1 それゆえ、わたしの心は/破れんばかりに激しく打つ。 2 聞け、神の御声のとどろきを/その口から出る響きを。 3 閃光は天の四方に放たれ/稲妻は地の果てに及ぶ。 4 雷鳴がそれを追い/厳かな声が響きわたる。御声は聞こえるが、稲妻の跡はない。 5 神は驚くべき御声をとどろかせ/わたしたちの知りえない/大きな業を成し遂げられる。 6 神は命じられる。雪には、「地に降り積もれ」雨には、「激しく降れ」と。 7 人の手の業をすべて封じ込め/すべての人間に御業を認めさせられる。 8 獣は隠れがに入り、巣に伏す。 9 嵐がその蓄えられている所を出ると/寒さがまき散らされる。 10 神が息を吹きかければ氷ができ/水の広がりは凍って固まる。 11 雲は雨を含んで重くなり/密雲は稲妻を放つ。 12 雨雲はここかしこに垂れこめ/導かれるままに姿を変え/命じられるところを/あまねく地の面に行う。 13 懲らしめのためにも、大地のためにも/そして恵みを与えるためにも/神はこれを行わせられる。 14 ヨブよ、耳を傾け/神の驚くべき御業について、よく考えよ。 15 あなたは知っているか/どのように神が指図して/密雲の中から稲妻を輝かせるかを。 16 あなたは知っているか/完全な知識を持つ方が/垂れこめる雨雲によって/驚くべき御業を果たされることを。 17 南風が吹いて大地が黙すときには/あなたの衣すら熱くなるというのに 18 鋳て造った鏡のような堅い大空を/あなたは、神と共に/固めることができるとでもいうのか。 19 神に何と申し上げるべきかを/わたしたちに言ってみよ。暗黒を前にして/わたしたちに何の申し立てができようか。 20 わたしが話したとしても/神に対して説明になるだろうか。人間が何か言ったところで/神が言い負かされるだろうか。 21 今、光は見えないが/それは雲のかなたで輝いている。やがて風が吹き、雲を払うと 22 北から黄金の光が射し/恐るべき輝きが神を包むだろう。 23 全能者を見いだすことはわたしたちにはできない。神は優れた力をもって治めておられる。憐れみ深い人を苦しめることはなさらない。 24 それゆえ、人は神を畏れ敬う。人の知恵はすべて顧みるに値しない。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JOB/37-2d8e3238cec5659b9372c3aac87121dd.mp3?version_id=1819—
Monthly Archives: September 2018
ヨブ記 38
主なる神の言葉 1 主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。 2 これは何者か。知識もないのに、言葉を重ねて/神の経綸を暗くするとは。 3 男らしく、腰に帯をせよ。わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ。 4 わたしが大地を据えたとき/お前はどこにいたのか。知っていたというなら/理解していることを言ってみよ。 5 誰がその広がりを定めたかを知っているのか。誰がその上に測り縄を張ったのか。 6 基の柱はどこに沈められたのか。誰が隅の親石を置いたのか。 7 そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い/神の子らは皆、喜びの声をあげた。 8 海は二つの扉を押し開いてほとばしり/母の胎から溢れ出た。 9 わたしは密雲をその着物とし/濃霧をその産着としてまとわせた。 10 しかし、わたしはそれに限界を定め/二つの扉にかんぬきを付け 11 「ここまでは来てもよいが越えてはならない。高ぶる波をここでとどめよ」と命じた。 12 お前は一生に一度でも朝に命令し/曙に役割を指示したことがあるか 13 大地の縁をつかんで/神に逆らう者どもを地上から払い落とせと。 14 大地は粘土に型を押していくように姿を変え/すべては装われて現れる。 15 しかし、悪者どもにはその光も拒まれ/振り上げた腕は折られる。 