神の偉大さと慈しみ 1 永遠に生きている方が、/万物をことごとく造られた。 2 ただ主おひとりが、正しい方である。〔主のほかに正しい者はだれ一人いない。 3 主は、その手のひらの中で世界を動かし、/すべてのものは、その御旨に従う。主こそ、力をもってすべてを治める王であり、/清いものと汚れたものを分けられる。〕 4 御自分の業を告げ知らせる力を、/主はだれにも与えられなかった。だれが、その大いなる業を究め尽くしえようか。 5 その偉大な力を、だれがはかりえようか。だれが、その慈しみを、語りえようか。 6 だれも、それらを減らしたり/増やしたりはできない。だれも、主の不思議な業を/究め尽くすことはできない。 7 人が究め尽くしたと思ったときは、/まだ始まったばかりであり、/途中でやめてしまうと、徒労に終わる。 8 人間とは何者か。その存在の意義は何か。その行う善、その行う悪とは何か。 9 人の寿命は、長くて百年。〔しかし、永遠の眠りは計り難いほど長い。〕 10 大海の中の一滴、砂の中の一粒のように、/永遠という時に比べれば、/この寿命はわずかなものにすぎない。 11 このゆえに、主は、人々に対して忍耐し、/憐れみを彼らに注がれる。 12 主は、人間の惨めな末路を見、知っておられる。それゆえ、豊かに贖いを与えてくださる。 13 人間の慈しみは、隣人にしか及ばないが、/主の慈しみは、すべての人に及ぶ。主は、彼らをいさめ、鍛え、教えて、/羊飼いのように、羊の群れを連れ戻される。 14 主は、教訓を受け入れる者に、/また、主の裁きを熱心に待ち望む者に、/慈しみを施される。 施しをするときは 15 子よ、援助をするときには、相手を傷つけるな。施すときにも、相手をおとしめる言葉を吐くな。 16 朝露は、熱風の季節に安らぎを与えてくれる。言葉の露は施しよりも、効き目がある。 17 親切な言葉は、高価な贈り物にまさるではないか。情け深い人は、両方とも備えている。 18 愚か者は、思いやりがなく、小言ばかり言う。また、恩着せがましい人間の施しには、/だれも目を輝かさない。 事前に準備せよ 19 口を開く前に、よく考えよ。病気になる前に、養生せよ。 20 裁きが来る前に、自らを省みよ。そうすれば、主が訪れる時、お前は贖いを得る。 21 病気になる前に、自らへりくだれ。罪を犯したときは、改心の態度を示せ。 22 誓願は、必ず、期限内に果たせ。それを果たすことを、死ぬときまで延ばすな。 23 誓願を立てる前に、よく準備せよ。主を試す者になってはいけない。 24 お前が死ぬ日に下る主の激しい怒りを思え。また報復のときを心に留めよ。そのとき主は御顔を背けられる。 25 豊かなときには、飢饉のときを思い、/富んでいるときには、貧乏なときを思え。 26 早朝から夕方へと、時は移り、/すべては、主の御前で、速やかに過ぎ去る。 […]
Monthly Archives: September 2018
シラ 19
1 酒におぼれる労働者は、金持ちにはならない。小さな事を軽んじる者は、次第に落ちぶれる。 2 酒と女は、聡明な人の思慮を奪い、/娼婦におぼれる者は、/ますます向こう見ずな人間となる。 3 腐敗と蛆虫こそ、彼が受け取る分け前、/歯止めのきかない心は、彼を破滅に導く。 無駄口を利くな 4 すぐに人を信じる者は、心が浅はかであり、/罪を犯す者は、自分自身を損なう。 5 悪を楽しむ者は、罰を受け、/〔享楽に背を向ける人は、その人生を輝かしくする。 6 口を慎む人は、平穏に暮らす。〕/無駄口を嫌う人は、心の負担が軽くなる。 7 うわさ話は繰り返すな。お前が損をすることは決してない。 8 友人について、また敵について、何も語るな。罪とならないかぎり、人の秘密を明かすな。 9 さもないと、お前の話を聞いた人は、警戒し、/遅かれ早かれ、お前を憎むようになる。 