民数記 11

民の不満 1 民は主の耳に達するほど、激しく不満を言った。主はそれを聞いて憤られ、主の火が彼らに対して燃え上がり、宿営を端から焼き尽くそうとした。 2 民はモーセに助けを求めて叫びをあげた。モーセが主に祈ると、火は鎮まった。 3 主の火が彼らに対して燃え上がったというので、人々はその場所をタブエラ(燃える)と呼んだ。 4 民に加わっていた雑多な他国人は飢えと渇きを訴え、イスラエルの人々も再び泣き言を言った。「誰か肉を食べさせてくれないものか。 5 エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、葱や玉葱やにんにくが忘れられない。 6 今では、わたしたちの唾は干上がり、どこを見回してもマナばかりで、何もない。」 7 マナは、コエンドロの種のようで、一見、琥珀の類のようであった。 8 民は歩き回って拾い集め、臼で粉にひくか、鉢ですりつぶし、鍋で煮て、菓子にした。それは、こくのあるクリームのような味であった。 9 夜、宿営に露が降りると、マナも降った。 10 モーセは、民がどの家族もそれぞれの天幕の入り口で泣き言を言っているのを聞いた。主が激しく憤られたので、モーセは苦しんだ。 11 モーセは主に言った。「あなたは、なぜ、僕を苦しめられるのですか。なぜわたしはあなたの恵みを得ることなく、この民すべてを重荷として負わされねばならないのですか。 12 わたしがこの民すべてをはらみ、わたしが彼らを生んだのでしょうか。あなたはわたしに、乳母が乳飲み子を抱くように彼らを胸に抱き、あなたが先祖に誓われた土地に連れて行けと言われます。 13 この民すべてに食べさせる肉をどこで見つければよいのでしょうか。彼らはわたしに泣き言を言い、肉を食べさせよと言うのです。 14 わたし一人では、とてもこの民すべてを負うことはできません。わたしには重すぎます。 15 どうしてもこのようになさりたいなら、どうかむしろ、殺してください。あなたの恵みを得ているのであれば、どうかわたしを苦しみに遭わせないでください。」 16 主はモーセに言われた。「イスラエルの長老たちのうちから、あなたが、民の長老およびその役人として認めうる者を七十人集め、臨在の幕屋に連れて来てあなたの傍らに立たせなさい。 17 わたしはそこに降って、あなたと語ろう。そして、あなたに授けてある霊の一部を取って、彼らに授ける。そうすれば、彼らは民の重荷をあなたと共に負うことができるようになり、あなたひとりで負うことはなくなる。 18 民に告げなさい。明日のために自分自身を聖別しなさい。あなたたちは肉を食べることができる。主の耳に達するほど、泣き言を言い、誰か肉を食べさせてくれないものか、エジプトでは幸せだったと訴えたから、主はあなたたちに肉をお与えになり、あなたたちは食べることができる。 19 あなたたちがそれを食べるのは、一日や二日や五日や十日や二十日ではない。 20 一か月に及び、ついにあなたたちの鼻から出るようになり、吐き気を催すほどになる。あなたたちは、あなたたちのうちにいます主を拒み、主の面前で、どうして我々はエジプトを出て来てしまったのか、と泣き言を言ったからだ。」 21 モーセは言った。「わたしの率いる民は男だけで六十万人います。それなのに、あなたは、『肉を彼らに与え、一か月の間食べさせよう』と言われます。 22 しかし、彼らのために羊や牛の群れを屠れば、足りるのでしょうか。海の魚を全部集めれば、足りるのでしょうか。」 23 主はモーセに言われた。「主の手が短いというのか。わたしの言葉どおりになるかならないか、今、あなたに見せよう。」 24 モーセは出て行って、主の言葉を民に告げた。彼は民の長老の中から七十人を集め、幕屋の周りに立たせた。 25 主は雲のうちにあって降り、モーセに語られ、モーセに授けられている霊の一部を取って、七十人の長老にも授けられた。霊が彼らの上にとどまると、彼らは預言状態になったが、続くことはなかった。 26 宿営に残っていた人が二人あった。一人はエルダド、もう一人はメダドといい、長老の中に加えられていたが、まだ幕屋には出かけていなかった。霊が彼らの上にもとどまり、彼らは宿営で預言状態になった。 27 一人の若者がモーセのもとに走って行き、エルダドとメダドが宿営で預言状態になっていると告げた。 […]

