ルカによる福音書 17

赦し、信仰、奉仕

1 イエスは弟子たちに言われた。「つまずきは避けられない。だが、それをもたらす者は不幸である。

2 そのような者は、これらの小さい者の一人をつまずかせるよりも、首にひき臼を懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がましである。

3 あなたがたも気をつけなさい。もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦してやりなさい。

4 一日に七回あなたに対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」

5 使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、

6 主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。

7 あなたがたのうちだれかに、畑を耕すか羊を飼うかする僕がいる場合、その僕が畑から帰って来たとき、『すぐ来て食事の席に着きなさい』と言う者がいるだろうか。

8 むしろ、『夕食の用意をしてくれ。腰に帯を締め、わたしが食事を済ますまで給仕してくれ。お前はその後で食事をしなさい』と言うのではなかろうか。

9 命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。

10 あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。」

重い皮膚病を患っている十人の人をいやす

11 イエスはエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。

12 ある村に入ると、重い皮膚病を患っている十人の人が出迎え、遠くの方に立ち止まったまま、

13 声を張り上げて、「イエスさま、先生、どうか、わたしたちを憐れんでください」と言った。

14 イエスは重い皮膚病を患っている人たちを見て、「祭司たちのところに行って、体を見せなさい」と言われた。彼らは、そこへ行く途中で清くされた。

15 その中の一人は、自分がいやされたのを知って、大声で神を賛美しながら戻って来た。

16 そして、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。この人はサマリア人だった。

17 そこで、イエスは言われた。「清くされたのは十人ではなかったか。ほかの九人はどこにいるのか。

18 この外国人のほかに、神を賛美するために戻って来た者はいないのか。」

19 それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」

神の国が来る

20 ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのかと尋ねたので、イエスは答えて言われた。「神の国は、見える形では来ない。

21 『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」

22 それから、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたが、人の子の日を一日だけでも見たいと望む時が来る。しかし、見ることはできないだろう。

23 『見よ、あそこだ』『見よ、ここだ』と人々は言うだろうが、出て行ってはならない。また、その人々の後を追いかけてもいけない。

24 稲妻がひらめいて、大空の端から端へと輝くように、人の子もその日に現れるからである。

25 しかし、人の子はまず必ず、多くの苦しみを受け、今の時代の者たちから排斥されることになっている。

26 ノアの時代にあったようなことが、人の子が現れるときにも起こるだろう。

27 ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていたが、洪水が襲って来て、一人残らず滅ぼしてしまった。

28 ロトの時代にも同じようなことが起こった。人々は食べたり飲んだり、買ったり売ったり、植えたり建てたりしていたが、

29 ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降ってきて、一人残らず滅ぼしてしまった。

30 人の子が現れる日にも、同じことが起こる。

31 その日には、屋上にいる者は、家の中に家財道具があっても、それを取り出そうとして下に降りてはならない。同じように、畑にいる者も帰ってはならない。

32 ロトの妻のことを思い出しなさい。

33 自分の命を生かそうと努める者は、それを失い、それを失う者は、かえって保つのである。

34 言っておくが、その夜一つの寝室に二人の男が寝ていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。

35 二人の女が一緒に臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。」

36 †

37 そこで弟子たちが、「主よ、それはどこで起こるのですか」と言った。イエスは言われた。「死体のある所には、はげ鷹も集まるものだ。」

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/17-52a4be75ddc5118b6e4405cbffcdc5c5.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 18

「やもめと裁判官」のたとえ

1 イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、弟子たちにたとえを話された。

2 「ある町に、神を畏れず人を人とも思わない裁判官がいた。

3 ところが、その町に一人のやもめがいて、裁判官のところに来ては、『相手を裁いて、わたしを守ってください』と言っていた。

4 裁判官は、しばらくの間は取り合おうとしなかった。しかし、その後に考えた。『自分は神など畏れないし、人を人とも思わない。

5 しかし、あのやもめは、うるさくてかなわないから、彼女のために裁判をしてやろう。さもないと、ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない。』」

