エリヤ 1 そして火のような預言者エリヤが登場した。彼の言葉は松明のように燃えていた。 2 彼は人々に飢饉をもたらし、/その熱意をもって人々の数を減らした。 3 彼は主の言葉によって天を閉ざし、/三度、火を降らせた。 4 エリヤよ、あなたはその驚くべき業のゆえに、/どれほどほめたたえられたことだろうか。あなたと等しく誇りうる者があろうか。 5 あなたはいと高き方の言葉によって/死者を死から、陰府から立ち上がらせた。 6 あなたは王たちを破滅に導き、/名士たちを安眠の床から引きずり降ろした。 7 あなたはシナイ山で非難の言葉を聞き、/また、ホレブの山で裁きの宣告を聞いて、 8 王たちに油を注いで報復させ、/預言者たちに油を注いで後継者とした。 9 あなたは火の旋風に包まれ、/火の馬の引く車に乗せられ天に上げられた。 10 あなたは、書き記されているとおり、/定められた時に備える者。神の怒りが激しくなる前に、これを静め、/父の心を子に向けさせ、/ヤコブの諸部族を立て直す者。 11 あなたを見る者、/また、愛のうちに眠りについた者は幸いである。確かに、わたしたちも生きるであろう。 エリシャ 12 エリヤが旋風の中に姿を隠したとき、/エリシャはエリヤの霊に満たされた。彼は生涯、どんな支配者にも動ずることなく、/だれからも力で抑えつけられることはなかった。 13 彼にとって手に余ることは何もなく、/死後もその体は預言の力を失わなかった。 14 彼は生きている間、不思議な業を行い、/死後もなお驚くべき業を行った。 15 これらすべてにもかかわらず、民は悔い改めず、/罪から離れることはなかった。彼らはついに祖国から連れ去られ、/地の至るところに散らされた。後に残されたのは、少数の民と/ダビデの家の支配者だけであった。 16 中には、神の御旨を行う者もいたが、/罪に罪を重ねた者もいた。 ヒゼキヤとイザヤ 17 ヒゼキヤはエルサレムの町を強固にし、/町の中へ水を引いた。鉄の道具で切り立った岩をくりぬき、/用水池を造った。 18 彼の治世中センナケリブが攻め上り、/ラプサケを遣わした。この男は出かけて行って、/シオンに向かって手を振り上げ、/おごり高ぶって暴言を吐いた。 19 町の人々は心も手も震えおののき、/女が子を産むときのように、苦しんだ。 20 人々は主に向かって両手を広げ、/憐れみの主に呼び求めた。聖なる方は天から直ちにその願いを聞き入れ、/イザヤの手によって彼らを救い出された。 21 こうして主はアッシリアの陣を打ち破り、/主の御使いは彼らをことごとく滅ぼした。 22 ヒゼキヤは主の御旨を行い、/先祖ダビデの道を堅く守った。それは預言者イザヤが命じた道であった。イザヤは偉大で、受けた啓示に忠実であった。 23 太陽が後戻りして王の寿命が延ばされたのは、/イザヤの時代であった。 24 イザヤは大いなる霊によって終末の時を見つめ、/嘆き悲しむシオンの人々を励ました。 25 彼は永遠に及ぶ未来の事、/隠された事を、それが起こる前に示した。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/SIR/48-689bec911bf000354cad2430e372b83f.mp3?version_id=1819—
Monthly Archives: September 2018
シラ 49
ヨシヤ 1 ヨシヤの業績は、香料造りが丹念に/混ぜ合わせた香のようにかぐわしい。それはだれの口にも蜜のように甘く、/酒の席での音楽のようだ。 2 彼は正しい道を歩んで民を悔い改めさせ、/忌まわしい不法な行いを根絶した。 3 彼は心をまっすぐに主に向け、/不法のはびこる時代にひたすら神を敬った。 ユダの最後の王たちとエレミヤ 4 ダビデとヒゼキヤとヨシヤを除き、/すべての王は罪に罪を重ねた。彼らはいと高き方の律法を捨てたのだ。こうしてユダの王室は絶えた。 5 彼らはその権力を他の人々に、/その栄光を異国の民に渡してしまった。 6 異国の民は聖所のある選ばれた町に火を放ち、/ちまたは荒れ廃れた。エレミヤが預言したとおりである。 7 人々はエレミヤを虐げた。このエレミヤは、/抜き取り、苦しめ、滅ぼすために、/しかしまた、建て、植えるためにも、/母の胎にいるときから預言者として/聖別されていたのである。 エゼキエル 8 エゼキエルは栄光の幻を見た。神がケルビムの車輪の上で示されたものである。 9 神はまた敵を思い出し、激しい嵐を起こされた。しかし正しい道を歩む者には恵みを与えられた。 十二預言者 10 十二人の預言者の骨が、/その墓から再び花を咲かせるように。彼らはヤコブの民を慰め、/希望にあふれた信仰をもって救ったのだから。 ゼルバベルとイエシュア 11 ゼルバベルのすばらしさをどう言い表そうか。彼は右手の指にはめた印章のようだ。 12 ヨツァダクの子イエシュアも同様である。彼らはその存命中、主の家を建て、/主のために聖所を築いた。永遠の栄光に備えるためであった。 ネヘミヤ 13 ネヘミヤの業績も偉大である。彼は崩れた城壁を再び築き、/門やかんぬきを取り付け、/我々の家を建て直した。 エノク 14 この世に生を受けた者のうち/だれ一人、エノクに並ぶ者はなかった。彼は地上から天に移されたからだ。 ヨセフ 15 またヨセフほどの人物も出なかった。彼は兄弟たちの導き手、/民のよりどころであった。そして彼の遺骨は丁重に扱われた。 アダムとその子孫 16 セムとセトは人々の間であがめられた。だが、アダムこそ、/造られたすべての生けるものの上に立つ者。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/SIR/49-7a0cfb2ce212aa3fcc6ea07cf5635b27.mp3?version_id=1819—