民数記 12

1 ミリアムとアロンは、モーセがクシュの女性を妻にしていることで彼を非難し、「モーセはクシュの女を妻にしている」と言った。 ミリアムとアロン 2 彼らは更に言った。「主はモーセを通してのみ語られるというのか。我々を通しても語られるのではないか。」主はこれを聞かれた。 3 モーセという人はこの地上のだれにもまさって謙遜であった。 4 主は直ちにモーセとアロンとミリアムに言われた。「あなたたちは三人とも、臨在の幕屋の前に出よ。」彼ら三人はそこに出た。 5 主は雲の柱のうちにあって降り、幕屋の入り口に立ち、「アロン、ミリアム」と呼ばれた。二人が進み出ると、 6 主はこう言われた。「聞け、わたしの言葉を。あなたたちの間に預言者がいれば/主なるわたしは幻によって自らを示し/夢によって彼に語る。 7 わたしの僕モーセはそうではない。彼はわたしの家の者すべてに信頼されている。 8 口から口へ、わたしは彼と語り合う/あらわに、謎によらずに。主の姿を彼は仰ぎ見る。あなたたちは何故、畏れもせず/わたしの僕モーセを非難するのか。」 9 主は、彼らに対して憤り、去って行かれ、 10 雲は幕屋を離れた。そのとき、見よ、ミリアムは重い皮膚病にかかり、雪のように白くなっていた。アロンはミリアムの方を振り向いた。見よ、彼女は重い皮膚病にかかっていた。 11 アロンはモーセに言った。「わが主よ。どうか、わたしたちが愚かにも犯した罪の罰をわたしたちに負わせないでください。 12 どうか、彼女を、肉が半ば腐って母の胎から出て来た死者のようにしないでください。」 13 モーセは主に助けを求めて叫んだ。「神よ、どうか彼女をいやしてください。」 14 しかし主は、モーセに言われた。「父親が彼女の顔に唾したとしても、彼女は七日の間恥じて身を慎むではないか。ミリアムを七日の間宿営の外に隔離しなさい。その後、彼女は宿営に戻ることができる。」 15 ミリアムは宿営の外に七日の間隔離された。民は、彼女が戻るまで出発しなかった。 16 その後、民はハツェロトを出発し、パランの荒れ野に宿営した。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/NUM/12-2c5050494b6e59b4f06766335e28c603.mp3?version_id=1819—

民数記 13

カナン偵察 1 主はモーセに言われた。 2 「人を遣わして、わたしがイスラエルの人々に与えようとしているカナンの土地を偵察させなさい。父祖以来の部族ごとに一人ずつ、それぞれ、指導者を遣わさねばならない。」 3 モーセは主の命令に従い、パランの荒れ野から彼らを遣わした。彼らは皆、イスラエルの人々の長である人々であった。 4 その名は次のとおりである。ルベン族では、ザクルの子シャムア、 5 シメオン族では、ホリの子シャファト、 6 ユダ族では、エフネの子カレブ、 7 イサカル族では、ヨセフの子イグアル、 8 エフライム族では、ヌンの子ホシェア、 9 ベニヤミン族では、ラフの子パルティ、 10 ゼブルン族では、ソディの子ガディエル、 11 ヨセフ族すなわちマナセ族では、スシの子ガディ、 12 ダン族では、ゲマリの子アミエル、 13 アシェル族では、ミカエルの子セトル、 14 ナフタリ族では、ボフシの子ナフビ、 15 ガド族では、マキの子ゲウエル。 16 以上は、モーセがその土地の偵察に遣わした人々の名である。モーセは、ヌンの子ホシェアをヨシュアと呼んだ。 17 モーセは、彼らをカナンの土地の偵察に遣わすにあたってこう命じた。「ネゲブに上り、更に山を登って行き、 18 その土地がどんな所か調べて来なさい。そこの住民が強いか弱いか、人数が多いか少ないか、 19 彼らの住む土地が良いか悪いか、彼らの住む町がどんな様子か、天幕を張っているのか城壁があるのか、 20 土地はどうか、肥えているかやせているか、木が茂っているか否かを。あなたたちは雄々しく行き、その土地の果物を取って来なさい。」それはちょうど、ぶどうの熟す時期であった。 21 彼らは上って行って、ツィンの荒れ野からレボ・ハマトに近いレホブまでの土地を偵察した。 22 彼らはネゲブを上って行き、ヘブロンに着いた。そこには、アナク人の子孫であるアヒマンとシェシャイとタルマイが住んでいた。ヘブロンはエジプトのツォアンよりも七年前に建てられた町である。 23 エシュコルの谷に着くと、彼らは一房のぶどうの付いた枝を切り取り、棒に下げ、二人で担いだ。また、ざくろやいちじくも取った。 24 この場所がエシュコルの谷と呼ばれるのは、イスラエルの人々がここで一房(エシュコル)のぶどうを切り取ったからである。 25 四十日の後、彼らは土地の偵察から帰って来た。 26 パランの荒れ野のカデシュにいるモーセ、アロンおよびイスラエルの人々の共同体全体のもとに来ると、彼らと共同体全体に報告をし、その土地の果物を見せた。 27 彼らはモーセに説明して言った。「わたしたちは、あなたが遣わされた地方に行って来ました。そこは乳と蜜の流れる所でした。これがそこの果物です。 […]