6 それから、主は言われた。「この不正な裁判官の言いぐさを聞きなさい。

7 まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあろうか。

8 言っておくが、神は速やかに裁いてくださる。しかし、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」

「ファリサイ派の人と徴税人」のたとえ

9 自分は正しい人間だとうぬぼれて、他人を見下している人々に対しても、イエスは次のたとえを話された。

10 「二人の人が祈るために神殿に上った。一人はファリサイ派の人で、もう一人は徴税人だった。

11 ファリサイ派の人は立って、心の中でこのように祈った。『神様、わたしはほかの人たちのように、奪い取る者、不正な者、姦通を犯す者でなく、また、この徴税人のような者でもないことを感謝します。

12 わたしは週に二度断食し、全収入の十分の一を献げています。』

13 ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』

14 言っておくが、義とされて家に帰ったのは、この人であって、あのファリサイ派の人ではない。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」

子供を祝福する

15 イエスに触れていただくために、人々は乳飲み子までも連れて来た。弟子たちは、これを見て叱った。

16 しかし、イエスは乳飲み子たちを呼び寄せて言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。

17 はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」

金持ちの議員

18 ある議員がイエスに、「善い先生、何をすれば永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか」と尋ねた。

19 イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。

20 『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証するな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」

21 すると議員は、「そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。

22 これを聞いて、イエスは言われた。「あなたに欠けているものがまだ一つある。持っている物をすべて売り払い、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」

23 しかし、その人はこれを聞いて非常に悲しんだ。大変な金持ちだったからである。

24 イエスは、議員が非常に悲しむのを見て、言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。

25 金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」

26 これを聞いた人々が、「それでは、だれが救われるのだろうか」と言うと、

27 イエスは、「人間にはできないことも、神にはできる」と言われた。

28 するとペトロが、「このとおり、わたしたちは自分の物を捨ててあなたに従って参りました」と言った。

29 イエスは言われた。「はっきり言っておく。神の国のために、家、妻、兄弟、両親、子供を捨てた者はだれでも、

30 この世ではその何倍もの報いを受け、後の世では永遠の命を受ける。」

イエス、三度死と復活を予告する

31 イエスは、十二人を呼び寄せて言われた。「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子について預言者が書いたことはみな実現する。

32 人の子は異邦人に引き渡されて、侮辱され、乱暴な仕打ちを受け、唾をかけられる。

33 彼らは人の子を、鞭打ってから殺す。そして、人の子は三日目に復活する。」

34 十二人はこれらのことが何も分からなかった。彼らにはこの言葉の意味が隠されていて、イエスの言われたことが理解できなかったのである。

エリコの近くで盲人をいやす

35 イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道端に座って物乞いをしていた。

36 群衆が通って行くのを耳にして、「これは、いったい何事ですか」と尋ねた。

37 「ナザレのイエスのお通りだ」と知らせると、

38 彼は、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と叫んだ。

39 先に行く人々が叱りつけて黙らせようとしたが、ますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。

40 イエスは立ち止まって、盲人をそばに連れて来るように命じられた。彼が近づくと、イエスはお尋ねになった。

41 「何をしてほしいのか。」盲人は、「主よ、目が見えるようになりたいのです」と言った。

42 そこで、イエスは言われた。「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った。」

43 盲人はたちまち見えるようになり、神をほめたたえながら、イエスに従った。これを見た民衆は、こぞって神を賛美した。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/18-7267aa3c9a51e0b3d465a050a1178c97.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 19

徴税人ザアカイ

1 イエスはエリコに入り、町を通っておられた。

2 そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。

3 イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。

4 それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。

5 イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」

6 ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。

7 これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」

8 しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」

9 イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。

10 人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」

「ムナ」のたとえ

11 人々がこれらのことに聞き入っているとき、イエスは更に一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。

12 イエスは言われた。「ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。

13 そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。

14 しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、『我々はこの人を王にいただきたくない』と言わせた。

15 さて、彼は王の位を受けて帰って来ると、金を渡しておいた僕を呼んで来させ、どれだけ利益を上げたかを知ろうとした。

16 最初の者が進み出て、『御主人様、あなたの一ムナで十ムナもうけました』と言った。

17 主人は言った。『良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だったから、十の町の支配権を授けよう。』

