サムエル記下 6

神の箱をエルサレムへ運び上げる

1 ダビデは更にイスラエルの精鋭三万をことごとく集めた。

2 ダビデは彼に従うすべての兵士と共にバアレ・ユダから出発した。それは、ケルビムの上に座す万軍の主の御名によってその名を呼ばれる神の箱をそこから運び上げるためであった。

3 彼らは神の箱を新しい車に載せ、丘の上のアビナダブの家から運び出した。アビナダブの子ウザとアフヨがその新しい車を御していた。

4 彼らは丘の上のアビナダブの家から神の箱を載せた車を運び出し、アフヨは箱の前を進んだ。

5 ダビデとイスラエルの家は皆、主の御前で糸杉の楽器、竪琴、琴、太鼓、鈴、シンバルを奏でた。

6 一行がナコンの麦打ち場にさしかかったとき、牛がよろめいたので、ウザは神の箱の方に手を伸ばし、箱を押さえた。

7 ウザに対して主は怒りを発し、この過失のゆえに神はその場で彼を打たれた。ウザは神の箱の傍らで死んだ。

8 ダビデも怒った。主がウザを打ち砕かれたためである。その場所をペレツ・ウザ(ウザを砕く)と呼んで今日に至っている。

9 その日、ダビデは主を恐れ、「どうして主の箱をわたしのもとに迎えることができようか」と言って、

10 ダビデの町、自分のもとに主の箱を移すことを望まなかった。ダビデは箱をガト人オベド・エドムの家に向かわせた。

11 三か月の間、主の箱はガト人オベド・エドムの家にあった。主はオベド・エドムとその家の者一同を祝福された。

12 神の箱のゆえに、オベド・エドムの一家とその財産のすべてを主は祝福しておられる、とダビデ王に告げる者があった。王は直ちに出かけ、喜び祝って神の箱をオベド・エドムの家からダビデの町に運び上げた。

13 主の箱を担ぐ者が六歩進んだとき、ダビデは肥えた雄牛をいけにえとしてささげた。

14 主の御前でダビデは力のかぎり踊った。彼は麻のエフォドを着けていた。

15 ダビデとイスラエルの家はこぞって喜びの叫びをあげ、角笛を吹き鳴らして、主の箱を運び上げた。

16 主の箱がダビデの町に着いたとき、サウルの娘ミカルは窓からこれを見下ろしていたが、主の御前で跳ね踊るダビデ王を見て、心の内にさげすんだ。

17 人々が主の箱を運び入れ、ダビデの張った天幕の中に安置すると、ダビデは主の御前に焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげた。

18 焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげ終わると、ダビデは万軍の主の御名によって民を祝福し、

19 兵士全員、イスラエルの群衆のすべてに、男にも女にも、輪形のパン、なつめやしの菓子、干しぶどうの菓子を一つずつ分け与えた。民は皆、自分の家に帰って行った。

20 ダビデが家の者に祝福を与えようと戻って来ると、サウルの娘ミカルがダビデを迎えて言った。「今日のイスラエル王は御立派でした。家臣のはしためたちの前で裸になられたのですから。空っぽの男が恥ずかしげもなく裸になるように。」

21 ダビデはミカルに言った。「そうだ。お前の父やその家のだれでもなく、このわたしを選んで、主の民イスラエルの指導者として立ててくださった主の御前で、その主の御前でわたしは踊ったのだ。

22 わたしはもっと卑しめられ、自分の目にも低い者となろう。しかし、お前の言うはしためたちからは、敬われるだろう。」

23 サウルの娘ミカルは、子を持つことのないまま、死の日を迎えた。

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サムエル記下 7

ナタンの預言

1 王は王宮に住むようになり、主は周囲の敵をすべて退けて彼に安らぎをお与えになった。

2 王は預言者ナタンに言った。「見なさい。わたしはレバノン杉の家に住んでいるが、神の箱は天幕を張った中に置いたままだ。」

3 ナタンは王に言った。「心にあることは何でも実行なさるとよいでしょう。主はあなたと共におられます。」

4 しかし、その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。

5 「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。あなたがわたしのために住むべき家を建てようというのか。

6 わたしはイスラエルの子らをエジプトから導き上った日から今日に至るまで、家に住まず、天幕、すなわち幕屋を住みかとして歩んできた。

7 わたしはイスラエルの子らと常に共に歩んできたが、その間、わたしの民イスラエルを牧するようにと命じたイスラエルの部族の一つにでも、なぜわたしのためにレバノン杉の家を建てないのか、と言ったことがあろうか。

8 わたしの僕ダビデに告げよ。万軍の主はこう言われる。わたしは牧場の羊の群れの後ろからあなたを取って、わたしの民イスラエルの指導者にした。

9 あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、あなたの行く手から敵をことごとく断ち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。

10 わたしの民イスラエルには一つの所を定め、彼らをそこに植え付ける。民はそこに住み着いて、もはや、おののくことはなく、昔のように不正を行う者に圧迫されることもない。

11 わたしの民イスラエルの上に士師を立てたころからの敵をわたしがすべて退けて、あなたに安らぎを与える。主はあなたに告げる。主があなたのために家を興す。

12 あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。

13 この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。

14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が過ちを犯すときは、人間の杖、人の子らの鞭をもって彼を懲らしめよう。