16 お前は海の湧き出るところまで行き着き/深淵の底を行き巡ったことがあるか。 17 死の門がお前に姿を見せ/死の闇の門を見たことがあるか。 18 お前はまた、大地の広がりを/隅々まで調べたことがあるか。そのすべてを知っているなら言ってみよ。 19 光が住んでいるのはどの方向か。暗黒の住みかはどこか。 20 光をその境にまで連れていけるか。暗黒の住みかに至る道を知っているか。 21 そのときお前は既に生まれていて/人生の日数も多いと言うのなら/これらのことを知っているはずだ。 22 お前は雪の倉に入ったことがあるか。霰の倉を見たことがあるか。 23 災いの時のために/戦いや争いの日のために/わたしはこれらを蓄えているのだ。 24 光が放たれるのはどの方向か。東風が地上に送られる道はどこか。 25 誰が豪雨に水路を引き/稲妻に道を備え 26 まだ人のいなかった大地に/無人であった荒れ野に雨を降らせ 27 乾ききったところを潤し/青草の芽がもえ出るようにしたのか。 […]
ヨブ記 39
1 お前は岩場の山羊が子を産む時を知っているか。雌鹿の産みの苦しみを見守ることができるか。 2 月が満ちるのを数え/産むべき時を知ることができるか。 3 雌鹿はうずくまって産み/子を送り出す。 4 その子らは強くなり、野で育ち/出ていくと、もう帰ってこない。 5 誰が野生のろばに自由を与え/野ろばを解き放ってやったのか。 6 その住みかとして荒れ地を与え/ねぐらとして不毛の地を与えたのはわたしだ。 7 彼らは町の雑踏を笑い/追い使う者の呼び声に従うことなく 8 餌を求めて山々を駆け巡り/緑の草はないかと探す。 9 野牛が喜んでお前の僕となり/お前の小屋で夜を過ごすことがあろうか。 10 お前は野牛に綱をつけて畝を行かせ/お前に従わせて谷間の畑を/掘り起こさせることができるか。 11 力が強いといって、頼りにし/仕事を任せることができるか。 12 野牛が穀物をもたらし/実りを集めてくれると期待するのか。 13 駝鳥は勢いよく羽ばたくが/こうのとりのような羽毛を持っているだろうか。 14 駝鳥は卵を地面に置き去りにし/砂の上で暖まるにまかせ 15 獣の足がこれを踏みつけ/野の獣が踏みにじることも忘れている。 16 その雛を/自分のものではないかのようにあしらい/自分の産んだものが無に帰しても/平然としている。 17 神が知恵を貸し与えず/分別を分け与えなかったからだ。 18 だが、誇って駆けるときには/馬と乗り手を笑うほどだ。 19 お前は馬に力を与え/その首をたてがみで装うことができるか。 20 馬をいなごのように跳ねさせることができるか。そのいななきには恐るべき威力があり 21 谷間で砂をけって喜び勇み/武器に怖じることなく進む。 22 恐れを笑い、ひるむことなく/剣に背を向けて逃げることもない。 23 その上に箙が音をたて/槍と投げ槍がきらめくとき 24 身を震わせ、興奮して地をかき/角笛の音に、じっとしてはいられない。 25 角笛の合図があればいななき/戦いも、隊長の怒号も、鬨の声も/遠くにいながら、かぎつけている。 26 鷹が翼を広げて南へ飛ぶのは/お前が分別を与えたからなのか。 27 鷲が舞い上がり、高い所に巣を作るのは/お前が命令したからなのか。 28 […]
ヨブ記 40
1 ヨブに答えて、主は仰せになった。 2 全能者と言い争う者よ、引き下がるのか。神を責めたてる者よ、答えるがよい。 3 ヨブは主に答えて言った。 4 わたしは軽々しくものを申しました。どうしてあなたに反論などできましょう。わたしはこの口に手を置きます。 5 ひと言語りましたが、もう主張いたしません。ふた言申しましたが、もう繰り返しません。 6 主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。 7 男らしく、腰に帯をせよ。お前に尋ねる。わたしに答えてみよ。 8 お前はわたしが定めたことを否定し/自分を無罪とするために/わたしを有罪とさえするのか。 9 お前は神に劣らぬ腕をもち/神のような声をもって雷鳴をとどろかせるのか。 