18 二番目の者が来て、『御主人様、あなたの一ムナで五ムナ稼ぎました』と言った。

19 主人は、『お前は五つの町を治めよ』と言った。

20 また、ほかの者が来て言った。『御主人様、これがあなたの一ムナです。布に包んでしまっておきました。

21 あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです。』

22 主人は言った。『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。

23 ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに。』

24 そして、そばに立っていた人々に言った。『その一ムナをこの男から取り上げて、十ムナ持っている者に与えよ。』

25 僕たちが、『御主人様、あの人は既に十ムナ持っています』と言うと、

26 主人は言った。『言っておくが、だれでも持っている人は、更に与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる。

27 ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの敵どもを、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」

エルサレムに迎えられる

28 イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。

29 そして、「オリーブ畑」と呼ばれる山のふもとにあるベトファゲとベタニアに近づいたとき、二人の弟子を使いに出そうとして、

30 言われた。「向こうの村へ行きなさい。そこに入ると、まだだれも乗ったことのない子ろばのつないであるのが見つかる。それをほどいて、引いて来なさい。

31 もし、だれかが、『なぜほどくのか』と尋ねたら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。」

32 使いに出された者たちが出かけて行くと、言われたとおりであった。

33 ろばの子をほどいていると、その持ち主たちが、「なぜ、子ろばをほどくのか」と言った。

34 二人は、「主がお入り用なのです」と言った。

35 そして、子ろばをイエスのところに引いて来て、その上に自分の服をかけ、イエスをお乗せした。

36 イエスが進んで行かれると、人々は自分の服を道に敷いた。

37 イエスがオリーブ山の下り坂にさしかかられたとき、弟子の群れはこぞって、自分の見たあらゆる奇跡のことで喜び、声高らかに神を賛美し始めた。

38 「主の名によって来られる方、王に、/祝福があるように。天には平和、/いと高きところには栄光。」

39 すると、ファリサイ派のある人々が、群衆の中からイエスに向かって、「先生、お弟子たちを叱ってください」と言った。

40 イエスはお答えになった。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす。」

41 エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、

42 言われた。「もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら……。しかし今は、それがお前には見えない。

43 やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、

44 お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである。」

神殿から商人を追い出す

45 それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、

46 彼らに言われた。「こう書いてある。『わたしの家は、祈りの家でなければならない。』/ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にした。」

47 毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、

48 どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/19-9a4690631e8e92c8e00585e57aa380e8.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 20

権威についての問答

1 ある日、イエスが神殿の境内で民衆に教え、福音を告げ知らせておられると、祭司長や律法学者たちが、長老たちと一緒に近づいて来て、

2 言った。「我々に言いなさい。何の権威でこのようなことをしているのか。その権威を与えたのはだれか。」

3 イエスはお答えになった。「では、わたしも一つ尋ねるから、それに答えなさい。

4 ヨハネの洗礼は、天からのものだったか、それとも、人からのものだったか。」

5 彼らは相談した。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と言うだろう。

6 『人からのものだ』と言えば、民衆はこぞって我々を石で殺すだろう。ヨハネを預言者だと信じ込んでいるのだから。」

7 そこで彼らは、「どこからか、分からない」と答えた。

8 すると、イエスは言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」

「ぶどう園と農夫」のたとえ

9 イエスは民衆にこのたとえを話し始められた。「ある人がぶどう園を作り、これを農夫たちに貸して長い旅に出た。

10 収穫の時になったので、ぶどう園の収穫を納めさせるために、僕を農夫たちのところへ送った。ところが、農夫たちはこの僕を袋だたきにして、何も持たせないで追い返した。