15 わたしは慈しみを彼から取り去りはしない。あなたの前から退けたサウルから慈しみを取り去ったが、そのようなことはしない。

16 あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」

17 ナタンはこれらの言葉をすべてそのまま、この幻のとおりにダビデに告げた。

ダビデ王の祈り

18 ダビデ王は主の御前に出て座し、次のように言った。「主なる神よ、何故わたしを、わたしの家などを、ここまでお導きくださったのですか。

19 主なる神よ、御目には、それもまた小さな事にすぎません。また、あなたは、この僕の家の遠い将来にかかわる御言葉まで賜りました。主なる神よ、このようなことが人間の定めとしてありえましょうか。

20 ダビデはこの上、何を申し上げることができましょう。主なる神よ、あなたは僕を認めてくださいました。

21 御言葉のゆえに、御心のままに、このように大きな御業をことごとく行い、僕に知らせてくださいました。

22 主なる神よ、まことにあなたは大いなる方、あなたに比べられるものはなく、あなた以外に神があるとは耳にしたこともありません。

23 また、この地上に一つでも、あなたの民イスラエルのような民がありましょうか。神は進んでこれを贖って御自分の民とし、名をお与えになりました。御自分のために大きな御業を成し遂げ、あなたの民のために御自分の地に恐るべき御業を果たし、御自分のために、エジプトおよび異邦の民とその神々から、この民を贖ってくださいました。

24 主よ、更にあなたはあなたの民イスラエルをとこしえに御自分の民として堅く立て、あなた御自身がその神となられました。

25 主なる神よ、今この僕とその家について賜った御言葉をとこしえに守り、御言葉のとおりになさってください。

26 『万軍の主は、イスラエルの神』と唱えられる御名が、とこしえにあがめられますように。僕ダビデの家が御前に堅く据えられますように。

27 万軍の主、イスラエルの神よ、あなたは僕の耳を開き、『あなたのために家を建てる』と言われました。それゆえ、僕はこの祈りをささげる勇気を得ました。

28 主なる神よ、あなたは神、あなたの御言葉は真実です。あなたは僕にこのような恵みの御言葉を賜りました。

29 どうか今、僕の家を祝福し、とこしえに御前に永らえさせてください。主なる神よ、あなたが御言葉を賜れば、その祝福によって僕の家はとこしえに祝福されます。」

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サムエル記下 8

ダビデの戦果

1 その後、ダビデはペリシテ人を討って屈服させ、ペリシテ人の手からメテグ・アンマを奪った。

2 また、モアブを討ち、彼らを地面に伏させて測り縄ではかり、縄二本分の者たちを殺し、一本分の者は生かしておいた。モアブ人はダビデに隷属し、貢を納めるものとなった。

3 ダビデは次に、ツォバの王、レホブの子ハダドエゼルがユーフラテスに勢力を回復しようと行動を起こしたとき、彼を討ち、

4 騎兵千七百、歩兵二万を捕虜とし、戦車の馬は、百頭を残して、そのほかはすべて腱を切ってしまった。

5 ダマスコのアラム人がツォバの王ハダドエゼルの援軍として参戦したが、ダビデはこのアラム軍二万二千をも討ち、

6 ダマスコのアラム人に対して守備隊を置いた。こうしてアラム人もダビデに隷属し、貢を納めるものとなった。主はダビデに、その行く先々で勝利を与えられた。

7 ダビデは、ハダドエゼルの家臣がそれぞれ携えていた金の盾を没収してエルサレムに運んだ。

8 また、ダビデ王はハダドエゼルの町ベタとベロタイから大量の青銅を奪い取った。

9 ハマトの王トイは、ダビデがハダドエゼルの軍勢を討ち滅ぼしたと聞き、

10 王子ヨラムをダビデ王のもとに遣わして安否を問わせた。トイ自身、ハダドエゼルと交戦中だったので、ハダドエゼルに対するダビデの戦勝を祝って、銀、金、青銅の品々を贈った。

11 ダビデ王はこれらの品々を、征服したすべての異邦の民から得た銀や金と共に主のために聖別した。

12 それは、アラム、モアブ、アンモン人、ペリシテ人、アマレクから得たもの、ツォバの王、レホブの子ハダドエゼルからの戦利品などであった。

13 ダビデはアラムを討って帰る途中、塩の谷でエドム人一万八千を討ち殺し、名声を得た。

14 彼はエドムに守備隊を置くことにした。守備隊はエドム全土に置かれ、全エドムはダビデに隷属した。主はダビデに、行く先々で勝利を与えられた。

ダビデの重臣たち

15 ダビデは王として全イスラエルを支配し、その民すべてのために裁きと恵みの業を行った。

16 ツェルヤの子ヨアブは軍の司令官。アヒルドの子ヨシャファトは補佐官。

17 アヒトブの子ツァドクとアビアタルの子アヒメレクは共に祭司。セラヤは書記官。

18 ヨヤダの子ベナヤはクレタ人とペレティ人の監督官。ダビデの息子たちは祭司となった。

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サムエル記下 9

ダビデとメフィボシェト

1 ダビデは言った。「サウル家の者がまだ生き残っているならば、ヨナタンのために、その者に忠実を尽くしたい。」

2 サウル家に仕えていたツィバという名の者がダビデのもとに呼び出された。「お前がツィバか」と王が尋ねると、「僕でございます」と彼は答えた。

3 王は言った。「サウル家には、もうだれも残っていないのか。いるなら、その者に神に誓った忠実を尽くしたいが。」「ヨナタンさまの御子息が一人おられます。両足の萎えた方でございます」とツィバは王に答えた。

