知恵の書 13

自然崇拝 1 神を知らない人々は皆、生来むなしい。彼らは目に見えるよいものを通して、/存在そのものである方を知ることができず、/作品を前にしても作者を知るに至らなかった。 2 かえって火や風や素早く動く空気、/星空や激しく流れる水、/天において光り輝くものなどを、/宇宙の支配者、神々と見なした。 3 その美しさに魅せられて/それらを神々と認めたなら、/それらを支配する主が/どれほど優れているかを知るべきだった。美の創始者がそれらを造られたからである。 4 もし宇宙の力と働きに心を打たれたなら、/天地を造られた方がどれほど力強い方であるか、/それらを通して知るべきだったのだ。 5 造られたものの偉大さと美しさから推し量り、/それらを造った方を認めるはずなのだから。 6 とはいえ、この人々の責めは軽い。神を探し求めて見いだそうと望みながらも、/彼らは迷っているのだ。 7 造られた世界にかかわりつつ探求を続けるとき、/目に映るものがあまりにも美しいので、/外観に心を奪われてしまうのである。 8 だからといって彼らも弁解できるわけではない。 9 宇宙の働きを知り、/それを見極めるほどの力があるなら、/なぜそれらを支配する主を/もっと早く見いだせなかったのか。 偶像崇拝 10 命のないものに望みをかける人々は惨めだ。彼らは、人の手で造られたものを神々と呼ぶ。技術の生み出した金銀の作品、/動物の像、/昔の人が加工した役に立たない石などを。 11 一人のきこりが手ごろな木を切り出し、/その皮をすべて念入りにはぎ、/巧みに手を加えて、/生活に役立つ器具を造り上げた。 12 仕事に使った木材の余りを燃やして、/食事を準備し、空腹を満たそうとした。 13 そのまた残りの、何の役にも立たない/ねじ曲がった、節目だらけの木片を、/仕事の合間に取り上げて注意深く彫った。暇つぶしとして巧みに形を整え、/それを人の姿に造り上げた。 14 取るに足りない何かの動物に似せ、/朱を使って表面を赤く色づけ、/汚れをすべて塗り隠した。 15 ふさわしい住みかをしつらえ、/壁の中に据え置いて、金具で固定した。 16 こうして、木像が落ちないように工夫した。その像が自分では何もできないことを/彼は知っていたからである。それは像にすぎず、人の助けを必要とする。 17 財産、結婚、子供のことで彼はその像に祈り、/魂のないものに語りかけるのを恥としない。その弱い像に健康を願い、 18 命のないものに命を乞い、/全く経験のないものに助けを求め、/自分の足さえ使えないものに旅の安全を祈る。 19 商売や事業や仕事の成功のために、/手を差し伸べる力もないものに彼は力を求める。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/WIS/13-c0ee07923ba0c0963f508d67a0205c8c.mp3?version_id=1819—