10 威厳と誇りで身を飾り/栄えと輝きで身を装うがよい。 11 怒って猛威を振るい/すべて驕り高ぶる者を見れば、これを低くし 12 すべて驕り高ぶる者を見れば、これを挫き/神に逆らう者を打ち倒し 13 ひとり残らず塵に葬り去り/顔を包んで墓穴に置くがよい。 14 そのとき初めて、わたしはお前をたたえよう。お前が自分の右の手で/勝利を得たことになるのだから。 15 見よ、ベヘモットを。お前を造ったわたしはこの獣をも造った。これは牛のように草を食べる。 16 見よ、腰の力と腹筋の勢いを。 17 尾は杉の枝のようにたわみ/腿の筋は固く絡み合っている。 18 骨は青銅の管/骨組みは鋼鉄の棒を組み合わせたようだ。 19 これこそ神の傑作/造り主をおいて剣をそれに突きつける者はない。 20 山々は彼に食べ物を与える。野のすべての獣は彼に戯れる。 21 彼がそてつの木の下や/浅瀬の葦の茂みに伏せると 22 そてつの影は彼を覆い/川辺の柳は彼を包む。 23 川が押し流そうとしても、彼は動じない。ヨルダンが口に流れ込んでも、ひるまない。 24 まともに捕えたり/罠にかけてその鼻を貫きうるものがあろうか。 25 お前はレビヤタンを鉤にかけて引き上げ/その舌を縄で捕えて/屈服させることができるか。 26 お前はその鼻に綱をつけ/顎を貫いてくつわをかけることができるか。 27 彼がお前に繰り返し憐れみを乞い/丁重に話したりするだろうか。 28 […]
ヨブ記 41
1 勝ち目があると思っても、落胆するだけだ。見ただけでも打ちのめされるほどなのだから。 2 彼を挑発するほど勇猛な者はいまい。いるなら、わたしの前に立て。 3 あえてわたしの前に立つ者があれば/その者には褒美を与えよう。天の下にあるすべてのものはわたしのものだ。 4 彼のからだの各部について/わたしは黙ってはいられない。力のこもった背と見事な体格について。 5 誰が彼の身ごしらえを正面から解き/上下の顎の間に押し入ることができようか。 6 誰がその顔の扉を開くことができようか。歯の周りには殺気がある。 7 背中は盾の列/封印され、固く閉ざされている。 8 その盾は次々と連なって/風の吹き込む透き間もない。 9 一つの盾はその仲間に結びつき/つながりあって、決して離れない。 10 彼がくしゃみをすれば、両眼は/曙のまばたきのように、光を放ち始める。 11 口からは火炎が噴き出し/火の粉が飛び散る。 12 煮えたぎる鍋の勢いで/鼻からは煙が吹き出る。 13 喉は燃える炭火/口からは炎が吹き出る。 14 首には猛威が宿り/顔には威嚇がみなぎっている。 15 筋肉は幾重にも重なり合い/しっかり彼を包んでびくともしない。 16 心臓は石のように硬く/石臼のように硬い。 17 彼が立ち上がれば神々もおののき/取り乱して、逃げ惑う。 18 剣も槍も、矢も投げ槍も/彼を突き刺すことはできない。 19 鉄の武器も麦藁となり/青銅も腐った木となる。 20 弓を射ても彼を追うことはできず/石投げ紐の石ももみ殻に変わる。 21 彼はこん棒を藁と見なし/投げ槍のうなりを笑う。 22 彼の腹は鋭い陶器の破片を並べたよう。打穀機のように土の塊を砕き散らす。 23 彼は深い淵を煮えたぎる鍋のように沸き上がらせ/海をるつぼにする。 24 彼の進んだ跡には光が輝き/深淵は白髪をなびかせる。 25 この地上に、彼を支配する者はいない。彼はおののきを知らぬものとして造られている。 26 驕り高ぶるものすべてを見下し/誇り高い獣すべての上に君臨している。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JOB/41-a4e50514a4ff036691f304914e30d820.mp3?version_id=1819—
ヨブ記 42