4 王は「どこにいるのか」と問い、ツィバは王に、「ロ・デバルにあるアミエルの子マキルの家におられます」と答えた。

5 ダビデ王は人を遣わし、ロ・デバルにあるアミエルの子マキルの家から彼を連れて来させた。

6 サウルの子ヨナタンの子メフィボシェトは、ダビデの前に来るとひれ伏して礼をした。「メフィボシェトよ」とダビデが言うと、「僕です」と彼は答えた。

7 「恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、わたしはあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつもわたしの食卓で食事をするように」とダビデが言うと、

8 メフィボシェトは礼をして言った。「僕など何者でありましょうか。死んだ犬も同然のわたしを顧みてくださるとは。」

9 王は、サウルの従者であったツィバを呼んで言った。「サウルとその家の所有であったものはすべてお前の主人の子息に与えることにした。

10 お前は、息子たち、召し使いたちと共に、その土地を耕して収穫をあげ、お前の主人の子息のために生計を立てよ。お前の主人の子息メフィボシェトは、いつもわたしの食卓で食事をすることになる。」ツィバには十五人の息子と二十人の召し使いがいた。

11 ツィバは王に答えた。「私の主君、王が僕にお命じになりましたことはすべて、僕が間違いなく実行いたします。」メフィボシェトは王子の一人のように、ダビデの食卓で食事をした。

12 メフィボシェトにはミカという幼い息子がいた。ツィバの家に住む者は皆、メフィボシェトの召し使いとなった。

13 メフィボシェトは王の食卓に連なるのが常のことであり、両足とも不自由なので、エルサレムに住んだ。

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サムエル記下 10

アンモン、アラムとの戦い

1 その後、アンモン人の王が死に、その子ハヌンが代わって王となった。

2 ダビデは、「ハヌンの父ナハシュがわたしに忠実であったのだから、わたしもその子ハヌンに忠実であるべきだ」と言って、使節を遣わして哀悼の意を表そうとした。ところが、ダビデの家臣たちがアンモン人の領地に入ると、

3 アンモン人の高官たちは主君ハヌンに言った。「ダビデがお父上に敬意を表して弔問の使節を送って来たとお考えになってはなりません。この町を探りうかがい、倒そうとして、家臣を送り込んだにちがいありません。」

4 それでハヌンはダビデの家臣を捕らえ、ひげを半分そり落とし、衣服も半分、腰から下を切り落として追い返した。

5 この人たちが甚だしい辱めを受けたという知らせがダビデに届くと、ダビデは人を遣わして彼らを迎えさせ、王の伝言として、「ひげが生えそろうまでエリコにとどまり、それから帰るように」と言わせた。

6 アンモン人は、ダビデの憎しみをかったと悟ると、ベト・レホブおよびツォバのアラム人に人を遣わして歩兵二万を傭兵として要請し、マアカの王には兵一千、トブには兵一万二千を要請した。

7 これを聞いたダビデは、ヨアブをはじめ勇士たちの全軍を送り出した。

8 アンモン人は城門の入り口まで出て戦いに備え、ツォバとレホブのアラム兵およびトブとマアカの兵は野にあって戦いに備えた。

9 ヨアブは戦線が前方と後方にあるのを見て、イスラエルの全精鋭から兵をえりすぐり、アラム軍に向かって戦列を整え、

10 残りの兵士を兄弟アビシャイの指揮にゆだねて、アンモン軍に向かって戦列を整えさせた。

11 ヨアブは言った。「アラム人がわたしより強ければ、こちらを助けてくれ。アンモン人がお前より強ければ、そちらを助けに行く。

12 我らの民のため、我らの神の町々のため、雄々しく戦おう。主が良いと思われることを行ってくださるように。」

13 ヨアブと彼に従う兵士たちが戦おうと迫ると、アラム軍はヨアブの前から逃げ去った。

14 アラム軍が逃げるのを見ると、アンモン人も、アビシャイの前から逃げ出し、町の中に入った。ヨアブはアンモン人をそのままにして引き揚げ、エルサレムに帰った。

15 イスラエルに打ち負かされたと見ると、アラムは団結し、

16 ハダドエゼルは人を遣わして、ユーフラテスの向こうにいたアラム軍を出動させた。彼らは、ハダドエゼルの軍の司令官ショバクに率いられてヘラムに着いた。

17 報告を受けたダビデもイスラエルの全軍を集結させ、ヨルダン川を渡ってヘラムに向かった。アラム軍は戦列を整えてダビデを迎え撃ち、戦ったが、

18 彼らはイスラエルの前から逃げ去った。ダビデはアラムの戦車兵七百、騎兵四万を殺し、軍の司令官ショバクもその場で打ち殺した。

19 ハダドエゼルに隷属していた王たちは皆、イスラエルに敗北したことを認めて和を請い、イスラエルに隷属した。アラム人は恐れて、二度とアンモン人を支援しなかった。

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サムエル記下 11

ウリヤの妻バト・シェバ

1 年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ダビデは、ヨアブとその指揮下においた自分の家臣、そしてイスラエルの全軍を送り出した。彼らはアンモン人を滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデ自身はエルサレムにとどまっていた。