民数記 14

民の反抗 1 共同体全体は声をあげて叫び、民は夜通し泣き言を言った。 2 イスラエルの人々は一斉にモーセとアロンに対して不平を言い、共同体全体で彼らに言った。「エジプトの国で死ぬか、この荒れ野で死ぬ方がよほどましだった。 3 どうして、主は我々をこの土地に連れて来て、剣で殺そうとされるのか。妻子は奪われてしまうだろう。それくらいなら、エジプトに引き返した方がましだ。」 4 そして、互いに言い合った。「さあ、一人の頭を立てて、エジプトへ帰ろう。」 5 モーセとアロンは、イスラエルの人々の共同体の全会衆の前でひれ伏していた。 6 土地を偵察して来た者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブは、衣を引き裂き、 7 イスラエルの人々の共同体全体に訴えた。「我々が偵察して来た土地は、とてもすばらしい土地だった。 8 もし、我々が主の御心に適うなら、主は我々をあの土地に導き入れ、あの乳と蜜の流れる土地を与えてくださるであろう。 9 ただ、主に背いてはならない。あなたたちは、そこの住民を恐れてはならない。彼らは我々の餌食にすぎない。彼らを守るものは離れ去り、主が我々と共におられる。彼らを恐れてはならない。」 10 しかし、共同体全体は、彼らを石で打ち殺せと言った。主の栄光はそのとき、臨在の幕屋でイスラエルの人々すべてに現れた。 11 主はモーセに言われた。「この民は、いつまでわたしを侮るのか。彼らの間で行ったすべてのしるしを無視し、いつまでわたしを信じないのか。 12 わたしは、疫病で彼らを撃ち、彼らを捨て、あなたを彼らよりも強大な国民としよう。」 13 モーセは主に訴えた。「エジプト人は、あなたが御力をもって、彼らのうちからこの民を導き上られたことを聞いて、 14 この地方に住む者に伝えます。彼らは、主よ、あなたがこの民のただ中におられ、主よ、あなたが目の当たりに現れられること、また、あなたの雲が民の上にあり、あなたが、昼は雲の柱、夜は火の柱のうちにあって先頭に進まれることを聞いています。 15 もし、あなたがこの民を一挙に滅ぼされるならば、あなたの名声を聞いた諸国民は言うことでしょう。 16 主は、与えると誓われた土地にこの民を連れて行くことができないので、荒れ野で彼らを殺したのだ、と。 17 今、わが主の力を大いに現してください。あなたはこう約束されました。 18 『主は、忍耐強く、慈しみに満ち、罪と背きを赦す方。しかし、罰すべき者を罰せずにはおかれず、父祖の罪を子孫に三代、四代までも問われる方である』と。 19 どうか、あなたの大きな慈しみのゆえに、また、エジプトからここに至るまで、この民を赦してこられたように、この民の罪を赦してください。」 20 主は言われた。「あなたの言葉のゆえに、わたしは赦そう。 21 しかし、わたしは生きており、主の栄光は全地に満ちている。 22 わたしの栄光、わたしがエジプトと荒れ野で行ったしるしを見ながら、十度もわたしを試み、わたしの声に聞き従わなかった者はだれ一人として、 23 わたしが彼らの先祖に誓った土地を見ることはない。わたしをないがしろにする者はだれ一人としてそれを見ることはない。 24 しかし、わたしの僕カレブは、別の思いを持ち、わたしに従い通したので、わたしは彼が見て来た土地に連れて行く。彼の子孫はそれを継ぐ。 25 しかし、今はアマレク人とカナン人とがあの平野に住んでいるから、向きを変え、明日、葦の海の道を通って、荒れ野に向けて出発しなさい。」 26 主はモーセとアロンに仰せになった。 27 「この悪い共同体は、いつまで、わたしに対して不平を言うのか。わたしは、イスラエルの人々がわたしに対して言う不平を十分聞いた。 […]