シラ 50
大祭司シモン 1 オニアの子、大祭司シモンは、/生きている間に、主の家を修復し、/その存命中、聖所を補強した。 2 彼は聖所の中庭に高い石垣を、/神殿の境内に高い壁を築いた。 3 また、その存命中、貯水池を掘ったが、/その池は、あたかも海のように広かった。 4 彼は民が滅亡しないように心を砕き、/包囲攻撃に備えて、町を固めた。 5 聖所の前を歩むその姿、/主の家の垂れ幕を出て来る姿は、/なんと栄光に満ちていたことか。 6 彼は、雲間に輝く明けの明星、/祭りのときの満月、 7 いと高き方の聖所に輝く太陽、/きらめく雲に照り映える虹のようだ。 8 春先のバラの花、/泉のほとりの百合、/夏の日のレバノンの若草のようだ。 9 香炉にくべられた乳香、/金を打ち延べ、/あらゆる宝石をちりばめた器のようだ。 10 豊かに実るオリーブの木、/雲にそびえる糸杉のようだ。 11 彼が輝かしい衣をまとい、/華麗な衣装に身を包み、/聖なる祭壇に登ると、/聖所の境内は輝いた。 12 彼が祭司たちの手からいけにえを受け取り、/祭壇の炉の傍らに立つと、/その周りを兄弟たちが冠のように囲んだ。それはあたかも、レバノンの若杉が、/しゅろの木に囲まれているようであった。 13 アロンの子らも皆、輝かしく装い、/主への供え物を両手に捧げ、/イスラエルの全会衆の前に立った。 14 シモンは祭壇での祭儀を終えると、/全能のいと高き方への供え物を調え、 15 杯に手を伸ばして、/ぶどうの汁をそこに注ぎ、/祭壇の台座に振りかけて、/万物の王、いと高き方への/かぐわしい香りとした。 16 そのとき、アロンの子らは声をあげ、/銀のラッパを吹き鳴らし、/大音響をとどろかせて、/いと高き方が彼らを/思い出してくださるようにした。 17 そのとき、民は皆、/急いで地に顔を伏せ、/全能のいと高き神である/彼らの主を礼拝した。 18 合唱隊は声高く賛美の歌をうたい、/その響きはたぐいない、美しい調べとなった。 19 民はいと高き方である主に願い求め、/慈しみ深い方に祈りをささげた。それは主への賛美が終わるまで続けられ、/こうして彼らは祭儀を終えた。 20 それから、シモンは降りて来て、/イスラエルの全会衆の上に両手を差し伸べ、/自らの唇をもって主の祝福を与え、/誇らかに主の御名を唱えた。 21 民は再びひれ伏し、/いと高き方の祝福を受けた。 勧めと祝福 22 さあ、万物の神をほめたたえよ。神は至るところで大いなる業を行い、/母の胎にいる時からわたしたちを高め、/慈しみをもってわたしたちを恵まれるのだ。 23 神がわたしたちの心に喜びを与え、/わたしたちが生きている間、/平和がイスラエルにいつまでも続きますように。 24 わたしたちへの主の慈しみが確かなものとされ、/まだ生きている間にわたしたちを/主が救ってくださいますように。 忌み嫌われる国々 25 わたしの魂は二つの民を忌み嫌う。三つ目は民とはいえない。 26 セイルの山地に住む者どもとペリシテ人、/そしてシケムに住む愚かな者どもである。 […]
シラ 51
シラの子イエススの祈り 1 王である主よ、わたしはあなたに感謝します。わたしの救い主である神、あなたをほめたたえ、/あなたの御名に感謝をささげます。 2 あなたは、わたしの守り手、助け手となり、/わたしの体を滅びから、/中傷の罠から、/偽りを行う者の唇から救い出してくださった。あなたは、わたしの反対者の目の前で、/わたしの助け手となり、 3 あなたの豊かな慈しみと御名によって、/わたしを餌食にしようと仕掛けた罠から、/わたしの命をねらう者の手から、/わたしが耐えていた数多くの苦しみから、/救い出してくださった。 4 わたしを取り囲み、息を詰まらせるような炎から、/わたしがつけなかった火のただ中から、 5 陰府の奥底から、/汚れた舌と偽りの言葉から、 6 不義の舌が放つ矢から、救い出してくださった。わたしの魂は死に近づき、/わたしの命は陰府の近くまで下りました。 7 わたしは四方から取り囲まれたが、/助けてくれる人はいませんでした。人々の助けを求めたが、得られなかったのです。 8 主よ、わたしはあなたの慈しみと、/昔からのよき御業を思い出しました。あなたは、あなたを待ち望む者を助け上げ、/悪人どもの手から救い出してくださいます。 9 わたしは地上から嘆願の声をあげ、/死からの救いを祈り求めました。 10 わたしは、わが主の父である/主を呼び求めました。苦しみの日々に、高慢な者どもが力を振るうとき、/孤立無援なわたしを見捨てないでください。 