知恵の書 14

1 航海に出て荒波を越え行こうとする人は、/自分を運ぶ船よりももろい船首の木の像に/助けを求める。 2 利益を求める人間の欲望が船を考え出し、/船大工の知恵がそれを造った。 3 しかし父よ、船を導くのはあなたの摂理。あなたは海の中にも道を設け、/波の中にも安全な小道を造られた。 4 人をあらゆる危険から救う力のあることを/あなたは示されたので、/航海の技術のない者でも船に乗れる。 5 あなたは知恵の働きのやむことを望まれない。そのため人は極めて小さな船板にさえも命を託し、/木の舟で波を乗り越えて無事に航海ができた。 6 その昔、高慢な巨人たちが滅びたとき、/世の希望であったあの人は木の舟で難を逃れ、/御手に導かれ、後に続く世代の種を世に残した。 7 義を実現させたその木は祝福される。 8 しかし人の手で造られた偶像は、/その作者と共に呪われる。作者はそれを造ったからであり、偶像は/朽ちるものなのに神と呼ばれたからである。 9 神は不信仰な人も、その不信仰な行為をも/同じく憎まれる。 10 造られた物も造った人も共に罰を受ける。 11 そのため諸国の民の偶像にも裁きが下る。偶像は、被造物の中で忌むべきものとなり、/人の魂にとっては罪のもと、/愚か者の足にとっては罠となったからである。 偶像崇拝の起こり 12 偶像を考えつくことから姦淫が始まり、/偶像を造り出すことによって生活が堕落する。 13 偶像は初めからあったものではなく、/いつまでも続くものでもない。 14 それは人間の虚栄によって世に入って来た。だから速やかに滅びるように定められている。 15 息子の予期せぬ若死にに打ちのめされた父親が、/あまりにも早く取り去られたわが子の肖像を造り、/死んでしまった人間を今や神としてあがめ、/家の者たちに儀式や犠牲を義務づけた。 16 時とともに神を汚すしきたりが力を得、/法として守られるようになった。こうして、刻まれた像が支配者たちの命令で/礼拝されるようになり、 17 遠くに住んでいるために、直接支配者たちを/見て敬うことのできない人々は、/離れたところにいる彼らの姿を表すために、/尊敬すべき王に生き写しの肖像を造り上げた。その場にいない者を、あたかもいるかのように/熱心にへつらいあがめるためである。 18 偶像造りの野心は、/王を知らない人々をも駆り立てて、/偶像崇拝を広めさせた。 19 彼は権力者に取り入るため、腕を振るって/肖像を実際よりも美しいものに造り上げた。 20 多くの人は職人の見事なわざに引かれ、/先程まで人間として敬っていた者を、/今や、礼拝の対象と見なすようになった。 21 このことは人の生涯にとって罠となった。災難や権力に支配された人々が、/神聖な名を石や木に与えたから。 偶像崇拝の結果 22 彼らは神を知る点で間違っただけではない。無知から生じた大きな戦いのうちに生きながら、/次のようなひどい悪事を平和と呼んでいる。 23 彼らは幼児殺しの犠牲や密儀、/奇怪なしぐさを伴うみだらな酒宴を行う。 24 生活も結婚も清くは保たず、/裏切って殺し合い、姦淫を犯しては苦しめ合う。 25 流血と殺害、盗みと偽りが至るところにあり、/堕落、不信、騒動、偽証、 26 善人への迫害、恩恵の忘却、/魂の汚染、性の倒錯、/結婚の乱れ、姦淫、好色が至るところにある。 27 […]

知恵の書 15

神は不滅を与えてくださる 1 神よ、あなたは慈しみ深く、真実な方。怒るに遅く、すべてを治める憐れみ深い方。 2 わたしたちは、たとえ罪を犯しても、/あなたのもの。あなたの力を知っている。でもわたしたちは罪は犯さない。あなたに属することを知っているから。 3 あなたを知ることこそ全き義、/あなたの力をわきまえることこそ不滅のもと。 4 人間の悪い思いつきも、/画家たちの無駄な労苦も、/さまざまな色で塗りたくられた肖像も、/わたしたちを迷わすことはなかった。 5 愚か者はそれらを見て欲望をそそられ、/魂の欠けた、命のない肖像にあこがれる。 6 偶像を造る者、あこがれる者、あがめる者は、/悪を愛する者たちで、/このようなむなしい希望に似つかわしい。 偶像崇拝の愚かさ 7 焼き物師は苦労して粘土をこね、/生活に役立つものを一つ一つこしらえる。同じ材料の土から、/高尚な用途のための器と、/そうでない器とが同じように造られる。それら一つ一つの用途を決めるのは、/焼き物師自身だ。 8 彼はまた、不当な労力を用いて、/同じ粘土からむなしい神を造り上げる。焼き物師自身、少し前に土から生まれ、/しばらくすればまた元の土に戻る。借りていた魂の返済を求められるからだ。 9 しかし、彼が気にかけているのは、/病に倒れることでも、余命の短いことでもない。金銀の細工師と技を競うこと、/銅の細工師をまねることである。彼は偽物造りを栄誉とする。 10 彼の心は灰、その希望は土よりもむなしく、/その命は泥よりも卑しい。 11 なぜなら、自分を造ってくださった方、/活動する魂を吹き込んでくださった方、/生かす霊を注いでくださった方を、/知るに至らなかったからである。 12 かえって人生を遊び事と見なし、/生活を金もうけのできる催し物と考えて、/どんなことからも、たとえ悪からでも、/利を得るべきだと言う。 13 自分が罪を犯していることを、/彼は他のだれよりも知っている。土を材料にして、器と偶像を造ったから。 エジプト人への罰とイスラエル人への恵み 14 最も愚かで、赤子の魂よりも哀れなものは、/あなたの民を虐げるあの敵どもである。 15 諸国民の偶像をみな神々と見なした。その偶像は、目があっても見ることができず、/鼻があっても息ができず、/耳があっても聞くことができず、/手に指があっても触ることができず、/足があっても歩くことができない。 16 偶像を造ったのは人間、/霊を貸し与えられている人間がそれを造った。人は、自分に等しい神をさえ造れないのだ。 17 死すべき人間が、/その不法の手で造り出す偶像には、命がない。拝まれる偶像より、人間の方が価値がある。人間には命があるが、偶像にはないからだ。 18 最も忌まわしい動物、/他の動物よりずっと愚かなものを、彼らは拝む。 19 それらは、人の目を喜ばせるような、/動物としての魅力さえ欠いており、/神の称賛と祝福から見放されている。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/WIS/15-5171217598d39b811d40d3f01b66e1de.mp3?version_id=1819—