民数記 15

献げ物に関する補則 1 主はモーセに仰せになった。 2 イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。わたしが与える土地にあなたたちが行って住むとき、 3 特別の誓願を果たすため、あるいは随意の献げ物をささげるとき、または祝日に、牛もしくは羊の群れから取って焼き尽くす献げ物あるいは和解の献げ物とし、燃やして主にささげる宥めの香りとするときには、 4 奉納者は十分の一エファの上等の小麦粉に四分の一ヒンのオリーブ油を混ぜた穀物の献げ物を主に対する献げ物としてささげる。 5 また、焼き尽くす献げ物あるいは和解の献げ物に加え、小羊一匹につき四分の一ヒンのぶどう酒をぶどう酒の献げ物としてささげる。 6 雄羊の場合には、十分の二エファの上等の小麦粉に三分の一ヒンのオリーブ油を混ぜた穀物の献げ物と、 7 三分の一ヒンのぶどう酒をぶどう酒の献げ物として主にささげて、宥めの香りとする。 8 特別の誓願を果たすため、あるいは和解の献げ物として若い雄牛を焼き尽くす献げ物あるいはその他のいけにえとして主にささげるときには、 9 若い雄牛に加えて、十分の三エファの上等の小麦粉に二分の一ヒンのオリーブ油を混ぜた穀物の献げ物と、 10 二分の一ヒンのぶどう酒をぶどう酒の献げ物としてささげる。それは、燃やして主にささげる宥めの香りである。 11 雄牛一頭、あるいは雄羊、小羊、子山羊それぞれ一匹について、以上のようにささげる。 12 すなわち、あなたたちのささげる数に応じて、一匹ごとに、その数に応じて以上のようにささげる。 13 土地に生まれた者はすべて、以上述べたように、燃やして主にささげる宥めの香りをささげる。 14 あなたたちのもとに寄留する者や何代にもわたってあなたたちのもとに住んでいる人も、燃やして主にささげる宥めの香りをささげるときには、あなたたちの場合と同じようにする。 15 会衆は、あなたたちも寄留者も同一の規則に従う。これは代々にわたって守るべき不変の定めである。あなたたちも寄留者も主の前には区別はない。 16 あなたたちも、あなたたちのもとに寄留する者も、同一の指示、同一の法に従わねばならない。 17 主はモーセに仰せになった。 18 イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。わたしが導き入れる土地にあなたたちが入り、 19 そこから得た糧を食べるようになるときには、その一部を献納物として主にささげなさい。 20 初物の麦粉で作った輪形のパンを献納物とし、麦打ち場からの献納物と同じように、それをささげる。 21 あなたたちは、初物の麦粉で作ったものの一部を代々にわたって献納物として主にささげねばならない。 22 あなたたちが過ちを犯し、主がモーセに告げられたこれらすべての命令を守らなかった場合、 23 つまり、主が命じられた時以来、代々にわたってモーセを通してあなたたちに命じられたすべてのことを守らなかった場合、 24 それが共同体の目に触れず、過ってなされたなら、共同体全体は若い雄牛一頭を焼き尽くす献げ物として主にささげる宥めの香りとし、これに加えて、定められたとおりに穀物の献げ物、ぶどう酒の献げ物をささげ、更に、雄山羊一匹を贖罪の献げ物としてささげる。 25 祭司がイスラエルの人々の共同体全体のために贖いの儀式をすると、彼らの罪は赦される。それは過失だからである。彼らは献げ物を燃やして主にささげる。それは贖罪の献げ物であって、彼らの過失のために主の御前にささげるものである。 26 イスラエルの人々の共同体全体の罪およびあなたたちのもとに寄留する者の罪は、こうして赦される。これは、過失が民全体に及ぶ場合である。 27 もし、個人が過って罪を犯したときは、一歳の雌山羊一匹を贖罪の献げ物としてささげなさい。 […]