2 ある日の夕暮れに、ダビデは午睡から起きて、王宮の屋上を散歩していた。彼は屋上から、一人の女が水を浴びているのを目に留めた。女は大層美しかった。

3 ダビデは人をやって女のことを尋ねさせた。それはエリアムの娘バト・シェバで、ヘト人ウリヤの妻だということであった。

4 ダビデは使いの者をやって彼女を召し入れ、彼女が彼のもとに来ると、床を共にした。彼女は汚れから身を清めたところであった。女は家に帰ったが、

5 子を宿したので、ダビデに使いを送り、「子を宿しました」と知らせた。

6 ダビデはヨアブに、ヘト人ウリヤを送り返すように命令を出し、ヨアブはウリヤをダビデのもとに送った。

7 ウリヤが来ると、ダビデはヨアブの安否、兵士の安否を問い、また戦況について尋ねた。

8 それからダビデはウリヤに言った。「家に帰って足を洗うがよい。」ウリヤが王宮を退出すると、王の贈り物が後に続いた。

9 しかしウリヤは王宮の入り口で主君の家臣と共に眠り、家に帰らなかった。

10 ウリヤが自分の家に帰らなかったと知らされたダビデは、ウリヤに尋ねた。「遠征から帰って来たのではないか。なぜ家に帰らないのか。」

11 ウリヤはダビデに答えた。「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰って飲み食いしたり、妻と床を共にしたりできるでしょうか。あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできません。」

12 ダビデはウリヤに言った。「今日もここにとどまるがよい。明日、お前を送り出すとしよう。」ウリヤはその日と次の日、エルサレムにとどまった。

13 ダビデはウリヤを招き、食事を共にして酔わせたが、夕暮れになるとウリヤは退出し、主君の家臣たちと共に眠り、家には帰らなかった。

14 翌朝、ダビデはヨアブにあてて書状をしたため、ウリヤに託した。

15 書状には、「ウリヤを激しい戦いの最前線に出し、彼を残して退却し、戦死させよ」と書かれていた。

16 町の様子を見張っていたヨアブは、強力な戦士がいると判断した辺りにウリヤを配置した。

17 町の者たちは出撃してヨアブの軍と戦い、ダビデの家臣と兵士から戦死者が出た。ヘト人ウリヤも死んだ。

18 ヨアブはダビデにこの戦いの一部始終について報告を送り、

19 使者に命じた。「戦いの一部始終を王に報告し終えたとき、

20 もし王が怒って、『なぜそんなに町に接近して戦ったのか。城壁の上から射かけてくると分かっていたはずだ。

21 昔、エルベシェトの子アビメレクを討ち取ったのは誰だったか。あの男がテベツで死んだのは、女が城壁の上から石臼を投げつけたからではないか。なぜそんなに城壁に接近したのだ』と言われたなら、『王の僕ヘト人ウリヤも死にました』と言うがよい。」

22 使者は出発し、ダビデのもとに到着してヨアブの伝言をすべて伝えた。

23 使者はダビデに言った。「敵は我々より優勢で、野戦を挑んで来ました。我々が城門の入り口まで押し返すと、

24 射手が城壁の上から僕らに矢を射かけ、王の家臣からも死んだ者が出、王の僕ヘト人ウリヤも死にました。」

25 ダビデは使者に言った。「ヨアブにこう伝えよ。『そのことを悪かったと見なす必要はない。剣があればだれかが餌食になる。奮戦して町を滅ぼせ。』そう言って彼を励ませ。」

26 ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだと聞くと、夫のために嘆いた。

27 喪が明けると、ダビデは人をやって彼女を王宮に引き取り、妻にした。彼女は男の子を産んだ。ダビデのしたことは主の御心に適わなかった。

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サムエル記下 12

ナタンの叱責

1 主はナタンをダビデのもとに遣わされた。ナタンは来て、次のように語った。「二人の男がある町にいた。一人は豊かで、一人は貧しかった。

2 豊かな男は非常に多くの羊や牛を持っていた。

3 貧しい男は自分で買った一匹の雌の小羊のほかに/何一つ持っていなかった。彼はその小羊を養い/小羊は彼のもとで育ち、息子たちと一緒にいて/彼の皿から食べ、彼の椀から飲み/彼のふところで眠り、彼にとっては娘のようだった。

4 ある日、豊かな男に一人の客があった。彼は訪れて来た旅人をもてなすのに/自分の羊や牛を惜しみ/貧しい男の小羊を取り上げて/自分の客に振る舞った。」

5 ダビデはその男に激怒し、ナタンに言った。「主は生きておられる。そんなことをした男は死罪だ。

6 小羊の償いに四倍の価を払うべきだ。そんな無慈悲なことをしたのだから。」

7 ナタンはダビデに向かって言った。「その男はあなただ。イスラエルの神、主はこう言われる。『あなたに油を注いでイスラエルの王としたのはわたしである。わたしがあなたをサウルの手から救い出し、

8 あなたの主君であった者の家をあなたに与え、その妻たちをあなたのふところに置き、イスラエルとユダの家をあなたに与えたのだ。不足なら、何であれ加えたであろう。

9 なぜ主の言葉を侮り、わたしの意に背くことをしたのか。あなたはヘト人ウリヤを剣にかけ、その妻を奪って自分の妻とした。ウリヤをアンモン人の剣で殺したのはあなただ。

10 それゆえ、剣はとこしえにあなたの家から去らないであろう。あなたがわたしを侮り、ヘト人ウリヤの妻を奪って自分の妻としたからだ。』

11 主はこう言われる。『見よ、わたしはあなたの家の者の中からあなたに対して悪を働く者を起こそう。あなたの目の前で妻たちを取り上げ、あなたの隣人に与える。彼はこの太陽の下であなたの妻たちと床を共にするであろう。