10 うわさを聞いたら、腹の中に納めておけ。安心せよ、それがお前を引き裂くことはない。 11 愚か者は、秘密を抱えるとひどく苦しむ。子を産む女が苦しむように。 12 太腿の肉に突き刺さった矢のように、/うわさ話は愚か者の腹の中に食い込んでいく。 うわさは問いただせ 13 うわさの渦中の友人には、問いただせ。彼は何もしていなかったのかもしれない。何かしていても、二度とはしなくなるだろう。 14 うわさの渦中の隣人には、問いただせ。彼は何も言わなかったのかもしれない。何か言っていても、二度とは言わないだろう。 15 うわさの渦中の友人には、問いただせ。しばしば中傷にすぎないから。うわさは一切信じるな。 16 うっかり口を滑らすこともある。舌先で罪を犯さない者がいるだろうか。 17 うわさの渦中の隣人を脅さず、問いただせ。その後は、いと高き方の律法に任せよ。 18 〔主を畏れることは、/主に受け入れられることの初めであり、/人は、知恵によって主から愛を授かる。 19 主の掟を知ることは、命の教訓を得ること。主に喜ばれることを行う人は、/不死の木の実を楽しみ味わう。〕 知恵とずる賢さ 20 すべての知恵は、主を畏れることにある。すべての知恵には、律法の実践が伴い、/〔また、主の全能についての知識が伴う。 21 召し使いが主人に、/「いやです、その仕事はできません」と言い、/後でそれをやり遂げたとしても、/自分の雇い主を怒らすだけである。〕 22 悪にたけることは、知恵ではない。罪人の忠告に従うことは、賢明ではない。 23 ずる賢い嫌な者もいれば、/無知で分別のない者もいる。 24 理解する力では劣っていても、主を畏れる人は、/思慮に富んでいながら律法を犯す者にまさる。 25 巧妙なずる賢さ、これは不法行為である。自分の正当性を示すために、/あれこれこじつける者もいる。〔裁判で正義を打ち立てようとする知者もいる。〕 26 ならず者が黒の喪服を着て身をかがめても、/その心の中は、欺きに満ちている。 […]
シラ 20
語るにも黙るにも時をわきまえよ 1 とがめるのに適切でない時があり、/黙っている方が、分別を示すこともある。 2 心の中で憤るよりは、とがめる方がよい。 3 過ちを自ら認める人は、恥を免れる。 4 情欲にかられて/おとめを犯そうとする宦官のように、/力ずくで正当性を主張しようとする者がいる。 5 黙っていて、知恵ある人と見られる者もあり、/しゃべりすぎて、憎まれる者もいる。 6 答えられないために、黙っている者もいれば、/時をわきまえて、黙っている人もいる。 7 知恵ある人は、時が来るまで口をつぐむ。ほら吹きと無分別な者は、/時をかまわず、しゃべりまくる。 8 口数の多い者は、嫌われ、/他人の話を奪う者は、憎まれる。〔とがめられて改めるのは、なんと立派なことか。お前は故意に罪を犯さなくても済む。〕 人生には予期せぬことがある 9 不幸な目に遭って、幸せを見つける人もいれば、/思わぬ幸運に巡り会って、損をする者もいる。 10 送り主に何の利益にもならない贈り物もあれば、/二倍になってお返しが来る贈り物もある。 11 名誉を求めて、恥を受けることもあれば、/身分の卑しい人が一躍頭角を現す例もある。 12 わずかな金で多くの物を買い、/後で、七倍も支払う者がいる。 13 知恵ある人は、言葉が少なくても慕われるが、/愚か者は無駄なお世辞を振りまく。 14 分別のない者からの贈り物は、/お前に何の利益ももたらさない。〔けちな人間がしぶしぶする贈り物も同様である。〕/彼は、自分が贈った物より更に多くのものを/期待しているのだから。 15 彼は、わずかな物を贈って、多くの小言を言い、/町の触れ役のように、その口を開く。彼は、今日貸し付けて、明日はその返却を迫る。こういう者こそ、憎むべき人間だ。 