11 そこでまた、ほかの僕を送ったが、農夫たちはこの僕をも袋だたきにし、侮辱して何も持たせないで追い返した。

12 更に三人目の僕を送ったが、これにも傷を負わせてほうり出した。

13 そこで、ぶどう園の主人は言った。『どうしようか。わたしの愛する息子を送ってみよう。この子ならたぶん敬ってくれるだろう。』

14 農夫たちは息子を見て、互いに論じ合った。『これは跡取りだ。殺してしまおう。そうすれば、相続財産は我々のものになる。』

15 そして、息子をぶどう園の外にほうり出して、殺してしまった。さて、ぶどう園の主人は農夫たちをどうするだろうか。

16 戻って来て、この農夫たちを殺し、ぶどう園をほかの人たちに与えるにちがいない。」彼らはこれを聞いて、「そんなことがあってはなりません」と言った。

17 イエスは彼らを見つめて言われた。「それでは、こう書いてあるのは、何の意味か。『家を建てる者の捨てた石、/これが隅の親石となった。』

18 その石の上に落ちる者はだれでも打ち砕かれ、その石がだれかの上に落ちれば、その人は押しつぶされてしまう。」

19 そのとき、律法学者たちや祭司長たちは、イエスが自分たちに当てつけてこのたとえを話されたと気づいたので、イエスに手を下そうとしたが、民衆を恐れた。

皇帝への税金

20 そこで、機会をねらっていた彼らは、正しい人を装う回し者を遣わし、イエスの言葉じりをとらえ、総督の支配と権力にイエスを渡そうとした。

21 回し者らはイエスに尋ねた。「先生、わたしたちは、あなたがおっしゃることも、教えてくださることも正しく、また、えこひいきなしに、真理に基づいて神の道を教えておられることを知っています。

22 ところで、わたしたちが皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」

23 イエスは彼らのたくらみを見抜いて言われた。

24 「デナリオン銀貨を見せなさい。そこには、だれの肖像と銘があるか。」彼らが「皇帝のものです」と言うと、

25 イエスは言われた。「それならば、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」

26 彼らは民衆の前でイエスの言葉じりをとらえることができず、その答えに驚いて黙ってしまった。

復活についての問答

27 さて、復活があることを否定するサドカイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに尋ねた。

28 「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。

29 ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、子がないまま死にました。

30 次男、

31 三男と次々にこの女を妻にしましたが、七人とも同じように子供を残さないで死にました。

32 最後にその女も死にました。

33 すると復活の時、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」

34 イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、

35 次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。

36 この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。

37 死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。

38 神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」

39 そこで、律法学者の中には、「先生、立派なお答えです」と言う者もいた。

40 彼らは、もはや何もあえて尋ねようとはしなかった。

ダビデの子についての問答

41 イエスは彼らに言われた。「どうして人々は、『メシアはダビデの子だ』と言うのか。

42 ダビデ自身が詩編の中で言っている。『主は、わたしの主にお告げになった。「わたしの右の座に着きなさい。

43 わたしがあなたの敵を/あなたの足台とするときまで」と。』

44 このようにダビデがメシアを主と呼んでいるのに、どうしてメシアがダビデの子なのか。」

律法学者を非難する

45 民衆が皆聞いているとき、イエスは弟子たちに言われた。

46 「律法学者に気をつけなさい。彼らは長い衣をまとって歩き回りたがり、また、広場で挨拶されること、会堂では上席、宴会では上座に座ることを好む。

47 そして、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/20-c7e1a6cee313214ff536edcf9503e187.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 21

やもめの献金

1 イエスは目を上げて、金持ちたちが賽銭箱に献金を入れるのを見ておられた。

2 そして、ある貧しいやもめがレプトン銅貨二枚を入れるのを見て、

3 言われた。「確かに言っておくが、この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。

4 あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」

神殿の崩壊を予告する

5 ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。

6 「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」

終末の徴

7 そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」

8 イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。

9 戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」

10 そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。

11 そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。

12 しかし、これらのことがすべて起こる前に、人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。

13 それはあなたがたにとって証しをする機会となる。

14 だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。

15 どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。

16 あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。

17 また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。

18 しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。

19 忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」

エルサレムの滅亡を予告する

20 「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。

21 そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。

22 書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。

23 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。

24 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」

人の子が来る

25 「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。

26 人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。

27 そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。

28 このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」

「いちじくの木」のたとえ

29 それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。

30 葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。

31 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。

32 はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。

33 天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

目を覚ましていなさい

34 「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。

35 その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。

36 しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」

37 それからイエスは、日中は神殿の境内で教え、夜は出て行って「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされた。