知恵の書 16

1 このため彼らは、そのような動物によって/当然の罰を受け、/多くの生き物によって苦しめられた。 2 これらの罰とは逆に、/あなたは御自分の民には恵みを与え/旺盛な食欲を満たすうずらを/珍味な食物として与えてくださった。 3 まさに食事をしようとしていたあの敵どもは、/送られてきた生き物のあまりの醜さに、/せっかくの食欲さえ失った。それにひきかえ、この民は/しばらくひもじい思いをした後に、/珍味な食物にありついた。 4 圧迫者たちは困窮を味わうことが必要だったが、/この民は、敵がいかに苦しめられたかを/示されるだけで十分だった。 5 動物の恐るべき怒りがこの民を襲い、/彼らがくねった毒蛇にかまれて/滅びようとしたとき、/あなたの怒りは途中でやんだ。 6 彼らは懲らしめられてしばらくの間動揺したが、/あなたの律法の戒めを思い出させる/救いのしるしが与えられた。 7 そのしるしを仰ぎ見た者は、/目に映ったしるしによってではなく、/万物の救い主であるあなたによって救われた。 8 これによってあなたは、敵どもに示された、/御自分がすべての悪から人を救う方であることを。 9 彼らは、いなごとあぶに襲われて死んだ。彼らを救う手だてはなく、/そのような罰は当然だった。 10 しかし、あなたの子らには/毒蛇の牙も勝てなかった。あなたの憐れみが下り、彼らをいやしたからだ。 11 彼らがかまれて、またすぐいやされたのは、/あなたの言葉を思い出させるためだった。忘却の淵に沈められることなく、/あなたの恵みから外されることのないためだ。 12 主よ、彼らをいやしたのは、/薬草や塗り薬ではなく、/すべてをいやすあなたの言葉であった。 13 あなたは生死をつかさどる権能をもち、/人を陰府の門まで連れ行き、また連れ戻される。 14 しかし、人は悪意から他人を殺せたとしても、/去って行った霊を連れ戻すことはできず、/陰府に閉じ込められた魂を/解放することもできない。 15 あなたの手から逃れることは不可能だ。 16 あなたを認めようとしない不信仰な人々は、/御腕の力で罰せられ、/時ならぬ雨や雹、それに無情な嵐に悩まされ、/火で焼き尽くされてしまった。 17 すべてを消す水の中でも/不思議なことにその火はますます強くなる。神に従う人に全宇宙が味方するからだ。 18 時として、炎は弱まるが、/それは不信仰な者に罰として送られた動物が/焼き尽くされてしまわないためである。また、神の裁きが迫っていることを、/それを見る敵どもに悟らせるためである。 19 ときには水の中でさえ、/火はその力を超えて燃え盛った。悪人の地の作物を焼き尽くすために。 20 他方、あなたは天使の食物で民を養われ、/神が用意された天のパンを、/民は苦労することなく手に入れた。それはこの上なく美味で、だれの口にも合った。 21 この食べ物は、子らへのあなたの優しさを表し、/それを食べる人の好みに応じて、/望みの味に変わった。 22 雪と氷は火に耐えて解けなかった。それは、雹の降る中で燃え盛る火、/雨の中で輝く火が、/敵どもの収穫を台なしにしたことを、/民に知らせるためであった。 23 それにひきかえ、神に従う人々を養うために、/火は本来の力をさえ忘れてしまった。 自然は主に仕える 24 実に被造物は創造主であるあなたに仕え、/あなたに逆らう者を罰するためには/厳しいものとなり、/あなたに信頼する人を恵むためには/優しいものとなる。 25 それゆえ被造物はあのときもあらゆる形をとり、/万物を賜物によって養うあなたの僕となって、/逆境にある人々の望みに応じた。 26 主よ、それはあなたの愛された子らが/学ぶためであった。人を養うのはもろもろの収穫物ではなく、/信じる人を守るあなたの言葉であることを。 27 なぜなら火によっても解けなかったものが、/太陽のわずかな光で暖められただけで、/すぐに解けてしまったからである。 […]