16 愚か者は言う。「わたしには友がない。親切にしたのに、何のお礼もしてくれない」と。愚か者のパンを食べる者は、彼の悪口を言い、 17 なんと多くの人々が、/しばしば、彼をあざけり笑っていることか。〔彼は自分の物を正しい心で扱わず、/他人の物も自分の物と区別しないのだから。〕 時をわきまえぬ話 18 口を滑らすよりは、道で滑る方がましだ。口を滑らして、悪人は速やかに没落する。 19 不作法な人間は、場違いの話のようなもの、/教養のない人間が、絶えずそれを口にする。 20 愚か者が語る格言は、何の反応も得られない。彼は、時をわきまえずそれを口にするのだから。 世間体 21 貧しさゆえに、罪を犯さないで済む人もいる。仕事を終えて休むとき、/彼は良心に責められることは何もない。 22 世間体を気にして、身を滅ぼし、/無分別な者に気を遣って、身を滅ぼす者もいる。 23 恥をかきたくないために、無理な約束をし、/いたずらに友を敵に回す者もいる。 うそ 24 うそは、人間にとって醜い汚点、/教養のない人間は、絶えずそれを口にする。 25 絶えずうそをつく者よりも、盗人の方がましだ。だが、両者とも、最後には破滅に至る。 […]
シラ 21
罪を避けよ 1 子よ、お前は罪を犯した。二度と繰り返すな。過去の罪については、赦しをこいねがえ。 2 蛇を避けるように、罪を避けよ。近寄れば、かみつかれてしまう。その歯は、獅子の歯のようなもの、/人の命を奪い取る。 3 あらゆる不法は、両刃の剣のようなもの、/その傷は、いやすすべがない。 4 威嚇と横柄は、富を損ない/高慢な者の家は覆される。 5 貧しい人の口から出る願いは、主の耳に達し、/主の裁定は、速やかに下される。 6 訓戒を嫌う者は、罪人の道をたどる。主を畏れる人は、心の底から、主に立ち帰る。 7 雄弁家の名声は、遠くまで知れ渡るが、/賢い人はその失言をすぐに見抜く。 8 借金して家を建てる者は、/石を集めて自分の墓を建てるようなものだ。 9 無法者の集まりは、麻屑の束。彼らは、燃え盛る火となって絶え果てる。 10 罪人の歩む道は、平坦な石畳であるが、/その行き着く先は、陰府の淵である。 知恵ある人と愚か者 11 律法を守る人は、自分の思いに振り回されない。主を畏れることは、知恵に至る。 12 賢さに欠ける者には、教育の施しようがない。しかし、苦さを含む賢さもある。 13 知恵ある人の知識は、洪水のようにあふれ、/その勧告は、命の泉のようである。 14 愚か者の腹は、壊れた壺のようなもの、/どんな知識もこぼれ出てしまう。 15 身を持するに堅い人は、知恵ある言葉を聞くと、/これを称賛し、更に言葉を添える。放蕩に身を持ち崩す者はこれを聞くと嫌になり、/背後に投げ捨てて顧みない。 16 愚か者の解説を聞くことは、/重い荷物を背負った旅のようなもの、/聡明な人の唇から出る言葉は、人の心を喜ばせる。 17 集会では、分別ある人の意見が求められ、/人々は、彼の言葉を心の中でかみしめる。 18 愚か者にとって、知恵は、/崩れた家のように役立たず、/聡明でない者の知識は、/筋道の通らない話のようにずさんである。 19 頭の鈍い者にとって、教訓は足枷、/右手にかけられた手錠のようなものである。 20 愚か者は、大声で笑い、/賢い人は、笑っても、もの静かにほほ笑む。 21 分別ある人にとって、教訓は金の飾り、/右腕にはめる腕輪のようなものである。 22 愚か者は、すぐに家の中に入り込むが、/経験に富む人は、門前で遠慮深くたたずむ。 23 分別のない者は、戸口から家の中をのぞき込むが、/教養ある人は、外で立って待つ。 24 戸口で聞き耳を立てるのは、/教養のない人間のすること、/分別ある人は、それを耐え難い恥と考える。 25 他人の唇は、これらのことを語る。しかし、分別ある人は、言葉を吟味する。 26 愚か者の心は口にあり、/知恵ある人の口は心にある。 27 […]