1 ヨブは主に答えて言った。 2 あなたは全能であり/御旨の成就を妨げることはできないと悟りました。 3 「これは何者か。知識もないのに/神の経綸を隠そうとするとは。」そのとおりです。わたしには理解できず、わたしの知識を超えた/驚くべき御業をあげつらっておりました。 4 「聞け、わたしが話す。お前に尋ねる、わたしに答えてみよ。」 5 あなたのことを、耳にしてはおりました。しかし今、この目であなたを仰ぎ見ます。 6 それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し/自分を退け、悔い改めます。 結び 7 主はこのようにヨブに語ってから、テマン人エリファズに仰せになった。「わたしはお前とお前の二人の友人に対して怒っている。お前たちは、わたしについてわたしの僕ヨブのように正しく語らなかったからだ。 8 しかし今、雄牛と雄羊を七頭ずつわたしの僕ヨブのところに引いて行き、自分のためにいけにえをささげれば、わたしの僕ヨブはお前たちのために祈ってくれるであろう。わたしはそれを受け入れる。お前たちはわたしの僕ヨブのようにわたしについて正しく語らなかったのだが、お前たちに罰を与えないことにしよう。」 9 テマン人エリファズ、シュア人ビルダド、ナアマ人ツォファルは行って、主が言われたことを実行した。そして、主はヨブの祈りを受け入れられた。 10 ヨブが友人たちのために祈ったとき、主はヨブを元の境遇に戻し、更に財産を二倍にされた。 11 兄弟姉妹、かつての知人たちがこぞって彼のもとを訪れ、食事を共にし、主が下されたすべての災いについていたわり慰め、それぞれ銀一ケシタと金の環一つを贈った。 12 主はその後のヨブを以前にも増して祝福された。ヨブは、羊一万四千匹、らくだ六千頭、牛一千くびき、雌ろば一千頭を持つことになった。 13 彼はまた七人の息子と三人の娘をもうけ、 14 長女をエミマ、次女をケツィア、三女をケレン・プクと名付けた。 15 ヨブの娘たちのように美しい娘は国中どこにもいなかった。彼女らもその兄弟と共に父の財産の分け前を受けた。 16 ヨブはその後百四十年生き、子、孫、四代の先まで見ることができた。 17 ヨブは長寿を保ち、老いて死んだ。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/JOB/42-d42df6f9592ae35b5b6871a47b07ca56.mp3?version_id=1819—
エステル記 1
クセルクセス王の酒宴 1 クセルクセスの時代のことである。このクセルクセスは、インドからクシュに至るまで百二十七州の支配者であった。 2 そのころ、クセルクセス王は要塞の町スサで王位につき、 3 その治世の第三年に、酒宴を催し、大臣、家臣のことごとく、ペルシアとメディアの軍人、貴族および諸州の高官たちを招いた。 4 こうして王は、百八十日の長期にわたって自分の国がどれほど富み栄え、その威力がどれほど貴く輝かしいものであるかを示した。 5 それが終わると、王は七日間、酒宴を王宮の庭園で催し、要塞の町スサに住む者を皆、身分の上下を問わず招いた。 6 大理石の柱から柱へと紅白の組みひもが張り渡され、そこに純白の亜麻布、みごとな綿織物、紫の幔幕が一連の銀の輪によって掛けられていた。また、緑や白の大理石、真珠貝や黒曜石を使ったモザイクの床には、金や銀の長いすが並べられていた。 7 酒を供するための金の杯は一つ一つ趣を異にし、王室用のぶどう酒が、王の寛大さを示すにふさわしく、惜しげもなく振る舞われた。 8 しかし、定めによって酒を飲むことは強いられてはいなかった。王の命令によって給仕長たちは、人々に思いどおりにさせていたからである。 9 王妃ワシュティもクセルクセス王の宮殿で女のための酒宴を催していた。 王妃ワシュティの退位 10 七日目のことである。ぶどう酒で上機嫌になったクセルクセス王は、そば近く仕える宦官メフマン、ビゼタ、ハルボナ、ビグタ、アバグタ、ゼタル、カルカスの七人に命じて、 11 冠を着けた王妃ワシュティを召し出そうとした。その美しさを高官および列席する民に見せようというのである。王妃は美しい人であった。 12 ところが、王妃ワシュティは宦官の伝えた王の命令を拒み、来ようとしなかった。王は大いに機嫌を損ね、怒りに燃え、 13 経験を積んだ賢人たちに事を諮った。