

53 また都の建設のためにバビロニアからエルサレムへ出る者たちは家族も祭司も含め全員に自由が与えられる。」

54 王はまた、経済的援助と祭司が礼拝の際に身に着ける祭服の支給とについて書き記した。

55 レビ人のためには、神殿が完成しエルサレムが再建されるその日まで経済的援助が与えられると書き記した。

56 都の警備に当たる者全員のためには、土地と給金とが与えられると書き記した。

57 王はキュロスが保管しておいた祭具類をすべてバビロンから送り返すことにした。王は、キュロスが確約したすべてのことを実行して、エルサレムへ送り返すよう命じたのである。

若者、主をほめたたえる

58 若者は退出すると、顔をエルサレムの方に向け天を仰いで、天の王をほめたたえて言った。

59 「勝利と知恵はあなたからのもの、栄光はあなたのもの。わたしはあなたの僕です。

60 わたしに知恵を授けてくださったあなたはほむべき方です。先祖たちの主よ、わたしはあなたを賛美いたします。」

バビロンの兄弟たちの喜び

61 若者は王から親書を授かって退出し、バビロンへ赴くと、同胞全員に報告した。

62-63 彼らは自分たちの先祖の神を賛美した。というのも神が彼らに、エルサレムに帰還して、都と神の名を冠する神殿を再建する許可を与えられたからである。そこで彼らは、歌や踊りをもって七日間盛大に祝った。

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エズラ記(ギリシア語) 5

帰還部隊の編成

1 この後、家長たちが部族ごとに選び出され、それぞれ妻や子供たち、男女の奴隷、家畜などと共にエルサレムへ上ることとなった。

2 ダレイオスは、彼らを無事エルサレムに帰還させるまでの護衛として千人の騎兵を同行させ、人々は太鼓や笛などの楽器を携えて行った。

3 同胞の者たちは皆、喜々として進んで行った。ダレイオスが騎兵を同行させたからである。

4 これは部族名、氏族名および職名ごとに分類した、エルサレムへ上って行った男子の名である。

5 アロンの子ピネハスの一族である祭司たち、サラヤの子ヨツァダクの子イエシュア、ユダ族のペレツの一族とダビデの家のシェアルティエルの子ゼルバベルの子ヨアキム。

6 ヨアキムはペルシアの王ダレイオスの前で、王の治世の第二年第一の月、ニサンの月に知恵ある言葉を語った人である。

キュロスの治下

キュロス王の時代に帰還した者の名

7 さて、バビロンの王ネブカドネツァルが、バビロンへ移住させた者たちの中で、さきに捕囚を解かれて寄留先から帰還したユダヤ出身の者たちは以下のとおりであった。

8 彼らはエルサレムやユダヤのその他の地の、それぞれの町へ戻って行った。彼らは自分たちの氏族の長ゼルバベル、イエシュア、ネヘムヤ、ザラヤ、レサヤ、エネニ、モルドカイ、ベエルサル、アスファラス、ボロリア、ロイム、バアナと一緒にエルサレムへ戻ったのであった。