11 わたしは絶え間なく御名を賛美します。感謝をもって賛美の歌をうたいます。わたしの祈りは聞き届けられたからです。 12 あなたはわたしを滅びから救い、/苦難の時に助け出してくださいました。それゆえ、わたしはあなたに感謝をささげ、/あなたを賛美し、主の御名をほめたたえます。 知恵を追い求めて 13 わたしは、若くして放浪の旅に出る前に、/祈りの中で公然と知恵を求めた。 14 わたしは聖所の前で知恵を祈り求めた。これからも最後まで知恵を求め続ける。 15 ぶどうの花が咲き、実が熟す時のように、/わたしの心は知恵を喜びとした。わたしの足は正しく知恵の跡を踏み、/若いころからその跡をたどり続けた。 16 わたしはわずかに耳を傾けるだけで知恵を得、/多くの教訓を見いだした。 17 知恵によってわたしは向上した。わたしは知恵を与えてくださる方をたたえる。 18 わたしは知恵の道を実践しようと心に決め、/善を求めた。それは裏切られることはない。 19 わたしの魂は熱心に知恵を求め、/細心の注意を払って律法を行った。わたしは天に向かって両手を上げ、/知恵をまだ知らないことを嘆いた。 20 わたしは魂をひたすら知恵に向け、/身を清く保って、知恵を見いだした。わたしは知恵とともに初めから理解する心を得た。それゆえ、わたしは見捨てられることがない。 21 わたしは情熱を傾けて知恵を求め、/そのため、良き財産を得た。 22 主は報いとして滑らかな舌を与えてくださった。わたしはそれを用いて主を賛美する。 23 わたしのそばに来なさい、無学な者たちよ、/学舎で時を過ごしなさい。 24 なぜ、いつまでもそのままの状態でいるのか。お前たちの魂は激しく渇いているのに。 25 わたしは口を開いて語ってきた、/知恵を得るのに金はかからないと。 26 軛の下にお前の首を置き、/魂に教訓を教え込め。知恵はすぐ身近にある。 27 […]
トビト記 1
序 1 トビトの物語の書。父はトビエル、祖父はハナニエル、更にアドエル、ガバエル、ラファエル、ラグエルとさかのぼるナフタリ族アシエルの家系にトビトは属する。 2 トビトは、シャルマナサルがアッシリア人の王であったときにティスベの地で捕囚の身となった。ティスベは、上ガリラヤのケデシュ・ナフタリの南、アセルの北、西へ向かう道の後ろ、フォゴルの北にある。 トビトの信仰生活 3 わたしトビトは、生涯を通じて真理と正義の道を歩み続けた。またわたしは、一緒に捕らえられてアッシリア人の地ニネベに行った親族や同胞の者たちのために多くの慈善の業を行った。 4 わたしがまだ若くして故郷イスラエルにいたとき、父祖ナフタリの部族はこぞって先祖ダビデの家とエルサレムから背き離れた。このエルサレムはすべての部族のためにいけにえを献げる目的で、イスラエル全体によって選び出された町である。この町には神の住まいである神殿が代々限りなく続くようにと聖別され、建てられていた。 5 親族全員と父祖ナフタリの一族は、北イスラエルの王ヤロブアムがダンで造った子牛に、ガリラヤの山々でいけにえを献げていた。 6 しかし、イスラエル全体のため永久に守るべき定めとして記されているように、祭りのときには、わたしはただ一人、収穫と家畜の初物、家畜の十分の一、および羊の初刈りの毛を携え、足しげくエルサレムへ通った。 7 そして祭壇に進み出て、それらの物をアロンの子孫である祭司たちに差し出し、穀物、ぶどう酒、オリーブ油、ざくろ、いちじくおよび他の果物の十分の一を、エルサレムで仕えているレビの子孫たちに与えた。別の十分の一を六年分金に換えて取って置き、毎年エルサレムに行って使うのであった。 8 また三年ごとにはその金を孤児、寡婦、およびイスラエルの仲間に加わった改宗者たちに持って行って与え、モーセの律法が定めている規定に従って、共に食事をした。それはまた、祖父ハナニエルの母デボラが命じた掟でもあった。というのは、父が死に、わたしは孤児となっていたからである。 捕囚での生活と神の導き 9 さてわたしは大人になったとき、先祖の家系から妻をめとり、彼女によって男の子をもうけ、その名をトビアと名付けた。 10 わたしはアッシリアに捕囚の身となり、ニネベの町に連れて来られた。そこでは、親族、同胞の者たちは皆、異教徒の食事をしていた。 11 しかしわたしは、心に固く決めて異教徒の食事はしなかった。 12 そして、心から神のことを思っていたので、 13 いと高き方は、わたしがシャルマナサル王の恵みと好意を得られるようにしてくださり、それでわたしは、王に必要な物を買い入れる役を与えられた。 14 そこで、王の存命中、わたしはメディアに行って王に必要な物を買い求め続けたが、メディアの地方にいるガブリの兄弟ガバエルに、銀十タラントンの入った財布を預けておいた。 15 しかし、シャルマナサルの死後、彼に代わってその子センナケリブが王となると、メディアに至る道は危険となり、わたしもメディアに行くことができなくなった。 トビトの善行と災難 16 シャルマナサルの存命中、わたしは同族の者たちに慈善の業を行った。 17 飢えた人々に食べ物を与え、裸の人々には着物を着せ、また同族のだれかの死体がニネベの町の城外に放置されているのを見れば、埋葬した。 