38 民衆は皆、話を聞こうとして、神殿の境内にいるイエスのもとに朝早くから集まって来た。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/21-1ab7754d0af871b2ffdff3c6055e734a.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 22

イエスを殺す計略

1 さて、過越祭と言われている除酵祭が近づいていた。

2 祭司長たちや律法学者たちは、イエスを殺すにはどうしたらよいかと考えていた。彼らは民衆を恐れていたのである。

3 しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。

4 ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。

5 彼らは喜び、ユダに金を与えることに決めた。

6 ユダは承諾して、群衆のいないときにイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。

過越の食事を準備させる

7 過越の小羊を屠るべき除酵祭の日が来た。

8 イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。

9 二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、

10 イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、

11 家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』

12 すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」

13 二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。

主の晩餐

14 時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。

15 イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。

16 言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」

17 そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。

18 言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」

19 それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」

20 食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。

21 しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。

22 人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」

23 そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。

いちばん偉い者

24 また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。

25 そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。

26 しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。

27 食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。

28 あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。

29 だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。

30 あなたがたは、わたしの国でわたしの食事の席に着いて飲み食いを共にし、王座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。」

ペトロの離反を予告する

31 「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。

32 しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」

33 するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。

34 イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」

財布と袋と剣

35 それから、イエスは使徒たちに言われた。「財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。」彼らが、「いいえ、何もありませんでした」と言うと、

36 イエスは言われた。「しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。

37 言っておくが、『その人は犯罪人の一人に数えられた』と書かれていることは、わたしの身に必ず実現する。わたしにかかわることは実現するからである。」

38 そこで彼らが、「主よ、剣なら、このとおりここに二振りあります」と言うと、イエスは、「それでよい」と言われた。

オリーブ山で祈る

39 イエスがそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれると、弟子たちも従った。

40 いつもの場所に来ると、イエスは弟子たちに、「誘惑に陥らないように祈りなさい」と言われた。

41 そして自分は、石を投げて届くほどの所に離れ、ひざまずいてこう祈られた。

42 「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」〔

43 すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。

44 イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。〕

45 イエスが祈り終わって立ち上がり、弟子たちのところに戻って御覧になると、彼らは悲しみの果てに眠り込んでいた。

46 イエスは言われた。「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」

裏切られる

47 イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。

48 イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。

49 イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。

50 そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。

51 そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。

52 それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。

53 わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」

イエス、逮捕されるペトロ、イエスを知らないと言う

54 人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。

55 人々が屋敷の中庭の中央に火をたいて、一緒に座っていたので、ペトロも中に混じって腰を下ろした。

56 するとある女中が、ペトロがたき火に照らされて座っているのを目にして、じっと見つめ、「この人も一緒にいました」と言った。

57 しかし、ペトロはそれを打ち消して、「わたしはあの人を知らない」と言った。

58 少したってから、ほかの人がペトロを見て、「お前もあの連中の仲間だ」と言うと、ペトロは、「いや、そうではない」と言った。

59 一時間ほどたつと、また別の人が、「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤの者だから」と言い張った。

60 だが、ペトロは、「あなたの言うことは分からない」と言った。まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。

61 主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。

62 そして外に出て、激しく泣いた。

暴行を受ける

63 さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。

64 そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。

65 そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。

最高法院で裁判を受ける

66 夜が明けると、民の長老会、祭司長たちや律法学者たちが集まった。そして、イエスを最高法院に連れ出して、

67 「お前がメシアなら、そうだと言うがよい」と言った。イエスは言われた。「わたしが言っても、あなたたちは決して信じないだろう。

68 わたしが尋ねても、決して答えないだろう。

69 しかし、今から後、人の子は全能の神の右に座る。」

70 そこで皆の者が、「では、お前は神の子か」と言うと、イエスは言われた。「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている。」