シラ 22
怠け者としつけの悪い子供 1 怠け者は、糞で汚れた石と同じで、/だれもが、その汚らわしさをなじる。 2 怠け者は、牛の糞と同じで、/つかんだ者は、だれもが手を振って払い落とす。 3 しつけの悪い子を持つことは、父親の恥、/娘が生まれれば財産は減る。 4 分別のある娘は、良い夫に恵まれ、/恥知らずの娘は、父親の悩みの種となる。 5 厚かましい女は、父親と夫に恥をかかせ、/どちらからも軽蔑される。 6 時をわきまえない小言は、葬式のときに、/にぎやかな音楽を流すようなもの、/だが、鞭によるしつけは、どんなときでも/知恵あるやり方。 7 〔良い生活をして、食べ物に不自由しない子供は、/両親の家柄の卑しさを覆い隠す。 8 人々を侮り、不作法で、横柄な子供は、/自分の親戚たちの良い家柄をも汚してしまう。〕 始末に負えぬ愚か者 9 愚か者を教えるのは、/陶器の破片をつなぎ合わせるようなもの、/また、眠っている人を、/深い眠りから呼び起こすようなものである。 10 愚か者に説明するのは、/うたた寝をしている人に話すようなもの。説明したのに「何のこと」と問う。 11 死者のために泣け、光が消えたのだから。愚か者のために泣け、知性が消えたのだから。死者のためには気持よく泣け、/彼は安息についたのだから。愚か者が生きているのは、死ぬよりも始末が悪い。 12 死者のための嘆きは、七日間続くが、/愚か者や不信仰な者のための嘆きは、/彼らが生きているかぎり続く。 13 分別のない者と長話をするな。物分かりの悪い者を訪れるな。〔彼はよく理解できずに、/お前のことをすべて軽くあしらう。〕/そういう者には気をつけろ。さもないと、やっかいなことになる。彼が身を震わすとき、/その汚れでよごされないようにせよ。彼を避けよ。そうすれば、お前は安らぎを得、/彼の狂気に悩まされることはない。 14 鉛より重い重荷は何か。その名は「愚か者」。ほかにはない。 15 砂や塩や鉄の塊の方が、/物分かりの悪い者よりも、担いやすい。 16 建物にしっかりと組み込まれたつなぎ梁は、/地震に遭っても、外れてしまうことはない。同様に、思慮に富んだ揺るぎない心は、/どんな時にも、くじけない。 17 深い知性に支えられた心は、/滑らかな壁に彫り刻まれた飾り模様のようである。 18 高い石垣の上に置かれた小石は、/風が吹けば、ひとたまりもない。同様に、愚か者の考えにおじける心は/どんな恐怖にも、耐えられない。 友情 19 目を突くと、涙が流れ、/心を突き刺すと、感情が表れる。 20 石を投げると、鳥は飛び去り、/友をののしると、友情は壊れる。 21 友に向かって剣を抜いたとしても、/望みを捨てるな。まだ和解の道はある。 22 友と口論をしたとしても、/心配するな。まだ仲直りの道はある。だが、悪口、高慢、秘密の暴露、だまし討ち、/こういうことをすると、友人は皆逃げて行く。 23 隣人が貧しいときに、信頼を勝ち取っておけ。彼が成功すれば、お前もその幸せにあずかれる。逆境にあるときには、ずっとそばに居てやれ。彼が遺産を継げば、その分け前にあずかれる。〔人はどんなときにも、貧しい境遇を軽蔑したり、/知性に欠ける金持ちを、/称賛したりすべきではない。〕 24 かまどで火が燃える前に、湯気と煙が出る。流血の前には、罵詈雑言が飛び出す。 25 わたしは、友をかばうことを恥とせず、/また、彼の前から身を隠すことは決してしない。 26 彼のせいで、災難がわたしにふりかかれば、/それを聞いた者は皆、彼を警戒するだろう。 […]
シラ 23