12 あなたは隠れて行ったが、わたしはこれを全イスラエルの前で、太陽の下で行う。』」

13 ダビデはナタンに言った。「わたしは主に罪を犯した。」ナタンはダビデに言った。「その主があなたの罪を取り除かれる。あなたは死の罰を免れる。

14 しかし、このようなことをして主を甚だしく軽んじたのだから、生まれてくるあなたの子は必ず死ぬ。」

15 ナタンは自分の家に帰って行った。主はウリヤの妻が産んだダビデの子を打たれ、その子は弱っていった。

16 ダビデはその子のために神に願い求め、断食した。彼は引きこもり、地面に横たわって夜を過ごした。

17 王家の長老たちはその傍らに立って、王を地面から起き上がらせようとしたが、ダビデはそれを望まず、彼らと共に食事をとろうともしなかった。

18 七日目にその子は死んだ。家臣たちは、その子が死んだとダビデに告げるのを恐れ、こう話し合った。「お子様がまだ生きておられたときですら、何を申し上げてもわたしたちの声に耳を傾けてくださらなかったのに、どうして亡くなられたとお伝えできよう。何かよくないことをなさりはしまいか。」

19 ダビデは家臣がささやき合っているのを見て、子が死んだと悟り、言った。「あの子は死んだのか。」彼らは答えた。「お亡くなりになりました。」

20 ダビデは地面から起き上がり、身を洗って香油を塗り、衣を替え、主の家に行って礼拝した。王宮に戻ると、命じて食べ物を用意させ、食事をした。

21 家臣は尋ねた。「どうしてこのようにふるまわれるのですか。お子様の生きておられるときは断食してお泣きになり、お子様が亡くなられると起き上がって食事をなさいます。」

22 彼は言った。「子がまだ生きている間は、主がわたしを憐れみ、子を生かしてくださるかもしれないと思ったからこそ、断食して泣いたのだ。

23 だが死んでしまった。断食したところで、何になろう。あの子を呼び戻せようか。わたしはいずれあの子のところに行く。しかし、あの子がわたしのもとに帰って来ることはない。」

ソロモンの誕生

24 ダビデは妻バト・シェバを慰め、彼女のところに行って床を共にした。バト・シェバは男の子を産み、ダビデはその子をソロモンと名付けた。主はその子を愛され、

25 預言者ナタンを通してそのことを示されたので、主のゆえにその子をエディドヤ(主に愛された者)とも名付けた。

ラバの占領

26 ヨアブはアンモン人の町ラバと戦い、この王の町を陥れた。

27 ヨアブは使者をダビデに送って言わせた。「わたしはラバと戦い、『水の町』を陥れました。

28 直ちに残りの兵士を集結させ、この町に対して陣を敷き、陥れてください。わたしがこの町を陥れると、この町はわたしの名で呼ばれてしまいます。」

29 ダビデは兵士全員を集結させ、ラバに出撃して戦い、これを陥れた。

30 ダビデはその王の冠を王の頭から奪い取った。それは一キカルの金で作られ、宝石で飾られていた。これはダビデの頭を飾ることになった。ダビデがこの町から奪い去った戦利品はおびただしかった。

31 そこにいた人々を引き出し、のこぎり、鉄のつるはし、鉄の斧を持たせて働かせ、れんが作りをさせた。また、アンモン人のほかの町々もすべてこのようにした。それからダビデと兵士は皆、エルサレムに凱旋した。

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サムエル記下 13

アムノンとタマル

1 その後、こういうことがあった。ダビデの子アブサロムにタマルという美しい妹がいた。ダビデの子アムノンはタマルを愛していた。

2 しかしタマルは処女で、手出しをすることは思いもよらなかったので、妹タマルへの思いにアムノンは病気になりそうであった。

3 アムノンにはヨナダブという名の友人がいた。ヨナダブはダビデの兄弟シムアの息子で大変賢い男であった。

4 ヨナダブはアムノンに言った。「王子よ、朝ごとに君はやつれていく。どうかしたのか。どうして打ち明けないのだ。」アムノンは彼に言った。「兄弟アブサロムの妹タマルを愛しているのだ。」

5 ヨナダブは言った。「病気を装って床に就くとよい。父上が見舞いに来られたら、『妹タマルをよこしてください。何か食べ物を作らせます。わたしに見えるように、目の前で料理をさせてください。タマルの手から食べたいのです』と言ったらよい。」

6 アムノンは床に就き、病を装った。王が見舞いに来ると、アムノンは王に言った。「どうか妹のタマルをよこしてください。目の前でレビボット(『心』という菓子)を二つ作らせます。タマルの手から食べたいのです。」

7 ダビデは宮殿にいるタマルのもとに人をやって、兄アムノンの家に行き、料理をするように、と伝えさせた。

8 タマルが兄アムノンの家に来てみると、彼は床に就いていた。タマルは粉を取ってこね、アムノンの目の前でレビボットを作って焼き、

9 鍋を取って彼の前に出した。しかしアムノンは食べようとせず、そばにいた者を皆、出て行かせた。彼らが皆出て行くと、

10 アムノンはタマルに言った。「料理をこちらの部屋に持って来てくれ。お前の手から食べたいのだ。」タマルが、作ったレビボットを持って兄アムノンのいる部屋に入り、

11 彼に食べさせようと近づくと、アムノンはタマルを捕らえて言った。「妹よ、おいで。わたしと寝てくれ。」

12 タマルは言った。「いけません、兄上。わたしを辱めないでください。イスラエルでは許されないことです。愚かなことをなさらないでください。

13 わたしは、このような恥をどこへもって行けましょう。あなたも、イスラエルでは愚か者の一人になってしまいます。どうぞまず王にお話しください。王はあなたにわたしを与えるのを拒まれないでしょう。」