知恵の書 17

光と闇 1 あなたの裁きは偉大で、究め尽くせない。そのため、教訓を拒んだ魂は、迷いに陥った。 2 律法のない者たちは、/聖なる民を制圧できると考えた。だが、闇に縛られ、長い夜に捕らえられて、/家の中に閉じ込められ、不変の摂理から外された。 3 彼らはひそかに行っていたあの罪の中に、/忘却の暗い覆いの中に隠れうると考えた。しかし、彼らは打ち散らされ、恐怖に取りつかれて、/幻覚におびえた。 4 彼らが身を寄せた隠れがも、/恐怖から守ってはくれなかった。恐ろしい音が周囲で鳴り響き、/悲しげな顔つきの不気味な亡霊が現れた。 5 火は光を発する力がなく、/輝く星のきらめきも、/あの恐るべき夜を照らすことはできなかった。 6 彼らの前には、自然に発した/恐ろしい火が現れた。彼らは、本当は見ていないその光景を、恐れ、/目に映ったものがいっそう恐ろしく感じられた。 7 彼らの魔術は威力を失い、/その思い上がった考えをとがめられて恥を受けた。 8 傷ついた魂の/恐れと煩いを取り除くと豪語した彼ら自身が、/取るに足らぬ恐れに傷ついた。 9 驚き、恐れさせるものは何もなかったのに、/彼らは獣の動きや、蛇の発する音におびえ、 [10]おののきつつ死んでいった。避けることのできない周りの空気にさえ/顔を背けようとしたのだ。 10 [11]悪は、自らの証言によって断罪されるとき、おびえ、/良心のとがめを受けるとき、/いっそう不安にかられる。 11 [12]恐れとは、まさに理性の助けを捨てることである。 12 [13]理性の助けに頼る心が弱ければ弱いほど、/苦しみの原因がますます分からなくなる。 13 [14]彼らは、何もできなかったあの夜、/無力な陰府の深みから出て来たあの夜の間、/皆一斉に眠り込み、 14 [15]奇怪な亡霊に悩まされるか、/気力を失って身動きできなくなるかして、/突然、予期しなかった恐怖に捕らえられた。 15 [16]こうして、その場にいた人は皆倒れ、/鉄格子のない牢獄に閉じ込められた。 16 [17]農夫であれ、牧者であれ、/人里離れた場所で苦労して働く者であれ、/この避けられない運命に見舞われた。 17 [18]いずれも同じ闇の鎖につながれたのだ。吹く風の音、/葉の茂る枝に飛び交う鳥の心地よい歌声、/力強く流れる水の調べ、 18 [19]崩れ落ちる岩石の乾いた音、/跳びはねる動物の気配、/凶暴な野獣のうなり声、/山の洞窟にこだまするやまびこ、/これらが彼らを恐怖で金縛りにした。 19 [20]全世界は輝かしい光に照らされ、/何の妨げもなく活動していた。 20 [21]それなのに、彼らの上には/夜が重くのしかかっていた。彼らを包み込もうとする暗闇の前ぶれが。しかし彼らは闇よりも/自分自身を重荷に感じていた。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/WIS/17-54e6989910bcdc4a73546595317eb214.mp3?version_id=1819—