71 人々は、「これでもまだ証言が必要だろうか。我々は本人の口から聞いたのだ」と言った。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/22-05c38b565c4bbe081cdee16e4823f11c.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 23

ピラトから尋問される

1 そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。

2 そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」

3 そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。

4 ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。

5 しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。

ヘロデから尋問される

6 これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、

7 ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。

8 彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。

9 それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。

10 祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。

11 ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。

12 この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。

死刑の判決を受ける

13 ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、

14 言った。「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。

15 ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。

16 だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」

17 †

18 しかし、人々は一斉に、「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。

19 このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。

20 ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。

21 しかし人々は、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。

22 ピラトは三度目に言った。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」

23 ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。

24 そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。

25 そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。

十字架につけられる

26 人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。

27 民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。

28 イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。

29 人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。

30 そのとき、人々は山に向かっては、/『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、/丘に向かっては、/『我々を覆ってくれ』と言い始める。

31 『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」

32 ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。

33 「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。

34 〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。

35 民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」

36 兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、

37 言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」

38 イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。

39 十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」

40 すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。

41 我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」

42 そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。

43 するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。

イエスの死

44 既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。

45 太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。

46 イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。

47 百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。

48 見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。

49 イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。

墓に葬られる

50 さて、ヨセフという議員がいたが、善良な正しい人で、

51 同僚の決議や行動には同意しなかった。ユダヤ人の町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいたのである。

52 この人がピラトのところに行き、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出て、

53 遺体を十字架から降ろして亜麻布で包み、まだだれも葬られたことのない、岩に掘った墓の中に納めた。

54 その日は準備の日であり、安息日が始まろうとしていた。

55 イエスと一緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が納められている有様とを見届け、

56 家に帰って、香料と香油を準備した。

復活する

婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/23-4b769202b826b1300cc6c61a05ba6a25.mp3?version_id=1819—

ルカによる福音書 24

1 そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。

2 見ると、石が墓のわきに転がしてあり、

3 中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。

4 そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。

5 婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。

6 あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。

7 人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」

8 そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した。

9 そして、墓から帰って、十一人とほかの人皆に一部始終を知らせた。

10 それは、マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリア、そして一緒にいた他の婦人たちであった。婦人たちはこれらのことを使徒たちに話したが、

11 使徒たちは、この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった。

12 しかし、ペトロは立ち上がって墓へ走り、身をかがめて中をのぞくと、亜麻布しかなかったので、この出来事に驚きながら家に帰った。

エマオで現れる

13 ちょうどこの日、二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、

14 この一切の出来事について話し合っていた。

15 話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。

16 しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。

17 イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。

18 その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」

19 イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。

20 それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。

21 わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。

22 ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、

23 遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。

24 仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」

25 そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、

26 メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」

27 そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。

28 一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。

29 二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。

30 一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。

31 すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。

32 二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。

33 そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、

34 本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。

35 二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。

弟子たちに現れる

36 こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。

37 彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。

38 そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。

39 わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」

40 こう言って、イエスは手と足をお見せになった。

41 彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。

42 そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、

43 イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。

44 イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」

45 そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、

46 言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。

47 また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、

48 あなたがたはこれらのことの証人となる。

49 わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」

天に上げられる

50 イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。

51 そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。

52 彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、

53 絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/LUK/24-ffc9eebc4348933e61a978b039eb1f0c.mp3?version_id=1819—