1 主よ、父よ、わが命の君よ、わたしを見放さず、/唇の思いどおりにさせないでください。唇のために過ちに/陥らないようにしてください。 2 だれが、わたしの思いに鞭を当て、/わたしの心に知恵の訓練を施してくださるのか。わたしの過失を容赦せず、/思いと心との罪を決して見逃さないために。 3 そうすれば、わたしの過失は増すことなく、/罪が増えることもありません。また、わたしは敵対者の手に陥らず、/敵に笑われることもありません。〔彼らにとって、あなたの憐れみを受ける望みは、/遠い先のこと。〕 4 主よ、父よ、わが命の神よ、/わたしにみだらな目を与えないでください。 5 わたしから情欲を遠ざけてください。 6 食欲や色欲のとりことせず、/恥知らずな欲情に引き渡さないでください。 口の利き方についての教訓 誓い 7 子らよ、口の利き方についての教訓を聞け。これを守る者は、決して災いに陥らない。 8 罪人は自分の唇で罠に陥り、/ののしる者や高慢な者は、唇によってつまずく。 9 むやみに誓いを口にするな。みだりに聖なる方の御名を呼ぶな。 10 絶えず鞭で問いただされている召し使いには、/生傷が絶えないように、/むやみに誓いを立て、御名を呼ぶ者は、/決して、罪から清められることはない。 11 数多く誓う者は、不法に満ち、/鞭がその家からなくなることはない。誓いに背けば、彼はその罪を負わねばならず、/誓いを無視すれば、二重の罪を犯すのだ。偽りの誓いを立てるなら、その罪は赦されず、/その家は、苦悩で満たされる。 みだらな話 12 死と肩を並べるほどの話し方がある。それは、ヤコブの子孫の間にあってはならない。主を信じる人は、そのような話し方を一切退け、/罪に巻き込まれることはない。 13 下品でみだらな話をする癖をつけるな。そういう言葉を吐くこと自体が、罪なのだから。 14 お前が上に立つ人たちの席に連なるときには、/父と母とを思い出しなさい。さもないと、彼らの前で我を忘れ、/いつもの癖が出て愚かなふるまいをしてしまう。そして生まれない方がよかったのに、と思い、/お前は自分の生まれた日を呪うだろう。 15 下品な言葉遣いに慣れきっている者は、/生涯、その癖を直すことはできない。 みだらな男 16 罪に罪を重ねる二種類の人があり、/第三の種類の人間は、神の怒りを招く。燃え盛る火のような熱い情欲は、/燃え尽きるまで、決して消えない。みだらな人間は、自分の体を肉欲に任せ、/火が彼を焼き尽くすまで、/とどまることを知らない。 17 女好きの人間には、/どんなパンでもおいしく、/死ぬまで、これに飽きることはない。 18 自分の寝床を抜け出す男は、/心の中で言う。「だれが見ているものか。周りは暗闇だし、壁がわたしを隠している。だれも見ていない。何を恐れる必要があろうか。いと高き方は、わたしの罪など、/少しも気に留めはしない」と。 19 彼が恐れるのは、人の目だけである。彼は知らないのだ。主の目は、/太陽より一万倍も明るく、/人間のすべての歩みを見極め、/隠れたところまでも、お見通しであることを。 20 万物は、創造される以前から主に知られ、/また、その完成の後も、同様である。 21 こういう男は、町の大通りで処罰され、/彼が思いもかけなかった所で、捕らえられる。 みだらな女 22 夫を顧みず、よその男によって/世継ぎをもうける女も、同様である。 23 第一に、こういう女はいと高き方の律法に背き、/第二に、夫を裏切り、/第三に、みだらにも姦淫を行い、/よその男によって子をもうけたからである。 24 こういう女は、会衆の前に引き出され、/その子供たちにも、罰が及ぶ。 25 その子供たちは、根づくこともなく、/枝を張って実を結ぶこともない。 […]
シラ 24