14 アムノンは彼女の言うことを聞こうとせず、力ずくで辱め、彼女と床を共にした。

15 そして、アムノンは激しい憎しみを彼女に覚えた。その憎しみは、彼女を愛したその愛よりも激しかった。アムノンは彼女に言った。「立て。出て行け。」

16 タマルは言った。「いいえ、わたしを追い出すのは、今なさったことよりも大きな悪です。」だがアムノンは聞き入れようともせず、

17 自分に仕える従者を呼び、「この女をここから追い出せ。追い出したら戸に錠をおろせ」と命じた。

18 タマルは未婚の王女のしきたりによって飾り付きの上着を着ていたが、アムノンに仕える従者が彼女を追い出し、背後で戸に錠をおろすと、

19 タマルは灰を頭にかぶり、まとっていた上着を引き裂き、手を頭に当てて嘆きの叫びをあげながら歩いて行った。

20 兄アブサロムは彼女に言った。「兄アムノンがお前と一緒だったのか。妹よ、今は何も言うな。彼はお前の兄だ。このことを心にかけてはいけない。」タマルは絶望して兄アブサロムの家に身を置いた。

21 ダビデ王は事の一部始終を聞き、激しく怒った。

22 アブサロムはアムノンに対して、いいとも悪いとも一切語らなかった。妹タマルを辱められ、アブサロムはアムノンを憎悪した。

アブサロムの復讐

23 それから二年たった。エフライムに接するバアル・ハツォルにアブサロムの羊の毛を刈る者が集まった。アブサロムは王子全員を招待し、

24 王のもとに行って願った。「僕は羊の毛を刈る者を集めました。どうぞ王御自身、家臣を率いて、僕と共にお出かけください。」

25 王はアブサロムに言った。「いや、わが子よ、全員で行くこともあるまい。お前の重荷になってはいけない。」アブサロムは懇願したが、ダビデは出かけることを望まず、ただ祝福を与えた。

26 アブサロムは言った。「それなら、兄アムノンをわたしたちと共に行かせてください。」王は彼に、「なぜアムノンを同行させるのか」と言ったが、

27 アブサロムが重ねて懇願したので、アムノンと王子全員をアブサロムに同行させた。

28 アブサロムは自分の従者たちに命じて言った。「いいか。アムノンが酒に酔って上機嫌になったとき、わたしがアムノンを討てと命じたら、アムノンを殺せ。恐れるな。これはわたしが命令するのだ。勇気を持て。勇敢な者となれ。」

29 従者たちは、アブサロムの命令どおりアムノンに襲いかかった。王子は全員立ってそれぞれのらばに乗り、逃げ出した。

30 王子がだれも帰り着かないうちに、アブサロムが王子を一人残らず打ち殺したという知らせがダビデに届いた。

31 王は立ち上がると、衣を裂き、地面に身を投げ出した。家臣たちも皆、衣を裂いて傍らに立った。

32 ダビデの兄弟シムアの息子ヨナダブが断言した。「主君よ、若い王子たちが皆殺しになったとお考えになりませんように。殺されたのはアムノン一人です。アブサロムは、妹タマルが辱めを受けたあの日以来、これを決めていたのです。

33 主君、王よ、王子全員が殺害されたなどという言葉を心に留めることはありません。亡くなったのはアムノン一人です。」

34 アブサロムは逃亡した。見張りの若者が目を上げて眺めると、大勢の人が山腹のホロナイムの道をやって来るのが見えた。

35 ヨナダブは王に言った。「御覧ください。僕が申し上げたとおり、王子たちが帰って来られました。」

36 ヨナダブがこう言い終えたとき、王子たちが到着した。彼らは声をあげて泣き、王も家臣も皆、激しく泣いた。

37 アブサロムは、ゲシュルの王アミフドの子タルマイのもとに逃げた。ダビデはアムノンを悼み続けた。

38 アブサロムはゲシュルに逃げ、三年間そこにいた。

39 アムノンの死をあきらめた王の心は、アブサロムを求めていた。

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サムエル記下 14

ダビデ、アブサロムを赦す

1 ツェルヤの子ヨアブは、王の心がアブサロムに向かっていることを悟り、

2 テコアに使いを送って一人の知恵のある女を呼び寄せ、彼女に言った。「喪を装ってほしい。喪服を着、化粧もせず、長い間死者のために喪に服しているように装うのだ。

3 そして王のもとに行き、こう語りなさい。」ヨアブは語るべき言葉を彼女に与えた。

4 テコアの女は王の前に出ると、地にひれ伏して礼をし、「王様、お救いください」と言った。

5 「どうしたのだ」と王が尋ねると、彼女は言った。「わたしは実はやもめでございます。夫は亡くなりました。

6 はしためには二人の息子がおりました。ところが二人は畑でいさかいを起こし、間に入って助けてくれる者もなく、一人がもう一人を打ち殺してしまいました。

7 その上、一族の者が皆、このはしためを責めて、『兄弟殺しを引き渡せ。殺した兄弟の命の償いに彼を殺し、跡継ぎも断とう』と申すのです。はしために残された火種を消し、夫の名も跡継ぎも地上に残させまいとしています。」