18 王センナケリブは、その犯した冒涜のため、天の王である神の裁きを受け、ユダヤから逃げ帰って来た。そのとき、彼が殺した者がいたので、その人をも葬った。事実センナケリブは、怒りにまかせて多くのイスラエル人を殺害したのであるが、わたしはその死体をこっそり運んでは埋葬していたので、センナケリブが死体を捜しても見つからなかった。 19 しかし、ニネベの一市民が王センナケリブに密告したので、わたしは身を隠した。王がわたしのことを知り、わたしは自分がお尋ね者として命をねらわれていることが分かったので、恐ろしくなって逃げた。 20 財産はすべて没収されて王の宝庫に取り上げられ、わたしには妻ハンナと息子トビアだけが残された。 甥アヒカルの登用 21 それから四十日もたたぬうちに、王はその二人の息子に殺された。しかし二人がアララトの山々へ逃れたので、センナケリブの別の息子エサルハドンが王位についた。そして彼は、わたしの兄弟アナエルの息子アヒカルを王国の財政管理者に任じたので、アヒカルは国務全体にわたって権力を持つようになった。 22 そのアヒカルがわたしのことを王に釈明してくれたお陰で、わたしはニネベに帰ることができた。アヒカルは、かつてセンナケリブがアッシリアの王であったときに給仕頭、王の印章の管理者、かつ国務と財務の担当者でもあったので、エサルハドンは再度彼をその任に就かせたわけである。しかもアヒカルはわたしの親戚で、甥に当たっていた。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/TOB/1-d833e516938b5dba6c83f7c5ae3eade7.mp3?version_id=1819—
トビト記 2
妻子との再会 1 こうしてわたしは、エサルハドン王の即位後、家に帰り妻ハンナと息子トビアに再会した。さて、五旬祭の日、すなわち七週祭の聖なる日に、ごちそうがわたしのために準備され、食事をするために席に着いた。 2 わたしの傍らに食卓が設けられ、多くの料理が運ばれた。そこでわたしは、息子トビアに言った。「わが子よ、捕らわれの身となってニネベの町にいるわたしたちの同族のうちで、本当に神を心に留めている貧しい人を見つけて連れて来なさい。その人と一緒に食事をしよう。わたしはお前が戻って来るまで待っているつもりだ。」 死者の埋葬 3 そこでトビアは、同族のうちでだれか貧しい人がいないかと探しに出かけた。しかし彼が戻って来て、「父よ」と言ったので、わたしが、「わが子よ、どうしたのだ」と尋ねると、彼は答えて言った。「わたしたちの部族の一人が殺されて広場に投げ捨てられております。たった今そこで首を絞められて殺されたのです。」 4 そこでわたしは、料理には全く手をつけずに家から飛び出し、その死体を広場から運び去り、日没を待って埋葬するため、一軒の小屋に安置しておいた。 5 家に戻り、身を洗い清めてから食事をしたが、悲しい気持であった。 6 預言者アモスが、ベテルの人々に語って言った言葉、/「お前たちの祭りは悲しみに、/お前たちの歌はことごとく嘆きの歌に変わる」を思い出し、 7 泣き悲しんだ。日が沈むとわたしは出かけて行き、穴を掘り、死体を埋葬した。 8 近所の人たちは、わたしをあざ笑って言った。「この男はもう恐れていないのか。かつて、今と同じ事をやり、命をねらわれて逃げたのではなかったのか。それなのに、見よ、また死人を葬っている。」 トビトの失明 9 その夜、わたしは身を洗い清めた後、家の中庭に行き、その塀の傍らで眠った。暑かったので顔には何の覆いも掛けなかった。 10 さて、わたしは気づかなかったが、雀が何羽かすぐ上の塀にいた。雀は温かい糞をわたしの両眼に落とし、それがもとで、目に白い膜ができてしまった。そこで治してもらおうと何人かの医者のところへ出かけて行ったが、医者たちが目薬を塗れば塗るほど、目はその白い膜のために見えなくなり、ついに失明してしまった。四年間失明の状態が続いた。親族の者たちは皆わたしのことを悲しんでくれ、アヒカルも彼がエラムに行くまでの二年間わたしの世話をしてくれた。 妻ハンナとの口論 11 そのころ、わたしの妻ハンナは機織りの仕事をしていた。 12 出来上がったものを雇い主のところに届けて、賃金をもらっていた。デュストゥロスの月の七日に彼女が仕事を終え、織物を雇い主に届けたところ、その人々は賃金を全額払ってくれたうえに、山羊の群れの中から子山羊一匹を、家に持って帰るようにとくれたのである。 13 妻が戻って来たとき、子山羊が鳴き始めたので、わたしは妻を呼んで言った。「どこからこの子山羊を手に入れたのか。まさか盗んできたのではないだろうな。もしそうならば、持ち主に返しなさい。わたしたちには、盗んだ物を食べることは許されてはいないのだ。」 14 すると妻は、「賃金とは別に、贈り物としていただいたのです」と答えた。しかしわたしは、妻を信じようとせず、盗んだと思い込んで、子山羊を持ち主に返すように言い張り、顔を真っ赤にして怒った。すると妻は答えて言った。「あなたの憐れみはどこへ行ったのですか。どこにあなたの正義があるのですか。あなたはそういう人なのです。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/TOB/2-9e82dd5a5e794d5cf82b1bac7fdc00fa.mp3?version_id=1819—