王の身辺の事柄はすべて、国の定めや裁きに通じている人々によって審議されることになっていた。 14 王は、王の側近で、王国の最高の地位にある、ペルシアとメディアの七人の大臣カルシェナ、シェタル、アドマタ、タルシシュ、メレス、マルセナ、メムカンを呼び寄せた。 15 「王妃ワシュティは、わたしが宦官によって伝えた命令に従わなかった。この場合、国の定めによれば王妃をどのように扱うべきか。」 16 メムカンが王と大臣一同に向かって言った。「王妃ワシュティのなさったことは、ただ王のみならず、国中のすべての高官、すべての民にとって都合の悪いことです。 17 この王妃の事件が知れ渡りますと、女たちは皆、『王妃ワシュティは王に召されても、お出ましにならなかった』と申して、夫を軽蔑の目で見るようになります。 18 今日この日にも、ペルシアとメディアの高官夫人たちは、この王妃の事件を聞いて、王にお仕えするすべての高官に向かってそう申すにちがいありません。何とも侮辱的で腹立たしいことです。 19 もしもお心に適いますなら、『ワシュティがクセルクセス王の前に出ることを禁ずる。王妃の位は、より優れた他の女に与える』との命令を王御自身お下しになり、これをペルシアとメディアの国法の中に書き込ませ、確定事項となさってはいかがでしょうか。 20 お出しになった勅令がこの大国の津々浦々に聞こえますと、女たちは皆、身分のいかんにかかわらず夫を敬うようになりましょう。」 21 王にも大臣たちにもこの発言は適切であると思われ、王はメムカンの言うとおりにした。 22 王は支配下のすべての州に勅書を送ったが、それは州ごとにその州の文字で、また、民族ごとにその民族の言語で書かれていた。すべての男子が自分の家の主人となり、自分の母国語で話せるようにとの計らいからであった。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/EST/1-73901a7728ab2b4af326475ec5d33ce4.mp3?version_id=1819—
エステル記 2
エステル、王妃に選ばれる 1 その後、怒りの治まったクセルクセス王は、ワシュティとそのふるまい、彼女に下した決定を口にするようになった。 2 王に仕える侍従たちは言った。「王のために美しいおとめを探させてはいかがでしょうか。 3 全国各州に特使を送り、美しいおとめを一人残らず要塞の町スサの後宮に集め、後宮の監督、宦官ヘガイに託し、容姿を美しくさせるのです。 4 御目にかなう娘がいれば、ワシュティに代わる王妃になさってはいかがでしょうか。」これは王の意にかない、王はそうすることにした。 モルデカイとエステル 5 要塞の町スサに一人のユダヤ人がいた。名をモルデカイといい、キシュ、シムイ、ヤイルと続くベニヤミン族の家系に属していた。 6 この人は、バビロン王ネブカドネツァルによって、ユダ王エコンヤと共にエルサレムから連れて来られた捕囚民の中にいた。 7 モルデカイは、ハダサに両親がいないので、その後見人となっていた。彼女がエステルで、モルデカイにはいとこに当たる。娘は姿も顔立ちも美しかった。両親を亡くしたので、モルデカイは彼女を自分の娘として引き取っていた。 8 さて、王の命令と定めが発布され、大勢の娘が要塞の町スサのヘガイのもとに集められた。エステルも王宮に連れて来られ、後宮の監督ヘガイに託された。 9 彼はエステルに好意を抱き、目をかけた。早速化粧品と食べ物を与え、王宮からえり抜きの女官七人を彼女にあてがい、彼女を女官たちと共に後宮で特別扱いした。 10 エステルは、モルデカイに命じられていたので、自分が属する民族と親元を明かさなかった。 11 モルデカイはエステルの安否を気遣い、どう扱われるのかを知ろうとして、毎日後宮の庭の前を行ったり来たりしていた。 12 十二か月の美容の期間が終わると、娘たちは順番にクセルクセス王のもとに召されることになった。娘たちには六か月間ミルラ香油で、次の六か月間ほかの香料や化粧品で容姿を美しくすることが定められていた。 13 こうして、どの娘も王のもとに召されたが、後宮から王宮に行くにあたって娘が持って行きたいと望むものは何でも与えられた。 