8 王は女に言った。「家に帰るがよい。お前のために命令を出そう。」

9 テコアの女は王に言った。「主君である王様、責めは、わたしとわたしの父の家にございます。王様も王座も責めを負ってはなりません。」

10 王は言った。「お前にあれこれ言う者がいたら、わたしのもとに連れて来なさい。その者がお前を煩わすことは二度とない。」

11 彼女は言った。「王様、どうかあなたの神、主に心をお留めください。血の復讐をする者が殺戮を繰り返すことのありませんように。彼らがわたしの息子を断ち滅ぼしてしまいませんように。」王は答えた。「主は生きておられる。お前の息子の髪の毛一本たりとも地に落ちることはない。」

12 女は言った。「主君である王様、はしためにもうひと言申し述べさせてください。」王は言った。「語るがよい。」

13 女は言った。「主君である王様、それではなぜ、神の民に対してあなたはこのようにふるまわれるのでしょう。王様御自身、追放された方を連れ戻そうとなさいません。王様の今回の御判断によるなら、王様は責められることになります。

14 わたしたちは皆、死ぬべきもの、地に流されれば、再び集めることのできない水のようなものでございます。神は、追放された者が神からも追放されたままになることをお望みになりません。そうならないように取り計らってくださいます。

15 王様のもとに参りまして、このようなことを申し上げますのは、民がわたしに恐怖を与えるからでございます。王様に申し上げれば、必ずはしための願いをかなえてくださると思いました。

16 王様は聞き届けてくださいました。神からいただいた嗣業の地からわたしと息子を断ち滅ぼそうとする者の手から、はしためを救ってくださいます。

17 はしためは、主君である王様のお言葉が慰めになると信じて参りました。主君である王様は、神の御使いのように善と悪を聞き分けられます。あなたの神、主がどうかあなたと共におられますように。」

18 王は女に言った。「わたしがこれから問うことに、隠し立てをしないように。」女は答えた。「王様、どうぞおっしゃってください。」

19 王は言った。「これはすべて、ヨアブの指図であろう。」女は答えて言った。「王様、あなたは生きておられます。何もかも王様の仰せのとおりでございます。右にも左にもそらすことはできません。王様の御家臣ヨアブがわたしにこれを命じ、申し上げるべき言葉をすべて、はしための口に授けたのでございます。

20 御家臣ヨアブが事態を変えるためにこのようなことをしたのです。王様は神の御使いの知恵のような知恵をお持ちで、地上に起こることをすべてご存じです。」

21 王はヨアブに言った。「よかろう、そうしよう。あの若者、アブサロムを連れ戻すがよい。」

22 ヨアブは地にひれ伏して礼をし、王に祝福の言葉を述べた。ヨアブは言った。「王よ、今日僕は、主君、王の御厚意にあずかっていると悟りました。僕の言葉を実行してくださるからです。」

23 ヨアブは立ってゲシュルに向かい、アブサロムをエルサレムに連れ帰った。

24 だが、王は言った。「自分の家に向かわせよ。わたしの前に出てはならない。」アブサロムは自分の家に向かい、王の前には出なかった。

25 イスラエルの中でアブサロムほど、その美しさをたたえられた男はなかった。足の裏から頭のてっぺんまで、非のうちどころがなかった。

26 毎年の終わりに髪を刈ることにしていたが、それは髪が重くなりすぎるからで、刈り落とした毛は王の重りで二百シェケルもあった。

27 アブサロムには三人の息子と一人の娘が生まれた。娘はタマルという名で、大変美しかった。

28 アブサロムはエルサレムで二年間過ごしたが、王の前に出られなかった。

29 アブサロムは、ヨアブを王のもとへの使者に頼もうとして人をやったが、ヨアブは来ようとせず、二度目の使いにも来ようとしなかった。

30 アブサロムは部下に命じた。「見よ、ヨアブの地所はわたしの地所の隣で、そこに大麦の畑がある。行ってそこに火を放て。」アブサロムの部下はその地所に火を放った。

31 ヨアブは立ってアブサロムの家に来た。「あなたの部下がわたしの地所に火を放つとは何事です」と彼が言うと、

32 アブサロムはヨアブに言った。「わたしはお前に来てもらおうと使いをやった。お前を王のもとに送って、『何のためにわたしはゲシュルから帰って来たのでしょうか、これではゲシュルにいた方がよかったのです』と伝えてもらいたかったのだ。王に会いたい。わたしに罪があるなら、死刑にするがよい。」

33 ヨアブは王のもとに行って報告した。王はアブサロムを呼び寄せ、アブサロムは王の前に出て、ひれ伏して礼をした。王はアブサロムに口づけした。

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サムエル記下 15

アブサロムの反逆

1 その後、アブサロムは戦車と馬、ならびに五十人の護衛兵を自分のために整えた。

2 アブサロムは朝早く起き、城門への道の傍らに立った。争いがあり、王に裁定を求めに来る者をだれかれなく呼び止めて、その出身地を尋ね、「僕はイスラエル諸部族の一つに属しています」と答えると、