トビト記 3
トビトの祈り 1 彼女のこの言葉を聞いて、わたしは心に深い悲しみを覚え、涙を流した。そしてうめきながら祈り始めた。 2 「主よ、あなたは正しく、/あなたのすべての業もまた正しいのです。あなたはすべての御業において、/憐れみと真実を示し、/この世を裁かれます。 3 主よ、今わたしを覚え、/わたしに目を留めてください。わたしの数々の罪ゆえに、/またわたしと先祖たちの無知のゆえに、/わたしを裁かないでください。わたしは御前に罪を犯し、 4 あなたの掟に従わなかったのです。それゆえ、あなたはわたしたちを、/あらゆる国民の中に散らし、/そこで略奪、捕囚、死を経験させ、/そのためにわたしたちは物笑いの種となり、/あざけり、辱めを味わいました。 5 あなたが、わたしの罪ある行いに対して下される/多くの裁きは正しいのです。わたしたちはあなたの掟を守らず、/あなたの御前に真実をもって歩みませんでした。 6 今こそ、御心のままにわたしを裁き、/わたしの魂を取り去り、/わたしが地上から解き放たれ、/土に戻るようにしてください。なぜなら、わたしは生きるよりも/死んだ方がよいのです。わたしが耳にするのは、不当な辱めであり、/わたしは大いなる悲しみに包まれています。主よ、どうぞ、わたしをこの苦しみから解き放ち、/永遠の住まいへ行かせてください。主よ、あなたの御顔をわたしから/背けないでください。なぜなら、死んで辱めを耳にすることのない方が、/生きて大きな苦しみに遭うよりましなのです。」 サラの不幸 7 その同じ日に、メディアのエクバタナに住むラグエルの娘サラも、父親に仕える女奴隷の一人から辱めの言葉を受けた。 8 サラは七人の男に嫁いだが、初夜を過ごす前に、そのつど悪魔アスモダイが男を殺してしまったからである。そのことで、女奴隷はサラに言った。「あなたが、御主人たちを殺したのです。あなたは七人の男に嫁ぎながら、どの方の名も名乗らなかったではありませんか。 9 それなのに、あなたの夫たちが死んだからといって、なぜわたしたちにつらく当たるのですか。あなたもあの方々のもとへ行ったらいいでしょう。これから先、あなたの息子も娘も見たくはありません。」 10 その日、サラは心に深い悲しみを覚えて涙を流し、父の家の二階に上がり、首をくくろうとした。しかし思い直して、こう言った。「恐らく人々はわたしの父を侮辱して言うでしょう。『お前には愛する一人娘がいたが、不幸を苦にして首をくくってしまった。』そうなれば、年老いた父を悲しませて、陰府に送り込むことになる。だから、わたしが自分で首をくくってしまうよりも、主にお願いして死なせていただく方がよいのです。そうすれば、生き永らえて辱めの言葉を耳にすることもないでしょう。」 サラの祈り 11 そこで彼女は、両手を広げて窓の方に差し伸べ、こう祈って言った。「憐れみ深い神よ、/あなたとあなたの御名を永遠にほめたたえます。あなたに造られた万物が/とこしえにあなたをほめたたえますように。 12 今わたしは、あなたに向かって顔を上げ、/あなたを仰ぎ見ます。 13 どうか、わたしがこの世から解放され、/辱めの言葉を二度と耳にすることの/ないようにしてください。 14 主よ、あなたはご存じです。わたしがどの夫とも夫婦の関係を持たず、/清い身であることを。 15 また、捕囚の地で、/わたしの名も、わたしの父の名も/汚さなかったことを。わたしは父にとってたった一人の娘であり、/父にはほかに跡継ぎはありません。また父には、/わたしを妻として迎えるべき近い親族も、/親戚もないのです。既にわたしの七人の夫も死んでしまいました。わたしがこれ以上生き永らえて、/何になりましょう。しかし、もしわたしの命を奪うことを/お望みにならないのならば、/主よ、今わたしに向けられている/辱めの言葉をお聞きください。」 神の計画 16 トビトとサラの二人の祈りは、栄光に満ちた神に同時に聞き入れられた。 17 そこで二人をいやすために、ラファエルが送られた。すなわち、トビトの場合は、自分の目で神の栄光を見られるように、目から白い膜を取り除くためであり、ラグエルの娘サラの場合は、トビトの息子トビアに妻として与え、彼女から悪魔アスモダイを引き離してやるためであった。というのは、サラをめとる資格は彼女との結婚を望んだどの男にもなく、トビアにこそあったからである。時はまさに神が二人の祈りを聞き入れられたちょうどそのときであった。トビトが中庭から家に戻り、ラグエルの娘サラは父の家の二階から下りてきた。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/TOB/3-f35876fddfc1261ea30f7c0dde9629da.mp3?version_id=1819—
トビト記 4