マルコによる福音書 1

洗礼者ヨハネ、教えを宣べる

1 神の子イエス・キリストの福音の初め。

2 預言者イザヤの書にこう書いてある。「見よ、わたしはあなたより先に使者を遣わし、/あなたの道を準備させよう。

3 荒れ野で叫ぶ者の声がする。『主の道を整え、/その道筋をまっすぐにせよ。』」そのとおり、

4 洗礼者ヨハネが荒れ野に現れて、罪の赦しを得させるために悔い改めの洗礼を宣べ伝えた。

5 ユダヤの全地方とエルサレムの住民は皆、ヨハネのもとに来て、罪を告白し、ヨルダン川で彼から洗礼を受けた。

6 ヨハネはらくだの毛衣を着、腰に革の帯を締め、いなごと野蜜を食べていた。

7 彼はこう宣べ伝えた。「わたしよりも優れた方が、後から来られる。わたしは、かがんでその方の履物のひもを解く値打ちもない。

8 わたしは水であなたたちに洗礼を授けたが、その方は聖霊で洗礼をお授けになる。」

イエス、洗礼を受ける

9 そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来て、ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられた。

10 水の中から上がるとすぐ、天が裂けて“霊”が鳩のように御自分に降って来るのを、御覧になった。

11 すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。

誘惑を受ける

12 それから、“霊”はイエスを荒れ野に送り出した。

13 イエスは四十日間そこにとどまり、サタンから誘惑を受けられた。その間、野獣と一緒におられたが、天使たちが仕えていた。

ガリラヤで伝道を始める

14 ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、

15 「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

四人の漁師を弟子にする

16 イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。

17 イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。

18 二人はすぐに網を捨てて従った。

19 また、少し進んで、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、

20 すぐに彼らをお呼びになった。この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った。

汚れた霊に取りつかれた男をいやす

21 一行はカファルナウムに着いた。イエスは、安息日に会堂に入って教え始められた。

22 人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。

23 そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。

24 「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」

25 イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、

26 汚れた霊はその人にけいれんを起こさせ、大声をあげて出て行った。

27 人々は皆驚いて、論じ合った。「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く。」

28 イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった。

多くの病人をいやす

29 すぐに、一行は会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。

30 シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。

31 イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。

32 夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。

33 町中の人が、戸口に集まった。

34 イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。

巡回して宣教する

35 朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。

36 シモンとその仲間はイエスの後を追い、

37 見つけると、「みんなが捜しています」と言った。

38 イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」

39 そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。

重い皮膚病を患っている人をいやす

40 さて、重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。

41 イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、

42 たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。

43 イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、

44 言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」

45 しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/MRK/1-3b04da55cb58387c5eb2fa7672b5228a.mp3?version_id=1819—

マルコによる福音書 2

中風の人をいやす

1 数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、

2 大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられると、

3 四人の男が中風の人を運んで来た。

4 しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。

5 イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。

6 ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。

7 「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」

8 イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。

9 中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。

10 人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。

11 「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」

12 その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を賛美した。

レビを弟子にする

13 イエスは、再び湖のほとりに出て行かれた。群衆が皆そばに集まって来たので、イエスは教えられた。

14 そして通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。

15 イエスがレビの家で食事の席に着いておられたときのことである。多くの徴税人や罪人もイエスや弟子たちと同席していた。実に大勢の人がいて、イエスに従っていたのである。

16 ファリサイ派の律法学者は、イエスが罪人や徴税人と一緒に食事をされるのを見て、弟子たちに、「どうして彼は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。

17 イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

断食についての問答

18 ヨハネの弟子たちとファリサイ派の人々は、断食していた。そこで、人々はイエスのところに来て言った。「ヨハネの弟子たちとファリサイ派の弟子たちは断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか。」

19 イエスは言われた。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客は断食できるだろうか。花婿が一緒にいるかぎり、断食はできない。

20 しかし、花婿が奪い取られる時が来る。その日には、彼らは断食することになる。

21 だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、破れはいっそうひどくなる。

22 また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」

安息日に麦の穂を摘む

23 ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは歩きながら麦の穂を摘み始めた。

24 ファリサイ派の人々がイエスに、「御覧なさい。なぜ、彼らは安息日にしてはならないことをするのか」と言った。

25 イエスは言われた。「ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに何をしたか、一度も読んだことがないのか。

26 アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、一緒にいた者たちにも与えたではないか。」

27 そして更に言われた。「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。

28 だから、人の子は安息日の主でもある。」

—https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/MRK/2-ef9184d4ad2dc6fee004e1ec7d704b37.mp3?version_id=1819—