民数記 16

コラ、ダタン、アビラムの反逆 1 さて、レビの子ケハトの孫でイツハルの子であるコラは、ルベンの孫でエリアブの子であるダタンとアビラム、およびペレトの子であるオンと組み、 2 集会の召集者である共同体の指導者、二百五十名の名のあるイスラエルの人々を仲間に引き入れ、モーセに反逆した。 3 彼らは徒党を組み、モーセとアロンに逆らって言った。「あなたたちは分を越えている。共同体全体、彼ら全員が聖なる者であって、主がその中におられるのに、なぜ、あなたたちは主の会衆の上に立とうとするのか。」 4 モーセはこれを聞くと、面を伏せた。 5 彼はコラとその仲間すべてに言った。「主は明日の朝、主に属する者、聖とされる者を示して、その人を御自身のもとに近づけられる。すなわち、主のお選びになる者を御自身のもとに近づけられる。 6 次のようにしなさい。コラとその仲間はすべて香炉を用意し、 7 それに炭火を入れ、香をたいて、明日、主の御前に出なさい。そのとき主のお選びになる者が聖なる者なのだ。レビの子らよ、分を越えているのはあなたたちだ。」 8 モーセは更に、コラに言った。「レビの子らよ、聞きなさい。 9 イスラエルの神はあなたたちをイスラエルの共同体から取り分けられた者として御自身のそばに置き、主の幕屋の仕事をし、共同体の前に立って彼らに仕えさせられる。あなたたちはそれを不足とするのか。 10 主は、あなたとあなたの兄弟であるレビの子らをすべて御自身のそばに近づけられたのだ。その上、あなたたちは祭司職をも要求するのか。 11 そのために、あなたとあなたの仲間はすべて、主に逆らって集結したのか。アロンを何と思って、彼に対して不平を言うのか。」 12 モーセは人をやって、エリアブの子であるダタンとアビラムを呼び寄せようとしたが、彼らは言った。「我々は行かない。 13 あなたは我々を乳と蜜の流れる土地から導き上って、この荒れ野で死なせるだけでは不足なのか。我々の上に君臨したいのか。 14 あなたは我々を乳と蜜の流れる土地に導き入れもせず、畑もぶどう畑も我々の嗣業としてくれない。あなたはこの人々の目をえぐり出すつもりなのか。我々は行かない。」 15 モーセは激しく憤って主に言った。「彼らの献げ物を顧みないでください。わたしは彼らから一頭のろばも取ったことはなく、だれをも苦しめたことはありません。」 16 モーセはコラに言った。「明日、あなたとあなたの仲間すべて、すなわち、あなたも彼らも、アロンと共に主の御前に出なさい。 17 あなたたちは、おのおの香炉を取り、それに香を載せ、主の御前に持って来なさい。おのおの一つずつ、二百五十の香炉を持ち、あなたもアロンもそれぞれ自分の香炉を持って来なさい。」 18 彼らはおのおの香炉を取り、それに炭火を入れ、香を載せ、モーセとアロンと共に臨在の幕屋の入り口に立った。 19 コラは共同体全体を集め、臨在の幕屋の入り口でモーセとアロンに相対した。主の栄光はそのとき、共同体全体に現れた。 20 主はモーセとアロンに仰せになった。 21 「この共同体と分かれて立ちなさい。わたしは直ちに彼らを滅ぼす。」 22 彼らはひれ伏して言った。「神よ、すべて肉なるものに霊を与えられる神よ。あなたは、一人が罪を犯すと、共同体全体に怒りを下されるのですか。」 23 主はモーセに仰せになった。 24 「コラ、ダタン、アビラムの住まいの周りから離れるよう、共同体に告げなさい。」 25 モーセは立ち上がり、ダタンとアビラムのところに向かった。イスラエルの長老たちもついて行った。 26 彼は共同体に言った。「この神に逆らう者どもの天幕から離れなさい。彼らの持ち物には一切触れてはならない。さもないと、彼らの罪のために、あなたたちは滅びる。」 27 彼らはコラ、ダタン、アビラムの住まいから離れた。ダタンとアビラムは、妻子、幼児と一緒に出て来て、天幕の入り口に立った。 […]

民数記 17

香炉 1 主はモーセに仰せになった。 2 「祭司アロンの子エルアザルに告げ、焼け跡から香炉を取り出し、炭火は遠くにまき散らすように言いなさい。香炉は既に聖なるものとなっている。 3 命を落とした罪人たちの香炉を打ち延ばして板金にし、祭壇の覆いを作りなさい。それらは、主の御前にささげられ、聖なるものとされているからである。これは、イスラエルの人々に対する警告のしるしとなるであろう。」 4 祭司エルアザルは、焼き殺された人々がささげた青銅の香炉を集め、打ち延ばして板金にし祭壇の覆いを作った。 5 これは、アロンの子孫以外の者が主の御前に近づき、香をささげてはならないことをイスラエルの人々に思い起こさせるためであり、コラとその仲間のようにならないためであった。それは、モーセを通してエルアザルに語られた主の言葉どおり作られた。 アロン、民を救う 6 その翌日、イスラエルの人々の共同体全体は、モーセとアロンに逆らって、「あなたたちは主の民を殺してしまったではないか」と不平を言った。 7 彼らがモーセとアロンに逆らって集結し、臨在の幕屋の方を向くと、見よ、雲がそれを覆い、主の栄光が現れていた。 8 モーセとアロンが臨在の幕屋の前に進み出ると、 9 主はモーセに仰せになった。 10 「この共同体から離れなさい。わたしは直ちに彼らを滅ぼす。」二人はひれ伏した。 11 モーセはアロンに言った。「香炉を取り、それに祭壇の火を入れ、香を載せ、急いで共同体のもとに行って、彼らのために罪を贖う儀式を行いなさい。主の御前から怒りが出て、もう疫病が始まっている。」 12 アロンは、モーセの命令どおりに行い、集結している人々の中へ走って行った。疫病は既に民の間に広がり始めていた。アロンが香をたき、民のために罪を贖う儀式を行い、 13 死んだ者と生きている者との間に立つと、災害は治まった。 14 この災害による死者の数は一万四千七百人であった。コラの事件による死者はこの数に含まれていない。 15 アロンは臨在の幕屋の入り口にいるモーセのもとに帰った。災害はこうして治まった。 アロンの杖 16 主はモーセに仰せになった。 17 イスラエルの人々にこう告げなさい。彼らのうちから、父祖の家ごとに杖を一本ずつ取りなさい。すなわち、彼らの父祖の家の指導者すべてから十二本の杖を取り、その杖におのおのの名前を書き記し、 18 レビの杖にはアロンの名を記しなさい。父祖の家の長は杖を一本ずつ持つべきだからである。 19 それを、わたしがあなたたちと出会う臨在の幕屋の中の掟の箱の前に置きなさい。 20 わたしの選ぶ者の杖は芽を吹くであろう。わたしはこうして、あなたたちに対して続いたイスラエルの人々の不平を取り除こう。 21 モーセがイスラエルの人々に告げると、指導者は皆、部族ごとに、父祖の家ごとに、指導者一人に一本ずつ、合計十二本の杖を彼に渡した。アロンの杖もその中にあった。 22 モーセはそれを掟の幕屋の主の御前に置いた。 23 明くる日、モーセが掟の幕屋に入って行き、見ると、レビの家のアロンの杖が芽を吹き、つぼみを付け、花を咲かせ、アーモンドの実を結んでいた。 24 モーセが杖をすべて、主の御前からイスラエルの人々のところへ持ち出したので、彼らは、各自自分の杖を見分けて取った。 25 主はモーセに言われた。「アロンの杖を掟の箱の前に戻し、反逆した者たちに対する警告のしるしとして保管しなさい。そうすれば、わたしに対する不平がやみ、彼らが死ぬことはない。」 26 モーセは、主が命じられるままにし、そのとおりにした。 […]