トビト、トビアを諭す 1 その日、トビトはメディア地方ラゲスにいるガバエルに預けておいたお金のことを思い出した。 2 そして心の中で言った。「わたしは死ぬことを願い求めた。死ぬ前に、息子トビアを呼んで、このお金のことについて告げておかねばなるまい。」 3 そこで息子トビアを呼び寄せ、こう言った。「わたしを手厚く葬ってくれ。母親を敬い、母が生きているかぎり、見捨ててはならない。母親の前では、その喜ぶことをなし、何をするにしても、母の心を悲しませてはいけない。 4 わが子よ、お前が母親の胎内にいたとき、母が多くの危険に遭ったことを忘れてはいけない。母親が死んだら、わたしと並べて同じ墓に葬りなさい。 5 わが子よ、生きているかぎり、主をいつも覚えておくのだ。罪を犯したり、主の戒めを破ったりしようとしてはならない。命あるかぎり、正義を行いなさい。悪の道を歩んではならない。 6 なぜならば、真理を行うなら人はすべてその行いのゆえに栄えることになるからである。すべて正義を行う人々には、〔 7 お前の財産のうちから施しをしなさい。施しをするに際しては喜んでするのだ。どんな貧しい人にも顔を背けてはならない。そうすれば、神もお前から御顔を背けることは決してなさらないだろう。 8 お前の財産に応じて、豊かなら豊かなりに施しをしなさい。たとえ、少なくても少ないなりに施すことを恐れてはならない。 9 そうすることで、お前は窮乏の日に備えて、自分のために善い宝を積むことになるのだから。 10 施しをすれば、人は死から救われ、暗黒の世界に行かずに済むのである。 11 施しは、それをするすべての者にとっていと高き方の御前にささげる善い献げ物となる。 12 わが子よ、すべてのみだらな行いから身を守りなさい。何よりもまず、先祖たちの家系から妻をめとりなさい。父の部族でない他のところからめとってはならない。なぜなら、わたしたちは預言者の子孫なのだから。わが子よ、ノア、アブラハム、イサク、ヤコブなど、わたしたちのいにしえの先祖たちを心に留めておきなさい。彼らはすべて、同族の中から妻をめとり、子宝に恵まれた。そしてその子孫が約束の地を受け継いできた。 13 わが子よ、同族の者たちを愛しなさい。そして、お前の同族や同胞の息子、娘たちより自分の方が偉いなどとおごり高ぶって、彼らのうちから妻をめとらないと言ってはならない。なぜなら、おごり高ぶれば、破滅を招き、秩序は大いに乱れる。無為に時を過ごせば、財産を失い、ひどい欠乏に陥るから。怠けることは飢えにつながるのだ。 14 働いてくれた人にはだれにでも、すぐにその場で賃金を支払いなさい。支払いを翌日に延ばしてはならない。そうすればお前が神に仕えるとき、神は報いてくださるであろう。わが子よ、何をするにせよ、十分に注意し、あらゆる点で、教えが身に付いていることを示しなさい。 15 自分が嫌なことは、ほかのだれにもしてはならない。ぶどう酒を酔うまで飲んではならない。また、酔うことが習慣となってはならない。 16 飢えている人に、お前の食物を、裸の人にはお前の衣服を分け与えなさい。余分なものはすべて施しなさい。施しをするときは喜んでしなさい。 17 正しい人々を埋葬するときは、そこで宴を設けなさい。しかし罪人たちの場合には、そうしてはならない。 18 思慮深い人からは忠告を求め、有益な忠告はどんなものも軽んじてはならない。 19 いかなるときにも主なる神をほめたたえなさい。お前の道がまっすぐであるように、またお前のすべての歩みと計画がうまくいくように、神に求めなさい。すべての国民が導きを得るのではないのだから。〕主は、正しい導きを与えてくださるが、人を陰府にまで落とすこともおできになるのだ。わが子よ、これらの戒めを心に覚え、忘れ去ることのないように。 20 さてわが子よ、今お前に伝えておこう。メディア地方ラゲスに住むガブリの子ガバエルに、わたしは十タラントンの銀を預けてある。 21 わが子よ、わたしたちが貧乏になったことを心配してはならない。もし神を畏れ、あらゆる罪を避け、主なる神の前に喜ばれることをするなら、お前は多くの良きものを得ることになる。」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/TOB/4-06b97d414d7992571379f8a8b80f9964.mp3?version_id=1819—
トビト記 5
トビアの返事 1 そこでトビアは父トビトに答えて言った。「お父さん、わたしにお命じになった事はすべて行います。 2 でも、その銀をどうやって手に入れたらよいのでしょうか。彼はわたしを知らないし、わたしも彼を知りません。どんな証拠の品を渡せば、彼はわたしがあなたの子であると認め、わたしを信じて銀を返してくれるでしょうか。またメディアに行く道も、わたしは知らないのです。」 3 トビトは息子トビアに答えた。「ガバエルは自筆の証文を作り、わたしもそれに署名した。そして、それを二つに分け、おのおのが証文の一方を受け取った。彼は証文の半分と共に銀も受け取った。今はもう、銀を預けてから二十年になる。わが子よ、だれか一緒に行ってくれる信頼できる人を見つけなさい。その人には帰って来るまでの期間の報酬を与えよう。さあ行ってガバエルからその銀をもらって来なさい。」 