知恵の書 18

1 あなたに清められた人々に大いなる光が輝いた。敵どもは、彼らの姿を見なくても、声を聞き、/これほどの苦しみは味わわなかったと、/彼らを幸せな者と呼んだ。 2 迫害されても、仕返ししない彼らに、/敵どもは感謝した。そして、不和であったことの赦しを願った。 3 あなたは、御民には燃える火の柱を与えて、/未知の旅の案内者とし、/栄えある放浪の旅の、/彼らを苦しめることのない太陽とされた。 4 他方敵どもは、当然なことに光を奪われ、/闇につながれた。あなたの子らをとりこにしたからである。あなたの子らこそ律法の不滅の光を/世に伝えるはずであった。 敵の死と民の救い 5 あなたに清められた人々の乳飲み子たちを、/彼らは殺そうとした。そのとき一人の子が捨てられて、救われた。あなたは罰として、彼らの多くの子供を奪い、/また大波で彼らを一挙に滅ぼされた。 6 あの夜のことは、我々の先祖たちに/前もって知らされており、/彼らはあなたの約束を知って/それを信じていたので、/動揺することなく安心していられた。 7 神に従う人々の救いと、敵どもの滅びを、/あなたの民は待っていた。 8 あなたは、反対者への罰に用いたその出来事で、/わたしたちを招き、光栄を与えてくださった。 9 善き民の清い子らは、ひそかにいけにえを献げ、/神聖な掟を守ることを全員一致で取り決めた。それは、聖なる民が、順境も逆境も/心を合わせて受け止めるということである。そのとき彼らは先祖たちの賛歌をうたっていた。 10 その歌には、敵どもの叫びが不調和にこだまし、/子らを悼む嘆きの声が悲しげに響いた。 11 敵どもは奴隷も主人も同じ罰で懲らしめられ、/庶民も王も同じ苦しみを味わった。 12 死という一つの名の下に、/数えきれない人々が倒され、/死者を葬るのに、生存者の数が足りなかった。彼らの最も貴重な跡継ぎも、一瞬のうちに滅んだ。 13 魔術に頼って神を一切信じなかった彼らは、/長男の死を見たとき、この民を神の子と認めた。 14 沈黙の静けさがすべてを包み、/夜が速やかな歩みで半ばに達したとき、 15 あなたの全能の言葉は天の王座から、/情け容赦のないつわもののように、/この滅びの地に下った。 16 それは、取り消しのきかないあなたの命令を/鋭い剣のように手にして、/すべてを死で満たし、/天に触れながらも、地を踏んで立っていた。 17 恐ろしい夢の中で幻が/敵どもを驚かせ、/思いがけない恐怖が彼らを襲った。 18 彼らは息絶え絶えとなってここかしこに倒れ/自分たちの死にゆく理由を世に明らかにした。 19 彼らを悩ませたあの夢がそれを予告していた。自分たちがなぜ苦しむのかその理由も知らずに/死んでゆくことのないために。 民の仲介者 20 死の試練は神に従う人々にも与えられ、/荒れ野で多くの人々が滅びた。しかし、あなたの怒りは長くは続かなかった。 21 とがめられるところのない一人の人が/速やかに代表戦士として立ち、/自分にゆだねられた祭司の任務を武器として、/祈りと、香りによる贖いを献げたからである。そして、御怒りの前に身を置き、災いを終わらせ、/あなたの僕であることを示した。 22 彼が御怒りに打ち勝ったのは、/体力や、武力によってではない。言葉によって、罰する方を説得し、/先祖たちと交わされた誓いと契約を/思い出していただいたのである。 23 死んだ者は既に重なり合って倒れていた。そのとき彼は間に立って罰の攻撃を押しとどめ、/それが生きている者に及ぶ道を断ち切った。 24 彼の足まで届く衣は全宇宙を示しており、/先祖たちの誉れは四列に並ぶ宝石に刻まれ、/あなたの威光は頭上の冠に輝いていた。 25 滅ぼす者はこれらを前にしてたじろぎ、恐れた。民は御怒りに触れるだけで十分だったのである。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/WIS/18-79d75128d6156000658f1977562be399.mp3?version_id=1819—