民数記 18

1 主はアロンに言われた。「あなたとあなたの子ら、ならびにあなたの父祖の家の者らは、共に聖所に関する罪責を負わねばならない。また、あなたとあなたの子らは、共に祭司職に関する罪責を負わねばならない。 2 あなたの同族、すなわちあなたの父祖の部族であるレビ族の者たちをも用いて、身近な助け手とし、あなたとあなたの子らと共に掟の幕屋の前で仕えさせなさい。 3 彼らはあなたの務めを助け、幕屋全般の務めを果たす。しかし彼らは、聖所の祭具および祭壇に近づいてはならない。彼らもあなたたちも、死ぬことのないためである。 4 彼らはあなたの助け手として、臨在の幕屋の務めを果たし、幕屋のすべての作業に従事する。一般の人はあなたたちに近づいてはならない。 5 あなたたちが聖所の務めと祭壇の務めを果たす。そうすれば、怒りが再びイスラエルの人々に臨むことはないであろう。 6 見よ、わたしはあなたの同族であるレビ人をイスラエルの人々の中から選びとった。彼らは、臨在の幕屋の作業に従事するために、主に属する者としてあなたたちに与えられた者である。 7 ただし、祭壇および垂れ幕の奥にかかわる事柄についてはすべて、あなたとあなたと共にいるあなたの子らが祭司の務めを果たし、作業をせねばならない。わたしは祭司職を賜物としてあなたたちに与える。一般の人が近づけば、死刑に処せられる。」 8 主は更に、アロンに仰せになった。「見よ、あなたには、イスラエルの人々が聖なる献げ物としてささげる献納物の管理を任せ、その一部を定められた分として、あなたとあなたの子らに与える。これは不変の定めである。 9 神聖な献げ物のうちで、燃やしてしまわずにあなたのものとなるのは次のとおりである。神聖なものとしてわたしにささげられたすべての献げ物、すなわち穀物の献げ物、贖罪の献げ物、賠償の献げ物は、あなたとあなたの子らのものである。 10 あなたはそれを神聖なものとして食べねばならない。男子だけがそれを食べることができる。それは、あなたにとって聖なるものである。 11 次のもの、すなわち彼らの贈り物である献納物、イスラエルの人々がささげた奉納物はすべてあなたのものである。わたしは、あなたとあなたと共にいるあなたの息子たち、娘たちにそれを与える。それは不変の定めである。あなたの家族のうちの清い者はだれでもそれを食べることができる。 12 最上のオリーブ油、極上の新しいぶどう酒、穀物など、主にささげられた初物はすべて、あなたに与える。 13 彼らの土地にできた初物で、彼らが主に携えるものはすべて、あなたのものとなる。あなたの家族のうちの清い者はだれでもそれを食べることができる。 14 イスラエルにおいて奉納されたものはすべて、あなたのものとなる。 15 人であれ、家畜であれ、主にささげられる生き物の初子はすべて、あなたのものとなる。ただし、人の初子は必ず贖わねばならない。また、汚れた家畜の初子も贖わねばならない。 16 初子は、生後一か月を経た後、銀五シェケル、つまり一シェケル当たり二十ゲラの聖所シェケルの贖い金を支払う。 17 しかし、牛、羊、山羊の初子は、贖ってはならない。これらは聖なるものである。その血を祭壇に振りかけ、その脂肪を焼いて煙にする。これは、燃やして主にささげる宥めの香りである。 18 肉は、奉納物の胸の肉や右後ろ肢の場合と同じく、あなたのものとなる。 19 イスラエルの人々が主にささげる聖なる献納物はすべて、あなたとあなたと共にいる息子たち、娘たちに与える。これは不変の定めである。これは、主の御前にあって、あなたとあなたと共にいるあなたの子孫に対する永遠の塩の契約である。」 20 主はアロンに言われた。「あなたはイスラエルの人々の土地のうちに嗣業の土地を持ってはならない。彼らの間にあなたの割り当てはない。わたしが、イスラエルの人々の中であなたの受けるべき割り当てであり、嗣業である。 21 見よ、わたしは、イスラエルでささげられるすべての十分の一をレビの子らの嗣業として与える。これは、彼らが臨在の幕屋の作業をする報酬である。 22 従って、イスラエルの人々はもはや臨在の幕屋に近づいてはならない。罪を犯して死を招くことのないためである。 23 レビ人のみが臨在の幕屋の作業をし、その罪責を負わねばならない。これは、代々にわたって守るべき不変の定めである。彼らは、イスラエルの人々の間では嗣業の土地を持ってはならない。 24 わたしは、イスラエルの人々が主にささげる献納物の十分の一をレビ人に彼らの嗣業として与えるからである。それゆえ、わたしは彼らに、イスラエルの人々の間では嗣業の土地を持ってはならない、と言ったのである。」 25 主はモーセに仰せになった。 26 レビ人に告げてこう言いなさい。わたしがあなたたちの嗣業として与えた十分の一を、あなたたちがイスラエルの人々から受け取るとき、そのうちの十分の一を主にささげる献納物としなさい。 27 あなたたちの献納物は脱穀したばかりの穀物や搾りたてのぶどう酒と同じものと見なされる。 28 […]