知恵の賛歌 1 知恵は自分自身をほめたたえ、/その民の中で誇らしげに歌う。 2 いと高き方の御前での集会で知恵は語り、/天の万軍を前に誇らかに歌う。 3 「わたしはいと高き方の口から出て、/霧のように大地を覆った。 4 わたしは高い天に住まいを定め、/わたしの座は雲の柱の中にあった。 5 ひとりでわたしは天空を巡り歩き、/地下の海の深みを歩き回った。 6 海の波とすべての地と、/民も諸国もすべて、わたしの支配下にあった。 7 それらすべての中に憩いの場所を探し求めた、/どこにわたしは住もうかと。 8 そのとき万物の創造主はわたしに命じた。わたしを造られた方は/わたしが憩う幕屋を建てて、仰せになった。『ヤコブの中に幕屋を置き、/お前はイスラエルで遺産を受けよ。』 9 この世が始まる前にわたしは造られた。わたしは永遠に存続する。 10 聖なる幕屋の中でわたしは主に仕え、/こうしてわたしはシオンに住まいを定めた。 11 また、主はその愛する町にわたしを憩わせ、/わたしはエルサレムで威光を放つ。 12 わたしは栄光に輝く民の中に、/わたしのものとして主が選び分けた民の中に、/根を下ろした。 13 わたしはレバノンの杉のように、/ヘルモン山の糸杉のように大きく育った。 14 エン・ゲディのしゅろのように、/エリコのばら、/野にある見事なオリーブの木、/すずかけの木のようにわたしは大きく育った。 15 肉桂やアスパラトの木のように、/最上の没薬のように、/わたしは良い香りを漂わせた。ヘルベナ香、シェヘレト香、ナタフ香のように、/また、幕屋に立ちこめる乳香の香りのように。 16 わたしはテレビンの木のように枝を広げた、/壮大で優美な枝を。 17 わたしはぶどうの木のように美しく若枝を出し、/花は栄光と富の実を結ぶ。 18 〔わたしは美しい愛と畏れとの母、/また知識と清らかな希望の母であって、/神から召された者、すべてのわたしの子供たちに、/代々に自分自身を与え続ける。〕 19 わたしを慕う人たちよ。わたしのもとに来て、/わたしの実を心行くまで食べよ。 20 わたしを心に覚えること、それは蜜よりも甘く、/わたしを遺産として受け継ぐこと、/それは蜂の巣から滴る蜜よりも甘い。 21 わたしを食べる人は更に飢えを感じ、/わたしを飲む人は更に渇きを覚える。 22 わたしに従う者は辱めを受けず、/わたしの言うことを行う人は罪を犯さない。」 知恵と律法 23 これらすべてはいと高き神の契約の書、/モーセが守るよう命じた律法であり、/ヤコブの諸会堂が受け継いだものである。 24 〔主に支えられて常に雄々しくあれ。主に寄りすがって離れるな、/主は力を与えてくださる。主は全能で唯一の神。主のほかに救い主はない。〕 25 律法は、ピション川のように、/初物の季節のチグリス川のように、/知恵であふれている。 26 律法は、ユーフラテス川のように、/収穫の季節のヨルダン川のように、/理解力をあふれ出させる。 27 […]
シラ 25
称賛に値する人たち 1 わたしを大いに喜ばす三つのもの、/それは主にも人にも麗しい。仲よく暮らしている兄弟、/友情で結ばれた隣人、/仲むつまじい夫婦。 2 わたしの嫌いな三種類の人、/その生き方にはたまらなく嫌気がさす。横柄に物乞いをする者、/うそつきの金持ち、/分別を失った、みだらな老人。 3 若いとき知恵を身につけずに、/年老いてからどうやってそれを手に入れるのか。 4 健全な判断は年輪を重ねた者に、/確かな勧告は長老にふさわしい。 5 知恵は年を経た者たちに、/理解力と忠告は尊敬すべき年寄りにふさわしい。 6 豊富な経験こそ老人の冠であり、/主を畏れることこそ彼らの誇りである。 7 わたしが幸運だと思う九種類の人がいる。十番目の人がいないわけではないが。自分の子供を誇りに思える人。生き永らえて、敵の没落を見届けられる人。 8 思慮深い妻を持つ人、/口を滑らせて失敗することのない人、/自分より劣る者に仕えなくてもよい人、/こういう人々は幸いだ。 9 分別を身につけた人、/聴く耳を持つ者に語ることのできる人。