知恵の書 19

神に逆らう者たちの滅びと民の救い 1 神を信じない者たちには、/容赦のない怒りが下った。彼らが後に何をするかを、/主はあらかじめご存じだった。 2 彼らが民の出国を許し、/せきたてて追い出した後で、/後悔して追いかけることをご存じだった。 3 事実、まだ喪が明けず、/死者の墓前で嘆きの声が聞こえるというのに、/彼らは再び正気のさたとは思えない考えを抱き、/前には頼んで出て行ってもらった人々を、/今度は逃亡者として追い始めた。 4 彼らがこの極端な行為に走り、過去を忘れたのは、/当然の成り行きだった。彼らの罰の欠けている分を、/これらの苦しみで補わせるためであり、 5 また、民が予期せぬ旅を経験している間、/敵どもは異常な死に出会うためであった。 6 全被造物はそれぞれ本性を保ちつつ、/新たな姿に変えられ、御命令に服従して、/あなたの子らを無事に守った。 7 雲は宿営を覆い、/以前水のあったところには乾いた地が現れ、/紅海には妨げるもののない道ができ、/逆巻く波からは草の生えている平野が出現した。 8 驚くべき奇跡を目の当たりにしながら、/そこを民全体が御手に守られて渡って行った。 9 彼らは、牧場の馬のように走り回り、/小羊のように跳びはね、/主よ、自分たちを救ってくださったあなたを/たたえた。 10 彼らは寄留地での出来事を、思い起こした。土が動物ではなく、ぶよを生じさせ、/川が魚ではなく、多くの蛙を吐き出したことを。 11 しかしその後、彼らは鳥の新たな発生をも見た。それは彼らが、欲望にかられ、/美味な食べ物を求めたときであった。 12 海からうずらが飛んで来て、彼らは満たされた。 13 罰が罪人たちの上に下った。激しい雷による警告の後のことである。彼らはその罪のゆえに当然の苦しみを受けた。他国人を敵意をもってひどく扱ったからである。 14 見知らぬ人々がやって来たとき、/彼らを受け入れなかった民はあった。しかしこの者たちは、/利益をもたらしてくれた客人を奴隷にした。 15 あの民は、よそから来た者を、/敵意をもってあしらったので、裁きを受けた。それならば、この者たちはなおさら裁かれる。 16 彼らは実に、よそから来た者を大歓迎し、/自分たちと同じ権利を与えておきながら、/つらい労働を課して虐待したのである。 17 この者たちは目をくらまされた。あの義人の家の戸口で人々に起こったように。彼らは濃い闇に覆われ、/めいめい自分の家の戸口を探したのである。 18 自然の要素がそれぞれの関係を変えるのは、/竪琴の絃がその調べを変えるのに似ている。しかし、音色そのものは常に同じである。このことは、過去の出来事に照らして明らかだ。 19 陸の生き物は水に住む生き物に変わり、/水中を泳ぐ生き物は地上に移って来た。 20 火は水の中で火力を増し、/水は火を消す働きを忘れた。 21 炎は、かよわい生き物がその中を歩いても、/その肉を焦がすことすらなく、/氷のように解けやすい天からの食べ物も/解かすことはなかった。 結び 22 主よ、あなたはすべてにおいて民を/大いなる者とし、栄光を与えられた。あなたは、彼らを見捨てず、いつでもどこでも/彼らの傍らに立っておられた。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/WIS/19-c1211efe26a984f7ed699530efc5e3ef.mp3?version_id=1819—