民数記 19

清めの水 1 主はモーセとアロンに仰せになった。 2 主の命じる教えの規定は次のとおりである。イスラエルの人々に告げて、まだ背に軛を負ったことがなく、無傷で、欠陥のない赤毛の雌牛を連れて来させなさい。 3 それを祭司エルアザルに引き渡し、宿営の外に引き出して彼の前で屠る。 4 祭司エルアザルは、指でその血を取って、それを七度、臨在の幕屋の正面に向かって振りまく。 5 そして、彼の目の前でその雌牛を焼く。皮も肉も血も胃の中身も共に焼かねばならない。 6 祭司は、杉の枝、ヒソプ、緋糸を取って、雌牛を焼いている火の中に投げ込む。 7 祭司は自分の衣服を洗い、体に水を浴びた後、宿営に入ることができる。しかし、祭司は夕方まで汚れている。 8 雌牛を焼いた者も、自分の衣服を水洗いし、体に水を浴びる。彼は夕方まで汚れている。 9 それから、身の清い人が雌牛の灰を集め、宿営の外の清い所に置く。それは、イスラエルの人々の共同体のために罪を清める水を作るために保存される。 10 雌牛の灰を集めた者は自分の衣服を洗う。彼は夕方まで汚れている。これは、イスラエルの人々にとっても、彼らのもとに寄留する者にとっても不変の定めである。 11 どのような人の死体であれ、それに触れた者は七日の間汚れる。 12 彼が三日目と七日目に罪を清める水で身を清めるならば、清くなる。しかし、もし、三日目と七日目に身を清めないならば、清くならない。 13 すべて、死者の体に触れて身を清めない者は、主の幕屋を汚す。その者はイスラエルから断たれる。清めの水が彼の上に振りかけられないので、彼は汚れており、汚れがなお、その身のうちにとどまっているからである。 14 人が天幕の中で死んだときの教えは次のとおりである。そのとき天幕に入った者、あるいはその中にいた者はすべて、七日の間汚れる。 15 また、蓋をしていなかった、開いた容器もすべて汚れる。 16 野外で剣で殺された者や死体、人骨や墓に触れた者はすべて、七日の間汚れる。 17 それらの汚れたもののためには、罪の清めのために焼いた雌牛の灰の一部を取って容器に入れ、それに新鮮な水を加える。 18 身の清い人がヒソプを取ってその水に浸し、天幕とすべての容器およびそこにいた人々に振りかける。更に、人骨、殺された者、死体あるいは墓に触れた者に振りかける。 19 三日目と七日目に、身の清い人が汚れた者に振りかける。汚れた者は、七日目に身を清め、衣服を洗い、体に水を浴びると、夕方には清くなる。 20 しかし、汚れた者で、身を清めない者は、会衆の中から断たれる。主の聖所を汚したからである。清めの水が彼の上に振りかけられなかったので、彼は汚れている。 21 これは、彼らの守るべき不変の定めである。清めの水を振りかける人は自分の衣服を洗う。清めの水に触れた者は夕方まで汚れる。 22 汚れた者が触れるものはすべて汚れる。またそれに触れる者も夕方まで汚れる。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/NUM/19-3c893bcf77568df88196eea3b9e84d98.mp3?version_id=1819—