天使ラファエルとの出会い 4 メディアまでの道に詳しく、一緒に行ってくれる人を探しに、トビアは外に出た。出てみると、天使ラファエルが目の前に立っていた。しかしトビアには、神の使いであることが分からなかった。 5 そこでトビアは尋ねた。「若者よ、あなたはどちらの方ですか。」ラファエルは答えた。「わたしはイスラエル人で、あなたの同族の者です。仕事を見つけにここに来ました。」トビアは更に尋ねた。「メディアに行く道をご存じですか。」 6 ラファエルは答えた。「はい、わたしは度々メディアに行っており、どの街道もよく知っています。メディアに行ったときに、その地方のラゲスに住むわたしたちの同族のガバエルの家に何度か泊まったこともあります。エクバタナからラゲスまでは二日の道のりです。ラゲスは山岳地帯にあり、エクバタナは平野の真ん中にあるからです。」 7 トビアは言った。「若者よ、わたしが家に入って父に報告する間、ここで待っていてください。ぜひ一緒に行っていただきたいのです。もちろん報酬は差し上げます。」 8 ラファエルは言った。「ここで待っていましょう。ただあまり長くならないようにお願いします。」 9 そこでトビアは家に入り、父トビトに告げた。「イスラエル人で、しかも同族の人を見つけました。」トビトは言った。「その人をここに呼んできなさい。わが子よ、彼がどの部族の出で、どの家系に属するのか、また、信頼してお前と一緒に行ってもらえる人なのかを知りたいのだ。」 10 そこでトビアは外に出て、ラファエルに言った。「若者よ、父があなたを呼んでいます。」ラファエルが入ってトビトのもとに行くと、先にトビトが挨拶をした。ラファエルは、「あなたに多くの喜びがありますように」と答えた。しかしその言葉を受けてトビトは言った。「わたしに何の喜びがありましょうか。わたしは目が見えず、天の光を見ることができないのです。もう二度と光を見ることのない死人のように、暗闇の世界にいるのです。生きていても、死人たちの世界にいるようなものです。人の声は聞こえますが、姿は見えないのです。」ラファエルは言った。「元気を出しなさい。間もなく神があなたをいやしてくださいます。元気を出すのです。」そこでトビトは言った。「わたしの息子トビアはメディアに行こうとしています。一緒に行って道案内をしていただけませんか。兄弟よ、報酬は差し上げます。」ラファエルは答えた。「一緒に行きましょう。わたしはどの街道もよく知っています。メディアに行き、その地方の平野を歩き回りました。山岳地帯とその辺りの街道もよく知っています。」 11 トビトは更に尋ねた。「兄弟よ、あなたはどの家柄、どの家系に属しているのですか。教えてください。」 12 ラファエルは言った。「なぜ家系を知る必要があるのですか。」トビトは答えた。「わたしは、あなたがだれの子であり、何という名前なのか、事実を知りたいのです。」 13 そこでラファエルは答えた。「わたしはあなたの同族の一人、偉大なハナニアの子アザリアです。」 14 トビトは彼に言った。「兄弟よ、御無事を祈ります。わたしがあなたの家柄や素性を知りたいと願ったことで、腹を立てないでください。あなたはわたしの同族で、優れた血筋の方です。わたしは偉大なセメリアの二人の息子ハナニアとナタンをよく知っておりました。彼らはよくわたしと共にエルサレムに行き、一緒に礼拝をしたものです。彼らは、道を踏み外すことのない人々でした。あなたの同族はすばらしい人ばかりです。あなたの先祖もすばらしい人々です。元気で行って来てください。」 15 トビトは続けて言った。「わたしは、あなたに一日一ドラクメの報酬を支払い、そのほか、息子と同様に必要な物は差し上げます。息子と一緒に行ってください。 16 報酬をはずみましょう。」ラファエルは言った。「息子さんと共に参りましょう。御心配には及びません。危険のない旅ですから、わたしたちは元気で行って戻って来ます。」 17 トビトは言った。「兄弟よ、あなたに祝福がありますように。」 旅の準備と母の悲しみ それから彼は息子トビアを呼んで、言った。「わが子よ、旅の仕度をし、同族のこの人と出かけなさい。天の神が、かの地でお前たちを守り、無事にわたしのもとに戻してくださるように。わが子よ、神の使いが道々お前たちと共に歩み、無事に旅をさせてくださるように。」トビアは旅路につくため家を出て、父と母に口づけした。トビトは言った。「元気で行って来なさい。」 18 しかし母は泣き悲しんで、トビトに言った。「なぜ息子を行かせるのですか。彼はわたしたちの手の杖として、いつもわたしたちのそばにいてくれるはずではなかったのですか。 19 それほどお金が大切なのですか。息子の命に代えられるものではありません。 20 わたしたちは主によって生かされているのですから、今のままで十分です。」 21 そこでトビトは彼女に言った。「心配するな。わたしたちの息子は元気で出かけ、また無事に戻って来る。再び元気でお前のもとに戻って来る日に、お前は彼に会えるのだ。あの二人のことは心配するな。恐れるな。 22 神の使いが息子のよい同伴者となってくれるから、旅は順調にいき、息子は元気で戻って来るにちがいない。 23 」 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/TOB/5-6b4f0a3b798de73eab364455df28907c.mp3?version_id=1819—