9 民の数とその指導者たち。パルオシュの一族二千百七十二人。サファトの一族四百七十二人。

10 アラの一族七百五十六人。

11 パハト・モアブの一族はイエシュアとヨアブの一族から出て二千八百十二人。

12 オラムの一族千二百五十四人。ザトの一族九百四十五人。コルベの一族七百五人。バニの一族六百四十八人。

13 ベバイの一族六百二十三人。アスガドの一族三千三百二十二人。

14 アドニカムの一族六百六十七人。ビグワイの一族二千六十六人。アディンの一族四百五十四人。

15 ヒズキヤの子アテルの一族九十二人。キランとアゼタの一族六十七人。アズルの一族四百三十二人。

16 ハニアの一族百一人。アロムの一族、ベツァイの一族は三百二十三人。ハリフの一族百十二人。

17 ベテルスの一族三千五人。ベトロモンの一族百二十三人。

18 ネテバの一族五十五人。エナトの一族百五十八人。ベタスモンの一族四十二人。

19 キリヤト・エアリムの一族二十五人。ケフィラとベエロトの一族七百四十三人。

20 カディアサイとハミディオイ人は四百二十二人。キラマとゲバ一族六百二十一人。

21 マカロン一族百二十二人。ベトリオン一族五十二人。ニフィスの一族百五十六人。

22 別のカラモとオノの一族七百二十五人。エリコの一族三百四十五人。

23 セナアの一族三千三百三十人。

24 祭司。イエシュアの子イエドの一族九百七十二人。イメルの一族千五十二人。

25 パシェフルの一族千二百四十七人。ハリムの一族千十七人。

26 レビ人。イエシュア、カドミエル、バヌス、ホデヤの一族は七十四人。

27 詠唱者。アサフの一族百四十八人。

28 門衛。シャルムの一族、アテルの一族、タルモンの一族、アクブの一族、ハティタの一族、ショバイの一族。総計は百三十九人。

29 神殿の使用人は、エサウの一族、ハスファの一族、タバオトの一族、ケロスの一族、スアの一族、ファダヤの一族、レバナの一族、ハンガバの一族、

30 アクドの一族、ウタの一族、ケタブの一族、ハガバの一族、スバイの一族、ハナンの一族、カトアの一族、ゲドルの一族、

31 ヤイルの一族、ダイサンの一族、ノエバの一族、カセバの一族、ガゼラの一族、オジアの一族、フィノエの一族、アサラの一族、バスタイの一族、アスナの一族、マアニの一族、ナフィシの一族、アクフの一族、ハキバの一族、ハスルの一族、ファラキムの一族、バツルトの一族、

32 メヒダの一族、クタの一族、カレアの一族、バルコスの一族、セラルの一族、トモイの一族、ネツィアの一族、ハティファの一族。

33 ソロモンの使用人の一族は、ハサフィオトの一族、ペリダの一族、エエリの一族、ロゾンの一族、ギデルの一族、サフティの一族、

34 ハティルの一族、ポケレト・サビエの一族、サロティエの一族、マシアの一族、ガスの一族、アドスの一族、スバの一族、アフェラの一族、バロディスの一族、サファトの一族、アモンの一族。

35 神殿の使用人とソロモンの使用人の一族の総数は三百七十二人。

36 以下はテル・メラとテル・ハルシャからエルサレムへ上ってきた者で、彼らの指導者はカラアト、アダン、イメルである。

37 しかし彼らは、自分たちがイスラエルの氏族や家系に属することを証明できなかった。トバンの子ダランの一族、ネコダンの一族六百五十二人。

38 祭司の家系に属する者で祭司職を要求し、認められなかった者は、ホバヤの一族、ハコツの一族、ファルゼラヤの娘の一人アウギアを妻としたヨドス――彼はファルゼラヤの名でも呼ばれた――の一族。

39 系図を調べたが、見つからず、彼らは祭司の務めを行うことを許されなかった。

40 ネヘムヤとハトタリアスは、啓示と真理の胸当てを身にまとう大祭司が立つまでは聖務にあずからないようにと、彼らに申し渡した。

41 十二歳以上の者で、男女の使用人を除くイスラエル人の総計は四万二千三百六十人。男女の使用人は七千三百三十七人、竪琴を弾く者と歌い手二百四十五人。

42 らくだ四百三十五頭、馬七千三十六頭、らば二百四十五頭、ろば五千五百二十五頭であった。

43 家長の中には、エルサレムの神殿跡にたどりつくと、各自能力に応じて、その場所に神殿を再建することを誓い、

44 工事基金として金千ムナ、銀五千ムナ、祭服百着を献納することを誓約した者もあった。

45 祭司やレビ人および民の中の選ばれた者たちはエルサレムとその郊外に、詠唱者や門衛およびイスラエルのすべての民は自分たちの村に、それぞれ居を定めた。

祭壇の建設と献げ物

46 第七の月に、故郷に落ち着いたイスラエルの子らは東に面した第一の門の前の広場に全員集まった。

47 ヨツァダクの子イエシュアとその兄弟の祭司たち、およびシェアルティエルの子ゼルバベルとその兄弟たちが立ち上がって、イスラエルの神のために祭壇を用意した。

48 神の人モーセの書に従って、焼き尽くす献げ物を供えるためだった。

49 土地に住む異邦の民もやって来て、同じ場所に祭壇を築いた。土地に住む異邦の民は皆、イスラエル人に対して敵意を抱いており、また彼らに対して勢力を誇示していたのである。イスラエルの人々は定められた時刻にいけにえを献げ、朝と夕には、主に対して焼き尽くす献げ物をささげた。