14 娘は夜行き、朝帰って別の後宮に連れて行かれ、側室たちの監督、宦官シャアシュガズに託された。王に望まれ、名指しで呼び出されるのでなければ、だれも再び行くことはなかった。 15 モルデカイの伯父アビハイルの娘で、モルデカイに娘として引き取られていたエステルにも、王のもとに召される順番が回ってきたが、エステルは後宮の監督、宦官ヘガイの勧めるもの以外に、何も望まなかった。エステルを見る人は皆、彼女を美しいと思った。 16 さて、エステルは王宮のクセルクセス王のもとに連れて行かれた。その治世の第七年の第十の月、すなわちテベトの月のことである。 17 王はどの女にもましてエステルを愛し、エステルは娘たちの中で王の厚意と愛に最も恵まれることとなった。王は彼女の頭に王妃の冠を置き、ワシュティに代わる王妃とした。 18 次いで、王は盛大な酒宴を催して、大臣、家臣をことごとく招いた。これが、「エステルの酒宴」である。更に、王は諸州に対し免税を布告し、王の寛大さを示すにふさわしい祝いの品を与えた。 19 再び若い娘が集められた時のことである。モルデカイは王宮の門に座っていた。 20 エステルはモルデカイに命じられていたので、自分の属する民族と親元を明かすことをしなかった。モルデカイに養われていたときと同様、その言葉に従っていた。 21 さてそのころ、モルデカイが王宮の門に座っていると、王の私室の番人である二人の宦官ビグタンとテレシュが何事かに憤慨し、クセルクセス王を倒そうと謀っていた。 22 それを知ったモルデカイは王妃エステルに知らせたので、彼女はモルデカイの名でこれを王に告げた。 23 早速この件は捜査されて明らかにされ、二人は木につるされて処刑された。この事件は王の前で宮廷日誌に記入された。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/EST/2-7ba6106a90e0783ea055d05cbd6bef42.mp3?version_id=1819—
エステル記 3
ハマンの策略 1 その後、クセルクセス王はアガグ人ハメダタの子ハマンを引き立て、同僚の大臣のだれよりも高い地位につけた。 2 王宮の門にいる役人は皆、ハマンが来るとひざまずいて敬礼した。王がそのように命じていたからである。しかし、モルデカイはひざまずかず、敬礼しなかった。 3 王宮の門にいる役人たちはモルデカイに言った。「なぜあなたは王の命令に背くのか。」 4 来る日も来る日もこう言われたが、モルデカイは耳を貸さなかった。モルデカイが自分はユダヤ人だと言っていたので、彼らはそれを確かめるようにハマンに勧めた。 5 ハマンは、モルデカイが自分にひざまずいて敬礼しないのを見て、腹を立てていた。 6 モルデカイがどの民族に属するのかを知らされたハマンは、モルデカイ一人を討つだけでは不十分だと思い、クセルクセスの国中にいるモルデカイの民、ユダヤ人を皆、滅ぼそうとした。 7 クセルクセス王の治世の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、ハマンは自分の前でプルと呼ばれるくじを投げさせた。次から次へと日が続き、次から次へと月が動く中で、第十二の月すなわちアダルの月がくじに当たった。 8 ハマンはクセルクセス王に言った。「お国のどの州にも、一つの独特な民族がおります。諸民族の間に分散して住み、彼らはどの民族のものとも異なる独自の法律を有し、王の法律には従いません。そのままにしておくわけにはまいりません。 9 もし御意にかないますなら、彼らの根絶を旨とする勅書を作りましょう。わたしは銀貨一万キカルを官吏たちに支払い、国庫に納めるようにいたします。」 10 王は指輪をはずし、ユダヤ人の迫害者、アガグ人ハメダタの子ハマンに渡して、 11 言った。「銀貨はお前に任せる。その民族はお前が思うようにしてよい。」 12 こうして第一の月の十三日に、王の書記官が召集され、総督、各州の長官、各民族の首長にあてて、ハマンの命ずるがままに勅書が書き記された。