ユディト記 1

ネブカドネツァルとアルファクサドの戦い 1 大都市ニネベにおいてアッシリア人を支配したネブカドネツァルの治世第十二年のことである。そのころ、エクバタナにおいてメディア人を支配していたアルファクサドは、 2 エクバタナの周囲に城壁を築いた。長さ六ペキス幅三ペキスの切り石を用い、城壁を高さ七十ペキス厚み五十ペキスのものに仕上げた。 3 各城門の横には百ペキスの塔を建て、基礎の幅は六十ペキスにした。 4 更に各城門の高さは七十ペキスまで引き上げられるようにし、その内幅を四十ペキスとした。こうして王の強力な軍隊はここから出動し、歩兵も隊形を組んだまま通ることができた。 5 ネブカドネツァル王がアルファクサド王に対して大平原で戦いを挑んだのはそのころである。そこはラガウ領内の平野であった。 6 このとき、丘陵地帯のすべての住民とユーフラテス川、チグリス川、ヒダスペス川の流域やエラム人の王アリオクの平野の全住民はネブカドネツァルに敵対して集まって来た。そして非常に多くの民がケレウド人の戦列に加わった。 ネブカドネツァルの怒り 7 そこでアッシリア人の王ネブカドネツァルはペルシアの全住民および西方の全住民に使節を派遣した。西方の住民とは、キリキア、ダマスコ、レバノン、アンティ・レバノンの住民と海岸地方の全住民、 8 カルメルとギレアドの国々の住民、上ガリラヤとエスドレロンの大平原の住民、 9-10 またサマリアとその町々、それにエルサレム、バタネ、ケレス、カデシュ、エジプトの川に至るヨルダン川の向こうの地、更にタフパンヘス、ラメセスおよびタニスとメンフィスのかなたに至るゴシェム全域の全住民、それにエチオピアとの国境に至るエジプトの全住民のことである。 11 ところがこれらの地域の住民たちは皆、アッシリア人の王ネブカドネツァルの言葉を侮り、駆けつけてその戦列に加わろうとする者はなかった。彼らは王を恐れず、王といえども一人の人間にすぎないと思っていたのである。そして彼らは使節の一行を空手で追い返して面目を失わせた。 12 このためネブカドネツァルはこれら全域の住民に対して激しく憤り、王座と王国にかけて誓った。必ずや、キリキア、ダマスコ、シリア全域に対して制裁を加え、モアブの地に住むすべての者、アンモン人、ユダヤ全土に居住する者、二つの海の境界に至るエジプトの全住民を、自分の剣をもって滅ぼす、と。 ネブカドネツァル、アルファクサドを討つ 13 ネブカドネツァル王はその治世の第十七年にアルファクサド王に対して兵を進め、戦いを交えて彼を打ち破り、アルファクサドの全軍を、騎馬も戦車もことごとく敗走させた。 14 そして町々を占領しつつエクバタナにやって来ると、まず塔を占拠し、町の辻々を荒らし、誉れに満ちたこの町を汚辱にまみれさせた。 15 やがてネブカドネツァルはラガウの山中でアルファクサドを捕らえると、投げ槍をもって刺し殺した。こうしてアルファクサドは滅び、今日に至っている。 16 ネブカドネツァルは全同盟軍のおびただしい兵士の群れと共にニネベに凱旋した。そして王と軍隊はそこで休養をとり、百二十日間にわたって祝宴を催した。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JDT/1-f681fed095d750bd19bc67565abc393d.mp3?version_id=1819—