トビト記 6
魚の捕獲 1 そこでハンナは泣くのをやめておとなしくなった。 2 そこで息子トビアは天使と共に出発した。トビアの犬も出て来て彼らについて行った。二人は旅を続け、ある晩チグリス川のほとりで夜を明かすことになった。 3 トビアは川で足を洗おうとして、下りて行った。すると、一匹の大きな魚が川から跳び上がり、トビアの足を一呑みにしようとしたので、彼は叫び声をあげた。 4 天使ラファエルは言った。「捕まえなさい。しっかりと魚を捕まえて放さないように。」そこでトビアは魚をしっかりと捕まえて、陸に引き揚げた。 5 ラファエルは言った。「魚を切り裂き、胆のうと心臓と肝臓を取り出して取って置きなさい。ほかのところは捨ててしまいなさい。魚の胆のう、心臓、肝臓は薬として役に立つからです。」 6 そこでトビアは魚を切り裂き、胆のう、心臓、肝臓を集め、身は焼いて食べ、残りはまとめて捨ててしまった。二人は共に旅を続け、ついにメディアの近くにたどりついた。 7 そこで、トビアはラファエルに尋ねた。「兄弟アザリア、魚の胆のう、心臓、肝臓にはどんな効き目があるのですか。」 8 そこでラファエルは答えた。「魚の心臓と肝臓は、悪魔や悪霊に取りつかれている男や女の前でいぶしなさい。そうすれば、悪霊どものどんな力も消えてしまい、今後一切その人に及ぶことはありません。 9 胆のうは、目にできている白い膜に塗り、その部分に息を吹きかけなさい。そうすれば、目は良くなります。」 ラファエル、サラをめとるようトビアに勧める 10 メディア地方に入り、エクバタナに近いところまで来たとき、 11 ラファエルは、「兄弟トビア」と言った。トビアは、「何でしょうか」と答えた。ラファエルは言った。「今夜はラグエルのところに泊まらなくてはなりません。ラグエルはあなたの親戚に当たり、サラという名の娘がいます。 12 サラ一人のほかに息子も娘もいません。あなたは、彼女の血縁の中でだれよりも、彼女をめとり彼女の父の財産を相続する資格のある者です。この娘は思慮深く、勇気があり、大変美しく、父親もすばらしい人物です。」 13 ラファエルは言葉を続けた。「あなたには、彼女をめとる資格があるのです。兄弟よ、わたしの言葉に従いなさい。わたしは今夜この娘のことで父親と相談し、あなたと彼女の婚約を取り決めましょう。そしてラゲスから戻ったときに結婚式を挙げるのです。ラグエルは、あなたがだれよりも娘をめとる権利を持っていることを知っているので、娘があなたと結婚するのを妨げたり、他の男に嫁がせたりすることは、決してできないのです。そのようなことをすれば、モーセの書の定めに背いて死に値する罪を犯すことになります。さあ兄弟よ、わたしの言葉に従いなさい。今夜、わたしはこの娘のことで話をし、婚約を取り決めましょう。そしてラゲスから戻ったときに、彼女をもらい受け、わたしたちと一緒に家に連れて帰るのです。」 14 そこでトビアはラファエルに言った。「兄弟アザリア、聞くところによれば、この娘は今までに七人の男に嫁がされたが、男たちは初夜の床に入るとそのつど、死んでしまったということです。そして悪魔が彼らを殺したのだといううわさを聞きました。 15 わたしは怖いのです。――悪魔はあの娘には危害を加えず、彼女に近づこうとする男を殺してしまうのですから。わたしは父にとってたった一人の息子です――わたしが死んでしまうと、父も母も悲しみのあまり死んでしまうのではないかと、それが心配なのです。父と母を葬る息子はわたしのほかにはいないのです。」 16 すると、ラファエルは言った。「父の家系から妻をめとるようにと命じた父親の戒めを忘れたのですか。さあ兄弟よ、わたしの言うとおりにしなさい。悪魔のことは心配せず、サラをめとりなさい。今夜必ず二人は一緒になるでしょう。 17 初夜の床に入るとき、魚の肝臓と心臓を持って行き、香をたいてその上に置きなさい。そうすれば、においが立ちこめ、 18 悪魔はそれをかいで逃げ出し、二度とあの娘のところには姿を現すことはないでしょう。そして一緒になる前に、まず二人とも立ち上がり、あなたがたの上に憐れみと救いがあるように天の主に祈り求めなさい。恐れることはありません。世の始まる前に、この娘はあなたの妻として定められていたのですから。彼女を悪魔から救い出すのはあなたであり、彼女はあなたと生涯を共にするのです。きっと二人の間に子供たちが授けられ、子供たちはあなたにとって、愛すべき者となるでしょう。心配するのはやめなさい。」 19 トビアは、サラが父の家系に属する身内の娘であることをラファエルから聞くと、彼女を深く愛するようになり、心は彼女に固く結び付けられたのである。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/TOB/6-cfccc3a4dc34c3f3c0d991f07a05f069.mp3?version_id=1819—