それは各州ごとにその州の文字で、各民族ごとにその民族の言語で、クセルクセス王の名によって書き記され、王の指輪で印を押してあった。 13 急使はこの勅書を全国に送り届け、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日に、しかもその日のうちに、ユダヤ人は老若男女を問わず一人残らず滅ぼされ、殺され、絶滅させられ、その持ち物は没収されることとなった。 14 この勅書の写しは各州で国の定めとして全国民に公示され、人々はその日に備えた。 15 急使は王の命令を持って急いで出発し、要塞の町スサでもその定めが公布された。スサの都の混乱をよそに、王とハマンは酒を酌み交わしていた。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/EST/3-64ac718b6d6e27d028f09046b77cdf8a.mp3?version_id=1819—
エステル記 4
モルデカイ、エステルを説得する 1 モルデカイは事の一部始終を知ると、衣服を裂き、粗布をまとって灰をかぶり、都の中に出て行き、苦悩に満ちた叫び声をあげた。 2 更に彼は王宮の門の前まで来たが、粗布をまとって門に入ることは禁じられていた。 3 勅書が届いた所では、どの州でもユダヤ人の間に大きな嘆きが起こった。多くの者が粗布をまとい、灰の中に座って断食し、涙を流し、悲嘆にくれた。 4 女官と宦官が来て、このことを王妃エステルに告げたので、彼女は非常に驚き、粗布を脱がせようとしてモルデカイに衣服を届けた。しかし、モルデカイはそれを受け取ろうとしなかった。 5 そこでエステルはハタクを呼んでモルデカイのもとに遣わし、何事があったのか、なぜこのようなことをするのかを知ろうとした。ハタクは王に仕える宦官で、王妃のもとに遣わされて彼女に仕えていた。 6 ハタクは王宮の門の前の広場にいるモルデカイのもとに行った。 7 モルデカイは事の一部始終、すなわちユダヤ人を絶滅して銀貨を国庫に払い込む、とハマンが言ったことについて詳しく語った。 8 彼はスサで公示されたユダヤ人絶滅の触れ書きの写しを託し、これをエステルに見せて説明するように頼んだ。同時に、彼女自身が王のもとに行って、自分の民族のために寛大な処置を求め、嘆願するように伝言させた。 9 ハタクは戻ってモルデカイの言葉をエステルに伝えた。 10 エステルはまたモルデカイへの返事をハタクにゆだねた。 11 「この国の役人と国民のだれもがよく知っているとおり、王宮の内庭におられる王に、召し出されずに近づく者は、男であれ女であれ死刑に処せられる、と法律の一条に定められております。ただ、王が金の笏を差し伸べられる場合にのみ、その者は死を免れます。三十日このかた私にはお召しがなく、王のもとには参っておりません。」 12 エステルの返事がモルデカイに伝えられると、 13 モルデカイは再びエステルに言い送った。「他のユダヤ人はどうであれ、自分は王宮にいて無事だと考えてはいけない。 14 この時にあたってあなたが口を閉ざしているなら、ユダヤ人の解放と救済は他のところから起こり、あなた自身と父の家は滅ぼされるにちがいない。この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか。」 15 エステルはモルデカイに返事を送った。 16 「早速、スサにいるすべてのユダヤ人を集め、私のために三日三晩断食し、飲食を一切断ってください。私も女官たちと共に、同じように断食いたします。このようにしてから、定めに反することではありますが、私は王のもとに参ります。このために死ななければならないのでしたら、死ぬ覚悟でおります。」 17 そこでモルデカイは立ち去り、すべてエステルに頼まれたとおりにした。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/EST/4-96592aeebe67c16db8eec603be8bd593.mp3?version_id=1819—