3 アブサロムはその人に向かってこう言うことにしていた。「いいか。お前の訴えは正しいし、弁護できる。だがあの王の下では聞いてくれる者はいない。」

4 アブサロムは、こうも言った。「わたしがこの地の裁き人であれば、争い事や申し立てのある者を皆、正当に裁いてやれるのに。」

5 また、彼に近づいて礼をする者があれば、手を差し伸べて彼を抱き、口づけした。

6 アブサロムは、王に裁定を求めてやって来るイスラエル人すべてにこのようにふるまい、イスラエルの人々の心を盗み取った。

7 四十歳になった年の終わりにアブサロムは王に願った。「主への誓願を果たすため、ヘブロンに行かせてください。

8 僕はアラムのゲシュルに滞在していたとき、もし主がわたしをエルサレムに連れ戻してくださるなら主に仕える、と誓いました。」

9 王が「平和に行って来るように」と言ったので、アブサロムは立ってヘブロンに向かった。

10 アブサロムはイスラエルの全部族に密使を送り、角笛の音を合図に、「アブサロムがヘブロンで王となった」と言うように命じた。

11 このときエルサレムから二百人の者がアブサロムと共に出かけたが、招きに応じて同行しただけで、何も知らされてはいなかった。

12 いけにえをささげるにあたって、アブサロムは使いを送り、ダビデの顧問であるギロ人アヒトフェルを彼の町ギロから迎えた。陰謀が固められてゆき、アブサロムのもとに集まる民は次第に数を増した。

13 イスラエル人の心はアブサロムに移っているという知らせが、ダビデに届いた。

14 ダビデは、自分と共にエルサレムにいる家臣全員に言った。「直ちに逃れよう。アブサロムを避けられなくなってはいけない。我々が急がなければ、アブサロムがすぐに我々に追いつき、危害を与え、この都を剣にかけるだろう。」

15 王の家臣たちは言った。「主君、王よ、僕たちはすべて御判断のとおりにいたします。」

16 こうして王は出発し、王宮の者が皆、その後に従った。王は王宮を守らせるために十人の側女を残した。

ダビデとイタイ

17 王が出発し、人々は皆、その後に従った。一行は、まず離宮のところで歩みを止めた。

18 家臣がまず王の傍らを通り、次いでクレタ人全員とペレティ人全員、それに続いてガトからダビデに従って来た六百人のガト人が王の前を通った。

19 王はガト人イタイに言った。「なぜあなたまでが、我々と行動を共にするのか。戻ってあの王のもとにとどまりなさい。あなたは外国人だ。しかもこの国では亡命者の身分だ。

20 昨日来たばかりのあなたを、今日我々と共に放浪者にすることはできない。わたしは行けるところへ行くだけだ。兄弟たちと共に戻りなさい。主があなたに慈しみとまことを示されるように。」

21 イタイは王に答えて言った。「主は生きておられ、わが主君、王も生きておられる。生きるも死ぬも、主君、王のおいでになるところが僕のいるべきところです。」

22 ダビデは、「よろしい、通って行きなさい」と言い、ガト人イタイは大人も子供も、共にいた者全員を率いて通った。

23 その地全体が大声をあげて泣く中を、兵士全員が通って行った。王はキドロンの谷を渡り、兵士も全員荒れ野に向かう道を進んだ。

ツァドク、アビアタルと神の箱

24 ツァドクをはじめレビ人全員が神の契約の箱を担いで来ており、兵士全員が都を去るまで神の箱を降ろしていた。アビアタルも来ていた。

25 王はツァドクに言った。「神の箱は都に戻しなさい。わたしが主の御心に適うのであれば、主はわたしを連れ戻し、神の箱とその住む所とを見せてくださるだろう。

26 主がわたしを愛さないと言われるときは、どうかその良いと思われることをわたしに対してなさるように。」

27 王は祭司ツァドクに向かって言葉を続けた。「分かったか。平和にエルサレムに戻ってもらいたい。息子のアヒマアツとアビアタルの子ヨナタン、この二人の若者を連れて帰りなさい。

28 分かったか。わたしはあなたたちからの知らせを受けるまで、荒れ野の渡し場で待っている。」

29 ツァドクとアビアタルは神の箱と共にエルサレムに戻り、そこにとどまった。

ダビデとフシャイ

30 ダビデは頭を覆い、はだしでオリーブ山の坂道を泣きながら上って行った。同行した兵士たちも皆、それぞれ頭を覆い、泣きながら上って行った。

31 アヒトフェルがアブサロムの陰謀に加わったという知らせを受けて、ダビデは、「主よ、アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください」と祈った。

32 神を礼拝する頂上の場所に着くと、アルキ人フシャイがダビデを迎えた。上着は裂け、頭に土をかぶっていた。

33 ダビデは彼に言った。「わたしと一緒に来てくれてもわたしの重荷になるだけだ。

34 都に戻って、アブサロムにこう言ってくれ。『王よ、わたしはあなたの僕です。以前、あなたの父上の僕でしたが、今からはあなたの僕です』と。お前はわたしのためにアヒトフェルの助言を覆すことができる。

35 都には祭司ツァドクとアビアタルもいて、お前と共に行動する。王宮で耳にすることはすべて祭司のツァドクとアビアタルに伝えてほしい。

36 また、そこには彼らの二人の息子も共にいる。ツァドクの息子アヒマアツ、アビアタルの息子ヨナタンだ。耳にすることは何でもこの二人を通してわたしのもとに伝えるようにしてくれ。」

37 こうしてダビデの友フシャイは都に入った。アブサロムもエルサレムに入城した。

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