50 彼らはまた、律法の規定に従って仮庵祭を祝い、そのために必要ないけにえを毎日献げた。

51 また続いて彼らは、日ごとの焼き尽くす献げ物、安息日、新月、聖なる祝祭日のいけにえをも献げた。

52 神に誓いを立てた人たちは皆、第七の月の新月のときから神へのいけにえを供え始めた。神の聖所はまだ建っていなかった。

神殿建築の準備と聖所の土台

53 彼らは石工と大工に銀を与え、シドン人とティルス人に食糧や飲み物、荷車を与えてレバノンから杉の木を切り出させ、ペルシア王キュロスが与えた文書の指示に従い、それをいかだに組んでヤッファの港へ運ばせることにした。

54 彼らがエルサレムの神殿跡に到着してからの二年目の第二の月、シェアルティエルの子ゼルバベル、ヨツァダクの子イエシュアおよびその両人の兄弟、祭司であるレビ人、そして捕囚からエルサレムへ帰って来た者全員が活動を開始し、

55 ユダヤとエルサレムにやって来て二年目、第二の月の新月に、神の聖所の土台を据えた。

56 彼らは二十歳以上のレビ人を主への奉仕の務めに当たらせた。イエシュア、その息子たちや兄弟たち、兄弟カドミエル、イエス・エマダブンの息子たち、イリアドンの子ユダの息子たち、およびイリアドンの息子たちや兄弟たち、そしてすべてのレビ人が立ち上がって、心を一つにして工事を始め、主の神殿の工事のために力を尽くした。建築職人は主の聖所の建設に専念し、

57 祭服を着用した祭司は楽器やラッパを手にして立ち、アサフの子孫のレビ人はシンバルを手にして主のために賛美の歌をうたい、イスラエルの王ダビデがしたように主をほめたたえた。

58 彼らは主に向かって、「主の慈しみと栄光は全イスラエルに永遠にとどまる」と声を合わせて、賛歌をうたった。

59 神殿の棟上げのときには、民はこぞってラッパを吹き鳴らし、声をあげて主を賛美した。

60 祭司であるレビ人や家長のうちかつての神殿を見たことのある長老たちは、この建設現場を見に来て叫びをあげ、大声で泣いた。

61 大勢の人が喜びのラッパを高らかに吹き鳴らしていたが、

62 民の泣き声があまりにも激しかったので、人々はラッパの音を聞くことができないほどであった。しかし大勢の者たちが力強く吹くラッパの音は遠くまで響いた。

近隣の民の申し入れ

63 ユダとベニヤミン両族の敵は、それを聞きつけてこのラッパの音は何事かと偵察にやって来た。

64 彼らは捕囚から帰って来た人々がイスラエルの神、主のために神殿を建設しているのだと知ると、

65 ゼルバベル、イエシュア、および家長たちのもとへ押しかけて行ってこう言った。「わたしたちもあなたがたの建築に加わりましょう。

66 アッシリアの王アスバサレトがわたしたちをこの地に移住させて以来、わたしたちも同じ様に、あなたがたの主に聞き従い、主にいけにえを献げているからです。」

67 ゼルバベル、イエシュア、およびイスラエルの家長たちは彼らに言った。「あなたがたと一緒にわたしたちの神、主のために神殿を建てることはできない。

68 わたしたちは、ペルシアの王キュロスの命令に従って、だれの手も借りずに、イスラエルの主のために神殿を建てるのだ。」

工事の妨害と嫌がらせ

69 この地に住んでいた異邦の民は、ユダヤに住む者たちの士気を低下させ、包囲して工事を遅らせ、

70 謀略に訴えたり、民を扇動したり、騒ぎを引き起こしたりなどして、キュロス王の存命中その工事の完成を妨げていた。

71 その結果、工事は二年間、ダレイオスの治世まで中断されたのである。

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