ユディト記 2

ネブカドネツァル、討伐命令を下す 1 アッシリア人の王ネブカドネツァルの治世第十八年、第一の月の二十二日、王の宮殿において会議が開かれ、かつて王が誓ったとおり、くだんの全域に対して制裁を加えることについて討議がなされた。 2 王は側近の者全員とすべての高官を召集して、ひそかに抱いていた決意を皆に示し、その地の罪悪を自ら数え上げた。 3 そして一同は、王自らの要請に応じなかった者は一人残らず滅ぼすべきであると決議した。 4 このように己の決意を明らかにしたアッシリア人の王ネブカドネツァルは、軍総司令官で、自分に次ぐ地位にあるホロフェルネスを呼んで命令を下した。 5 「全地の主である大王がこれを言う。お前は予の前を下がり、武勇を誇る者歩兵十二万と多くの騎馬および一万二千の騎兵を率いて、 6 西方に向かい、その全域を討て。彼らは予の言葉に従わなかったからだ。 7 土地と水を用意しておけと彼らに告げよ。やがて予が怒りに燃えて彼らに臨み、兵士らの足でその地の面をくまなく覆い、彼らを兵士らの略奪にゆだねるからである。 8 そうなれば負傷者たちは小川の流れる谷あいを埋め尽くし、大河もしかばねでせき止められてあふれるであろう。 9 予はとりこにした者をはるか地の果てまで引いて行く。 10 さあ、行け。予に代わって彼らの領土をことごとく占領せよ。彼らがお前に降伏したならば、予が裁きを行うそのときまで、彼らを監視せよ。 11 その地のどこであろうと逆らう者があれば容赦なく殺し、その財産を没収せよ。 12 予は自らの命と予の王国の権勢に誓って言う。言ったことは必ず実行する。 13 お前は主君である予の言葉に寸分たがうことなく、命じたとおり断行せよ。速やかに実行せよ。」 軍総司令官ホロフェルネスの攻略 14 ホロフェルネスは主君の前を退くと、アッシリア軍の参謀、将軍、将校を全員召集し、 15 主君の命令どおり軍団を編成するために精鋭の数をそろえた。その数は十二万、そして弓を使う騎兵一万二千であった。 16 こうして彼の指示に従って戦闘軍団が編成された。 17 また彼は輸送のためにおびただしい数のらくだ、ろば、らばを集め、食糧としては羊、牛、山羊を集めたが、その数は計り知れなかった。 18 その上、兵士一人一人に十分行き渡るだけの非常食も用意した。王家からは莫大な金銀が与えられた。 19 ホロフェルネスはネブカドネツァル王に先んじて、戦車、騎兵、えり抜きの歩兵をもって西方全域を覆い尽くそうと、全軍を率いて出発した。 20 彼らと共に大勢の混成部隊がついて行ったが、それはいなごの群れのようであり、また地の砂のように多くて数えきれないほどであった。 21 彼らはニネベをたって三日の道のりの後、ベクティレトの平原に達し、上キリキアの北の山のふもと、ベクティレトの近くに宿営した。 22 ホロフェルネスは歩兵、騎兵、戦車の全軍を率いて、そこから山地に進み、 23 プトとルドを打ち破り、更にすべてのラシス人と、ケレ人の地の南の荒れ野に沿って住むイシュマエル人とを襲った。 24 更に軍隊はユーフラテス川を渡り、メソポタミアを通過し、アブロナ川に沿って建つ要害の町々を滅ぼしつつ海にまで至った。 25 こうしてホロフェルネスはキリキアの地を征服し、刃向かう者をすべて討ち滅ぼした。次いで彼はアラビアに面する南の地方、ヤフェトの地まで進み、 26 すべてのミディアン人を包囲してその天幕を焼き払い、家畜を奪った。 27 […]

ユディト記 3

西方諸国の恭順 1 そこで人々はホロフェルネスのもとに使者を送り、和平を願ってこう言わせた。 2 「御覧ください。私どもはネブカドネツァル大王の僕であり、このとおりあなたの前にひれ伏しております。どうぞお心のままに御用命ください。 3 私どもの家屋とすべての土地、すべての麦畑、羊や牛、私どもの住居地内の家畜の囲いもすべて御前にあります。御自由にお役立てください。 4 御覧ください。町も住民もあなたに従います。どうぞ町へおいでになって良いようにお使いください。」 5 使いの者たちはホロフェルネスの前に出ると右の口上を述べた。 6 そこで彼は軍隊を率いて海岸地方へ下り、要害の町には守備隊を配置し、住民の中からえり抜きの男たちを採用して支援隊とした。 7 町の人たちとその近隣の人々は皆、花の冠を着け、タンバリンに合わせて踊りながらホロフェルネスを出迎えた。 8 しかし、ホロフェルネスは彼らの領地をすべて破壊し、森の木々を切り倒した。それは彼が、地上のあらゆる神々を滅ぼしてすべての国の民にネブカドネツァルただ一人を礼拝させ、言語の異なる民、いかなる部族にもネブカドネツァルを神と呼ばせるよう命じられていたからである。 9 その後ホロフェルネスはエスドレロンの平野を進み、ユダヤの広大な山脈に面したドタンの近くへ来て、 10 ガイバイとスキトポリスの中間に宿営した。そして軍に要するあらゆる物資の調達のため、まる一か月そこに駐屯した。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JDT/3-821eddca6fcf29230fb2c00c75d7a954.mp3?version_id=1819—