こういう人々は幸いだ。 10 更に偉大なのは知恵を身につけた人。だが、主を畏れる人はもっと偉大だ。 11 主を畏れることはすべてにまさる。主を畏れて生きる人に比べられる者はいない。 12 〔主を畏れることは主を愛することの初め、/信仰は、主に依り頼むことの初めである。〕 悪妻と良妻 13 あらゆる傷の中で、/心の傷ほどいやし難いものはない。あらゆる悪意の中で、/女の悪意ほど耐え難いものはない。 14 あらゆる災いの中で、/わたしを憎む者から受ける災いほど、/また、あらゆる復讐の中で、/敵から受ける復讐ほどひどいものはない。 15 蛇の頭よりも恐ろしい頭はない。女のかんしゃくほど始末に負えないものはない。 16 獅子や竜と住む方が、/悪妻と暮らすよりはましである。 17 悪意に満ちた女はその形相が変わり、/顔つきは熊のように不機嫌になる。 18 彼女の夫は近所の家に行って食事をし、/思わず知らず、つらそうなため息をつく。 19 たちの悪い妻ほど始末に負えないものはない。そういう女は、罪人の運命を、たどるがよい。 20 物静かな夫が口やかましい妻と暮らすのは、/まるで老人がその足で砂丘を登るようなものだ。 21 女の美貌に夢中になるな。女におぼれるな。 22 妻が夫を養おうとすれば、/夫は腹を立て、面目を失い、/大いに屈辱を覚える。 23 悪妻は、夫の気持を卑屈にし、/顔つきを憂うつにさせ、/心を傷つける。夫を不幸にする妻を持つと、/手は萎え、ひざが弱る。 24 女から罪は始まり、/女のせいで我々は皆死ぬことになった。 25 水槽の水漏れをほうっておくな。悪妻に言いたいほうだい言わせるな。 26 妻がお前の指図に従わないなら、/彼女と縁を切れ。 —https://cdn-youversionapi.global.ssl.fastly.net/audio-bible-youversionapi/531/32k/SIR/25-ff6562f7d00aeb86b7c2cf06fb0b9d99.mp3?version_id=1819—
シラ 26
1 良い妻を持った夫は幸福である。彼の寿命は二倍になるだろう。 2 しっかり者の妻は夫を喜ばせ、/彼は平穏無事に生涯を送る。 3 良い妻はすばらしい賜物。主を畏れ敬う者に与えられる賜物である。 4 その人は豊かなときも貧しいときも心楽しく、/顔つきはいつも晴れやかだ。 5 わたしの心は次の三つのものに悩まされるが、/四番目のものには顔を向けるのさえ恐ろしい。町の人たちからの中傷、烏合の衆の雑言、/誹謗、これらは死より忌まわしい。 6 心を痛ませる悩みの種は、/夫をめぐる女どうしの嫉妬。その舌のもたらす災いはすべての人に及ぶ。 7 悪妻は緩んだ牛の軛のようなもの。彼女を制することは、さそりをつかむようなもの。 8 大酒を飲む妻は夫の激しい怒りを招き、/その恥知らずな行為をさらけ出す。 9 身持ちの悪い女はみだらな目と、/流し目でそれと分かる。 10 わがままな娘は厳しく監視せよ。自由にさせると勝手にふるまうようになる。 11 その恥知らずな目つきには警戒せよ。彼女がお前を挑発しても驚くな。 12 のどの渇いた旅人が口を開けて、/どんな水でも手当たりしだいに飲むように、/男と見ればだれにでも身を任せ、/矢筒を開いて矢を入れる。 13 優しい妻は夫を喜ばせ、/彼女の賢さは夫を健やかにする。 14 物静かな妻は主からの賜物、/賢い妻は何ものにも比べられない。 15 しとやかな妻は優しさにあふれ、/彼女の慎みは計り知れないほど貴重なものだ。 16 主のおられるいと高き天に輝く太陽のように、/よく整えられた家にいる妻は美しい。 17 聖なる燭台から燃え上がる光明のように、/健康な体を備えた妻の顔は美しい。 18 銀の台座に据えられた黄金の柱のように、/強い足首を持つ均整の取れた脚は美しい。 