民数記 20

メリバの水 1 イスラエルの人々、その共同体全体は、第一の月にツィンの荒れ野に入った。そして、民はカデシュに滞在した。ミリアムはそこで死に、その地に埋葬された。 2 さて、そこには共同体に飲ませる水がなかったので、彼らは徒党を組んで、モーセとアロンに逆らった。 3 民はモーセに抗弁して言った。「同胞が主の御前で死んだとき、我々も一緒に死に絶えていたらよかったのだ。 4 なぜ、こんな荒れ野に主の会衆を引き入れたのです。我々と家畜をここで死なせるためですか。 5 なぜ、我々をエジプトから導き上らせて、こんなひどい所に引き入れたのです。ここには種を蒔く土地も、いちじくも、ぶどうも、ざくろも、飲み水さえもないではありませんか。」 6 モーセとアロンが会衆から離れて臨在の幕屋の入り口に行き、そこにひれ伏すと、主の栄光が彼らに向かって現れた。 7 主はモーセに仰せになった。 8 「あなたは杖を取り、兄弟アロンと共に共同体を集め、彼らの目の前で岩に向かって、水を出せと命じなさい。あなたはその岩から彼らのために水を出し、共同体と家畜に水を飲ませるがよい。」 9 モーセは、命じられたとおり、主の御前から杖を取った。 10 そして、モーセとアロンは会衆を岩の前に集めて言った。「反逆する者らよ、聞け。この岩からあなたたちのために水を出さねばならないのか。」 11 モーセが手を上げ、その杖で岩を二度打つと、水がほとばしり出たので、共同体も家畜も飲んだ。 12 主はモーセとアロンに向かって言われた。「あなたたちはわたしを信じることをせず、イスラエルの人々の前に、わたしの聖なることを示さなかった。それゆえ、あなたたちはこの会衆を、わたしが彼らに与える土地に導き入れることはできない。」 13 これがメリバ(争い)の水であって、イスラエルの人々が主と争った所であり、主が御自分の聖なることを示された所である。 エドム王との交渉 14 モーセはカデシュからエドム王に使者を遣わした。「あなたの兄弟であるイスラエルはこう申します。あなたは、わたしたちの上にふりかかった患難をすべてご存じのことでしょう。 15 わたしたちの先祖はエジプトに下り、長年、エジプトに住んでおりました。エジプト人がわたしたちの先祖もわたしたちも苦しめたので、 16 主に助けを求めて叫びますと、主はわたしたちの声を聞いて御使いを遣わし、エジプトから導き出してくださいました。今、わたしたちは、あなたの国境に近いカデシュの町におります。 17 どうか、あなたの領土を通過させてください。畑やぶどう畑の中を通ったり井戸の水を飲んだりしません。あなたの領土を通過するまで、右にも左にも曲がることなく、『王の道』を通って行きます。」 18 エドム人は彼に答えた。「わたしの領内を通ってはならない。もし、通るようなことがあれば、剣をとってお前を迎え撃つ。」 19 イスラエルの人々は言った。「わたしたちは広い道を通りますし、その際、わたしや家畜があなたの水を飲むことがあれば、その代価は支払います。徒歩で通過するだけです。取るに足らぬことです。」 20 しかしエドム人は、「通過してはならない」と言い、強力な軍勢を率いて迎え撃とうとした。 21 エドム人はこのように、自分の領土をイスラエルが通過することを許さず、イスラエルは迂回しなければならなかった。 アロンの死 22 イスラエルの人々、その共同体全体はカデシュを旅立って、ホル山に着いた。 23 ホル山はエドム領との国境にあり、ここで、主はモーセとアロンに言われた。 24 「アロンは先祖の列に加えられる。わたしがイスラエルの人々に与える土地に、彼は入ることができない。あなたたちがメリバの水のことでわたしの命令に逆らったからだ。 25 アロンとその子エルアザルを連れてホル山に登り、 26 アロンの衣を脱がせ、その子エルアザルに着せなさい。アロンはそこで死に、先祖の列に加えられる。」 […]