19 〔子よ、若いときから健康に留意せよ。余計なことにお前の力を費やすな。 20 すべての平地を巡って、肥沃な土地を求めよ。家を誇りとし、お前の種を蒔きつけよ。 21 そうすれば、お前の子孫は、末永く続き、/立派な家柄を誇って大いに繁栄する。 22 売春婦は、唾をかけられて当然であり、/人妻との浮気は死への落とし穴である。 23 律法に背く者には、不信仰な妻が与えられ、/主を畏れ敬う者には、信仰深い妻が与えられる。 24 恥知らずな妻は、放縦な生活にうつつを抜かし、/慎み深い娘は、夫に対してもしとやかである。 25 身勝手な妻は、あたかも犬のようであり、/貞節な女は、主を畏れ敬う。 26 夫を尊敬する妻は、皆から賢い女と見られ、/夫を軽蔑する高慢な妻には、/不信仰な女だと醜聞が立つ。良い妻を持つ夫は幸福である。彼の寿命は二倍にもなるからである。 27 声高でおしゃべりな女は、/戦場で鳴り響く進軍ラッパのようであり、/このような女を妻にする男はだれでも、/戦争の混乱の中で生涯を送るようなものだ。〕 不正 […]
シラ 27
1 多くの者たちは、利益を求めて罪を犯し、/裕福になろうと躍起になっている者は、/悪いことにも目をつぶる。 2 石と石との間にくいが打ち込まれるように、/物の売り買いには、不正行為が入り込む。 3 心から主を畏れ敬わなければ、/その家は、驚くほど急速に落ちぶれていく。 言葉と心の思い 4 ふるいを揺さぶると滓が残るように、/人間も話をすると欠点が現れてくるものだ。 5 陶工の器が、かまどの火で吟味されるように、/人間は論議によって試される。 6 樹木の手入れは、実を見れば明らかなように、/心の思いは話を聞けば分かる。 7 話を聞かないうちは、人を褒めてはいけない。言葉こそ人を判断する試金石であるからだ。 真実 8 正しくあろうと努めるならお前はそうなれるし、/祭服のように足もとまで正しさを身にまとう。 9 鳥が類を求めて群れて休むように、/真実も、それを行う者たちの所へ戻って来る。 10 獅子が獲物を待ち伏せるように、/罪も、不正を志す者を待ち伏せる。 愚か者の話 11 信仰深い人の話には、常に知恵がある。愚か者は、月の形のように変わる。 12 良識を欠く者たちとは時を過ごすな。思慮に富む人たちとは、長くいるようにせよ。 13 愚か者の無駄口は不快感を与え、/彼らは、罰当たりなことを笑い楽しむ。 14 みだりに呪う人の話には、身の毛がよだち、/彼らの言い争いには耳を覆いたくなる。 15 高慢な者たちの争いは流血ざたとなり、/彼らのののしり合いは耳に不快だ。 秘密を漏らすこと 16 秘密を漏らす者は信頼されなくなり、/心を寄せてくれる友人を持つことはできない。 17 友人を愛し、彼を信じて近づけ。しかし、彼の秘密を漏らしたならば、/彼の後を追い回すな。 18 人が知人を死によって失うように、/お前は隣人の友情を失ったからだ。 19 お前は手から小鳥を逃がすように、/隣人を去らせたのであり、もはや元には戻せない。 20 彼の後を追い回すな。彼ははるか遠くに去り、/罠を逃れたかもしかのように逃げてしまった。 21 傷は包帯で手当てでき、/侮辱には仲直りの道がある。しかし、秘密を漏らせばもう望みはない。 偽善的行為 22 目をそらす者は、悪事をたくらんでいる。それを見た者は彼を敬遠する。 23 彼はお前の目の前でうまいことを言い、/お前の語る言葉に大げさに感嘆してみせる。しかし、陰では別なことを言い、/お前の話を種にしてお前を陥れるのだ。 24 わたしには嫌いなものが数多くあるが、/そのようなやからほど嫌なものはない。主もまた、彼を嫌われるであろう。 25 上に向かって石を投げれば頭の上に落ちてくる。だまし討ちをすれば自分も傷つく。 […]